ベストナイン

秋本シラキ

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第40球 野球の神様が用意したシナリオ ~前編~

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9回の裏にまさかの同点に追いつかれた昭和ナイン。野球って、なんて恐ろしいスポーツなんだろうか・・・



そして、延長戦に突入した。10回の表、この嫌なムードの中、3番真澄が打席に向かった。

真澄「なんとかしなきゃ・・・」



応援団も必死で応援していた。

幸希「さ~~みなさん!同点に追いつかれてしまいましたが、もう我々は勝つしかありません!!」

莉緒「優勝するために、真澄君に応援よろしくおねがいしま~~す!!」

幸希「気合を入れろ!まーすーみー!!」



マウンドには依然として樋口。

樋口「まだまだ球速とキレは衰えてないぜ!」



なんてタフなピッチャーなんだろうか・・・

真澄「こい!!」



樋口は初球からストレートを投じた!

樋口「うらっ!!」



審判「ストライーーク!!」

真澄「うわっ!まだ速い・・・」



球速は154キロだった!!!

真澄「ひえ~~(汗)」



続く2球目・・・



効果音「ブン!!」



真澄は153キロのストレートを空振りした。

真澄「お?もしかして、ストレート真っ向勝負ってやつですか??」

樋口「あぁ、尻上がりにストレートが速くなってきてるからな!変化球を投げる必要が無いんだよ」



真澄は簡単に追い込まれた。

真澄「く~~・・・なんとかしなくては・・・」



この時、よこちんは強く祈っていた。

よこちん「お願い・・・」



そして、樋口は迷うことなくストレートを投じた!

樋口「これで終わりだ!!」



真澄は思いっきり振りぬいた!!

真澄「でやーーー!!!」




効果音「カキーーーン!!!」



ナイン「おーーーーー!!!!!」



打球はライナーでライトへ!!

真澄「いけーーー!!!」

ヨウマ「いったべ!?」

監督「入れ入れ!!」



そして、あっとゆう間にスタンドに吸い込まれた!!

ナイン「やったーーーーー!!!!!」

ぴな「すっげーーー!!!」

監督「き・・・奇跡だ・・・」



追いつかれた直後、すぐさま真澄の一発で勝ち越しに成功した!これには場内が揺れた。

よこちん「真澄~~~!!!(涙)」

しまこ「うっひょ~~!!」

さいち「やった~~!!」

歩「貴重な勝ち越し点ね!」



そしてホームイン!まずは4番の純と力強くハイタッチ!

真澄「イエーーイ!!」

純「お前すげーーよ!」



そして監督・ナインとハイタッチした。

真澄「おっしゃーーー!!!」

ヨウマ「真澄・・・ありがと!」

真澄「おう!」



真澄が暗くなったベンチを再び明るくした!




これにより、樋口と須田のバッテリーは話し合いを始めた。

須田「すまん・・・今のは俺のリードミスだ・・・」

樋口「・・・いいよ、気にするな」

須田「次からはちゃんと変化球混ぜるから・・・」



そして、4番純が打席に立った。

純「こい!!」



初球・・・



効果音「コン!」



純は異表をつき、セーフティバント!

純「決まった!」




しかし・・・純はよくこのようなことをやるので、サードの中川に読まれていた・・・

純「やっべ!」



中川の好判断により、サードゴロに倒れた。

純「あ~~~・・・もったいないことした・・・」

樋口「ふ~~・・・助かった・・・」



1アウトとなり、バッターは5番八木っちょ。




しかし・・・・・




効果音「ブン!!」



審判「ストライーーク!!バッターアウト!」

八木っちょ「くそ~~~!!!」



八木っちょは空振り三振に倒れてしまった・・・

樋口「よしよし♪」




次は、今日ノーヒットの6番泰彰・・・・・と、ここで監督が動いた!

監督「泰彰、すまんな、代打送るわ。今日はお疲れ様♪ゆっくり休んでくれ」

泰彰「あ、はい!」



北原監督が告げた代打とは・・・・・




鶯嬢「バッターの、交代をお知らせします」

友香「え?・・・も、もしかして・・・」



観客が代打のコールを待っていた・・・

鶯嬢「バッター、後藤君に変わりまして・・・・・



・・・瀬尾君」

観客「わーーーーーーーーー!!!!!!!!!」



スタンドは総立ちとなった!!

セオス「よ~~しやるぞーー!!」

泰彰「俺の分も頑張れ~~!!」

ヨウマ「一発頼むぜ!!」



代打セオスが打席に向かう。

樋口「きたかーー・・・おもしろい、ストレート真っ向勝負といくか!」



樋口はストレート一本で勝負するつもりだ。

セオス「絶対打つ!」



セオスが打席に立った。2アウトランナー無し。1点リード。ここはセオスに一発の期待が膨らむ。

セオス「2点差に広げて試合を決めてやるよ!」

樋口「そうはさせねぇ!」

セオス「こい!!」



昭和の怪物・セオスと、岸和田の怪物・樋口の対戦が始まった!

監督「セオス・・・頼むぞ!」



初球・・・


効果音「ブン!!」



空振り!ここで球速は156キロを計測!!場内がどよめいた・・・

セオス「今日の最速がこんなとこで出るのかよ(汗)」



2球目・・・




効果音「ブン!!」



またしても156キロ!!再び空振りだ・・・

セオス「へっ・・・なかなかやるじゃねーかよ」

樋口「あと1球で終わりだな!」



場内から「瀬尾」コールが沸き起こった!

観客「せーお!せーお!せーお!せーお!」

樋口「俺の応援が聞こえねーぞ(汗)」

セオス「残念だな!この勝負、俺がもらった!!」



そして、樋口は3球目を投じた!!

樋口「うらっ!!」



セオスは迷う事無く振り抜いた!

セオス「もらったーーー!!!」





効果音「カキーーーーーン!!!!!」



ナイン「わーーー!!!」

監督「いったぞ!!!」



打球はバックスクリーンへ!打ったセオスはバットを豪快に投げ捨てた!

セオス「しゃーーーーー!!!!!」



効果音「ガン!!!」

その打球は・・・バックスクリーンの自分の名前のところに当たった!!

セオス「わ~~お♪「瀬尾」のところに当たったよ(笑)」



これで完全に球場はお祭り騒ぎとなった。

幸希「さすがだよ!!男だよ!!」

莉緒「昨日の危険球の痛みを感じさせないホームランね!!」



打たれた樋口はマウンドの上でガッカリしていた。

樋口「うそだろ・・・なんでだよ・・・」



そしてセオスがホームイン!7‐5となり、これで勝利が見えてきた!

ヨウマ「うっひょ~~♪」



野球の神様って、本当にいるんだなと思った瞬間であった。球場の興奮が冷めやらないまま、パル岡が打席に立ったが、パル岡はセンターフライに打ち捕られ、チェンジとなった。



しかし!この回は2本のホームランで勝ち越しに成功した!ナインが守備に着く前、セオスは監督にあるお願いをしていた。

セオス「監督!」

監督「なんだ?」

セオス「あの・・・俺、ファースト守っていいすか?」

監督「ん?どうした急に?」

セオス「俺、最後はみんなと一緒に勝利の瞬間にフィールドに立っていたいんです!駄目すか?」



監督は少し間を置いてから答えた。

監督「・・・頭はもう痛くないのか?」

セオス「はい!大丈夫です!それに1イニングだけならなんとか・・・」

監督「・・・わかった!それじゃ貞にレフトにいってもらおう!」

セオス「ありがとうございます!!」



セオスも勝利の瞬間に守りに着くことになった。



また、5番八木っちょが打席に立っていた時、俺は監督とこんな会話をしていた。

監督「ヨウマ!」

ヨウマ「はい!」

監督「お前、10回の裏いきたいか?」

ヨウマ「・・・え!?」

監督「9回に追いつかれたけど、やっぱ最後はエースのお前が締めるべきなんじゃないのか?」

ヨウマ「は・・・はぁ・・・」

監督「どうする?」



そして俺は答えた。

ヨウマ「監督・・・いかせてください!!俺、いきます!!」

監督「よし!頼んだぞ!」

ヨウマ「はい!!」



俺はやはり最後のマウンドに立っていたかった。勝利の瞬間にマウンドに立っている俺を、よこちんに見せたかった。

ヨウマ「監督、ありがとうございます!」

監督「おう!でもその代わり、また追いつかれたら罰金だからな(笑)」

ヨウマ「はい!(笑)」



そして、10回の裏、ナインが守りに着く。そして、俺がベンチから出た!この瞬間、場内から拍手が沸き起こった。

よこちん「お~~!この回もいくんだね!」



果たして、俺はこの回を抑えて、優勝する事ができるのだろうか!?




第41球へ続く
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