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しおりを挟む「じゃあ、今日はほどほどにしてゆっくり休まなきゃ…」
「それはダメ」
「あ、夏希ちゃ……っ…」
「今日はもう寝ない!朝まで晶さんを抱く!」
「ちょ…夏希ちゃっ…病み上がりなんだからっ…」
もがいてくっついてくる顔を押し接がし、夏希ちゃんを見る。
「晶さんは疲れたら寝てもいいよ」
「あたしは飛行機の中で充分に休めるから」
「………」
そう返したあたしを夏希ちゃんは白い目で見下ろす。
「休まなきゃいけないのは夏希ちゃんのほうだから」
「……そ。でも俺は寝ない。朝までって決めたから」
「あっ…──」
そう言ってあたしの中をえぐるように夏希ちゃんは大きく腰をグラインドさせた。
「あんまり激しくすると料理が落ちちゃうからこれで我慢してね」
「ああだめっ…それのほうがきもちいっ…」
まるで中を撫でるみたいに夏希ちゃんは擦り付けながら前後する。
「これ好き?」
「う……っ…んっ…すきっ…すごくいっ…い…っ」
じわじわと迫ってくる強い快感に躰が思わず前屈みに縮こまる。
「はあっ…晶さんかわいい……」
夏希ちゃんの胸元に踞るように額を押し付けたら、夏希ちゃんはあたしの後頭部にキスをしてそう漏らしていた。
・
小さな子供みたいに躰を丸めたあたしを夏希ちゃんが大事そうに抱き締める。
いつもは駄々をこねて我が儘を言う夏希ちゃんが、今は頼りがいのある男って感じだ。
甘えていいんだ。
この恋人
夏希ちゃんにだけは、甘えて我が儘に振る舞って言いたいことも全部口にして……
お互いにそれを許しあっていける仲なんだ。
夏希ちゃんの腰は相変わらず大きく引いてはゆっくりとあたしの奥に押し沈めてくる。
あたしは口にする。
快楽に昂った感情とありったけの想いを素直に口にする。
もう二人には演技も駆け引きも必要ない。
そう思うから……
「ああっ…すごくきもちいい……っ…」
あたしは夏希ちゃんの首にしっかりとしがみつく。
「そこすごくいいっ…」
「……っ…」
心から求めるように。
自分から擦り付けるように、夏希ちゃんから送られてくる快感を取り逃がさないように──
夏希ちゃんの腰が引いていくのを掴まえて、あたしは夏希ちゃんの目の前で淫らにその姿を晒した。
・
「はあ…っ…晶さ…やばいっ…」
俺のを一生懸命、感じようとしながら中を締め付けてくる。
夢中で貪ろうとするその仕草がエロくて可愛くてたまらない。
「…っ…あんまり挑発したら俺…っ…我慢できないじゃんっ」
こんなまったりとした動きではなくて、もっと強く激しく腰を揺らしたい。
そんな衝動にかられ、晶さんを抱えると椅子に腰を降ろして晶さんの乳房に噛み付いた。
「ああっ…」
乳房に吸い付きながら上を見れば、声を上げて仰け反る晶さんが目に映る。
白い喉元に細い顎先。
半開きになった唇全部を無我夢中で犯したくなる。
快感に反る背中。その背筋を手のひらで支え、上に股がる晶さんを下から強く突き上げた。
「……っ…あっ…ああっ…だめイっちゃ…うっ…っ…」
唇を強く噛み締めて晶さんは顔を歪める。
「はあっ…晶さんもうイキそ?…っ」
「…んんっ…イ…っく…イっちゃ…う…っ…」
俺にしがみついてくる晶さんの力が強くなる。
狂ったように腰を捻り、擦れる粘膜の音は空気を含んで厭らしく鳴り響き続けている。
・
「はあっ…たまんないっ…俺もイキそ…っ…」
淫らな晶さんに興奮する。破裂寸前に膨らんだ俺のを苦しいほどに締め付けて、幾度となく擦っては果てを促す。
突き上げていた筈の腰がいつしか晶さんに舵を取られ、魅惑的な腰の動きに俺自身が翻弄されていた。
「ああ……もっ…俺がやばっ…いっ…」
しがみついて揺れていた晶さんを強く抱き締めて、華奢なその胸の谷間に顔を埋めた。
中心を駆け抜ける熱い波。晶さんの中にそれを吐き出しながら身体が痙攣したように微動する。
それと同時に晶さんの躰も強く強張っていた──。
「……ああ…っ」
晶さんの高い喘ぎが短く響く。
願わくは──
晶さんもイッてて欲しい……。
また一人で勝手に果ててしまったと自己嫌悪に陷ないように…
「はあ……」
緊張感で足先が突っ張った晶さんの口からため息がゆっくりと漏れていく──
胸に埋めた顔を持ち上げてそんな晶さんを恐る恐る見上げた。
「……晶さん…今イケた?……」
心配そうな目で窺う。
そんな俺を晶さんはゆっくりと見下ろした。
・
「……すごい……きもちよかった……」
気だるい溜め息を含みながらうっとりとした眼差しで口にする。
そう言って笑った晶さんの表情がたまらなく色っぽくて……
「……っ!?…えっ…ちょ…夏希ちゃ…っ…待って…またするの!?」
「……うん…またするの…てか…まだするの」
果てたばかりのはずのムスコがムクムクッと膨らんでくる。
我ながらあまりにも節操がない……。
恥ずかしい限りなんだけどこればっかりはしょうがないから……
「ごめん晶さん。。。」
詫びながらもイヤラシさで鼻が膨らんだ。
抜かずの三発って話があるけどどうやらそれもほんとらしい……
焦り気味の晶さんを抱き上げて、さっき戯れたベッドへとまた逆戻り。
「ごめんね…」
やめる気はないけど取り合えずもう一度詫びておく。
ベッドに横になってそんな俺を見つめると晶さんは仕方なさ気にふふ…と、笑った。
「いいよもう……朝まで覚悟したから…」
「ほんとに?」
「うん」
「じゃあ、思いきりするから」
「………」
最後の言葉にちょっと何か言いたげな表情を晶さんは浮かべている。
二人、付き合い始めてもうすぐ一年──
ねえ、晶さん……
この躰。
俺、ぜんぜん飽きる気がしないよ。。。
俺はそんな晶さんの唇を深くゆっくりと塞いでいた──。
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