ベストナイン

秋本シラキ

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第18球 夏の予選、開幕

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ついにこの日がやってきた。俺達はこの日のためにずっとずっと頑張ってきた。毎日練習して、毎日大量の汗をかき、家に帰ったら疲れてすぐに寝てしまう毎日だった。



それがあったから、今日を迎える事ができたんだと思う。俺は今日、今まで努力してきたものをすべてぶつけるつもりで、マウンドに向かう!



1回戦の相手は大和高校。この高校は予選にはよく顔を出すのだが、なかなか甲子園に出場できない学校である。



試合前、北原監督がゲキをとばした。

監督「よーしみんな、今日は昭和高校の野球部に、いや、昭和高校に歴史を残しましょう!!」

ナイン「ハイ!!!」



全員気合が入っていた。



そして監督からスタメンが発表されたが、初の練習試合からの不動のオーダーである。毎試合勝てるんだから、いじる必要が無いってことだね。



そして、いよいよプレイボールの時がやってきた。1回の表、1番真澄が打席に向かう。

八木っちょ「よーし真澄ー!いけー!」

泰彰「かっとばせー!」

パル岡「まずは真澄の出塁だーー!!」



また、応戦席では・・・

幸希「はい!それではみなさん!まずは我が昭和高校ナインの誇れるトップバッター、真澄君にかっとばしてもらいましょーー!!」

莉緒「みなさん応援よろしくお願いしまーーす!!」

応援団「イエーーーイ!!!」

幸希「それではいきますよー!かっとばっせかっとばっせま!す!みー!」



幸希と莉緒が学ランを着て、みんなを引っ張っていた。二人の声はとても気合が入っていて、ベンチまで聞こえてた。



真澄は打席に向かう途中、いったんベンチに戻った。

監督「ん??どうした??」



すると真澄は監督にこう言った。



真澄「監督・・・・・俺、革命起こしてきます!!」

監督「か、革命!?よし、いってこい!」

真澄「ハイ!!」



真澄は一体何をしでかそうとしているのか!?そして真澄が打席に立った。

審判「プレイボール!!」



この日は幼馴染のよこちんや、しまこ・さいち・歩が応援にかけつけいた。幸希・莉緒に合わせて応援していた。

よこちん「真澄・・・打って!!」



相手の先発は大和高校のエース・川島。川島は真澄に開幕の球を放った・・・・・



効果音「カキーーーン!!!」



監督「え!?」

純「おーーー!!!???」

ヨウマ「な、なんとなんと!!??」



真澄の打球は勢いよく飛んでいった!

浩一「ま、まさか・・・・・」

ぴな「開幕初球先頭打者ホームラン!!??」



真澄は右手を高々とあげ、人差し指を天に向かって突き上げた。そして打球は、右中間スタンド中段まで飛んでいった!!見事な開幕初球先頭打者ホームランである!

よこちん「わ~~い!!やった~~!!」

しまこ「す、すっご~~い!!」

さいち「わ~~お・・・」

歩「い、いきなり!?」



昭和高校は真澄の一発で幸先よく1点を先制した。

監督「か・・・革命だ・・・」



これにより、応援席が沸いた。

幸希「真澄君やりましたーーー!!!」

莉緒「さすが我らのトップバッターです!!」



また、ブラスバンド部は・・・

中ちゃん「こ、これから曲を演奏しようと思ってたのに(笑)」

さくら「ちょっとウケるわね(笑)」

不意を打たれたような気分になっていた(笑)



ベンチに戻ってきた真澄は皆から祝福された。

監督「よくやった!」

ヨウマ「真澄すごいよ!」

セオス「俺より先に打ちやがったな!(笑)」

一郎「感動した!」

木村「先輩すごいっす!」

田村「やりましたね!」

真澄「みんな、ありがとう!さぁ今度はみんなが打つ番だよ!」



真澄はそう言って椅子に座った。



一方、打たれた川島は、呆然としていた。

川島「な・・・・・なんで??・・・」



真澄は初球にストレートが来るのを完璧に読んでいたのだった。

川島「読まれてたかなーー・・・」



しかし、相手はエース。いきなり一発を打たれたことにより、目を覚まし始めてしまう。



バッターは2番大我。



効果音「ビュン!!」

審判「ストライク!バッターアウト!」



3番純も・・・



効果音「ビュン!」

審判「ストライク!バッターアウト!」



なんと、二者連続で見逃し三振に倒れてしまった!

純「くっそ~~!!次こそは打ってやる!」



2アウトランナー無し。さぁ、打席に向かうのは・・・・・



セオス「友香さん・・・・・俺、絶対打ちます!」

パル岡「いっけ~~~!!!」



最も頼れる男、4番セオスだ!

ヨウマ「頼むぜ~~!!」



そして、その友香さんは・・・・・



友香「セオス君!打って!」

1年振りに応援に来ていた。

セオス「よ~~し!やるぞ!俺はやるぞ!」



セオスは打席へ向かった。応援団も応援に力が入るところだ。

幸希「さ~~ここで4番瀬尾君ですよ~!みなさんしっかり応援よろしくお願いしまーーす!!」

莉緒「ここで彼に打ってもらいましょーー!!」

幸希「ホームラン!ホームラン!瀬ー!尾ー!」



川島はセオスに初球、カーブから入った。



セオスは見逃した。

審判「ストライーーク!!」

セオス「ちっ!カーブか!」



予想がはずれたみたいだ。続いて、シンカーが来た。



効果音「ブン!!」

審判「ストライク!」

セオス「なっっっ!!!・・・」



空振りしてしまい、追い込まれてしまった!

ヨウマ「セオスーー!!肩の力抜けーー!!」

ぴな「セオスなら打てるよーー!!」



セオスは一度深呼吸し、3球目を待った。

セオス「来い!!」



しかし!・・・・・



効果音「ビュン!!」

セオス「何!!??」



川島は150キロ近いストレートを放った!

審判「ストラーイク!バッターアウト!」

セオス「な・・・馬鹿な・・・」



なんとなんと!三者連続見逃し三振に倒れてしまった。

川島「俺を甘く見るな!」



セオスはがっかりした。

セオス「か~~~!!!友香さんの目の前で、俺は何をやってんだ!・・・く~~(泣)」



すかさずナインが励ます。

真澄「大丈夫だよセオス!次は絶対ホームランだよ!」

純「お前は安打3本のうち1本がホームランなんだから、大丈夫!次は打てるって!」

浩一「そんな1回三振したぐらいでがっかりすんなって!」

セオス「みんな・・・ありがとう・・・」



セオスは気持ちを切り替え、ファーストの守備についた。

セオス「友香さん・・・次は打ちます!」



一方、友香さんは・・・

友香「あちゃ~~、残念!でも、私は信じてるからね!」

友香さんはセオスが絶対ホームランを打ってくれることを信じていた。



1対0、昭和高校が真澄の鮮やかな先頭打者ホームランで1点を先制。そして1回裏、俺がいよいよマウンドに上がる時がやってきた。

よこちん「ヨウマーーー!!!」

さいち「とうとうやってきたわね!」

歩「私達が誇れるエースの出番ね!」

しまこ「あ~~楽しみね!」



ベンチから監督のゲキが飛ぶ。

監督「ヨウマーーー!!!しっかり腕振ってけよーー!!」



そしてキャッチャーのパル岡からも声をかけられた。

パル岡「ヨウマ、俺のサインを信じて、思いっきり投げ込め!今日は絶対勝とう!」

ヨウマ「おう!お前のリードのおかげで、俺の防御率はここまで1点台だ!信頼してるよ!」




さぁ、大和高校の1番バッターが今、打席に立った!!




第19球へ続く
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