ベストナイン

秋本シラキ

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第30球 ナックルボーラー再び

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昭和ナインと飛鳥ナインが互いに礼をし、試合開始となった。今回は飛鳥ナインが先攻だ。

ヨウマ「よ~し、まずは3人でチャチャッと片付けるぞ!」



俺は昨年のうっぷんを晴らすかのように、初回からストレートを多投した!



1番「わっ!」

2番「うっ!」

3番「くそっ!」



簡単に三者連続三振で1回の表を終えた。

パル岡「よ~しいいぞ!でもあんまり飛ばしすぎるなよ!(笑)」

ヨウマ「おう!」



もう昨年の過ちは繰り返したくない。そんな思いで俺はマウンドに上がった。2回以降もこの気持ちを持ってマウンドに上がるつもりだ。



そして1回の裏、昭和ナインの攻撃が始まった。



マウンドには昨年、僅か一安打に抑えられたあのナックルボーラー・菅野だ。

菅野「今年は完全試合だ!」



1回の裏、1番真澄が打席に立つ。

真澄「もう貴様のナックルなんか恐くねぇよ!」



真澄が打席に立ち、応援団の応援が始まった。

幸希「さ~みなさん!決勝の相手は去年と同じ菅野投手です!」

莉緒「今年はなんとしても絶対に勝ちましょう!!!」

幸希「かっとばっせかっとばっせまーすーみー!」



真澄は応援団の応援を聞き、菅野の初球に来るであろうナックルを待った!

菅野「うりゃっ!」




効果音「カキン!」



菅野「何!?」



打球はライト前へ!早速真澄が出塁した!

監督「そうだー!いいぞー!」



よこちん「すご~い!いきなり打ったわね!」



菅野はたった一球で完全試合の夢を打ち砕かれてしまった。

菅野「な、なぜ打たれたんだ………」



菅野はわけのわからぬまま、2番大我と対戦した。



その初球………



効果音「タッタッタッタ……………」

菅野「やべっ!」



真澄は盗塁した!

真澄「う~し!!」

ナイン「お~~~!!!」



続く2球目も………



効果音「タッタッタッタ………」

菅野「何!!??」



真澄は三盗を決めた!!

真澄「ハッハッハ!あまり大口はたたかない方がいいぜ!!」



この瞬間、場内が一気に盛り上がった!

幸希「攻めるわね~!」

莉緒「大量得点の予感ね!」



ちなみになぜ真澄は三盗を決めたのか。そう、ナックルもストレートも遅いから余裕で走れるからだ(笑)



カウントはノーツーとなり、菅野は一旦間を置き、3球目を投じた!

菅野「ほっ!」




効果音「カキン!」



大我はナックルを叩き付けた!バウンドが高く、うまくセカンドの頭を越えていった!

大我「オッケー!!」



これにより真澄がホームインした!昨年は8回にようやく1点が取れたのだが、今年は初回から1点を取れた!

よこちん「お~~!!」

しまこ「やったね!」

さいち「幸先よく1点取れたわね!」

歩「でもよくナックル打てるようになったわね!」



こうなると勢いは完全に昭和ナインペースだ!3番純の打席でも………



効果音「タッタッタッタ………ズザー!!」

審判「セーフ!!」



大我が盗塁を決めた!

監督「よ~しいいぞいいぞ~!どんどん攻めていけー!」

菅野「くそっ!」



このノーアウト2塁のチャンスで………




効果音「カキン!!」



純の打球はライト前に転がっていった!

純「お~~し!!」



これを見て大我が一気にホームイン!!2対0となった!

ナイン「よっしゃ~~!!」

監督「すげぇ………みんな俺の教えた通りにナックルが打ててる………まさにベストナインだ………」



ちなみになぜ三人続けてナックルが打ててるのかとゆうと、ナックルは高目に来るとそこからはあまり変化しないから、高目に来たナックルを狙えばヒットになりやすいのである。



ヨウマ「こりゃ~すごい事になりましたな~!」



そして、打席に向かうのは………



もちろんこの男、4番セオスだ!

セオス「ヒットを打たれたいか?それともホームランを打たれたいか?さぁどっちだ!?」

菅野「ふん。内野ゴロを打たれたいな!ゲッツーで仕留めてやる!」



だが………




効果音「タッタッタッタ………」

菅野「あ、牽制球投げるの忘れてた(汗)」



純はすかさず盗塁を決めた!

純「へっへっへ♪」

セオス「ふっ。球が遅いと、走られ放題だな(笑)俺も塁に出たら走っちゃうよ♪」

菅野「そうはさせねー!!」



菅野はナックルを投じた!!

セオス「甘いわ!」



効果音「カキーン!!」

菅野「はーー??なんでみんなナックル打てるの!?」



菅野はなぜナックルが打たれるのか、わけがわからなかった。



打球はセンターの頭上を越えた!

センター「どうした菅野!?」



そして純がゆっくりとホームイン!これで3対0となった!打ったセオスは2塁到達!



セオス「悪いが、もう去年の俺達ではないぜ。お前のナックルなんか、ただのスローボールだ!」

菅野「か~~!!どうなってんだマジで!!」



こうなると打線の勢いは止まらない!



効果音「カキーン!」

菅野「うっ!」



効果音「カキーン!」

菅野「わっ!」



効果音「カキーン!」

菅野「何で!?」



効果音「カキーン!」

菅野「もう勘弁してください!!(泣)」



なんとなんとなんと!八木っちょ・泰彰・パル岡・浩一が連続でタイムリー!初回から7対0となった!

ぴな「もうこれ決まったんじゃない!?(笑)」



なおもノーアウト2塁で、バッターは俺。

ヨウマ「俺もナックルを打つ特訓をしたんだ!打っちゃうぞ!」

菅野「ここでアウト取らないと(汗)………」



菅野はやはりナックルを投じた!

ヨウマ「そこだ!」




効果音「カキーン!!」

菅野「うそだろ!?」



打球は大きな弧を描き!左中間へ!

ヨウマ「いった~~~!!!」

真澄「ホ、ホームランか!?」

よこちん「え!?マジ!?マジ!?」



そして………スタンドイン!!

ヨウマ「やった~~~!!!」

なんと俺は、わけのわからぬまま、ホームインを打っていた(笑)

ナイン「すげ~~~!!!」

ぴな「マジ天才じゃん!!」

監督「去年の昭和ナインとは別のチームみたいだな!(笑)」



そしてホームイン!9対0となった!こうなると球場はお祭り騒ぎ!

よこちん「ちょっとこれやばすぎじゃな~い!?(笑)」

さいち「昭和高校強すぎ!」

しまこ「昭和ナイン万歳だね!」

歩「あ~、涙が出そうよ(笑)」



友香「これで、甲子園に行けるわね♪………」



幸希「いや~すごすぎて何て言ったらいいのかわかんないね!」

莉緒「とにかくすごい!!」



中ちゃん「早く甲子園行きた~い!」

さくら「早く~!♪早く~!♪」




俺達昭和ナインにたこ殴りにされた菅野は、1アウトも取れないまま、ベンチへと消えていった。

菅野「なぜだ……なぜ打たれたんだ……」



菅野はあまりにも悔しすぎて涙すら出なかった。



それからピッチャーが変わり、その投手からはヒットが出ず、1回の裏を終えた。



だが、昭和ナインは守備に付く時、場内の観客から盛大な拍手が送られた。

真澄「いや~嬉しいね~、応援してくれるみなさんに感謝だね♪」

ヨウマ「よし!やるからには完全試合だ!最高の形で甲子園に行くぞ!」



この時、よこちんは……

よこちん「あ、やばい……(涙)」

さいち「どうしたの?」

歩「あれ?もう泣いてるの?(笑)」

しまこ「まだ早いんじゃないの~?」

よこちん「ごめん(笑)(涙)ちょっと、いろいろとこみあげてきちゃってさ。あとは、もう勝った気分でいるからかな(笑)(涙)」



よこちんがすでに泣いていた。

よこちん「ヨウマ、真澄、そしてみんな!最後まで頑張ってね!私も最後までちゃんと見守ってるから!」



9対0と大量リードの中、俺は2回のマウンドに立った。果たして、このまま勝って甲子園に出場できるのか!?




第31球へ続く
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