雨上がる空見上げて

秋本シラキ

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7章

雨上がる空見上げて 7章

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雨は降っていなかった。



病院の外に出てみると、俺の目にまず飛び込んできたのは白い雲に覆われた空だった。



天気予報では今日も傘マークだったから、これから振ってくるのだろう。でも、いつ振ってくるのだろうか。今すぐだろうか?それとも歩いている途中だろうか?それはわからない。なぜなら、雲は何も語らないのだから。



俺と高山のメールで繋がれた妙な関係もこんな感じだった気がする。その目に見える文字が本当の気持ちをすべて語っているとは限らない。



そんな哲学者みたいなことを考えて、自分自身を鼻で笑った。
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