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オープニング映像の為の収録。あとは細かな俺一人のカット場面をまとめ撮りする。
京都の御所で舞を踊るシーンを撮影すれば俺の今日の仕事は午前中で終る。
後はスタジオ撮影のみだ。
濡れ場を覗いてほとんどが一人のシーンの為、NGの少ない俺の出番の収録はとんとん拍子に先に進んでいた。
「しかし、よく覚えるよな~…こんな舌を噛みそうな台詞。感心するよ」
風間さんは台本を捲りながらぼやいている。
それは確かに言えてる。
そして主役である光の君の俺の台詞は異常に長い。
確かに独演だわ…
宮の廊下ですれ違う女房役の女優達を口説いて回る軽い優男を演じながら、義母の藤壺に密かに想いを寄せる。
軽さと内に秘めた熱を使い分けて演じなくてはならない。
軽さ…
それは難なく演じられる。
内に秘めた熱──
これはどうだろう…
俺は晶さんのことを思い出す──
好きって言う感情の伝え方がわからずに昂った想いのまま、晶さんをいきなり押し倒した。
我慢できたのはほんの一週間だ…
その一週間の記憶を俺は手繰り寄せた。
・
初めてマンションを訪れて扉を開けた瞬間に目を見張った──
晶さんを見て一瞬釘付けになったあの時。
まさしく、御所に初めて迎えられ屋根付きの牛車から顔を覗かせた藤壺に光の君がハッとした瞬間と同じなんじゃないかと?
胸を襲う疼きが何なのかもわからずに目だけは執拗にその姿を追う。
共に過ごす日々を繰り返し、魅せられる様々な仕種や表情──
いつの間にか目を離せなくなっていた自分に気付く。
純粋に好きだという感情はやがて抑えようもない独占欲に繋がり男としての熱い猛りに悩まされ…
そして一線を越える──
光の君を受け入れながらも全てを預けようとはしてくれない──
藤壺はあの時の晶さん、そのままだ──
俺に沢山の愛を囁かせたっぷりの情交を交わしながら次の日に突然、俺を切りはなそうとした晶さんそのもの──
愛し合えたと思ったのに突然身を引こうとした晶さんにわけもわからず狂ったのを憶えてる。
どうしようもなく胸が軋んで泣きながら必死に晶さんの愛を求めた──
あの時の感情は忘れない。
こんなにも狂おしく欲したものが今までにあったかと
離れて行きそうな晶さんをどうやって引き止めていいのかもわからずにがむしゃらに愛を乞うた。
ほんと
死にそうな程に切なかったよあの時は──
本気の恋愛をしなきゃ演じれない…
京都の御所で舞を踊るシーンを撮影すれば俺の今日の仕事は午前中で終る。
後はスタジオ撮影のみだ。
濡れ場を覗いてほとんどが一人のシーンの為、NGの少ない俺の出番の収録はとんとん拍子に先に進んでいた。
「しかし、よく覚えるよな~…こんな舌を噛みそうな台詞。感心するよ」
風間さんは台本を捲りながらぼやいている。
それは確かに言えてる。
そして主役である光の君の俺の台詞は異常に長い。
確かに独演だわ…
宮の廊下ですれ違う女房役の女優達を口説いて回る軽い優男を演じながら、義母の藤壺に密かに想いを寄せる。
軽さと内に秘めた熱を使い分けて演じなくてはならない。
軽さ…
それは難なく演じられる。
内に秘めた熱──
これはどうだろう…
俺は晶さんのことを思い出す──
好きって言う感情の伝え方がわからずに昂った想いのまま、晶さんをいきなり押し倒した。
我慢できたのはほんの一週間だ…
その一週間の記憶を俺は手繰り寄せた。
・
初めてマンションを訪れて扉を開けた瞬間に目を見張った──
晶さんを見て一瞬釘付けになったあの時。
まさしく、御所に初めて迎えられ屋根付きの牛車から顔を覗かせた藤壺に光の君がハッとした瞬間と同じなんじゃないかと?
胸を襲う疼きが何なのかもわからずに目だけは執拗にその姿を追う。
共に過ごす日々を繰り返し、魅せられる様々な仕種や表情──
いつの間にか目を離せなくなっていた自分に気付く。
純粋に好きだという感情はやがて抑えようもない独占欲に繋がり男としての熱い猛りに悩まされ…
そして一線を越える──
光の君を受け入れながらも全てを預けようとはしてくれない──
藤壺はあの時の晶さん、そのままだ──
俺に沢山の愛を囁かせたっぷりの情交を交わしながら次の日に突然、俺を切りはなそうとした晶さんそのもの──
愛し合えたと思ったのに突然身を引こうとした晶さんにわけもわからず狂ったのを憶えてる。
どうしようもなく胸が軋んで泣きながら必死に晶さんの愛を求めた──
あの時の感情は忘れない。
こんなにも狂おしく欲したものが今までにあったかと
離れて行きそうな晶さんをどうやって引き止めていいのかもわからずにがむしゃらに愛を乞うた。
ほんと
死にそうな程に切なかったよあの時は──
本気の恋愛をしなきゃ演じれない…
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