亡国の王、幼なじみDomと癒され再会ラブ

切羽未依

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暗殺者

円卓会議

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 石積みの壁、石の床に絨毯じゅうたんも、まだ敷いていない王城の広間に、大きな円卓と椅子20脚が並べられた。

 体調を崩していたコヨミ王国のウェリス王が、ようやく臨席できるようになり、僭王せんおうに征服された国々の王を集めての会議が開かれることになった。


 広間の奥の扉からウェリスは、ほっそりとした首を強調するような立襟たてえりの緋色の正装で現れて、円卓の前に立った。



 透き通った水晶のような瞳。
 眉の上、細い肩元で、切り揃えられた銀髪。
 なめらかなカーブを描く鼻梁びりょう
 ふんわりとやわらかな紅い唇。
 長身だが、華奢きゃしゃだ。



 すでに円卓に着席していていた17人の王たちは、皆、ウェリスを見る目の奥に、下卑げびた興味を隠し切れない。


 今は王都と呼ばれる、この地の王1人を除き、16人の王たちは、今は王城がそびえ立つ、この地にあった宮殿の使用人が住んでいた建物に住まわされていた。
 ウェリスだけが、ただ一人、王城に住まわされていた。



 噂で伝え聞くところによると、僭王せんおうは、ウェリスを王都に引き回して、まるで「恋人」のように扱っている、らしい。
 噂が真実ならば、ウェリスは、王城で僭王の寝所しんじょはべらされているにちがいなかった。



 突然、ウェリスが頭を下げた。さらさらと、銀髪が、すずやかな音を立てるように、流れ落ちる。
 ウェリスが倒れかけたかと、王たちは目を見開き、息を飲んだ。

 ウェリスは頭を下げたまま、謝罪した。
「ウェリスと申します。私のために、会議を開けず、誠に申し訳ありません」
 声は、りんと、広間に響いた。


 その声だけで、ウェリスがDomドムだと、王たちは本能的に知れた。


「支配したい」という本能の欲求を持つDomドム


 ウェリスが顔を上げると、憐れみの目が、自分を見つめていた。


 Domでありながら、Domに従わされた屈辱を、王たちは皆、知っていた。


 広間の奥の扉が開いた。

 正装の王たちをあざけっているような、上着も着ていない、襟元のボタンを二つも外して、裾を出した黒いシャツ、細身の黒いズボン、履き古した黒いブーツ。

 黒曜石のような艶やかな黒い瞳。
 琥珀色の短い髪。
 少しふくらんだ小鼻こばな
 色の薄い唇。
 長身で、広い肩幅、長い手足。


 王たちの国を征服した僭王せんおうのお出ましだった。

 ひっ!と、16人の王たちが、喉の奥で上げる悲鳴が、王城の広間にあふれた。
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