ベストナイン

秋本シラキ

文字の大きさ
上 下
28 / 46

第28球 決断

しおりを挟む
俺はまず二人に謝った。

ヨウマ「二人とも、まずはごめん。急に野球辞めるとか言って。今は退部届けを出してないから一応野球部員でいるけど・・・」



真澄とよこちんは静かに聞いていた。

ヨウマ「俺が野球辞めるって言った事によって、よこちんはものすごく悲しんだし、真澄は野球部辞めちゃうしで、本当に二人には申し訳無いことをしました。ごめん・・・」



真澄が口を開いた。

真澄「謝るために呼んだのか?」

ヨウマ「・・・・・それもあるけど、大事な話をこれからします」



ここでちょっと間を置き、俺は口を開いた。

ヨウマ「冬休みの間、野球の事、真澄の事、よこちんの事など、いろいろ考えてたんだ。本当に俺は野球を辞めてしまっていいのかとか、続けるべきなんじゃないのかとか・・・・・」

真澄「・・・ほう・・・」

よこちん「・・・で??」

ヨウマ「んでー、答えが出ました!俺・・・・・



真澄と一緒に、よこちんを甲子園に連れて行きます!真澄、また野球部に戻ってきてくれないか!?」



俺はこの冬休みの間、約束を守れないまま卒業して、本当にいいのかと思った。あんなに二人の事を泣かした事が無かったので、すっごく悩んだが、やはり俺には野球しかない。それが俺が下した決断だった。



そして、真澄の答えは・・・・・





真澄「・・・・・その言葉を待ってたよ♪」



ヨウマ「・・・・・え?」

真澄「迷惑かけるかもしれないけど、またよろしくな!」

ヨウマ「ほ、本当!?」



俺はこの瞬間、興奮で体が震えた。

ヨウマ「あ・・・ありがとう(泣)・・・」

真澄「んじゃあ今から3人でキャッチボールすっべ!?」

ヨウマ「お、おう!!」

よこちん「久しぶりね!♪」



真澄の発言により、久しぶりに3人でキャッチボールを始めることにした。

ヨウマ「じゃあ真澄、これ・・・」



俺は真澄に由伸モデルのグローブを渡した。

真澄「おう、ありがと!やっぱこいつが左手にはまってないと寂しいよ!」



そして体育館でキャッチボールを始めた。

よこちん「ヨウマ球速いじゃ~~ん!辞める必要無いって!」

ヨウマ「そうだよな!(笑)」

真澄「まぁでも本当にお前が野球辞めなくてよかったよ。お前がいなきゃ意味無いもん!」

ヨウマ「うふっ♪真澄もいなきゃ意味無いよ。1番を打てるのはやっぱ真澄しかいねぇ♪」

真澄「ありがと(笑)」



俺達は日が暮れるまでキャッチボールをしていた。

ヨウマ「そろそろ帰ろうか~~」

よこちん「そうだね~~」

真澄「よし!帰ろう!」



俺達は帰宅する事にした。



そして3人で帰った。帰宅途中、よこちんが口を開いた。

よこちん「ヨウマ・・・」

ヨウマ「ん??何??」

よこちん「あの時、おもいっきり顔叩いちゃって、ごめんね(汗)」

真澄「お、俺もグローブおもいっきり叩きつけちゃって、ごめんな(汗)」



二人は俺にあの時の事で謝ってきた。

ヨウマ「あぁ、もういいって♪あれがあったからまた野球続けようって気になれたしさ」

真澄とよこちん「・・・そっか♪」



そして、バラバラになった。

真澄「じゃあ俺、明日また野球部に戻るからさ」

ヨウマ「おう!待ってるよ!じゃあね~」

よこちん「また明日~~」




そして、翌日の放課後・・・・・



真澄「とゆうわけで、また野球部に戻ってきました!みなさんご迷惑をおかけして、誠にすいませんでした!(汗)今日から春の甲子園目指して頑張っていきたいと思います!!皆様よろしくおねがいします!!」



ナイン「おかえり~~!!」

ぴな「おかえりなさい!」

監督「真澄おかえり!よく帰ってきてくれたな!ありがとう!また頑張っていこう!」

真澄「はい!!」



真澄が野球部に帰ってきた。

ヨウマ「う~~ん、やっぱ真澄にはこのユニフォームが似合ってますな~~」

真澄「そうか(笑)ありがとよ」



そして俺達は春の甲子園に向け、練習を始めた。

ナイン「バッチコ~~イ!!」



こうして昭和ナインは、毎日のように放課後練習を続けていたのだが、ある日、俺達は、信じられない話を耳にしてしまう・・・・・



監督「今日、ちょっとみんなに大事な話があるから、練習終わったら僕のところに集まってくれ」



監督がそう言い、ナインは練習中、監督が何を言おうとしているのかがすごく気になっていた。

田村「なんだろうね?」

落合「なんだろう?」

木村「気になるなー」

杉本「いい話ならいいけど・・・」



そして、練習が終わった。ナインが監督の元に集まる。

監督「それじゃあ、話を始めます・・・」



監督がちょっと暗い表情で話し始めた。

ヨウマ「(なんだろう・・・)」



監督「えー、非常に残念な話なんですが、実は昨日・・・・・



野球部の1年生3人が、学校内で喫煙していました・・・・・」

ナイン「・・・・・・・・・・」



俺達は驚きすぎて、言葉が出なかった。

監督「非常に残念です(泣)・・・・・」



監督が泣いているところを、初めて目の当たりにしてしまった。

監督「その3人は今日から謹慎処分としました」



その3人が謹慎になったと聞いた後、さらにショックな話を聞くことになる・・・

監督「それと、この野球部の活動も、しばらくは自粛するとゆう形にしたいと思います・・・非常に残念ですが・・・」

ナイン「・・・・・・・・・・」



真澄が復帰したばかりだとゆうのに、これから春の甲子園が待っていたとゆうのに、最悪の事態が起きてしまった・・・



これにより、当然春の大会には出場しないとゆう形になった。

ヨウマ「(そ、そんな・・・なんで・・・)」



そしてその日の夜、俺はよこちんに報告した。



よこちん「えーー!!??そんな・・・どうしてこんなことに・・・」



よこちんはとてもガッカリしてしまった。

よこちん「春の甲子園・・・出られないんだ・・・」

ヨウマ「・・・うん・・・残念だけど・・・」



これにより、よこちんを甲子園に連れて行くチャンスは、3年の夏だけとなった。

ヨウマ「また半年、待ってもらえるかな?」

よこちん「・・・わかった!頑張ってね!」



3年の夏に向け、俺は気持ちを切り替えた。果たして、今度こそ昭和ナインは甲子園に出場できるのだろうか!?

第29球へ続く
しおりを挟む

処理中です...