亡国の王、幼なじみDomと癒され再会ラブ

切羽未依

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「捕らわれるDom」の続きの別ルート

#見せたいDom

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 僭王せんおうに青いマントのフードを掴まれ、引き剥がされて、ウェリスは顔を晒された。

 伸びた銀髪が、きらきらと、こぼれる。透き通った水晶のような瞳。指先で辿りたくなるような、なめらかな鼻梁びりょう。ふんわりとやわらかな紅い唇。
 真新しい濃紺のシャツとズボン、黒いブーツ。フードの付いた、腰までの長さの青いマント。細い首には、何重にも白い包帯を巻いている。

 僭王の手のひらが、ウェリスの頭を撫でた。

 え?と、ウェリスがうろたえた瞬間、僭王は、その手で頭を掴み、唇を重ねて、舌でじ開けようとする。――人混みの最中さなかで。

 ウェリスが唇を固く閉じ合わせ、顔を退こうとしても、僭王の手のひらに頭は掴まれている。両腕を、僭王に突き立てて押しても、びくともしない。

「んぐっ、っん、んぅっ、ん、」
 ウェリスは唇を固く閉じ合わせたまま、必死に鼻で息をするが、におう空気を吸い込むことに耐えられなかった。

「っふはっ、んんっ、」
 苦しくて開けてしまった唇に、僭王の舌が、ぬるりと入り込む。
「っん、んぁ、っん、むぐっ、ぐ、ぅ、」
 舌を押し返そうとしても、絡め取られて、ぶられる。

 目の前に、僭王の黒曜石のような黒い瞳があった。辱めているウェリスの瞳に浮かぶ怯えを見つめて、たのしんでいるのだ。
――いや、それよりも

 ウェリスは横目に、道を行き交う人たちを見る。
 人混みの最中で、僭王に唇を犯されているウェリスに触れそうなほど近くを通り過ぎて行くが、体が当たることもなく、こちらに目を向けることもない。



 結界魔術だ。
 魔術で作り出す結界には、様々な種類がある。敵の周囲に結界を張って、内に封じ込めるもの。自分の周囲に結界を張って、内に敵が入り込めないようにするもの。壁やおりなど目に見えるかたちにするもの。目に見えないもの。


 僭王は、外からは内が見えない結界を張っているのだ。行き交う人たちには「結界を避けている」という意識もない。

「ぁふ、んぅっ、んっ、っふ、」
 けれどウェリスは、僭王に唇を犯されている自分を、行き交う人たちは見えているのに、見て見ぬふりをしているのではないかと、不安で不安でたまらなかった。

 横目で見ているウェリスの視界の外で、皆が、僭王に国を奪われ、体まで奪われる、王自分を、指差して、聞こえないように、ひそひそ、嘲笑あざわらっている。


「ぃあっ」
 思わずウェリスは声を上げた、僭王の指先で両方の乳首をね上げられて。声なんか上げたくないのに。

「乳首、弱いね」
 わざわざ僭王が唇を離して、ウェリスの舌とつないだよだれの糸を垂らし、熱い息を吐いて嘲笑わらった。涎の糸は途切れる。


 ウェリスを見つめる黒曜石のような艶やかな黒い瞳。琥珀色の短い髪。少しふくらんだ小鼻。嘲笑わらう色の薄い唇。
 黒いシャツを裾を出して、襟元のボタンも外し、ゆるく着て、細身の黒いズボン、ブーツを履いている。

「んぐっ」
 ぬゅぷっと、僭王の揃えられた人差し指と中指が、ウェリスの涎まみれの口に挿し込まれた。

Lick舐めろ
 僭王の命令コマンドに抗えず、ウェリスは指を舐めるしかない。


 Domであるウェリスが、Dom僭王命令コマンドに従わせられる、この上ない屈辱だった。――見えていないのだとしても、多くの人の目の前で。


 ちゅぷ、ちゅぷ、ちゅぽ、ちゅぷ、
「っふ、ぅ、う、ぅくっ、っん、」
 僭王の指を舐めながら、ウェリスは頭を掴まれたまま、両方の乳首を指先で、いじられる。
「俺の指、乳首が勃っちゃうほど、美味しい?」
 そんなことを僭王に言われて、ウェリスの舌は、指を舐めるばかりで言い返すこともできない。

「はぅっ」
 僭王の手に、肉茎をさすられて、ウェリスは思わず腰を退く。

 いつの間にかウェリスは、僭王に後ろ抱きにされていた。

「ほら、こんなに俺の指、ろけちゃったよ…」
 舐めさせていた指を口から、ウェリス自身に見せつけるように、絡み付く涎の糸を何本も垂らして、僭王は引き抜いた。

「次は、俺がろけさせてあげるね」
 僭王は、その人差し指と中指を、ウェリスのズボンの中に滑り込ませ、双丘おしりの谷間に滑り落として、そこに触れる。

「っふ、ぅんっ、」
 細い腰をウェリスはらす。
「逃げないで」
 僭王が耳元でささやいて、ウェリスの腰に腕を回して、引き戻す。

「は、ぁ、う、」
 僭王が人差し指と中指を揃えて、ゆっくりと、そこに挿し込んでゆく。ウェリスは上向いて、声を上げてしまう。日の光が、伸びた銀髪に、きらきらと滑り落ちた。


「ぃあっ、あ、っあ、あ、あ、あ、」
 指は深くまで挿し込まれず、浅い所でうごめいて、くにくにと、そこをかす。両方の乳首は弄られて、硬く勃ち上がり、さすられている肉茎は、勃ち上がりたくても、下着とズボンに押さえ込まれている。

 逃れようとウェリスは、腰を抱いている僭王の腕を掴むが、引き剥がせない。何も脱がされないまま、僭王に愛撫されて、――……手が多すぎる!!!!!


「っは、あ、う、っう、んっ、ぅ、」
「どこが一番、気持ちい?」
「は、あ、ぅ、っ、ぅぅ…気持ちよくなんか、ないっ」
 僭王に聞かれて、必死にウェリスは言葉をしぼり出した。

「――俺の手じゃ、気持ちよくなれないんだ?」
「ぅぅんっ」
 僭王の指が引き抜かれて、ウェリスは声を上げ、自分のそこが、言葉とは裏腹うらはらに、欲しがるように、ひくひく喘いでいるのを感じて、恥じる。

 乳首を、肉茎を、愛撫する僭王の手も、消えた。勃ち上がった肉茎が突き上げるズボンは、先端からしたたる雫に濡れていた。


 道を行き交う人たちは、明らかに増えていた。
 ウェリスに向かって、押し寄せるように人が歩いて来る。僭王に腰を抱かれて、崩れ落ちそうに前のめりになってしまっているウェリスの、だらしなく口を開けて、涎を垂らし、透き通った水晶のような瞳を熱っぽく潤ませて、羞恥と快感に赤む顔に、ぶつかりそうな寸前まで来て、れて行くのだ。

 結界魔術で見えていないのだとしても、自分が吐く熱い息が、目の前の人の前髪を揺らしたのではないかと、ウェリスは恐れる。

「ひっ」
 ウェリスの体を、僭王は腕を回して肩を抱くようにして掴み、引き起こした。僭王の硬い物を、ごりっと、後ろに押し当てられただけで、ウェリスのそこは、きゅっと、締まった。

「手じゃなくて、じゃなきゃ、気持ちよくなれないよね?」
 ウェリスが否定しようと、息を吸い込むと

「Presen晒せt、俺だけに。」
 耳元でささやかれた僭王の命令コマンドに、ウェリスの手は、ズボンと下着を、後ろだけ下ろしてしまう。
 背後に、ぴったりと立つ僭王に隠されて、さらした双丘おしりは、道を行き交う人たちには見えない。

「いい子だね…」
 僭王の褒め言葉にすら、ぞくぞくとよろこんでしまう自分の体が、ウェリスは呪わしかった。
 僭王に飼い馴らされて、もうDomドムではないものにおとしめられたことを思い知らされる。

「んぅぅ」
 そこに、僭王の熱い先端が押し当てられて、吸い付くように、きゅっと締まってしまうのを、ウェリスは止められない。
 僭王の指先は、両方の乳首をみ、絡み付く指は肉茎をしごく。

Comeおいで
 Dom僭王命令コマンドに、自分から双丘おしりを突き出し、迎え入れることなど、Domとして、この上ない屈辱だった。

 降伏して、僭王を自分の国に迎え入れた自分には、相応ふさわしい醜態しゅうたいにも思えた。


「は、ぁ、う、っふ、ぅ、ぅ、」
 太くて硬くて熱い僭王の肉茎に、中を押し開かれて、

「ふあっ?!」
 ウェリスは声を上げて、唇を噛み、ざわっと体が震えるのをこらえた。最奥さいおうを突かれるのとは全く違う「何か」だった。

「ん…?――ここ?」
 僭王は気付いて、腰を突き上げ、ウェリスの中の「何か」を、熱い先端で撫で上げた。
「ぃやぁっ」
 ウェリスは声を上げ、浮遊魔術のような、ふわっと浮かび上がる感覚に、全身を震わせる。

「ぃやっ、あっ、っあ、やっ、やっ、ぃや、ぃやぁっ、」
 僭王は、ゆっくりと繰り返し、腰を突き上げ、「何か」を先端で、やさしく撫で上げる。ウェリスは、その度、ふわっと、浮かび上がる感覚に怯えて、自分を抱き締めている僭王の腕に、すがりつくように指を喰い込ませる。
「そんなにイイ?前立腺。」
「ゃああ、ゃああっ、あああ、」

 同時に、両方の乳首もいじられて、自分の肉茎もしごかれて、それぞれ違う快感が、ぐちゃぐちゃにウェリスをかき混ぜる。

「っは、う、っん、ぁ、う、ぅんっ、」
Look見て
「ひっ」
「ぅあっ」
 それが、道を行き交う人たちへの命令コマンドだと思ったウェリスの体は強張こわばり、そこも、中も、ぎゅぅっと締め付けて、僭王は肉茎を強く吸い上げられるような快感に、思わず声を上げた。

 僭王は、ふっと笑うように息をつくと、首をねじ向けて自分をウェリスの、快感に止めようもなくこぼれる涙に濡れた透き通る水晶のような瞳を、覗き込んだ。
「こんなに締め付けちゃうほど、俺の命令コマンドに従うの、気持ちいい?」


 Domドム命令コマンドに従うことは、Subサブにとっては「支配されたい」という本能の欲求を満たされるよろこびだ。


 小刻みにウェリスは、頭を振り、よだれを垂らして喘ぐ唇で答えた。
「ちが、う…みんなに、『Look見ろ』って、命令コマンドだ、と、思、った…」

「みんなに『見られる』と思って、興奮したんだ?」
「ちがっ、ぅ――やめっ、やめ、やめて…」
 命令コマンドに逆らって、顔をそむけ、自分の腕の中から逃れ出ようと、もがくウェリスをたのしんで笑む僭王の熱い息が、耳を撫でる。
 ぞくぞくと、ウェリスの全身は震え、自分の中の僭王を、締め付けてしまう。

 僭王は腰を打ち付け、激しく先端で、ごりごり、前立腺を突き上げて、指先で、くりくり、両方の乳首をいじり、絡み付く指で、ぐゅちゅぐゅちゅ、肉茎をしごく。
 ウェリスは結界の外に声が漏れ出るかもしれない怯えさえ忘れて、泣き叫ぶ。
「ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、ぃあああ、」

「みんなに、見てもらおうか?」
 僭王は、ウェリスに尋ねる。いやいやと、ウェリスは伸びた銀髪を揺らし、頭を振る。


 けれど、結界魔術を解除されなくても、すでに皆に見られていることと、同じだった。次から次へと、押し寄せる人たちが、僭王に凌辱されるウェリスの泣き顔を見つめている。


 また増えた僭王の手が、ウェリスの首に何重にも巻かれた白い包帯をほどき、するすると落ちてゆく。

 細い首には、ぐるりと、あかいくちづけのあとが刻まれていた――まるでSubサブが与えられる首輪のように。

Domドムなのに、首輪を着けられて、飼われてること。」
 そう言って僭王は、ウェリスの銀髪を掴むようにかきあげると、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と音を立てて、肌を吸い、くちづけの痕を、ウェリスの首に増やしてゆく。





 ウェリスは、透き通った水晶のような瞳を見開いた、暗闇の中で。

「起きろ、ドニっ」
 ベッドの上、ウェリスに腕枕をして、くっ付いて眠っているドニの頭を叩いて起こす。
ってえ…まだ夜じゃないかぁ。何だよ?ウェリスぅ」
 文句を言いながら、叩かれた頭をウェリスの頬に擦り寄せる。その頭をウェリスは掴んで、押しのけた。
「またお前、魔力ダダ漏れで、幻惑魔術が発動してるぞっ」


 毎夜のウェリスの悪夢の原因は、これだった。


 ドニの妄想が、ダダ洩れの魔力で、幻惑魔術が発動しているのだ。

 腹の立つことに、ドニは目を覚ますと、全く夢を覚えていない性質たちだった。おまけに叩き起こしても、すぐに眠り込んでしまう。

「お前の幻惑魔術、ヘンタイすぎるんだよっ」
 暗闇の中、真っ赤な顔でウェリスは、ぽかぽか、眠っているドニの頭を叩き続けた。

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