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#お兄ちゃん
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ベッドに寝かせると、笙悧は、ためらいもなく、両脚を大きく開き、膝裏を自分で掴んで、引き上げ、暖に向かって、アナルを晒した。
「お兄ちゃん、早く触って…」
笙悧は、せがむ。
はふはふと、真っ赤な顔で喘ぐ笙悧と、シンクロして、アナルは、くぱくぱと、愛液を浸み出して、喘いでいる。
「セックスする時は、『お兄ちゃん』って、呼ぶな」
言いながら暖は、立てた人差し指の先で、笙悧のアナルに触れた。
「んんっ」
笙悧が声を上げ、アナルは、暖の人差し指の先に、ちゅぷっと、吸い付く。
「いけないことをしてるみたいだろ……」
暖は、ゆっくりと、人差し指を差し挿れてゆく――
「は、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁぁぁ‥…」
もっと速く深く、暖の指を受け入れたくて、笙悧の腰は浮き上がる。
人差し指の根元まで呑み込んだのに、暖は、笙悧が「触れて欲しい所」に触れもせず、ゆっくりと引いてゆく――
「やだやだ、お兄ちゃん、抜かないでぇ」
「っ痛」
嫌がって頭を振る笙悧のアナルに、人差し指が砕けそうなほど締め上げられる痛みに、暖は声を上げた。
「抜くわけないだろ…ほら、息、吐いて…ゆるめないと、動かせないよ…」
暖に言われて、はふはふ、笙悧は、息を吐いて、アナルをゆるめる。
暖は、人差し指を動かし始める。
「ぁあんっ、ぁああっ、ぁぁんっ、あああっ、ああんっ、あぁあっ、」
暖の人差し指が、自分の中を、行ったり来たりするのを、笙悧は感じる。
でも、確実に、わざと、笙悧の「触って欲しい所」には触れないように、中を擦らないように、暖は注意深く、人差し指を差し挿れては、引いてゆく。
焦らされて、笙悧の中は、ますます熱くなって、愛液があふれる。
濡れたアナルが、暖の指に、ぬ゛ゅ゛ふ゛…ぬ゛ゅ゛ふ゛…ぬ゛ふ゛ゅ゛…ぬ゛ふ゛ゅ゛…淫らな音を奏でられている。
中だけではない。
勃起している笙悧の物も、熱と硬さを増して、雫を滴らせていた。
なのに、暖が人差し指を引き抜いた。
「ゃぁああっ」
笙悧は声を上げる。
「指、増やすね…」
そう言う暖に、笙悧は、嫌がって頭を振る。
「やだぁぁぁ」
「――ここまで来て、拒まれると、お兄ちゃん、とっても困る…」
暖の物も勃起していた。
「指じゃ嫌だ。もう挿れて。お兄ちゃんのおちんちん、ぼくの中に挿れて。」
せがむ笙悧は、自分のお尻の肉を両手で掴み、愛液で艶やかに濡れて喘いでいるアナルを拡げてみせる。
思わず暖は顔をそむけ、目元を手で掴むように顔を覆った。
「やばい。見ただけで、イキそうになった。俺の弟がエロすぎる……」
暖は肩を大きく上下させて、ひとつ、深呼吸をして、目元から手を下ろした。でも、肩は小さく上下して、乱れた呼吸は、少しも整っていない。
暖も、匂い立つ笙悧のΩのフェロモンに駆り立てられて、発情していた。
笙悧は手を伸ばし、ベッドのサイドボードの一番上の引き出しから、ゴムを出した。
「やだぁぁぁ」
「痛っ」
暖がゴムの袋を口にくわえたのを見て、笙悧は足で、暖の肩を蹴った。暖はゴムの袋を口にくわえたまま、ヘンな声が出た。
「生で挿れて。中で出して。お兄ちゃんの精子、ぼくの子宮に、いっぱい、ちょうだい」
言いながら笙悧は、暖の両肩を、両脚で蹴り続ける。
暖は口にくわえたゴムの袋を、左手に持った。
「言葉でイキそうになるから、そういうこと、言うな」
言うと、口にくわえ直してゴムの袋を切った。
口にくわえて、ゴムの袋を切るのは、格好をつけているのではなかった。
両手で切ろうとすれば、笙悧のアナルを解して、愛液で濡れた右手のせいで、袋が、ぬるぬる、滑ってしまうからだった。
ゴムを出して、自分の物に、ぴったりと着けると、まだ蹴り続けてる笙悧の足首を掴んで、自分の肩に掛けさせた、左足も、右足も。
「お兄ちゃんの意地悪ぅぅぅ」
笙悧は、両肩に掛けさせられた両脚を暖の背中に重ね合わせて、引き寄せる。
暖は、拒まなかった。
手に持った自分の物を、笙悧の両脚に引き寄せられるまま、アナルへ挿入する。
「ぅあぁっ」
笙悧は悦びの声を上げる。
指なんかより、ずっと太くて硬くて熱い物が、ずにゅずにゅ、自分の中に挿入って来る。
「最初から、そんなに締め付けないで…お兄ちゃん、イッちゃうよ?」
暖は、肩に掛けた笙悧の脚にくちづけて、言う。
「早くイッて。お兄ちゃんの精子、僕の子宮に、いっぱい、ちょうだい」
せがむ笙悧に、ますます締め付けられる。暖は苦笑して、聞いた。
「もう出しちゃっていいの?出したら、お兄ちゃん、おちんちん、抜いちゃうよ?」
「ヤダぁ…」
「じゃ、お腹の力、抜いて……ん…上手……お兄ちゃん、動くよ」
暖は、ゆるやかに腰を振り、笙悧の中を、やさしく撫で始める。
「気持ち、いい…気持ち、いい…気持ち、いい…お兄ちゃん、気持ちいい…」
ふわふわと、暖に揺さぶられて、笙悧は快感に溶ろける。
もっと気持ちよくなりたくて、笙悧は、お兄ちゃんに中を、やさしく撫でられながら、両手で、自分の物を扱き始めてしまう。
理性をなくして、ただ快楽を貪るだけのΩを、暖は愛おしく見つめる。そして、ぐいっと、腰を打ち付けた。
「はきゅっ」
突然、笙悧は「触って欲しい所」を、暖の先端に突き上げられて、腰は浮き上がり、体は、びりびり、震えて、目の前には、ちかちか、ちいさな花火が散った。
跳ね上がり、痙攣する笙悧の体を、ゆっくりと眺めると、暖は笙悧が「触って欲しい所」を、ずちゅずちゅずちゅずちゅ、突き始める。
「好きぃ、そこ、大好きぃ、大好きぃ、大好きぃ、」
「ぼくの、こと、は、『好き』、って、言って、くれない、の?」
「お兄ちゃんも、大好きぃ、大好きぃ、」
「『も』って、何だ、よっ?」
暖の先端が、笙悧の前立腺を、ぐりぐり、こねくり回した。
「イ゛ク゛う゛う゛う゛う゛っ゛」
声を上げて笙悧は、意識が真っ白に弾け飛んで、両手に持っていた自分の物の先端から真っ白な精液を飛び散らして、イッてしまった。
びくっ、びくっと、震える体が止められない。
なのに、イッている体を貫くように、ぢゅぷんっと、笙悧の最奥まで、一気に暖の物が突き挿れられた。
「ぅ゛う゛う゛っ゛」
笙悧は声を上げた。
そして、一気に、笙悧の中を、ずゅるゅるゅるゅるゅるゅるゅと、曳き擦りながら、暖は腰を退いた。
抜ける…と、笙悧が感じて、キュッと締まった瞬間に、また一気に、最奥まで突き挿れられる。
「ぁ゛、ぁ゛、ぁ゛……」
笙悧の脳天まで、快感は突き抜けた。
「奥も、大好きだよね」
す゛ち゛ゅ゛す゛ち゛ゅ゛す゛ち゛ゅ゛す゛ち゛ゅ゛、最奥をお兄ちゃんの物に突かれて、
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、」
笙悧は呼び続ける。――もっと突いて欲しくて、もっと気持ちよくなりたくて、もっと奥の子宮に、お兄ちゃんの精子が、いっぱい欲しくて、
暖が振る腰が速さを増す。
「お兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ」
「っふ、っは、ぁ、っ、は、っん、」
暖の半開きの口からも声がこぼれ、汗は滴り落ちて、笙悧の肌の上で、笙悧の汗と混ざり合う。
先端へと精子が昇り詰めてゆくのを、暖は、まざまざと感じる。
――笙悧を抱く前に、経験がなかったわけじゃない。
でも、イク瞬間に、「孕ませたい」と想ったのは、笙悧が初めてだった。
暖は、一際、強く深く、笙悧の最奥を突き上げた。
「っふ、っく、っ、」
暖は射精する、ゴムの中に。
「ゃあああんっ」
悦びの声を上げてイく笙悧の中が、ぎゅうっと締め上げる。最奥のもっと奥、自分の子宮まで、暖の精子を招き入れるために。
笙悧の両手で持ったままの自分の物が震えて、吐き出す精液が胸にまで飛び散る。
射精して震える暖の物に、最奥を揺さぶられて、笙悧は、快感が止まない。
「っあ、あ、あ、あっ、」
痙攣する体の上に、お兄ちゃんの重みが重なった。
笙悧は、自分の上に、ぐったりと倒れ込む暖の体を、両脚で抱き締めた。――両手は、自分の物を持ったままで、暖の体と、自分の体の間から、引き出せなかった。
暖は汗に濡れて前髪が乱れる額を、笙悧の額に重ねわせた。
「愛してるよ、笙悧…」
「ぼくも愛してる、お兄ちゃん…」
「セックスする時は、『お兄ちゃん』って呼ぶな、って言ってるだろ…」
笙悧の唇をふさぐように、暖は唇を重ねた。
暖は兄と姉がいて、弟が欲しかった。笙悧は妹が一人いて、兄が欲しかった。
笙悧は、子どもの頃から、暖を「お兄ちゃん」と呼んでいた。
婚約者、のような関係になっても、笙悧は何だか恥ずかしくて、「暖」と名前を呼べずにいた。
「お兄ちゃん、早く触って…」
笙悧は、せがむ。
はふはふと、真っ赤な顔で喘ぐ笙悧と、シンクロして、アナルは、くぱくぱと、愛液を浸み出して、喘いでいる。
「セックスする時は、『お兄ちゃん』って、呼ぶな」
言いながら暖は、立てた人差し指の先で、笙悧のアナルに触れた。
「んんっ」
笙悧が声を上げ、アナルは、暖の人差し指の先に、ちゅぷっと、吸い付く。
「いけないことをしてるみたいだろ……」
暖は、ゆっくりと、人差し指を差し挿れてゆく――
「は、ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、ぁぁぁ‥…」
もっと速く深く、暖の指を受け入れたくて、笙悧の腰は浮き上がる。
人差し指の根元まで呑み込んだのに、暖は、笙悧が「触れて欲しい所」に触れもせず、ゆっくりと引いてゆく――
「やだやだ、お兄ちゃん、抜かないでぇ」
「っ痛」
嫌がって頭を振る笙悧のアナルに、人差し指が砕けそうなほど締め上げられる痛みに、暖は声を上げた。
「抜くわけないだろ…ほら、息、吐いて…ゆるめないと、動かせないよ…」
暖に言われて、はふはふ、笙悧は、息を吐いて、アナルをゆるめる。
暖は、人差し指を動かし始める。
「ぁあんっ、ぁああっ、ぁぁんっ、あああっ、ああんっ、あぁあっ、」
暖の人差し指が、自分の中を、行ったり来たりするのを、笙悧は感じる。
でも、確実に、わざと、笙悧の「触って欲しい所」には触れないように、中を擦らないように、暖は注意深く、人差し指を差し挿れては、引いてゆく。
焦らされて、笙悧の中は、ますます熱くなって、愛液があふれる。
濡れたアナルが、暖の指に、ぬ゛ゅ゛ふ゛…ぬ゛ゅ゛ふ゛…ぬ゛ふ゛ゅ゛…ぬ゛ふ゛ゅ゛…淫らな音を奏でられている。
中だけではない。
勃起している笙悧の物も、熱と硬さを増して、雫を滴らせていた。
なのに、暖が人差し指を引き抜いた。
「ゃぁああっ」
笙悧は声を上げる。
「指、増やすね…」
そう言う暖に、笙悧は、嫌がって頭を振る。
「やだぁぁぁ」
「――ここまで来て、拒まれると、お兄ちゃん、とっても困る…」
暖の物も勃起していた。
「指じゃ嫌だ。もう挿れて。お兄ちゃんのおちんちん、ぼくの中に挿れて。」
せがむ笙悧は、自分のお尻の肉を両手で掴み、愛液で艶やかに濡れて喘いでいるアナルを拡げてみせる。
思わず暖は顔をそむけ、目元を手で掴むように顔を覆った。
「やばい。見ただけで、イキそうになった。俺の弟がエロすぎる……」
暖は肩を大きく上下させて、ひとつ、深呼吸をして、目元から手を下ろした。でも、肩は小さく上下して、乱れた呼吸は、少しも整っていない。
暖も、匂い立つ笙悧のΩのフェロモンに駆り立てられて、発情していた。
笙悧は手を伸ばし、ベッドのサイドボードの一番上の引き出しから、ゴムを出した。
「やだぁぁぁ」
「痛っ」
暖がゴムの袋を口にくわえたのを見て、笙悧は足で、暖の肩を蹴った。暖はゴムの袋を口にくわえたまま、ヘンな声が出た。
「生で挿れて。中で出して。お兄ちゃんの精子、ぼくの子宮に、いっぱい、ちょうだい」
言いながら笙悧は、暖の両肩を、両脚で蹴り続ける。
暖は口にくわえたゴムの袋を、左手に持った。
「言葉でイキそうになるから、そういうこと、言うな」
言うと、口にくわえ直してゴムの袋を切った。
口にくわえて、ゴムの袋を切るのは、格好をつけているのではなかった。
両手で切ろうとすれば、笙悧のアナルを解して、愛液で濡れた右手のせいで、袋が、ぬるぬる、滑ってしまうからだった。
ゴムを出して、自分の物に、ぴったりと着けると、まだ蹴り続けてる笙悧の足首を掴んで、自分の肩に掛けさせた、左足も、右足も。
「お兄ちゃんの意地悪ぅぅぅ」
笙悧は、両肩に掛けさせられた両脚を暖の背中に重ね合わせて、引き寄せる。
暖は、拒まなかった。
手に持った自分の物を、笙悧の両脚に引き寄せられるまま、アナルへ挿入する。
「ぅあぁっ」
笙悧は悦びの声を上げる。
指なんかより、ずっと太くて硬くて熱い物が、ずにゅずにゅ、自分の中に挿入って来る。
「最初から、そんなに締め付けないで…お兄ちゃん、イッちゃうよ?」
暖は、肩に掛けた笙悧の脚にくちづけて、言う。
「早くイッて。お兄ちゃんの精子、僕の子宮に、いっぱい、ちょうだい」
せがむ笙悧に、ますます締め付けられる。暖は苦笑して、聞いた。
「もう出しちゃっていいの?出したら、お兄ちゃん、おちんちん、抜いちゃうよ?」
「ヤダぁ…」
「じゃ、お腹の力、抜いて……ん…上手……お兄ちゃん、動くよ」
暖は、ゆるやかに腰を振り、笙悧の中を、やさしく撫で始める。
「気持ち、いい…気持ち、いい…気持ち、いい…お兄ちゃん、気持ちいい…」
ふわふわと、暖に揺さぶられて、笙悧は快感に溶ろける。
もっと気持ちよくなりたくて、笙悧は、お兄ちゃんに中を、やさしく撫でられながら、両手で、自分の物を扱き始めてしまう。
理性をなくして、ただ快楽を貪るだけのΩを、暖は愛おしく見つめる。そして、ぐいっと、腰を打ち付けた。
「はきゅっ」
突然、笙悧は「触って欲しい所」を、暖の先端に突き上げられて、腰は浮き上がり、体は、びりびり、震えて、目の前には、ちかちか、ちいさな花火が散った。
跳ね上がり、痙攣する笙悧の体を、ゆっくりと眺めると、暖は笙悧が「触って欲しい所」を、ずちゅずちゅずちゅずちゅ、突き始める。
「好きぃ、そこ、大好きぃ、大好きぃ、大好きぃ、」
「ぼくの、こと、は、『好き』、って、言って、くれない、の?」
「お兄ちゃんも、大好きぃ、大好きぃ、」
「『も』って、何だ、よっ?」
暖の先端が、笙悧の前立腺を、ぐりぐり、こねくり回した。
「イ゛ク゛う゛う゛う゛う゛っ゛」
声を上げて笙悧は、意識が真っ白に弾け飛んで、両手に持っていた自分の物の先端から真っ白な精液を飛び散らして、イッてしまった。
びくっ、びくっと、震える体が止められない。
なのに、イッている体を貫くように、ぢゅぷんっと、笙悧の最奥まで、一気に暖の物が突き挿れられた。
「ぅ゛う゛う゛っ゛」
笙悧は声を上げた。
そして、一気に、笙悧の中を、ずゅるゅるゅるゅるゅるゅるゅと、曳き擦りながら、暖は腰を退いた。
抜ける…と、笙悧が感じて、キュッと締まった瞬間に、また一気に、最奥まで突き挿れられる。
「ぁ゛、ぁ゛、ぁ゛……」
笙悧の脳天まで、快感は突き抜けた。
「奥も、大好きだよね」
す゛ち゛ゅ゛す゛ち゛ゅ゛す゛ち゛ゅ゛す゛ち゛ゅ゛、最奥をお兄ちゃんの物に突かれて、
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、」
笙悧は呼び続ける。――もっと突いて欲しくて、もっと気持ちよくなりたくて、もっと奥の子宮に、お兄ちゃんの精子が、いっぱい欲しくて、
暖が振る腰が速さを増す。
「お兄ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ」
「っふ、っは、ぁ、っ、は、っん、」
暖の半開きの口からも声がこぼれ、汗は滴り落ちて、笙悧の肌の上で、笙悧の汗と混ざり合う。
先端へと精子が昇り詰めてゆくのを、暖は、まざまざと感じる。
――笙悧を抱く前に、経験がなかったわけじゃない。
でも、イク瞬間に、「孕ませたい」と想ったのは、笙悧が初めてだった。
暖は、一際、強く深く、笙悧の最奥を突き上げた。
「っふ、っく、っ、」
暖は射精する、ゴムの中に。
「ゃあああんっ」
悦びの声を上げてイく笙悧の中が、ぎゅうっと締め上げる。最奥のもっと奥、自分の子宮まで、暖の精子を招き入れるために。
笙悧の両手で持ったままの自分の物が震えて、吐き出す精液が胸にまで飛び散る。
射精して震える暖の物に、最奥を揺さぶられて、笙悧は、快感が止まない。
「っあ、あ、あ、あっ、」
痙攣する体の上に、お兄ちゃんの重みが重なった。
笙悧は、自分の上に、ぐったりと倒れ込む暖の体を、両脚で抱き締めた。――両手は、自分の物を持ったままで、暖の体と、自分の体の間から、引き出せなかった。
暖は汗に濡れて前髪が乱れる額を、笙悧の額に重ねわせた。
「愛してるよ、笙悧…」
「ぼくも愛してる、お兄ちゃん…」
「セックスする時は、『お兄ちゃん』って呼ぶな、って言ってるだろ…」
笙悧の唇をふさぐように、暖は唇を重ねた。
暖は兄と姉がいて、弟が欲しかった。笙悧は妹が一人いて、兄が欲しかった。
笙悧は、子どもの頃から、暖を「お兄ちゃん」と呼んでいた。
婚約者、のような関係になっても、笙悧は何だか恥ずかしくて、「暖」と名前を呼べずにいた。
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