男装バレてイケメン達に狙われてます【逆ハーラブコメファンタジー】

中村 心響

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第三章 恋愛編

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「お前らは引き続き山の守りあたれ!他の奴らは俺様とドブさらいに行くぞっ!!

俺様は今夜は予定があるんだ…っ…いいか!?ダラダラやっても意味がねぇ──暗くなる前には終らせるっ!」 

「へぃっ!」

先頭をきるレオに続き、舎弟達は威勢よく声を上げて山林を駆け出していった。


◇◇◇



ところ変わり、アル達は今日は街へオペラ鑑賞に来ていた──。


「ん~毎回、同じで芸がないわねぇ」


「ほんと...もっとアイデアを絞ればいいのにっこのままではオペラ界もいずれ錆びれてしまいますわ」


「錆びれたじいさん軍団がいつまでも牛耳ってるんだもの.....絞りとるモノなんて一滴もありゃしないわよジュリア💧」


「それもそうですわね💧」


・・・強烈なスパイシートークだな…っ…


アルは行かず後家姉妹の会話を隣で黙って聞いている。


「そうだわ!
あたくし達で劇団でもつくりましょう!」


… えっ!?
あたくし...“達”!?


辛口トークに脅えるアルにジュリアはまた無理難題をふっかけた💧



「ジュリア、あなた冴えてるわ!それ、すごく楽しそうっ」

二人は周りの迷惑もかえりみず劇団の構成をはしゃぎながら練り出していた💧




オペラ鑑賞も終えてアル達はセレブ御用達の喫茶でお茶を楽しんでいると時折、貴族や伯爵らしき男達がジェシカ達に挨拶をしにくる


「これはジェシカ嬢にジュリア嬢ではありませんか?
相変わらずお二人共、見目麗しくいらっしゃいますね。
ところで、コチラのお連れの方はもしや.....闘技会でご活躍された方では──」


頼りない極細の髭を生やした伯爵らしき中年の男は妙な視線をアルに投げ掛けた


「えぇ、彼は大会で準優勝した“J・バートン氏”ですわ」


ジェシカはそう言いながらアルに目配せした


「初めまして!
“ディアノル・J・バートン”です」


アルは極上の“愛想笑い”で挨拶を返す


「これはこれはっ‥///──今大会の彼方の活躍ぶりは本当に素晴らしかった!今度是非ともお時間をお作り頂いて我が邸宅へお越し下さいっ!」


「えぇお時間がございましたら是非とも“三人”でっ お伺い致しますわ」


アルに薄気味悪い色目を使って誘ってくる伯爵にジェシカが代わりに答えた💧


「アル.....こいつ、男色趣味だから気をつけなさい💧家にアルと同じくらいの少年を囲ってるってウワサもあるのよ💧」

「……っ…」



ジュリアがアルにこそっと耳打ちした


──なるほどね…っ…



「では、私達はこれで」


ジェシカ達はニッコリ笑みを返し、席を立って伯爵に軽く会釈をする。そして店を出た。



「せっかくの美味しいお茶が台無しだわっ」


「えぇ!ほんとですわっ
アル、あなたもあの手の男は嫌いですわよねっ?」


「そ、そうだね……好きにはなれないと思う💧」


ジュリアの問掛けにアルは答えた
そしてジュリアは何かを思い出してキラキラとした瞳で語りだす


「あっ、そうだわ 言い忘れてたけど来週末、城で舞踏会を開くのよ!
もちろんアルは強制参加よ?
城で支度をするからその日は早めにあたくしの部屋にきてちょうだい」



「お城のパーティーなのに部外者が出てもいいの💧?」


「関係ないわよそんなの!前もって招待状を出すからちゃんと来るのよっ」


ジェシカが再度アルに言った

「‥はぃ💧」



「じゃあアル、今日はもう帰ってもよくてよ!
ここからならわざわざ城まで行くより、家に帰った方が近いんじゃなくて?」



ジュリアがアル解放宣言を発表した....


「帰ってもいいの!?」




「あら、いやだわ?何だか嬉しそうねアル‥💧」


「そんなことは…っ…」


「最近、ずっと帰りが遅いからたまにはいいわよ!じゃあ、私達はここから馬車で帰るわ」


二人はそういうと街で遊んでる間、ずうっと待たせてあった城の馬車に乗り込み優雅に手を振り去って行った……


アルは立ち去る馬車に手を振り返す。

そして肩で大きく息をついた。

… ふぅ....せっかくだから、久しぶりに“街ぶら”でもしちゃおっかなっ!



ジェシカ達を見送ってからアルは街をゆっくりと見て回った。


… そういえば一人でこんなにゆっくりすることってなかったかも....たまには、こいうのもいいかな♪


・・・あっ!あれは──



アルは街頭脇にあったジェラートハウスに目を止めた


「ジェラートひとつ下さい!」

「いらっしゃいませ!
何味にする?」


そう言った店員さんにアルは一番オススメのジェラートを頼んだ


「う➰ん、どれも美味しいけど一番売れ筋はグリーンティーってやつだよ、それでイイかい?」


「じゃあそれ下さいっ」

「では、私も同じものを…あっ、お代は一緒で」

突然、降って湧いた声に驚くと急に現れたアレンがアルの分も料金を払ってくれていた



驚くアルにアレンはクスリとした笑みを向ける。

「今日は街の調査ですよ」

「調査?」


「はい、街路樹に異常はないかとか、そういった調査を毎月一度、足を使って行って居りますので」


「なるほど…」


アルはアレンの説明に納得した表情を見せる。


「アルは今からどちらへ?」

「うん、久し振りに自由時間が取れたから、ちょっと街でも見て回ってから帰ろうかと……」


「なるほど。ならばお付き合いしますよ、どのみち巡回中ですから。ご自宅へは馬車でお送りします」


「えっ…」

少々、戸惑いを見せたアルの腕をアレンはぐっと掴む。顔はニコニコ相変わらずの笑顔ではあったがキラリと光った一重目の眼差しにはやっぱり微かに脅しが掛かっていた……


「そう言えばこの間、アレンの夢を見たよ」

街を見て回っているとアルは急に思い出したようにははっと笑い、そう切り出した。

「私の夢を?へえ、それはそれは……いったいどのような夢で?」

「うん、なんかね。アレンと競歩しててさ、なんだかめちゃめちゃ速いんだよね?アレンが……」

「速い?」

「うん。それで僕がアレンにイクノハヤイヨ~!なんて叫んでるんだ」


「なるほど!ということは、夢で私はアルに勝てた訳ですね!」

ホクホクとした笑みが何気にかなり嬉しそうだ──

そんな他愛もない会話を交わしながら、二人は夕暮れが近付くまで街を散策して回った。



「遅いな……」


夕陽が沈み掛け、半分は暗い闇が覆っている──

ロイドは城の城門の近くに馬を繋ぎ止め、壁にもたれて小さく口にしていた…

アルを送ろうと待ち伏せしては見たものの、アルは中々現れない。

ロイドは痺れを切らし、壁に寄りかかっていた身を立て直した。

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