ベストナイン

秋本シラキ

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第39球 魔の9回再び・・・

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マウンドの上で、俺は相当緊張していた。

ヨウマ「やべぇ・・・足が・・・足が震えてるよ・・・」



立っているのが辛い程、足の震えが止まらずにいた。そのまま5番内山との対戦が始まった。



1球目・・・



審判「ボール!」



明らかにボールだとわかるような球を投げてしまった。その結果・・・




審判「フォアボール!!」



ストレートのフォアボールで内山を歩かせてしまった。パル岡はすかさず大声を出して俺を助けた。

パル岡「いいよいいよ気にするな!こっちには5点のリードがあるんだから!」

ヨウマ「すまん(汗)ありがとう!」



これで立ち直れるかと、思ったが・・・




審判「フォアボール!!」



6番中川まで歩かせてしまった・・・

監督「あちゃ~~~・・・」



さらに・・・・・




審判「フォアボール!!」



やってしまった・・・7番難波もフォアボール・・・これで3人連続だ・・・

よこちん「どうしたーーー!!!???」



明らかにおかしいと自分でわかっていた。しかし、監督は俺を信じてくれた。

ヨウマ「もうこりゃ開き直るしかないぞ!」



俺は開き直るしかないと思い、8番河原と対戦した。



初球・・・




審判「ストライーーク!!」



ストライクの判定に、場内が沸いた。

幸希「しっかりーー!」

莉緒「頑張ってー!」



2球目・・・





効果音「カキン!」



ヨウマ「!!??」



 高いバウンドの内野ゴロ!サード八木っちょが捕り、1塁に投げるが・・・・・




審判「セーーフ!!」



ギリギリ間に合わず、1点を返された(汗)

ヨウマ「マジかよ~~・・・」



続く9番小林にも・・・




効果音「カキン!」



センター前へ弾き返され、これで5‐2・・・

ヨウマ「おいおいおい・・・うそだろ・・・」



さらに、1番金田には・・・




効果音「ボコッ!!」



コントロールが完全に乱れ、死球で押し出し・・・これで2点差と迫られた・・・

幸希「や・・・やっばくない??」

莉緒「・・・なんか・・・いやーーーな予感がしてきたんだけど・・・」



場内を不安が襲う・・・



さすがにナインがマウンドに集まってきた。

貞「ヨウマ!しっかりしろ!ここ抑えれば俺達は優勝なんだぞ!!」

純「内野ゴロ打てば俺達がゲッツーに仕留めるから!」

パル岡「・・・とにかく頑張れ!」

ヨウマ「うん・・・みんなマジすまん(汗)」



外野を守っている3人は、不安そうな表情だった。

泰彰「大丈夫なんかなぁ・・・」

浩一「ノーアウト満塁・・・2点差・・・」

真澄「ヨウマ・・・マジ頼むよ・・・」



ここまで52イニング連続で無失点だったが、ここで3点を返されてしまった。だが、監督はなおも俺を使い続けた。

監督「ヨウマ・・・最後はお前がしっかり抑えろ!」



気を取り直し、2番今井と対戦した。



初球・・・



審判「ストライーーク!!」



ここでストレートが150キロ出た!

ぴな「そうだそうだ~~!!頑張れ~~!!」



2球目もストレート!



審判「ストライーーク!!」



簡単に追い込み、3球目・・・・・



効果音「ブン!!」



審判「バッターアウト!!」



フォークで空振り三振!ようやく1アウトが取れた!

ヨウマ「よっしゃーーー!!!」



俺は思わずガッツポーズが出た。だが、まだ2アウト残っている。



そして3番須田との対戦。初球・・・




審判「ストライーーク!!」



まずはスライダーから入った。2球目・・・



審判「ストライーーク!!」



異表をついてスライダーを続けた!

須田「これは読めなかったな~~・・・」



そして、3球目・・・・・



効果音「ブン!!」



審判「バッターアウト!!」



再びフォークで空振り三振!!これでなんとか2アウトまで持ってきた!

よこちん「さ~~あと一人!!」

歩「やっとあと一人まで来たわね!」

さいち「うわ~~ドキドキね~~!」

しまこ「バッターは4番の樋口君だけど、ピッチャーだし、変えたりするかな?」



岸和田学園の監督は、4番樋口にすべてを託した。

樋口「う~~し・・・」



ここで恐いバッターを迎えた。

監督「ヨウマ・・・抑えてくれ!!」



ここで1塁ランナーが帰ったらサヨナラである・・・俺は全身全霊・命をかけて樋口と勝負する事を誓った。

ヨウマ「絶対ここで終わらせる!」

パル岡「頼むぞ!ヨウマ!」



初球・・・



審判「ストライーーク!!」



150キロのストレートでストライク!

幸希「いいぞ~~!!」

莉緒「その調子その調子!」



2球目・・・




審判「ストライーーク!!」



151キロが出た!これで簡単に追い込んだ!

友香「いよいよね・・・」



応援団から「あと1球」コールが沸き起こった。

応援団「あと1球!あと1球!」



ここでやはりパル岡がマウンドにやってきた。

パル岡「ヨウマ、最後の球、どうする?」



俺は即答した。

ヨウマ「やっぱフォークっしょ!」



パル岡「本当にいいのか?フォークで大丈夫か?」

ヨウマ「あぁ、今度こそフォークで空振り三振で締めるよ!」



そう、俺は過去にフォークで三振を奪って締めようと思ったが、2度打たれている。だが、ここはフォークで行こうと思った。

パル岡「・・・わかった!3度目の正直だぞ!」

ヨウマ「おう!」



パル岡が戻っていった。

真澄「あと1球・・・」

浩一「ついに、この時が・・・」

泰彰「ついにきたな~~」

大我「早く~~」

八木っちょ「ヨウマが一番大変だろうな~~・・・」

純「ヨウマ・・・しっかり抑えろよ!」

貞「頼む・・・」

パル岡「さぁ・・・優勝だ!・・・」

セオス「あ~~待ちきれね~~!!」



ナインが見守る中、俺は決め球にフォークを投じた!!

ヨウマ「うらーーーーー!!!!!」







効果音「カキーーン!!」



ヨウマ「・・・げっ・・・」



打球は右中間へ!!

ヨウマ「え・・・ちょ、ちょっと・・・なんで毎回こうゆう時に限ってフォークって落ちないの!?(汗)」



まず3塁ランナーが帰り、1点差!真澄と浩一が打球を追う!

真澄「やべぇ!やべぇって!」

浩一「ウソだろ!!??」


そして・・・この間に・・・2塁ランナーが帰ってきてしまった・・・

ヨウマ「うわわわわわ・・・」



ここで同点に追いつかれてしまった。

セオス「ギャーーーーー!!!!!」



そして真澄が打球を処理した!1塁ランナーがホームに突っ込んでくる!!

真澄「そうはさせるかよ!!」



真澄がバックホーム!!矢のような返球だ!!

樋口「帰ってきてくれ!!!」



そして球がパル岡のミットへ!!1塁ランナー金田がスライディング!!

効果音「ズザーーー!!!」



は・・・判定は???・・・・・・・・・・



審判「アウトーーーーー!!!!!」



間一髪、サヨナラ負けは防げた。

真澄「あっぶね~~(汗)」

樋口「う~~ん・・・惜しかったな・・・」



しかし、この9回の裏に5点差を追いつかれてしまい、試合はまさかの延長戦に突入してしまった。

ヨウマ「くそう・・・なんで簡単に勝たせてくれないんだよう・・・」



野球の神様は、俺達に厳しい試練を与えた。

監督「こりゃ厳しいなぁ・・・」



一体誰が今日の試合、こうなると予想しただろうか?誰もこうなるとは予想していなかっただろう・・・

ヨウマ「信じられん・・・」



俺達は暗いムードのまま、延長10回の表を迎えた。果たして、俺達はこのままどうなってしまうのだろうか!?そして、セオスは代打で出てくるのだろうか??・・・




第40球へ続く
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