ラブプレイ~Hな二人の純愛ライフ~

中村 心響

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2章 平凡なひび

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  ◇◇◇



ピピ… ピピ…

「ねえちょっと!」

「ん──…」

うつ伏せの体をぐらぐら揺する。

「ねえ晶さんっ!!」

「は、い……」

「これって何の為の目覚まし!?」

「起きるため…」

「………」


夏希ちゃんがうちにきて一週間…

朝シャンしてバイトに行くまでの貴重な時間。リビングのソファでうたた寝するあたしの目覚ましを夏希ちゃんは部屋から態々止めにやってくる。



言わば、夏希ちゃんはあたしの第二の目覚まし。

「夏希ちゃんいつもありがとう」

目が覚めたらおはようの代わりに真っ先にお礼を言う。先手を打っておくと夏希ちゃんは怒るに怒れないらしい。
大人の世界で小さいころから芸能の仕事をしてきている夏希ちゃんは若いなりに、自分のことは自分でキチッとできる自立派だ。


「なんで朝シャンして二度寝する?次は止めないよ?毎回部屋からきて起こすのしんどいから!」


顔を洗って洗面所から出てきたあたしに、ため息吐きながらそう言った。

あれっとうとう怒っちゃった?

夏希ちゃんはなんだか不貞腐れた顔で部屋に引っ込んでいく。

「うーん失敗…頼り過ぎたかな」

ははっと笑いながらその背中を見送ると、あたしはバイトの準備を始めた。

髪は手入れの要らないストレートのショートだから手櫛でオケ!

上京しても一向に職は決まらず何気に始めた喫茶店でのアルバイト。

ゆくゆくは自分のコーヒーショップを開きたい。いつしかそう思うようになっていた、実は今はこれがあたしの夢!


部屋に閉じ籠った夏希ちゃんに“いってきます”と玄関から叫んで、あたしはバイト先に向かった。

「おはようございます!」
「おはよう、晶」

看板を出していたマスターに挨拶をしてあたしはタイムカードを押した。

広い家に一人で居た時より、夏希ちゃんが来てから何気に快適な生活が送れている。

開店前、あたしは大きな窓ガラスを拭きながらその手をふと止めた──




でもほとぼりが冷めるまでって──

一体何があったんだろ?

芸能プロダクション社長の叔父を持ちながら、あたしは芸能関係に詳しくないからスキャンダルってのもわからないし…


ほとぼりが冷めるまでは夏希ちゃんは外にもあまり出れず、うちに缶詰めだ。

「ただいま──」

「おかえり」

「あれ、何してんの?」

バイトから帰って台所にたっていた夏希ちゃんに声をかけた。

「冷蔵庫の食材借りてなんか作ろうかと思って」

「えーなになに、夏希ちゃん料理できちゃうんだ?へえー」

「前に料理のドラマやってた時に覚えた…」


単純に感動した。

回りを彷徨いて手元を観察しながら感心した声を上げるとなんか、はにかんで照れてる。

やっぱ何か可愛いな~コイツ!

「ねえ、なに作るの?」

あまり身長差がないお陰で肩に顎を乗せて甘えて聞いてみたら……

「近いっ…」

「すぅぐ怒る…」

しょうがないから距離を置いて眺めた。

「食材使っていい?」

「いいよ」

離れたあたしに今一度確認する。

「ねえ…前から気になってたんだけど──」

夏希ちゃんは背を向けたまま訊ねてきた。

「……?」

「なんで本名で呼ぶの?」

材料を刻む軽快な音が耳に響く。

「いや?」

「嫌じゃないけど…子役からずっと聖夜で呼ばれてるのになんでか気になったから…」

「夏希って名前可愛いじゃん?あたし聖夜よりイケルと思うけどな?」

「………芸名は社長のセンスだから…」

「だね」

さりげない会話がなんかホントに弟と居るみたい。
短いやり取りをして一旦、自分の部屋で部屋着に着替え、あたしは上から軽くシャツを羽織った。




リビングに戻り、テレビの前を陣取ってソファに寝転ぶと皿を持った夏希ちゃんがあたしを見下ろしていた。

「なんでズボンとか履かないの」

「……?」

短パン履いて横になり、片膝を立てて寛ぐ。まんま居間で寛ぐオヤジスタイルだ。そんな姿に夏希ちゃんは物を申してくる。

「履いてるじゃん?」

起きながらソファの上で胡座をかいて座ると目の前のテーブルに焼き飯が並んだ。


「あ、ウマイじゃん!」

「まだ食べてもいないくせに?」

「盛り付けみたらわかるって!」

しっかりと茶碗で型どった半球型の焼き飯。彩りもキレイで美味しそう。

とろみスープまで付けるところに思わず惚れてしまいそうだ。

「夏希ちゃん結婚するか」

惚れた勢いでプロポーズしちゃったり。

足元のカーペットに直に座った夏希ちゃんは、焼き飯を頬張りながら結婚を申し込むあたしを笑い、ソファに肘を掛けて頬杖を付いた。

「てか、晶さんも料理するでしょ?」

「……」

「冷蔵庫に手頃な食材きれいに保存してあったし…作る人じゃないとあれはできないよ」

「見るとこ細かいね?」

「いろんな人間見てきてるからね」

そう言いながら夏希ちゃんはあたしの顔に手を伸ばした。

「野生児…」

そう言ってプッと笑うとあたしの顔に付いていたらしいご飯粒を取って自分の口に入れる。

「おまけに無防備…」

そう呟いて意味あり気に見つめる夏希ちゃん。

ん?ちょっと視線が妖しいですが…

何だかその視線が短パンから出た胡座をかくあたしの素足に注がれていた。


   
他にも何か言いたげな目を反らして夏希ちゃんはテレビを見る。

「晶さん…」

テレビに顔を向けながら夏希ちゃんは声を掛けてきた。

「何?」

「最初に言ったこと…訂正していい?…」

「最初?」

「うん…」

「何言ったっけ…」

「……──」

焼き飯の皿から顔を上げたあたしと夏希ちゃんの目があった。


「手…出さないって約束──」

「……」

「今すげー…手、出したい」

合わせた目を反らして言うとまた夏希ちゃんはテレビに目を向けた。

そっぽを向いて頬杖付いた夏希ちゃんの顔が徐々に赤くなっていってる…

思わず頬張った焼き飯を丸飲みしてあたしは呟いた。


「……それはまた…急な展開だね…」


「急じゃないよ」

「へ…」

夏希ちゃんは食べ掛けの焼き飯をあたしから奪ってテーブルに置いた。

「あれ!?…今、食べてる途中っ」

「後にして」

「あれ!?いきなりっ!?…」

「我慢できないから」

「てかあたし何も返事してないよね!?」

「後できく」

あれ!?

うそ!?
夏希ちゃんてめちゃくちゃゴーイング・マイ・ウェイ!?



蛍光灯が煌々と照りつける真下、床に引き摺り下ろされて何故か押し倒されてるあたし。

そこに覆い被さる夏希ちゃん。

かわいい弟みたいなんて思った罰か?



何気に息を切らして顔を上気させる夏希ちゃんは色っぽいって言っちゃ色っぽいんだけど…


「ほら、やっぱり俺の言うこと聞いてくれてないしっ…」

羽織ったシャツを肌蹴るとノーブラを見つけて夏希ちゃんは怒ったように言った。

「隠れさえすればいいかと…」

「こうなったのは晶さんにも責任あるからね」

え?そうなるの? 

「あんな薄着でソファで寝てるしっ…」

寝巻着のこと? 
夏だからそれは見逃して

「毎回目にするこっちの身にもなってよっ」

「……──だね…」

あはは…
もうごめんとしか言いようがない──

潤んだ瞳で見つめる夏希ちゃんの顔が赤い。

いい男はテレてもいい男なわけで思わず押し倒されたこっちが生唾飲んじゃいそうな…

「晶さん…」

「はい…」

「最初っからすげー好きだった…」

「……んっ…」

降りてきた唇と供に夏希ちゃんの手がノーブラの胸をまさぐった…。




はあヤバイっ──

夏希ちゃんの手が動く度に躰が反応する。


「ち、ちょっと待ってっ」

夏希ちゃんのキスと動きでよくわかる。
これは結構な手練れだわ!?

思わず反応する自分が恥ずかしい。

処女じゃないから今更、ここまできて止めてとはいわないけど──

「な、夏希ちゃんっ!!電気消して」

それくらいはして欲しい…

「…はあ…っ…大丈夫、晶さん綺麗な躰してるから…」

「──…っ」

腹部に顔を埋めた夏希ちゃんは顔を上げるとそんな言葉を放った。

「ああっ…」

長い指先が悪戯に滑り込む。

ああもうっ
久し振り過ぎるっ──

ってどのくらい振りだっけ?

高二から付き合ったバスケ部の彼氏と卒業旅行でシタっ切り──?

……──


「あはは…四年ぶりだわ…」

「……どうかした?」

地味にショックを受けるあたしに気付いたのか夏希ちゃんが息を乱しながら顔をあげた。

「夏希ちゃん…」

「………」


「四年ぶりだから処女膜再生しちゃってるかもしんない…」

「……っ…わかった…優しくする」

「っ…」

そう言った夏希ちゃんの指があたしの乳首をつまみ優しく口に含んでいた。




「ああっ…」

「はあっ…晶さん、脚長い…すごくきれい…」

乳首を摘まんで弾きながら夏希ちゃんはあたしの脚を片方だけ肩に担ぐと熱い舌を這わせた。

夏希ちゃんて脚フェチ?

うっとりとした濡れた瞳で見つめるとあたしの頬を撫でる。

ゆっくりと体を曲げると夏希ちゃんは近づけた顔を首筋に埋めて項を食むように攻めてきた。


チュッと何度も吸い付かれ

「短い髪もすごく似合う…」


そんな掠れた囁きに甘い痺れが全身を襲う。

「あっ…」

普段言われたことのない甘い言葉の羅列があたしを心地好く包み込む──


なんだかうっとりしてくる…

夏希ちゃんはあたしの顔を覗き込むと優しく唇を押し当てた。

「晶さん…今、すごくいい女の顔してるよ…」

そういいながら潜り込んだ夏希ちゃんの指が大きく円を描く。

ゆっくりと溶きほぐし、柔らかくなるように

大胆に

じっくり──

溢れてきた蜜の濃さを指先で確かめながら──


夏希ちゃんはあたしの両膝を抱えた。

「ごめん晶さん…っ…我慢できないから挿れるね…」




「ああっ──!」

ググっと下半身に圧力を感じた瞬間、痛いかもっ…

そう思ってぎゅっと目を閉じたあたしをとてつもない疼きが包み込んだ。

「ああっ…っ…」
やばいっ
なんだこれ!?


キモチイイっ──

元彼の力任せのセックスしか知らない躰が夏希ちゃんの柔らかく波打つ動きにしっかり反応している。

ゆっくりと腰を前後させた夏希ちゃんは強いため息を吐いてあたしをぎゅっと抱き締めた。

「はあっやばっ…晶さんのっ…すごい気持ちいい…っ…」

膣に収まったままじっと構える。


いい男の苦しそうな顔がまた堪らない。

夏希ちゃんてなんでこんな色っぽいんだろ……

あたしの躰の上で切ない表情を見せる夏希ちゃんに子宮がギュッと締まった気がした。

「……っ…あ…晶さんっ今締めたら射(で)るっ…」


夏希ちゃんの唇から切羽詰まった吐息が漏れる。

そんな表情に釘付けになってまた子宮がキュンキュン鳴った。

「ああっ…晶さんっまじで射るからっ…」

必死で我慢する顔が堪らない。

どうしよう…

夏希ちゃんとのセックスって萌えるっ!!…


耐えながらぶるりと腰を震わせる。

強引に押し倒してきたくせにこのヘタレっぷり。色っぽくてかわいい仕草にこっちが興奮してくる。


  
自分にしがみついたままの夏希ちゃんをあたしは抱き締めた。

「夏希ちゃん…動かないの…」

「……動くとすぐイキそう…っ…まだイキたくないっ…」

「でもこのままじゃ終わんないよ…」

興奮したヵ所は静かに脈を打つ。
夏希ちゃんのも時おりビクンと鼓動を打ち返す。

夏希ちゃんは覚悟を決めたように抱き着いていた躰を放した。

「強引に迫ったくせに情けないって笑わない?…」

不安そうにあたしの顔を覗き込む。

その表情に萌えて思わずへらっと口が歪んだ。

「……っ…やっぱりっ…」

「ちがう!?今のはついっ…」

「ついなに!?…」

「つい…──」

口ごもるあたしを穴が開くほど見つめると夏希ちゃんはため息を吐いた。

「いいよ…早くていいから一回イッとく!…そのかわり…」

そう言って耳元に唇を付けた。

「あとで思いっきり感じさせてあげるから」

「──…っ…」 

魅惑な瞳がゆっくりと緩む。

思わず喉に溢れた唾を飲み込むあたしに口付けると、夏希ちゃんの腰は前後の律動に大きくストロークを交え、イヤらしい動きを繰り返し始めた。




「はあっ…まじでやばいっ…」

夏希ちゃんの口から漏れる息が熱い──

「ああっ…いっ…」

「晶のここっ…狂うっ…」

ええ!?いつの間にか呼び捨て!?

イクことに集中しはじめた夏希ちゃんの顔がさっきと変わり、雄の表情になっていく──

攻める時って雄になるんだ男って──


当たり前の新たな一面を垣間見る。

さっきの身悶える萌え顔も良かったけど、この攻め顔もこれはこれで興奮する。

がむしゃらに揺れ始めた腰の動きと擦れる内部が徐々に気持ちよくなってくる。
夏希ちゃんの反り返ったものがあたしの膣内部に添って全体を何度も擦り上げる。

ホントに気持ちいい

ああ…わかったっ…

夏希ちゃんのとあたしの膣(なか)…

形がぴったりなんだ…



「あ、あ…っ…」
「はあっ…晶…ごめっ…もうイク──…っ…!!」


膣から引き抜いた夏希ちゃんのものから白い液体が弾ける。

熱い息を吐いて残りを絞り出すようにゆっくりとシゴク、夏希ちゃんの苦しそうにな表情にまたあたしの脈打つ子宮はキュウッと締まっていた。




あたしのお腹に熱い欲を放った夏希ちゃんは快感に歪んだ顔を見られると、とても恥ずかしそうに目を反らした。

脈打つ先から未だ滴る温い体液がボトリとあたしのお腹に重く落ちる。

躰を放しながら夏希ちゃんは赤い顔で悔しげにポツリと呟いた。


「なんかすごい気持ち良かった…」


夏希ちゃんはテーブルのティッシュを引き寄せて、あたしのお腹に溢した自分の欲を拭き取りながら

「あんまり見ないで」

気まずそうにそう言った。

大量に飛び散った体液に本人も少し焦ったらしい。

それにしてもすごい量だ──

こんなに出るもんだっけ?

もしかして溜まってた?


“充分間に合ってるから──”

…て、たしかそう言ってたはず…


初日に聞いた言葉を思い出してつい、お腹を拭いてる夏希ちゃんをマジマジと見てしまう。


「……っだからあんまり見ないでって…」

「ごめん」

「──なんで謝るの」

「何となく…」

申し訳なさそうに言ったら、何だか立場がないって顔をしてる。




夏希ちゃんはあたしのお腹の上に貯まったティッシュの固まりをどかすと急に抱き締めてきた。

「なんか…すごい恥ずかしい…っ」

うんうん、言いたいことはよくわかるよ夏希ちゃん。

あたしは抱き着いてきた夏希ちゃんをそっと抱き締め返した。

普段はこんなんじゃないって言いたいんだよね。

でもいいよ…

可愛かったから許す!

なんて言うとヘコむよね、たぶん……。

でも──

そんな所も含めて好きになってきちゃってるからいいと思う。


これはちょっと…


クセになりそう


そんな恋の始まりに胸がホコホコしちゃってる。。。

頭上では夏希ちゃんがあたしの髪に顔を埋めて唇を柔らかく押し当てていた。





抱き締めていた腕にきゅっと力が込められる。


「晶さん…」

「……」

また“さん”付けに戻って名前を呼ぶと夏希ちゃんはぎゅうっと抱き締める。

「恋人になって…」

「……」


「…ください……」 


「……んー…」


「……?…」


「……考えてみます」


「えっ!?──なにそれっ…」


夏希ちゃんは抱き締めてた躰をガバッと起こしてあたしを見た。

「……っ…ダメってこと!?」


「……」


「え!?…なに?なんで何も言ってくんないの!?」


「……」


あれ~…すごい慌てて、かわいいかも…しれない……

「なんで!?」

「だって…」

「だって何!?」

聞き返す顔がすごい必死だ──


「…返事する前に犯されちゃったし……」

「犯されっ…」

あたしの答えに夏希ちゃんは息を詰めた。


  
「あ…ごめっ…もしかして嫌、だった…」

「………」

「まじでっ──…」

あれ、夏希ちゃんもしかしてちょっと泣きそう?

不安そうに片手で頭を抱えてる。

「ごめっ…」

「嫌じゃないよ」

「……──」

「嫌じゃないけど…」

「ないけど…なに…」


「夏希ちゃん、キスが全然足りてない」

「──……」

夏希ちゃんはその言葉に目を見開いた。

「キスが足りないと愛も足りないよ…だから恋人になるのはちょっと考える」

むくれた振りして言った途端、あたしの顔を両手で挟むと夏希ちゃんは唇を塞いだ。

「ごめん…あんまりキスすると余計に我慢できなくなるから…」

「手抜きしたんだ?」

夏希ちゃんは気まずそうに頷いた。

「ごめん」

そう繰り返しながら夏希ちゃんの唇が重なり始める。

軽く吸い付いて離す度に熱い吐息がもれて、濡れた舌先が少しずつ口腔を這うと

「ああ、ほらっ…やっぱ我慢できなくなったじゃんっ…」

抱き締めてきた夏希ちゃんの元気になったモノがあたしの太股をつつく。


やっぱ若いな…

「次は俺、長いよ…」

「……」

「たぶん…」

「自信無さげだね──」


「……──っ」

あたしの一言で撃沈したように胸に顔を埋めた。




「そうだよ、はっきり言って自信ないっ──びっくりするくらい気持ち良かったし…っ…だから次もわからないっ」

胸元に潜ったまま夏希ちゃんはそう宣言している。

「夏希ちゃん…」

「……ん」

夏希ちゃんは困った顔であたしを見る。

「別に長くなくていいよ…」

あんまり長いと関節痛いし…

「キスいっぱいしながらシテくれたらいい」

あたしはニッコリ笑う。

「それじゃ完璧に俺、早く射くじゃん…」


「それでよし!」


「…っ…──」

そう言うと夏希ちゃんは頭を抱えて吠えた。

「あ??もうっ晶さんめちゃ我が儘っ…俺早くイキたくないっ」

「うるさいっキスしないセックスは動物の交尾と同じだっ…腰振るだけならよそでヤッてこいっ!」

どうだ、お前の好きなこの長い脚で足蹴りしてやるっ

夏希ちゃんにうりうりとケリを入れてやると急にその脚を掴まれた。





「いいよっやるよ、キスいっぱいするから──っ…」

「………」

「するから──…」

あたしの脚を掴んだまま言い切った後に夏希ちゃんは小さく呟いた。

「キスいっぱいするから…本気で恋人になってよ」


「……──」


なんだよ、そんな熱い目で見てくれちゃって──

また子宮がキュンキュンしちゃうじゃん…


あんまり情熱的だと返って対処に困る…


夏希ちゃんはあたしのふくらはぎを掴んだまま、ゆっくりと前屈みに顔を近付けてきた。


潤んだ瞳がヤバイくらいエロティック。

どうしよう──

ちぃっと…煽り過ぎたかも知れない…


「…晶っ……」

きたっ


呼び捨てキタっ── 


「たくさんキスするんだから…ちゃんと責任とってよっ──…」

「……っ…」

ふくらはぎは相変わらず離さないまま、夏希ちゃんはあたしの顎先を捕らえて唇を重ねた。





押し入ってきた肉厚な舌があたしの口の中をゆっくりと撫で上げる…


ああ、やっぱり気持ちいい──

キスだけで熱い蜜がいっぱい溢れてくる


離した唇から熱い吐息が漏れる。

夏希ちゃんの高揚する瞳。

それに見つめられただけでまた子宮が疼いてくる。



ほら…

ほかに愛撫なんていらないじゃん…


セックスにはキスが最高の媚薬だって再確認できたでしょ──


唇の交尾を交わす度に夏希ちゃんの切ない表情が熱に溺れていく。


夏希ちゃんは強いため息を吐くとあたしをぎゅうっと抱き締めた。

「……ああもうっ…止まんないっ…なんでこんなに俺を困らせるかな…っ…」


「……夏希ちゃん」

「なんかすごい好きになってくしっ…」




夏希ちゃん…すごい泣きそう──




いい男の泣きそうな顔に萌え死にしそう・・・


もう…

あたしのほうこそ…






たまらんばいっっ!!──






息苦しそうに顔を歪める夏希ちゃんから目が離せない。

好き──

熱に犯されたようにその言葉を繰り返され、あたしの躰が熱くなる。

「あっ…」

たっぷりと濡れたそこに夏希ちゃんがまたゆっくりと侵入してきた…

「……っ…ほんとに早いかも俺、…」

何かを堪えながら、あたしの願い通り雨のように夏希ちゃんのキスが降り注ぐ。

吸い付いて跳ねる水音とささやかな呼吸。

その音に混ざって急くような愛の言葉が夏希ちゃんの唇から沢山溢れてきていた──


ゆっくりと腰を突き動かす度に愛を囁く…

「好き…っ…」

そう囁く度に夏希ちゃんは込み上げてくる快楽に強く目を閉じた──

「はあっ…なんか俺すごい不安っ…」

「…あ…っ…」

ぶるっと躰を震わせ目を閉じてそう訴える。

「…っ…不、安…?…」

ゆっくりとした夏希ちゃんの律動に揺らされる。


「はあっ…んとにこんなんで…っ…恋人になってくれるっ?…」


息を切らして切ない表情で真っ直ぐに見つめてくる。

「なんか…まだっ…晶さんから好きって言われてないしっ…すごい不安っ…」


夏希ちゃんは胸元に額を押し付けて抱き締めてくる

「…俺ばっかり好きって言ってるし…っ」

必死になって愛を乞う。

そんな夏希ちゃんに言葉よりも子宮が応え始めている。




「夏希ちゃん…もっといっぱいキスして好きって言ってみて…」

「──…っ…」

そう言って夏希ちゃんをぎゅっと抱き締める。

夏希ちゃんは震える吐息を吐きながらあたしの首筋に顔を埋めて抱き締めた。

そのまま腰がスローな動きを繰り返す。

「はあっ…──すき…っ…」

きゅうっと子宮が反応すると夏希ちゃんは息を切らした。

浅く長く動いて
深くえぐる 

奥を突くことなくその手前で行き交いゆっくりと擦り上げる


首筋に舌が這い

耳たぶを食んで聴覚に熱いため息を注ぎ

脳髄を甘く震わせる

「ああっ…いっ…」

「はあっ…もう限界っ…晶さん…っお願いだから…早く好きって言って…っ…」

ため息を送り込む度に柔らかく締め付けて

どんなにゆっくり揺すぶっても呼吸は早まり荒いでいく──

なんでこんなに好きなんだろう──


そんな想いを抱きながら、がんとして好きという言葉を言わないあたしの意地悪さに切なく顔を歪ませる


その表情に胸が締め付けられて──

どうしようもなく甘く疼いた…


「晶さんっ…もう俺泣くっ…」

熱い目尻に涙を溜めて首筋に顔を埋めると、夏希ちゃんはそう言って二度目の欲を打ち放した。
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