ラブプレイ~Hな二人の純愛ライフ~

中村 心響

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書かれている記事に目を見開く──。

そこには俺がジュエリーショップで指輪を購入した事や、以前に社長や晶さんと北海道旅行をしたことが取り沙汰されていた。

読めば読むほど裏付けがきっちり取れた内容だ。

「すごいなこの記者……」

ある意味感心した。

ここまで事実に基づいて書けるってことは情報の収集力に長けているってことになる。

ただ、別に隠そうという気持ちもないし、晶さんとのことなら俺は喜んでオープンにしたい。。。

「退院したら記者会見するぞ」

「え、そんな大事(おおごと)?……」

「イメージ守るためだ──」

「イメージってなんの?」

社長はパイプ椅子に腰掛けて腕組みをする。

「人気俳優が恋人が留守で寂しくて胃潰瘍なんて間抜け過ぎて笑えんだろう? それと事務所の軋轢──」

「………」

「その誤解を解け」

「ええぇ…あってんじゃん。“事務所との軋轢”“ブラック事務所”」

「だめだ。て、うちのどこがブラックだ」

「……チッ…」

言い切った社長に俺は舌打ちで返した。


社長は俺に指を指す。

「いいか、聖夜。お前は飽くまで“極限まで追い込まれた逃亡犯の役作りに没頭したあまり──”体調を崩し、今回の結果を招いたことを会見で詫びろ。わかったな」

「………」

「イメージのマイナスはスポンサーの契約にも響く。わかったら会見でどう語るか考えておけ」

「はいはい。わかりましたっ」

俺は、はあ…っとため息を吐いていた。

社長の言う通り、この世界でイメージダウンは芸能生命にも関わる。

確かに事務所と上手くいっていないタレントってなると好感度が上がる筈もない。

晶さんとのことを堂々と語れないってのはちょっと気に入らないけど、やっぱり恋人と上手くいかなくて体調崩すなんてよくよく考えてみれば飼い主に見捨てられた犬みたいなもんだ。

「できればイメージアップに繋がる会見にしろよ?わざわざ会見開くのはそのためだからな?」

「わかってるよ……てか、いつもなら手回ししてこんな記事出る前に抑えるのにらしくもないね?」

「言うな。俺も人の子だ……手塩にかけた息子同然のお前が死にかけたら俺だって焦る…」

「………」

肩を竦めていった社長に、普段からチンピラだ。極悪だ。なんて言ってることを俺はちょっとだけ反省した。

「イメージアップかあ……」

なんて言おうか?

──て、だったらイメージのプラスになるようだったら晶さんとの関係を公にしてもいいってことだ……。
やっぱり俺の考えは晶さんに向く。


しょうがない──

なんだかんだ言ったって今回のことで身に染みた。

最初こそは晶さんナシでもけっこう平気じゃん俺──。

なんて思い込んでいたわけで。普通に仕事に打ち込んで、普通に生活もできていた。

でも心と身体は俺が思うよりも正直だった。

俺は平常心を保てていた“ふり”をして自分を誤魔化したんだ。


その“ふり”が知らない間に俺自身を蝕んだ──

演じることや
人に認められること

前から知っていた楽しいって感情。そこに晶さんと出逢って好きな人を想うって喜びを俺は初めて味わった。


仕事は好きだけど俺は晶さんが居ないと本気で生きていけないわけで、

そうなるとやっぱり晶さんの存在は必要不可欠。

俺にとって欠くことのできない人なんだ──。


退院の日取りは近い。
体調を崩した俺のせいで、ドラマの撮影も一部、中断してる。

そして、一刻も早く晶さんが待っていてくれてる部屋に戻りたい。。。

「ね、社長…」

「あ?何か会見で話すいい文句が浮かんだか?」

「うん。それはおいおい考えるとしてちょっとお願いがあるんだけど──」

「……銭になる話か?」

すかさずそう返した社長を白い目で見た俺だけど、そんな俺も頷いた。

「上手く行けばイメージアップに繋がってCMの仕事が一社、増えるかも」

「その話乗った」

勝負師の表情を垣間見せ、社長はニヤリとイヤらしい笑みを見せていた。
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