ベストナイン

秋本シラキ

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第45球 勝負の年・・・のはずが・・・

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2029年、俺は阪神に復帰した。ファンは俺を暖かく迎え入れてくれた。今年は何としても勝負の年にしたい。復活の年にしたい。今年が駄目だったら、引退も考えなくてはいけない。俺はそう思っていた。



そして3月下旬、球春到来。俺は開幕3戦目に先発のマウンドに上がった。

ヨウマ「まずは1勝だーー!!」



この日俺は相当な気合が入っていた。初回から飛ばしていき、許したヒットは3本のみ。ソロホームランを1本浴びたが、打線が5点取ってくれて、見事古巣復帰後初勝利となった!

よこちん「いいじゃんいいじゃん!すごいよ!」



海の向こうでセオスはこのニュースを知った。

セオス「おめでとう!まだまだやれるんじゃない!?」



また、東京ドームで開幕を迎えた真澄も、俺の復活を喜んでいた。

真澄「やるじゃんか!巨人さん、何で彼を出しちゃったんすか(汗)・・・」



その次の週でも、俺は2勝目をあげた。

ヨウマ「よっしゃーー!!」



このまま順調に白星を積み重ねていける!!と思った矢先・・・・・



ヨウマ「・・・・・痛ぇっ!」



練習中、俺は右足に違和感を感じた・・・

ヨウマ「やべ・・・またやっちったかな・・・」



すぐに近くの病院に向かった。

ヨウマ「あ~~、恐い・・・」



そして・・・・・



医者「あ~~、肉離れ起こしちゃってますね~・・・前半戦の復帰は難しいですね・・・」



ヨウマ「・・・・・・・・・」



俺はもう言葉が出なかった・・・・・そしてこの事がスポーツ新聞の1面を飾る・・・

よこちん「え!?また!?」

真澄「マジかよーー・・・」



アメリカのセオスもガッカリしていた。

セオス「あちゃーー・・・大変だ(汗)」



それから真澄も5月に、走塁中に右足を負傷し、登録を抹消された。

真澄「うっっっ!!!・・・」



また、アメリカで長い事プレーしていたセオスにも、ある異変が・・・

セオス「・・・俺・・・もう駄目かもしんねぇ・・・」



実は、セオスも3年程前から足が限界にきていた。3人とも足に爆弾を抱えて野球をしてきたのだった。そのセオスは足の不安からか、ここ数年はあの豪快なホームランもすっかり影が薄くなっていた・・・

セオス「もう・・・・・無理かも・・・・・」



この3人の不調には、かつての恩師・北原監督も残念そうにしていた。

監督「3人とも、もうやばいのかな・・・」



それから、時は流れた・・・



9月の頭、俺はこの日試合が無かったので自宅でテレビを見ていた。



すると・・・・・



ヨウマ「・・・ありゃ!?」



ブラウン管の向こうに、セオスが映っていた!

ヨウマ「なんだろ??」



その画面の右上に・・・信じられない文字が・・・



ヨウマ「・・・な!なんだって!!」



セオスが記者に話す・・・



セオス「・・・えーーー、私瀬尾は・・・今年で・・・・・ユニフォームを脱ぎます・・・」



ヨウマ「・・・マジかよ・・・」



日米通算400本以上のアーチを描いてきた主砲・セオスが引退を表明した!まだやれるかもしれないのに、なぜ引退を決めたのかとゆう質問に、セオスはこう答えた。

セオス「・・・最後はヤクルトで終えようかなとゆう気持ちもあったんですが、やはり世界最強のチームであるヤンキースで終わった方がいいかなと思いまして・・・メジャーリーガーの瀬尾として野球人生に幕を閉じようと思いまして・・・」



なかなか泣けてくる答えだった(泣)



この引退表明は、日本全国の野球ファンに衝撃を与えた。俺だけでなく、真澄もショックを隠しきれなかった。

真澄「そんな・・・もっとやれよ・・・俺より早く辞めるなよ・・・」



そして、2日後・・・・・ある1本の電話が・・・



ヨウマ「・・・ん??真澄からだ・・・もしもし??」



真澄は、どんな話があって電話をかけてきたのか・・・

真澄「ヨウマ・・・ちょっと話聞いてくれるか?」

ヨウマ「うん、どうした??」

真澄「俺・・・・・・・」



真澄はなかなか話し出せない・・・

ヨウマ「何??俺、明日広島に遠征で早起きしなきゃいけないから、早く言ってくれよ(笑)」

真澄「あ~~悪ぃ悪ぃ!・・・お・・・俺・・・」



ヨウマ「・・・・・・・・・・・・」



真澄「・・・・・・・・・・野球、辞めるわ・・・・・」



ヨウマ「・・・・・・・は!!??」



念のため、もう一度聞きなおした。

ヨウマ「ま、真澄???い、今何て???」

真澄「・・・だからぁ・・・野球辞める・・・もう俺、走れないんだよ・・・」



なんと!真澄まで引退を決意していた!!

ヨウマ「そ、そんな・・・ウソだろ??」

真澄「いや、本当だよ。俺、20年も巨人にいられたし、もういいかなって・・・セオスも引退するから、俺もセオスと同じ年に引退しようと思ってさ」

ヨウマ「・・・そ、そっか・・・」

真澄「明日球団に引退するって言ってくるから。てか夜遅くにごめんな」

ヨウマ「いや、大丈夫だよ。長い間、お疲れ様です」



そして、真澄は引退を表明し、多くの巨人ファンに衝撃が走った。



それから3日後・・・・・



俺はよこちんに電話をかけた。

よこちん「あらヨウマじゃん!どうしたの?」

ヨウマ「ちょ、ちょっと話聞いてもらって、いい??」

よこちん「うん、何ーー??」



俺は真澄が引退してからの3日間、いろいろと考えていた。それを、よこちんに話そうと思った。

ヨウマ「あの、実はさぁ・・・」

よこちん「・・・何ー??」

ヨウマ「お、驚かないでね??」

よこちん「・・・・・・・」



この時、俺はよこちんにさとられたような気がした。

よこちん「も、もしかして・・・・・」

ヨウマ「うん・・・・・」

よこちん「う、ウソでしょ??・・・」



そして、俺は話した・・・・・

ヨウマ「俺・・・・・・・



今シーズン限りで、引退します!!!」





言ってしまった・・・・・ついに言ってしまった・・・・・「引退」とゆう言葉を、口に出してしまった・・・・・もう後には戻れない・・・・・




ヨウマ「ご、ごめん・・・もう本当に限界なんだ・・・セオスも真澄も引退するし、俺も引退しようと思って・・・・・」



こんな事言ったら、俺はよこちんに怒られるんじゃないかなとか思ってた・・・・・が・・・・・



よこちん「お疲れ様♪よく頑張ったね!」



ヨウマ「・・・・・え?」



よこちん「もういいんじゃないのかな?私は十分頑張ったと思うよ!それに、甲子園にも連れていってくれたし、20年も現役続けられたし、私は大満足ですよ♪」



ヨウマ「ほ・・・本当に!!??」



なんと!思いもよらない言葉が返ってきた・・・



これで俺は楽な気持ちで引退ができると思った。

ヨウマ「引退する時は、甲子園まで来てくれな!」

よこちん「うん!絶対行くよ!」



そして俺はこの事を真澄にも告げた。

真澄「そっか、ヨウマも辞めるのか・・・せめて同じチームで引退したかったけどな!」

ヨウマ「そうだね(笑)でも巨人でまた真澄と野球ができてよかったよ!」



そして俺は引退試合の事を考え始めた。

ヨウマ「え~~っと、阪神の今後の日程は・・・・・って、あ!!!甲子園の最終戦、雨で流れた巨人戦じゃんか!!!」



なんと!甲子園の最終戦の相手は、巨人だった!

ヨウマ「これ、最後に真澄が代打で出てきて、俺がマウンドにいたら、最高のシナリオじゃね???」



引退まであと1ヶ月をとっくに切った。果たして、どんな形でプロ野球人生に幕を閉じるのか!?

次回、いよいよ最終回
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