ベストナイン

秋本シラキ

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第24球 昭和ナインの執念

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大歓声に迎えられて、セオスが打席に立った。

セオス「うーーーし。やるぞ!」



監督もセオスにすべてを託した。

監督「何とかしてくれ!頼む!」



そして、森田とセオスの対戦が始まった。

森田「絶対に勝たさん!」



第1球!・・・・・




審判「ストライーーーク!!」



まずは見送った。

セオス「ふーーーっっ・・・」



続いて2球目!・・・・・




審判「ストライーーク!!」



なんと、またしても見逃した!

セオス「ほう・・・なかなかやるな」



セオスはたった2球で簡単に追い込まれてしまった。

ヨウマ「うわーー、大丈夫かなぁ・・・」



そして、森田は3球目に得意のスクリューを放った!

森田「これでジ・エンドだ!!」




効果音「カキーーーン!!!」




森田「・・・・な!!」



セオスはスクリューが来るのを読んでいた!打球はライトの頭を越えた!

パル岡「よーーーしいいぞいいぞー!!」

浩一「走れ走れ!!」



ライトがようやく追いつき、球を返球した。2アウトながら、2、3塁のチャンスを作った!これでヒット1本で逆転サヨナラだ!

セオス「よっしゃーーー!!!」



またしても大歓声が沸き起こった!

よこちん「すっご~~い!これサヨナラ勝ちするんじゃない!?」



友香「セオス君、すごすぎ!男だね!」



森田は悔しがった。

森田「くっそ~~!次で終わらせてやる!」



このサヨナラの大チャンスで打席に向かうのは、5番八木っちょだ!

八木っちょ「俺が決めてやる!」



ベンチから大声でエールが送られた!

真澄「決めろ八木っちょ~~!!」

一郎「打ってくれ~~!!」



1塁は空いているが、相手バッテリーは勝負に出た。

八木っちょ「よ~~し!!」



そして森田はセットポジションから、八木っちょにストレートを投じた!




効果音「カキン!」



森田「わっ!」



八木っちょは初球から狙っていた!打球はピッチャー返しとなり、センターへ抜けていった!

ヨウマ「よっしゃーーー!!!」

大我「サヨナラだーーー!!!」



まずは3塁ランナーの純がホームイン!これでまず同点!!



そしてセンターが打球を処理し、バックホーム!!セオスは3塁を蹴って全力疾走していた!!

セオス「うお~~~~~!!!!!」

純「帰って来い!!」

監督「いけいけ!」

泰彰「サヨナラサヨナラ!!」



そして球がキャッチャーの元へ返ってきた!セオスはスライディングした!!



効果音「ズザーーー!!!」



そしてキャッチャーがタッチした!!

ヨウマ「あ~~~!!!」

真澄「どっち!!??」

パル岡「セーフでしょ!?セーフでしょ!?」



審判が下した、判定は!?・・・・・






審判「アウトーーーーー!!!!!」




ナイン「・・・・・・・・」



判定は、アウトだった。

幸希「え~~~~!!!???」

莉緒「うっそ~~~!!!???」



中ちゃん「サ、サヨナラじゃないの!?」

さくら「え、延長戦???」



監督「うわ~~~、アウトか・・・」

ぴな「惜っしい~~(汗)」



アウトの判定に、場内から溜息が漏れた。セオスが審判に抗議するが、判定は覆らなかった。

セオス「マジっすか!?アウトっすか!?はーーー・・・」



しかし!2アウトランナー無しからの3連打で、見事同点に追いついた!昭和ナインの執念が産んだ奇跡の同点劇だ!

八木っちょ「な、なんとか打ててよかった~~(笑)」



そして試合は、延長戦に進んだ。10回の表、一郎が再びマウンドに上がった。

一郎「う~~し!!」

監督「一郎頼むぞ~~!!」



一郎は気合を注入し、投球練習を行なった。

パル岡「うん。まだまだいけるな!」



そして、平安高校の攻撃が始まった。バッターは8番からだ。一郎は直球でグイグイ押していった!



効果音「ビューーン!!」



審判「ストライーーク!!バッターアウト!!」



8番打者は一郎の豪速球に、全く手が出なかった。

8番「無理無理(汗)」



そして一郎は続く9番も1番も簡単に打ち捕れた!

9番「ぐあっ!」

1番「ぬおっ!」

審判「チェンジ!!」



一郎は雄叫びを上げてベンチに戻った。

一郎「うっしゃーーー!!!」



2イニング目も完璧に抑え、一郎は満足気な表情だった。



そして、10回の裏、昭和ナインの攻撃が始まった。1点入れば、その時点でサヨナラ勝ちである。ここでなんとか決めておきたいところだ。

監督「さ~~ここで決めましょう!」

ぴな「みんな、絶対勝とう!」



バッターは6番泰彰からだ。応援団もブラスバンド部も、こんな暑い真夏日が続いているとゆうのに、毎日大変だと思うが、全く疲れを感じさせない応援・演奏を披露してくれている。

幸希「さ~~この回で決めてもらいましょ~~!!」

莉緒「泰彰君に大きなエールをお願いしま~~す!」

幸希「かっとばっせかっとばっせやっすーあきーー!!」



泰彰が打席に立った。マウンドにはこの回も森田。

泰彰「あ~~緊張する(汗)」



泰彰はかなり緊張していた。それに監督がすばやく気付いた。

監督「泰彰~~!!肩の力抜いてけ~~!!」



泰彰は監督の言葉を聞き、森田の球を待った。



森田は10回になっても全力投球だった・・・



効果音「ブン!!」



泰彰「ぐあ~~!!」

審判「バッターアウト!!」



泰彰は三振に倒れてしまった。

泰彰「うわ~~、やっばいな(汗)」



1アウトランナー無し。バッターは7番パル岡。

パル岡「やるっきゃねぇ!」



しかし・・・・・



効果音「コン!」

パル岡「あっ!!」



打球は力無くファーストゴロ・・・これで2アウトになってしまった・・・

森田「ふ~~、よしよし・・・」

ヨウマ「うわ~~、2アウトか~~(汗)」

パル岡「くっそ~~!なんであんなインコースの球を無理に打っちゃったんだろう・・・」



球場は少し暗い空気に包まれた。この状況の中、8番浩一が打席に向かった。

浩一「なんとかしなくては・・・」



浩一は一旦気持ちの整理をし、打席に立った。

森田「よ~~し。この回はあと一人だな」



森田の球は、延長戦に入っても全く衰える事が無かった。



効果音「ビュン!」



審判「ストライーーク!!」

浩一「はえ~~なぁ~~・・・」



浩一は驚いたが、その後はファールで粘り続けた。



効果音「カキン!カキン!カキン!」



監督「よーーしいいぞいいぞ!粘ってけ粘ってけ!」

純「甘い球が来るまで粘り続けろ!」

パル岡「決勝行こうぜ!」

ヨウマ「浩一頑張れ~~!!」



浩一はベンチにいるナイン全員から大声で応援された。



浩一はみんなの声援を聞いて、なんとかしてやろうという気持ちが強くなった。

浩一「みんなで甲子園に行きたい!絶対にアウトになってたまるもんか!」



そして、森田は浩一に11球目を投じた!

森田「うらっ!!」



浩一はその球に手を出した!



効果音「カキーーーン!!!」



ナイン「おーーー!!!???」



打球は大きな弧を描いてレフトへ!打った瞬間、ナイン全員がベンチから飛び出した!

パル岡「おーーー!!!」

ヨウマ「いったかー!?」

セオス「入ってくれーー!!」

泰彰「頼むーー!!」



しかし、打球はファールになりそうな感じである。

浩一「だ、駄目か??」



だが、この日は強い風がライト方向に吹いていた!

浩一「頼む!!押し戻してくれ!!」

森田「ど・・・どうなっちゃうの??・・・」



そして、その打球は!!・・・・・・・



ポールを直撃した!!!!!

浩一「あ~~!!当たった~~!!」



浩一は飛び跳ねながら走り出した!ポールに当たった瞬間、全員が雄叫びを上げた!

ナイン「いやった~~~~~!!!!!」

ぴな「最高~~!!」

監督「よくやったぞ浩一!!」



よこちん「やったーーー!!!」

さいち「サヨナラホームランだーーー!!!」

歩「すごいもの見たわね!!」

しまこ「これで決勝進出よーーー!!!」



幸希「すっごーーーい!!!」

莉緒「浩一すごいよーーー!!!」

中ちゃん「うっひょ~~♪」

さくら「やばいねこれ!!」

友香「野球って・・・すごい・・・(涙)」



浩一は最高の笑顔で3塁を蹴った。俺達はホームベースまで集まった。この時、森田はガッカリした表情でベンチに戻っていった。

森田「くっそーー・・・なんであそこでストレートが甘く入っちまったんだよ・・・」



そして、浩一がホームインした!俺達は手荒い祝福で浩一を迎えた。

真澄「浩一よくやった!!」

ヨウマ「本当によくやった!」

パル岡「えらいぞ!」

純「風が強くて、運も味方したな!」

セオス「久々に感動したわ!」



木村「ナイスサヨナラっす!!」

杉本「感動しました!!」

田村「先輩すごいっす!」

落合「グレートっす!」



浩一は涙を流した。

浩一「やべぇ・・・嬉し涙が・・・(泣)俺サヨナラ打ったの人生で初めてだよ!」



そして、監督が浩一を抱きしめた。

監督「お前すごいぞ!これで決勝だ!」

浩一「ありがとうございます!(泣)」



5対4。奇跡的なサヨナラ勝ちで、ついに俺達は決勝に進出した!

ヨウマ「よし!決勝は完封するつもりで頑張るぞ!」



甲子園出場まで、あと1勝・・・




第25球へ続く
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