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「捕らわれるDom」の続きの別ルート
#見せたいDom
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僭王に青いマントのフードを掴まれ、引き剥がされて、ウェリスは顔を晒された。
伸びた銀髪が、きらきらと、こぼれる。透き通った水晶のような瞳。指先で辿りたくなるような、なめらかな鼻梁。ふんわりとやわらかな紅い唇。
真新しい濃紺のシャツとズボン、黒いブーツ。フードの付いた、腰までの長さの青いマント。細い首には、何重にも白い包帯を巻いている。
僭王の手のひらが、ウェリスの頭を撫でた。
え?と、ウェリスがうろたえた瞬間、僭王は、その手で頭を掴み、唇を重ねて、舌で抉じ開けようとする。――人混みの最中で。
ウェリスが唇を固く閉じ合わせ、顔を退こうとしても、僭王の手のひらに頭は掴まれている。両腕を、僭王に突き立てて押しても、びくともしない。
「んぐっ、っん、んぅっ、ん、」
ウェリスは唇を固く閉じ合わせたまま、必死に鼻で息をするが、臭う空気を吸い込むことに耐えられなかった。
「っふはっ、んんっ、」
苦しくて開けてしまった唇に、僭王の舌が、ぬるりと入り込む。
「っん、んぁ、っん、むぐっ、ぐ、ぅ、」
舌を押し返そうとしても、絡め取られて、舐ぶられる。
目の前に、僭王の黒曜石のような黒い瞳があった。辱めているウェリスの瞳に浮かぶ怯えを見つめて、愉しんでいるのだ。
――いや、それよりも
ウェリスは横目に、道を行き交う人たちを見る。
人混みの最中で、僭王に唇を犯されているウェリスに触れそうなほど近くを通り過ぎて行くが、体が当たることもなく、こちらに目を向けることもない。
結界魔術だ。
魔術で作り出す結界には、様々な種類がある。敵の周囲に結界を張って、内に封じ込めるもの。自分の周囲に結界を張って、内に敵が入り込めないようにするもの。壁や檻など目に見えるかたちにするもの。目に見えないもの。
僭王は、外からは内が見えない結界を張っているのだ。行き交う人たちには「結界を避けている」という意識もない。
「ぁふ、んぅっ、んっ、っふ、」
けれどウェリスは、僭王に唇を犯されている自分を、行き交う人たちは見えているのに、見て見ぬふりをしているのではないかと、不安で不安でたまらなかった。
横目で見ているウェリスの視界の外で、皆が、僭王に国を奪われ、体まで奪われる、王だった自分を、指差して、聞こえないように、ひそひそ、嘲笑っている。
「ぃあっ」
思わずウェリスは声を上げた、僭王の指先で両方の乳首を跳ね上げられて。声なんか上げたくないのに。
「乳首、弱いね」
わざわざ僭王が唇を離して、ウェリスの舌とつないだ涎の糸を垂らし、熱い息を吐いて嘲笑った。涎の糸は途切れる。
ウェリスを見つめる黒曜石のような艶やかな黒い瞳。琥珀色の短い髪。少しふくらんだ小鼻。嘲笑う色の薄い唇。
黒いシャツを裾を出して、襟元のボタンも外し、ゆるく着て、細身の黒いズボン、ブーツを履いている。
「んぐっ」
ぬゅぷっと、僭王の揃えられた人差し指と中指が、ウェリスの涎まみれの口に挿し込まれた。
「Lick」
僭王の命令に抗えず、ウェリスは指を舐めるしかない。
Domであるウェリスが、Domの命令に従わせられる、この上ない屈辱だった。――見えていないのだとしても、多くの人の目の前で。
ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぽ、ちゅぷ、
「っふ、ぅ、う、ぅくっ、っん、」
僭王の指を舐めながら、ウェリスは頭を掴まれたまま、両方の乳首を指先で、弄られる。
「俺の指、乳首が勃っちゃうほど、美味しい?」
そんなことを僭王に言われて、ウェリスの舌は、指を舐めるばかりで言い返すこともできない。
「はぅっ」
僭王の手に、肉茎を撫で擦られて、ウェリスは思わず腰を退く。
いつの間にかウェリスは、僭王に後ろ抱きにされていた。
「ほら、こんなに俺の指、溶ろけちゃったよ…」
舐めさせていた指を口から、ウェリス自身に見せつけるように、絡み付く涎の糸を何本も垂らして、僭王は引き抜いた。
「次は、俺が溶ろけさせてあげるね」
僭王は、その人差し指と中指を、ウェリスのズボンの中に滑り込ませ、双丘の谷間に滑り落として、そこに触れる。
「っふ、ぅんっ、」
細い腰をウェリスは反らす。
「逃げないで」
僭王が耳元で囁いて、ウェリスの腰に腕を回して、引き戻す。
「は、ぁ、う、」
僭王が人差し指と中指を揃えて、ゆっくりと、そこに挿し込んでゆく。ウェリスは上向いて、声を上げてしまう。日の光が、伸びた銀髪に、きらきらと滑り落ちた。
「ぃあっ、あ、っあ、あ、あ、あ、」
指は深くまで挿し込まれず、浅い所で蠢いて、くにくにと、そこを溶かす。両方の乳首は弄られて、硬く勃ち上がり、撫で擦られている肉茎は、勃ち上がりたくても、下着とズボンに押さえ込まれている。
逃れようとウェリスは、腰を抱いている僭王の腕を掴むが、引き剥がせない。何も脱がされないまま、僭王に愛撫されて、――……手が多すぎる!!!!!
「っは、あ、う、っう、んっ、ぅ、」
「どこが一番、気持ちい?」
「は、あ、ぅ、っ、ぅぅ…気持ちよくなんか、ないっ」
僭王に聞かれて、必死にウェリスは言葉を絞り出した。
「――俺の手じゃ、気持ちよくなれないんだ?」
「ぅぅんっ」
僭王の指が引き抜かれて、ウェリスは声を上げ、自分のそこが、言葉とは裏腹に、欲しがるように、ひくひく喘いでいるのを感じて、恥じる。
乳首を、肉茎を、愛撫する僭王の手も、消えた。勃ち上がった肉茎が突き上げるズボンは、先端から滴る雫に濡れていた。
道を行き交う人たちは、明らかに増えていた。
ウェリスに向かって、押し寄せるように人が歩いて来る。僭王に腰を抱かれて、崩れ落ちそうに前のめりになってしまっているウェリスの、だらしなく口を開けて、涎を垂らし、透き通った水晶のような瞳を熱っぽく潤ませて、羞恥と快感に赤む顔に、ぶつかりそうな寸前まで来て、逸れて行くのだ。
結界魔術で見えていないのだとしても、自分が吐く熱い息が、目の前の人の前髪を揺らしたのではないかと、ウェリスは恐れる。
「ひっ」
ウェリスの体を、僭王は腕を回して肩を抱くようにして掴み、引き起こした。僭王の硬い物を、ごりっと、後ろに押し当てられただけで、ウェリスのそこは、きゅっと、締まった。
「手じゃなくて、これじゃなきゃ、気持ちよくなれないよね?」
ウェリスが否定しようと、息を吸い込むと
「Present、俺だけに。」
耳元でささやかれた僭王の命令に、ウェリスの手は、ズボンと下着を、後ろだけ下ろしてしまう。
背後に、ぴったりと立つ僭王に隠されて、晒した双丘は、道を行き交う人たちには見えない。
「いい子だね…」
僭王の褒め言葉にすら、ぞくぞくと悦んでしまう自分の体が、ウェリスは呪わしかった。
僭王に飼い馴らされて、もうDomではないものに貶められたことを思い知らされる。
「んぅぅ」
そこに、僭王の熱い先端が押し当てられて、吸い付くように、きゅっと締まってしまうのを、ウェリスは止められない。
僭王の指先は、両方の乳首を摘み、絡み付く指は肉茎を扱く。
「Come」
Domの命令に、自分から双丘を突き出し、迎え入れることなど、Domとして、この上ない屈辱だった。
降伏して、僭王を自分の国に迎え入れた自分には、相応しい醜態にも思えた。
「は、ぁ、う、っふ、ぅ、ぅ、」
太くて硬くて熱い僭王の肉茎に、中を押し開かれて、
「ふあっ?!」
ウェリスは声を上げて、唇を噛み、ざわっと体が震えるのをこらえた。最奥を突かれるのとは全く違う「何か」だった。
「ん…?――ここ?」
僭王は気付いて、腰を突き上げ、ウェリスの中の「何か」を、熱い先端で撫で上げた。
「ぃやぁっ」
ウェリスは声を上げ、浮遊魔術のような、ふわっと浮かび上がる感覚に、全身を震わせる。
「ぃやっ、あっ、っあ、やっ、やっ、ぃや、ぃやぁっ、」
僭王は、ゆっくりと繰り返し、腰を突き上げ、「何か」を先端で、やさしく撫で上げる。ウェリスは、その度、ふわっと、浮かび上がる感覚に怯えて、自分を抱き締めている僭王の腕に、すがりつくように指を喰い込ませる。
「そんなにイイ?前立腺。」
「ゃああ、ゃああっ、あああ、」
同時に、両方の乳首も弄られて、自分の肉茎も扱かれて、それぞれ違う快感が、ぐちゃぐちゃにウェリスをかき混ぜる。
「っは、う、っん、ぁ、う、ぅんっ、」
「Look」
「ひっ」
「ぅあっ」
それが、道を行き交う人たちへの命令だと思ったウェリスの体は強張り、そこも、中も、ぎゅぅっと締め付けて、僭王は肉茎を強く吸い上げられるような快感に、思わず声を上げた。
僭王は、ふっと笑うように息をつくと、首をねじ向けて自分を見るウェリスの、快感に止めようもなくこぼれる涙に濡れた透き通る水晶のような瞳を、覗き込んだ。
「こんなに締め付けちゃうほど、俺の命令に従うの、気持ちいい?」
Domの命令に従うことは、Subにとっては「支配されたい」という本能の欲求を満たされる悦びだ。
小刻みにウェリスは、頭を振り、涎を垂らして喘ぐ唇で答えた。
「ちが、う…みんなに、『Look』って、命令だ、と、思、った…」
「みんなに『見られる』と思って、興奮したんだ?」
「ちがっ、ぅ――やめっ、やめ、やめて…」
命令に逆らって、顔をそむけ、自分の腕の中から逃れ出ようと、もがくウェリスを愉しんで笑む僭王の熱い息が、耳を撫でる。
ぞくぞくと、ウェリスの全身は震え、自分の中の僭王を、締め付けてしまう。
僭王は腰を打ち付け、激しく先端で、ごりごり、前立腺を突き上げて、指先で、くりくり、両方の乳首を弄り、絡み付く指で、ぐゅちゅぐゅちゅ、肉茎を扱く。
ウェリスは結界の外に声が漏れ出るかもしれない怯えさえ忘れて、泣き叫ぶ。
「ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、」
「みんなに、見てもらおうか?」
僭王は、ウェリスに尋ねる。いやいやと、ウェリスは伸びた銀髪を揺らし、頭を振る。
けれど、結界魔術を解除されなくても、すでに皆に見られていることと、同じだった。次から次へと、押し寄せる人たちが、僭王に凌辱されるウェリスの泣き顔を見つめている。
また増えた僭王の手が、ウェリスの首に何重にも巻かれた白い包帯を解き、するすると落ちてゆく。
細い首には、ぐるりと、紅いくちづけの痕が刻まれていた――まるでSubが与えられる首輪のように。
「Domなのに、首輪を着けられて、飼われてること。」
そう言って僭王は、ウェリスの銀髪を掴むようにかきあげると、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と音を立てて、肌を吸い、くちづけの痕を、ウェリスの首に増やしてゆく。
ウェリスは、透き通った水晶のような瞳を見開いた、暗闇の中で。
「起きろ、ドニっ」
ベッドの上、ウェリスに腕枕をして、くっ付いて眠っているドニの頭を叩いて起こす。
「痛ってえ…まだ夜じゃないかぁ。何だよ?ウェリスぅ」
文句を言いながら、叩かれた頭をウェリスの頬に擦り寄せる。その頭をウェリスは掴んで、押しのけた。
「またお前、魔力ダダ漏れで、幻惑魔術が発動してるぞっ」
毎夜のウェリスの悪夢の原因は、これだった。
ドニの妄想が、ダダ洩れの魔力で、幻惑魔術が発動しているのだ。
腹の立つことに、ドニは目を覚ますと、全く夢を覚えていない性質だった。おまけに叩き起こしても、すぐに眠り込んでしまう。
「お前の幻惑魔術、ヘンタイすぎるんだよっ」
暗闇の中、真っ赤な顔でウェリスは、ぽかぽか、眠っているドニの頭を叩き続けた。
伸びた銀髪が、きらきらと、こぼれる。透き通った水晶のような瞳。指先で辿りたくなるような、なめらかな鼻梁。ふんわりとやわらかな紅い唇。
真新しい濃紺のシャツとズボン、黒いブーツ。フードの付いた、腰までの長さの青いマント。細い首には、何重にも白い包帯を巻いている。
僭王の手のひらが、ウェリスの頭を撫でた。
え?と、ウェリスがうろたえた瞬間、僭王は、その手で頭を掴み、唇を重ねて、舌で抉じ開けようとする。――人混みの最中で。
ウェリスが唇を固く閉じ合わせ、顔を退こうとしても、僭王の手のひらに頭は掴まれている。両腕を、僭王に突き立てて押しても、びくともしない。
「んぐっ、っん、んぅっ、ん、」
ウェリスは唇を固く閉じ合わせたまま、必死に鼻で息をするが、臭う空気を吸い込むことに耐えられなかった。
「っふはっ、んんっ、」
苦しくて開けてしまった唇に、僭王の舌が、ぬるりと入り込む。
「っん、んぁ、っん、むぐっ、ぐ、ぅ、」
舌を押し返そうとしても、絡め取られて、舐ぶられる。
目の前に、僭王の黒曜石のような黒い瞳があった。辱めているウェリスの瞳に浮かぶ怯えを見つめて、愉しんでいるのだ。
――いや、それよりも
ウェリスは横目に、道を行き交う人たちを見る。
人混みの最中で、僭王に唇を犯されているウェリスに触れそうなほど近くを通り過ぎて行くが、体が当たることもなく、こちらに目を向けることもない。
結界魔術だ。
魔術で作り出す結界には、様々な種類がある。敵の周囲に結界を張って、内に封じ込めるもの。自分の周囲に結界を張って、内に敵が入り込めないようにするもの。壁や檻など目に見えるかたちにするもの。目に見えないもの。
僭王は、外からは内が見えない結界を張っているのだ。行き交う人たちには「結界を避けている」という意識もない。
「ぁふ、んぅっ、んっ、っふ、」
けれどウェリスは、僭王に唇を犯されている自分を、行き交う人たちは見えているのに、見て見ぬふりをしているのではないかと、不安で不安でたまらなかった。
横目で見ているウェリスの視界の外で、皆が、僭王に国を奪われ、体まで奪われる、王だった自分を、指差して、聞こえないように、ひそひそ、嘲笑っている。
「ぃあっ」
思わずウェリスは声を上げた、僭王の指先で両方の乳首を跳ね上げられて。声なんか上げたくないのに。
「乳首、弱いね」
わざわざ僭王が唇を離して、ウェリスの舌とつないだ涎の糸を垂らし、熱い息を吐いて嘲笑った。涎の糸は途切れる。
ウェリスを見つめる黒曜石のような艶やかな黒い瞳。琥珀色の短い髪。少しふくらんだ小鼻。嘲笑う色の薄い唇。
黒いシャツを裾を出して、襟元のボタンも外し、ゆるく着て、細身の黒いズボン、ブーツを履いている。
「んぐっ」
ぬゅぷっと、僭王の揃えられた人差し指と中指が、ウェリスの涎まみれの口に挿し込まれた。
「Lick」
僭王の命令に抗えず、ウェリスは指を舐めるしかない。
Domであるウェリスが、Domの命令に従わせられる、この上ない屈辱だった。――見えていないのだとしても、多くの人の目の前で。
ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぽ、ちゅぷ、
「っふ、ぅ、う、ぅくっ、っん、」
僭王の指を舐めながら、ウェリスは頭を掴まれたまま、両方の乳首を指先で、弄られる。
「俺の指、乳首が勃っちゃうほど、美味しい?」
そんなことを僭王に言われて、ウェリスの舌は、指を舐めるばかりで言い返すこともできない。
「はぅっ」
僭王の手に、肉茎を撫で擦られて、ウェリスは思わず腰を退く。
いつの間にかウェリスは、僭王に後ろ抱きにされていた。
「ほら、こんなに俺の指、溶ろけちゃったよ…」
舐めさせていた指を口から、ウェリス自身に見せつけるように、絡み付く涎の糸を何本も垂らして、僭王は引き抜いた。
「次は、俺が溶ろけさせてあげるね」
僭王は、その人差し指と中指を、ウェリスのズボンの中に滑り込ませ、双丘の谷間に滑り落として、そこに触れる。
「っふ、ぅんっ、」
細い腰をウェリスは反らす。
「逃げないで」
僭王が耳元で囁いて、ウェリスの腰に腕を回して、引き戻す。
「は、ぁ、う、」
僭王が人差し指と中指を揃えて、ゆっくりと、そこに挿し込んでゆく。ウェリスは上向いて、声を上げてしまう。日の光が、伸びた銀髪に、きらきらと滑り落ちた。
「ぃあっ、あ、っあ、あ、あ、あ、」
指は深くまで挿し込まれず、浅い所で蠢いて、くにくにと、そこを溶かす。両方の乳首は弄られて、硬く勃ち上がり、撫で擦られている肉茎は、勃ち上がりたくても、下着とズボンに押さえ込まれている。
逃れようとウェリスは、腰を抱いている僭王の腕を掴むが、引き剥がせない。何も脱がされないまま、僭王に愛撫されて、――……手が多すぎる!!!!!
「っは、あ、う、っう、んっ、ぅ、」
「どこが一番、気持ちい?」
「は、あ、ぅ、っ、ぅぅ…気持ちよくなんか、ないっ」
僭王に聞かれて、必死にウェリスは言葉を絞り出した。
「――俺の手じゃ、気持ちよくなれないんだ?」
「ぅぅんっ」
僭王の指が引き抜かれて、ウェリスは声を上げ、自分のそこが、言葉とは裏腹に、欲しがるように、ひくひく喘いでいるのを感じて、恥じる。
乳首を、肉茎を、愛撫する僭王の手も、消えた。勃ち上がった肉茎が突き上げるズボンは、先端から滴る雫に濡れていた。
道を行き交う人たちは、明らかに増えていた。
ウェリスに向かって、押し寄せるように人が歩いて来る。僭王に腰を抱かれて、崩れ落ちそうに前のめりになってしまっているウェリスの、だらしなく口を開けて、涎を垂らし、透き通った水晶のような瞳を熱っぽく潤ませて、羞恥と快感に赤む顔に、ぶつかりそうな寸前まで来て、逸れて行くのだ。
結界魔術で見えていないのだとしても、自分が吐く熱い息が、目の前の人の前髪を揺らしたのではないかと、ウェリスは恐れる。
「ひっ」
ウェリスの体を、僭王は腕を回して肩を抱くようにして掴み、引き起こした。僭王の硬い物を、ごりっと、後ろに押し当てられただけで、ウェリスのそこは、きゅっと、締まった。
「手じゃなくて、これじゃなきゃ、気持ちよくなれないよね?」
ウェリスが否定しようと、息を吸い込むと
「Present、俺だけに。」
耳元でささやかれた僭王の命令に、ウェリスの手は、ズボンと下着を、後ろだけ下ろしてしまう。
背後に、ぴったりと立つ僭王に隠されて、晒した双丘は、道を行き交う人たちには見えない。
「いい子だね…」
僭王の褒め言葉にすら、ぞくぞくと悦んでしまう自分の体が、ウェリスは呪わしかった。
僭王に飼い馴らされて、もうDomではないものに貶められたことを思い知らされる。
「んぅぅ」
そこに、僭王の熱い先端が押し当てられて、吸い付くように、きゅっと締まってしまうのを、ウェリスは止められない。
僭王の指先は、両方の乳首を摘み、絡み付く指は肉茎を扱く。
「Come」
Domの命令に、自分から双丘を突き出し、迎え入れることなど、Domとして、この上ない屈辱だった。
降伏して、僭王を自分の国に迎え入れた自分には、相応しい醜態にも思えた。
「は、ぁ、う、っふ、ぅ、ぅ、」
太くて硬くて熱い僭王の肉茎に、中を押し開かれて、
「ふあっ?!」
ウェリスは声を上げて、唇を噛み、ざわっと体が震えるのをこらえた。最奥を突かれるのとは全く違う「何か」だった。
「ん…?――ここ?」
僭王は気付いて、腰を突き上げ、ウェリスの中の「何か」を、熱い先端で撫で上げた。
「ぃやぁっ」
ウェリスは声を上げ、浮遊魔術のような、ふわっと浮かび上がる感覚に、全身を震わせる。
「ぃやっ、あっ、っあ、やっ、やっ、ぃや、ぃやぁっ、」
僭王は、ゆっくりと繰り返し、腰を突き上げ、「何か」を先端で、やさしく撫で上げる。ウェリスは、その度、ふわっと、浮かび上がる感覚に怯えて、自分を抱き締めている僭王の腕に、すがりつくように指を喰い込ませる。
「そんなにイイ?前立腺。」
「ゃああ、ゃああっ、あああ、」
同時に、両方の乳首も弄られて、自分の肉茎も扱かれて、それぞれ違う快感が、ぐちゃぐちゃにウェリスをかき混ぜる。
「っは、う、っん、ぁ、う、ぅんっ、」
「Look」
「ひっ」
「ぅあっ」
それが、道を行き交う人たちへの命令だと思ったウェリスの体は強張り、そこも、中も、ぎゅぅっと締め付けて、僭王は肉茎を強く吸い上げられるような快感に、思わず声を上げた。
僭王は、ふっと笑うように息をつくと、首をねじ向けて自分を見るウェリスの、快感に止めようもなくこぼれる涙に濡れた透き通る水晶のような瞳を、覗き込んだ。
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「ちが、う…みんなに、『Look』って、命令だ、と、思、った…」
「みんなに『見られる』と思って、興奮したんだ?」
「ちがっ、ぅ――やめっ、やめ、やめて…」
命令に逆らって、顔をそむけ、自分の腕の中から逃れ出ようと、もがくウェリスを愉しんで笑む僭王の熱い息が、耳を撫でる。
ぞくぞくと、ウェリスの全身は震え、自分の中の僭王を、締め付けてしまう。
僭王は腰を打ち付け、激しく先端で、ごりごり、前立腺を突き上げて、指先で、くりくり、両方の乳首を弄り、絡み付く指で、ぐゅちゅぐゅちゅ、肉茎を扱く。
ウェリスは結界の外に声が漏れ出るかもしれない怯えさえ忘れて、泣き叫ぶ。
「ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、」
「みんなに、見てもらおうか?」
僭王は、ウェリスに尋ねる。いやいやと、ウェリスは伸びた銀髪を揺らし、頭を振る。
けれど、結界魔術を解除されなくても、すでに皆に見られていることと、同じだった。次から次へと、押し寄せる人たちが、僭王に凌辱されるウェリスの泣き顔を見つめている。
また増えた僭王の手が、ウェリスの首に何重にも巻かれた白い包帯を解き、するすると落ちてゆく。
細い首には、ぐるりと、紅いくちづけの痕が刻まれていた――まるでSubが与えられる首輪のように。
「Domなのに、首輪を着けられて、飼われてること。」
そう言って僭王は、ウェリスの銀髪を掴むようにかきあげると、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と音を立てて、肌を吸い、くちづけの痕を、ウェリスの首に増やしてゆく。
ウェリスは、透き通った水晶のような瞳を見開いた、暗闇の中で。
「起きろ、ドニっ」
ベッドの上、ウェリスに腕枕をして、くっ付いて眠っているドニの頭を叩いて起こす。
「痛ってえ…まだ夜じゃないかぁ。何だよ?ウェリスぅ」
文句を言いながら、叩かれた頭をウェリスの頬に擦り寄せる。その頭をウェリスは掴んで、押しのけた。
「またお前、魔力ダダ漏れで、幻惑魔術が発動してるぞっ」
毎夜のウェリスの悪夢の原因は、これだった。
ドニの妄想が、ダダ洩れの魔力で、幻惑魔術が発動しているのだ。
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20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
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