乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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109.とりあえず帰ろう!!

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 「あの、よくわからないのですが……私がトレファス王国に行く事は死んでもありません」


 レオがキッパリと断った。

 
 「──レオ様っ!! でも私とトレファスに来てくだされば王女の婿として王族の一員になれますわ!! それに貴方にツライ思いはもうさせませんし!!」
 「マリア王女、私はツライ事等一つもございません……」
 「レオ様は魔力や契約精霊の事で悩んでらっしゃるのでしょう? 私が一緒に解決して差し上げますから」
 「……セリカ、シエル出てこれる?」

 
 レオは契約精霊の光と闇の精霊を呼び出すと両肩に乗った精霊達をヨシヨシと撫でるとトレファス妹に向かって話し始めました。


 「私の契約精霊はこの二人。誰に聞いたのか分かりませんが幼少時は悩んだりもしましたけど今はこの通り二人にはとても助けられていますし、良い関係を作れています。魔力も完全に支配下にあるのでこの年代では最強とお墨付きを頂いています」


 レオの肩からセリカとシエルがフワリと飛び上がりトレファス妹に近付き

 『アナタ、レオの事勘違いしてるわよ?』 
 『うん、レオはもうそういうのは全て乗り越えたよ?』


 二人は誇らしげに飛び回ってトレファス妹を見下ろしていた。


 「──っな!! なんで!? だってまだゲーム始まってすぐじゃん!? おかしいって!!」
 

 ──ゲーム?? 

 
 『フンッ! でもとりあえずオレはこの精霊姫の……』


 あら危ない。魔のモノが拘束魔法かな? すごい近距離で打ってきたけど拡散しといて、もう一回今度は強めにデコピンをおみまいします!! 


 ベシッ!!


 『──っっな!!』

 すると、やっぱりトレファス兄から魔のモノが飛び出してきました。


 「あ、良かった出てきた。セナ様拘束しますか?」
 「──お願いできますか?」
 「レオはトレファス兄本体の方宜しく。セナ様は妹の方を……」


 そう言いながら心の中で拘束魔法を唱えます。


 【キャプティヴィティ】


 魔のモノはウゴウゴして身動きが取れなくなり大人しくなりました。

 
 「──っっここは?」
 

 トレファス兄が意識を取り戻し周りを見回すとすぐに状況を把握したのでしょう。さすが王子ですね。

 「──マリア、どういう事か説明を」
 「ヒィッ!! お兄様……えと……」
 「マリア!!」
 「だって!! 今だったらまだレオ様の攻略終わって無いだろうし私にだってチャンスはあるはずでしょう!? セカンドシーズンなんてファーストが終わった後の人物になったって、レオ様とは会えないじゃない!!」
 「マリア!! またお前はそんな夢物語を現実と履き違えて!! そんな事で国に迷惑を掛けてどうなるか考えた事があるのか!!」
 「──だって」


 はぁ……とトレファス兄は盛大な溜息を吐き、私達に頭を下げた。

 
 「本当に申し訳ない事をしてしまいました。我が妹ながら頭が痛い……許される事ではないと分かっております。いかなる罰をも受けます」

 
 王子が何度も頭を下げている。簡単に頭を下げる事が出来ない王族なのに何度も何度も。

 
 「……とりあえず出ましょうか」
 
 
 セナ様の一声でとりあえず外に戻る事になった。トレファス兄は妹をキツク睨んで腕を掴んでいる。セナ様の腕には魔のモノが。そして私はレオの手を握って歩きはじめた。

 トレファス妹の口から出てきた言葉が気になる所です。だけど兄の方は夢物語? って言っていたけど……リアルすぎる前の世界の言葉……だよね? あれって……

 え? て事は……トレファス妹も前の世界の記憶が? …………。


 うん。分からないや。
 とりあえず外に出て新鮮な空気吸って、この後どうするか決めてもらって……から考えようかな。
 
 疲れちゃったし……はぁ……。


 ツラツラと頭の中で考えていたらレオがギュッと手を握ってくれた。


 「リリィ、大丈夫だよ。後は皆さんにお任せちゃおう?」

 ペロッと舌を出してイタズラッ子みたいな顔をしてレオが笑った。


 「丸投げ……??」
 「そうそう、丸投げ。対応できる人がしたら良いでしょ。これはオレ達にはどうしようもない案件」


 ギュッと手を握り返してレオを見つめたらフフッと笑ってた。


 「リリィのおかげでオレはオレでいられるようになったんだ。リリィと一緒に居られなくなるなんて考えられない……」


 握り合っていた手を持ち上げてレオは私の手にキスをした。

 
 「──レオ、……私」 
 「ハイハイ、お二人さんも!! 一緒に出ないともう一度ボスと戦う事になるよ!!」


 パンパンッと手を叩く音でハッと意識が外に向いた。

 私!! 今何を言おうとした!?
 セナ様が声を掛けて来なかったら……気持ち……伝えてしまいそうだった……。


 は、恥ずかしい!!


 「あ、すみません。すぐ行きます。リリィ、行こう?」
 「あ、……うん、えへへ……」
 
 
 魔法陣に全員が乗り外に戻れた。

 外に出ると王宮騎士団と王宮魔導士達が来ていてテオ達を中心に話し合いとりあえず王宮に戻る事になった。


 「リリィ達は何で戻る? 一緒に馬車でもいいぞ?」
 「テオ、えーと、私はとりあえず自分で戻るから先に行ってくれて大丈夫よ」
 「レオは?」
 「リリィが残るならオレも残って自分で帰るからいいよ」
 「そうか戻ったら王宮に来てくれ。じゃあ後で」

 
 ヒラリと手を振ってテオが馬車に乗り込んで王宮へと急いで戻って行った。
 トレファス兄妹は騎士団の監視の元馬車に乗り込み、魔のモノは私をジーッと見つめながらセナ様に拘束されたまま去って行った。



 「……なんか疲れちゃったね」
 「そうだね、急に色々あったからね」

 
 隣に立つレオの方を見上げると、ん? とトロリと溶けそうな瞳で見つめてきた。
 
 
 ──そうだった。
 色々あってめちゃくちゃになってたけど……私……レオに……

 思い出した途端に恥ずかしくなって、顔がボンッと熱くなってしまった。


 「リリィ……」


 レオが真剣な顔で見つめてきた。




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