ラブプレイ~Hな二人の純愛ライフ~

中村 心響

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40章 愛しい君とエンドレスLove~二人の終わらない恋物語~

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暗やみだった室内に少しずつ外の光りが差し込んでいた。

揺すって起こしたいけどそれは我慢。

目の前でぐっすりと眠り込む晶さんを見つめ、そう思いながら晶さんの頬を撫でる。

夜明け前──

白くなっていく空が、晶さんと離れ離れになる時間が迫っていることを否応なく知らせていた。

「……ねえ、晶さん…もう起きないと俺、仕事に行っちゃうよ……」

すごく小さな声で囁いてみた。

お見送りもしてほしいけど起こしたくはない。

かなり矛盾しまくりだ──

でもしょうがない。。。

この寝顔はずっと眺めていたいって思ってしまうから……


俺の隣でこうも無防備に可愛い寝顔をさらしてくれる晶さんが愛しくたまらない。

そんな晶さんを見つめていると、セットした目覚まし時計がカチっと作動した。

「──…と…」

あぶないあぶない……

間一髪でベルを止める。

せっかくセットした時計だったけど晶さんをじっくり抱いたあと、一睡もすることなく朝を迎えた俺には結局必要なかったみたいだ。

止めた時計を確認して、晶さんをもう一度見つめる。

名残惜しいけどそろそろ準備しなきゃ…

小さな寝息を立てる晶さんの頬にキスをして、静かにベッドを抜け出した。



シャワーを軽く浴びて身支度を済ませる。

明かりを消したままの暗がりで物音を最小限までに抑えて準備を整えると、今だ深い眠りに落ちたままの晶さんにもう一度キスをした。

「行ってくるから……」

囁いた言葉に返事はない──

でも、それでいいんだ……。

ちょっと切ない気もするけどそれでいい。

淋しくてももう不安は沸いてこないから。

そう思う俺の顔には勝手に笑みが溢れてくる。

こんなに可愛い寝顔をこれ以上眺めたら離れがたくなってしまうから……

俺は自分を律して屈めていた腰を真っ直ぐ伸ばした。


晶さん……

待っててね



目を閉じたままの晶さんに背を向ける。

先ずはやるべきことをこなしてから──


そう気合いを入れてドアを開ければ、まるで一人舞台の照明のように、朝陽が俺を一気に照らす。


俺は大きな深呼吸を一つした──

「……よし、」

プライベートの柏木夏希から俳優、藤沢聖夜へとスイッチが一瞬で切り替わる。

真っ直ぐに前を向いたそんな俺を後押しするように、太陽は清々しく光り輝いていた──。





──────


「おーい!もう少し左に寄せてくれーっ」

「照明の向きはこのくらいですかー!?」

色んな声が飛び交う船の上──

空からは柔らかくて暖かな陽射しが降り注ぐ。

後ろには白い建物が並ぶ町、周りにはコバルトブルーの海。

その上に浮かぶ大きな船に揺られ、肌を撫でる風の心地好さにあたしは目を閉じていた。

「んー最高…」

処女航海を控えた出来立ての豪華客船。
準備に追われる撮影スタッフを尻目に、あたしはその広い甲板でほんのひとときのセレブ感を堪能する。

結婚式だけの撮影ではなくて式場とセットになった新婚旅行。ツアー会社とのタイアップで企画された、ハネムーンのイメージパンフレット。

初日はその撮影から入るらしい。

て、ことで本日のあたしは軽いロングワンピース。良いところのお嬢様ですか?てな女性らしい衣装と鍔の広い帽子を着用していた。

「あ──……」

薄いひらひらの生地が、海風が吹く度にふわりと舞い上がる。
とっさにお尻の辺りを手で押さえ、スカートのめくれを阻止すると後ろから声がした。



「あー、残念!……もう少しくらい油断してもいいと思うけど…」

とても残念そうには見えない笑みを浮かべたマリオが、三階のデッキから頬杖付いて見下ろしている。

白い麻のシャツと生成り色した七分丈のズボン。

とてもカジュアルな服装はプライベートな旅行をしっかりとイメージさせている。

ポケットに手を入れながら階段を降りてきたマリオは前回の撮影の時とはちょっと雰囲気が違って見えた。
「髪……染めた?」

「少しね。……わかる?」

前回は真っ黒な髪をしていたけど今日のマリオの髪は陽が当たると柔らかなオリーブ色に輝いている。

ワックスで軽めに崩したヘアスタイル。

うーん…
やっぱり外人モデル。

何をどうやってもカッコイイ。。。


そう思ったあたしをマリオは覗き込んだ。

「今、カッコイイって思った?」

「ぜんぜん。まったく持ってこれっぽっちも」

「さらっと言ってくれるね…こっちはすごく可愛いって思ったところだったのに」

少し呆れながらもマリオはそう言って直ぐに笑みを見せていた。

「まあいいか。取り合えずおいで…」

「……?」

マリオは自然とあたしの手を取り引いていく。

「もう撮影始まってるから」

「え?…あ、ほんとだ」

手を握られて驚いたあたしをマリオは諭す。振り返ると三階からカメラが向けられていた。

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