87 / 122
87.ロシアンポーション作りで大絶叫?
しおりを挟むただ今師匠の所でロシアンポーションを作成中でございます。
「師匠は何味だったら嫌ですか?」
「そうねぇ……生臭いのは嫌かもね……」
生臭い……生臭い……魚の腐った感じ?
ヨシ、生魚を思い浮かべて……
ポワン
「出来ました!──って、ゔぇ!くさっ」
「ちょっ!早く移して……くっさ……蓋!!」
急いで瓶に移して蓋をギュッと閉めます。
「はぁはぁ……く、臭かった……」
「リリィ…アンタ……何てモノ作るのよ……正気の沙汰じゃないわ……」
あはは……と愛想笑いで誤魔化して……。
うーん、悶絶系のモノはコレとあとはワサビ辛いやつにしよう。
ポワン
「師匠、これ舐めてみて下さい」
「アンタ……人を実験台にするつもり……?」
「えー?違いますよ?私は慣れ親しんだ感じなので、初めての人にはコレはどうかな?って思って」
「……ふぅん?どれ……」
師匠がペロリとワサビポーションを舐めた。
「───!!!!!!」
フワリと髪が逆立って師匠の姿が消えました。
するとキッチンの方からドンガラガッシャーン!と物が引っくり返る音が鳴り響いて
「──リリィッ!!!!」
がなり声が聞こえてきます。
えへ、大分いい感じの反応でした!
「師匠~キッチンにイチゴミルク味のがあるのでお口直ししてくださーい!」
よし、あとは酸っぱい系があれば問題ないね!
ポワン
「キタキタ!!匂いが超スッパ系!!」
お酢味のポーション完成。
「ししょー!!これも試飲お願いしたいんですけど~?」
すると、バンッという音がして師匠の気配が消えました。
「──逃げましたね……。じゃあ、ロウーセルーネスルーラスクーいないのーー?」
いつもなら呼べばすぐ来てくれるのに、今日ばかりは出てきてくれません。
「オーベーローン!!」
オベロンも来てくれない……。
うーん、仕方ないか~。
とりあえず美味しい方も作って……と
……味だけだとつまらないかなぁ。
あ、イタズラ系のポーションって作れるかな?
例えば……何か生えてくる?
あ、ネコ耳とか?尻尾?ネコ耳&尻尾だと男性陣は嫌がりそう!!
ヨシ、ちょっと試してみようかな。
味は…まあ美味しい感じにして、ネコ耳&尻尾、ネコ耳&尻尾、ネコ耳&尻尾……
ポッポワンッ
「……できた?」
とりあえず名付けて【変身ポーション】!!
誰か試し……誰も居ないんだよなぁ……。
ヨシ、自分の作ったモノは自分で責任を取ろう。
匂いを嗅いでみると、結構いい匂い。
ミックスジュースみたいな感じかな?
……飲んでみます。
女は度胸よ!!!!
ゴクゴクゴク……
あ、マジでミックスジュースだわ。美味しい!
アレ?アレレ?何か視界が急に低くなってきた……?ん?んん??
───え?
ちょっと待って、ちょっと待って!!
何で?制服がこんなアレ?手が……足が……
なんで
───私
──────なんで手が……白い…毛だらけ?
───っとりあえず、鏡、鏡、鏡を持て───い!!
──え?
アレ?アレレ??
何で白猫がこんな所に?
───って私!?
手を上げて……足を上げて……くるりと一周して……
あー、はいはい。
そういう事ね。
ネコ耳&尻尾って念じすぎた……かな?
うん。でもこんな経験できないし、ちょっと楽しいかも??
いつ戻るのか……わからないのは不安だけど……ココでじっとしてても仕方ないし……。
ヨシ、お出掛けしましょう!!
まずゲートで一度学園に戻って、最悪部屋に閉じこもっておいて師匠に何とかしてもらおう。
◇◇◇
部屋に戻って来たはいいけど、どうやって外出るのよ?扉は……こんなネコの姿じゃ開かないでしょ?
うーん、やっぱり師匠の所に戻る?でもあの森をこの姿でうろつくのは何となくだけど危険な気がするんだよなぁ……。
──コンコン、ガチャッ
え?扉開いた!?なんで?
「リリィ様?は鉄の森の魔女様の所ですか?」
あ、ニナか。
お願いしてたお菓子持って来てくれたんだ。
「お会いできないか~。残念……手紙だけ置いて行こう」
後ろ手に扉を閉めようとする所にスルリと入り込んで脱出成功!!
なるべく気配を消して……そっと寮内から外に出ます。
隠れたりジッとしたりしながらやっと外に出れました!!
さて、今からどうしようかな?
ネコにしかできない事とかって何だろう。
とりあえず……木に登ろう。
ダダダッと勢いをつけて登る。
あー、木登り久しぶりぃ!!
お母様に禁止されてたんだもんね!!
ヒャッハー!!
ヤバイ楽しい!!
木の枝の間にちょうど座れるくらいのスペースもある。
ヨシ、必殺!香箱座り!!
はわ~なんか気持ちいい~
陽射しもいい感じで暖かいし……
ポカポカ……
…………
バンッ!!
───!!
いきなり木が揺れて驚いた!!
ちょっとばかりウトウトしていたから余計に……心臓がバクバク……。
下を見ると見た事のあるピンク頭の人がコッチに手を伸ばしていた。
「ネコちゃーん!大丈夫?降りれなくなっちゃった?」
そこにいたのは今学園内の噂の的のエリーズ・ルグラン男爵令嬢その人だった。
「ネコちゃーん!ネコちゃーん!」
えぇ……?別に降りれなくてココに居るわけじゃないんだけど……。
しかもさっきのバンッていう衝撃で驚いて逆に動けなくなったんですけど……。
「チッチッチッ、ネコちゃーん?大丈夫ー?今助けに行くよ!!」
え!?ちょ、このひと登るつもり?
曲がりなりにも男爵令嬢!!ダメでしょ!!
降ります降りますよ!!
スクッと立ち上がって木に沿って垂直にダダッと降りた。
「あれ?降りれたんだ!良かった!降りれなくなっちゃったやつかと思ったよー!!」
ん?良かれと思ってやってくれたのかな?
「よくさーやってたんだよねネコが降りれなくてハシゴ車到着!!みたいなの」
ん?んん??
「良かったねーどこからきたのかにゃー?」
抱き上げようと手を伸ばしてくるが流石にそれはちょっと……と少し離れた。
「ありゃ?大丈夫なのかにゃ?白くてふわふわのネコちゃん」
だ、大丈夫です……
エリーズさんは意外といい人なんじゃないかなぁ……。
今度ちゃんと話してみたい気もする。なんか前も思ったけどなんとなく親近感も湧くんだよね……。
元々町で育ったからなのか貴族令嬢っぽさが無いから余計にそう思うのかもしれないけど……。
うん、今度見かけたら声かけてみよう。
でもそのワキワキした手はいやなので……
「ニャー!」
タッとエリーズさんの元から走り去ると、少し残念そうな顔をしたエリーズさんが見えて、ちょっとかわいそうな気分になりました……。
でもね、ああいう手の動きをする人は力任せに撫でるんだよね……顎の下が気持ちええんやろ!ってムリクリ撫でたりするんだよ。
それに今はネコの姿だけど人間だし。
タタタッと走ってさっきの場所からは大分離れたので、ルンルンと軽快に学園の方へ歩いていると後ろからガシッと身体を掴まれて持ち上げられた!!
ちょ、今度は誰よ!!
やめて~!!下ろして~!!!
1
あなたにおすすめの小説
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる