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第四章 伝説編

2話 始動!

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「……ル」


「ん‥」

「‥アル起きて!!朝だよ!!」

「‥‥ぁ‥マーク?‥はよぅ‥zzz‥」


「…って…なんでおはよう言ってから寝るの!?
ホントにアルは寝ぼすけなんだからぁ!」

―ボフッ!!

「‥ぅっ‥💧ご、めん」


マークはアルの上に思いきりダイビングをしてアルを眠りから覚ました。


「ロイお兄ちゃんももう起きてるよ!」

「わかった‥」

マークはそれだけ言うと部屋を出て行った。
アルは着替えをしながら考える。


‥今日のはなんだろう‥

夢?

何だかいつもの夢とは違った感じが‥

すごく、辛くて悲しい‥
なんだろぅ?この気持ちは?

誰かがすごく泣いていたような‥
そしてあたしもとても悲しい気持ちになった……


何だか気分が重い…。


アルは着替えを済ませため息を吐きながら部屋を後にした――











「おはようアル!」

ロイドが笑顔で挨拶してくる

「ぁ、‥おはよう。」


「ん?なんだ、元気ないな?
調子悪いのか?」


ロイドは心配そうにアルの顔を覗き込んだ。


「ん‥ちょっと夢を見て…」

「夢?どんな?」

アルは聞き返すロイドの顔じっと見つめた…



「なんでそんなに見るんだ?」


「‥‥‥いゃ‥

ロイドが隊長サンに拷問されて喜んでたから。」

「……っ…!?なんだよその夢っ」

‥ぁ、本気にしたみたい💧


ロイドの背中を悪寒が走る


喜ぶ喜ばないは別として、拷問と聞いて嫌な予感がしたからだ‥

そぅ、ロイドはアルが女の子だとバレた日にルイスを殴り飛ばしている💧

その事に対しての報復は必ずや忘れた頃にくることは免れない‥

そう確信しているからだ‥


アルに予知夢のようなことをほのめかされ、ロイドは密かに焦っていた‥

ただ、思いっきりでっちあげの内容なだけに密かにショックを受けるロイドの様子をアルは楽しんでいる


‥今のうちにルイスの機嫌でも取っておくか!?💦


ロイドは先手の策を練っていた💧


「じゃぁ、あたしもう行くから。」

「―――!」


アルは早々と朝食を済ませガダッ!‥と席を立つ。
それをロイドが素早く止めた。

「アル!!送って行くからっ」

「え?でも、ティム達が‥」

「こいつらの仕事は急ぎじゃないから、お前を送ってからでも遅くない。‥な!」

ロイドはティム達にウィンクした。

「アル、せっかくなんだから送ってもらいなよ!」




「うん、‥じゃあ、お願いします」

「あぁ!」


アルの返事を聞いてロイドは嬉しそうに微笑んでいた


ロイドはアルを馬に乗せて子供達に手を振る。

「じゃ、戻ってくるまでに準備しとけよ!」

「わかった。
アル!言ってらっしゃい!!」


子供達の見送りを得て二人は馬の背に揺られ城への道を行く――


‥馬かぁ…やっぱ乗れたら便利だよな‥‥‥


「ねぇロイド‥」

「ん?」

「あたしにも乗馬、教えてくれる?」


アルはロイドに確認をとった。

「乗馬、習いたいのか?」

「うん、‥だって乗れて損することはないでしょ?
ジェシカ達に言って早めに仕事上げてもらうからさ‥

だめっ?」


「ダメって訳じゃないけど‥

わかった!教えてやるよっティムはだいぶ上達したから手もかからないしな!」

ロイドは少し考え込んでから首を縦に振った。
馬に乗りたいならいつでも俺が―――
そう、思ったのだが、アルに手取り足取り教えてやるのもいいかもしれない…


‥一人で乗れるようになったら二人であの草原を馬に乗ってデートするのもいいしな‥//



ロイドはアルと二人で馬に乗り、草原を駆け回る姿を想像し笑みを溢した。



‥その方が一緒に帰れるしな‥//



アルと二人きりの時間が増えると思ったロイドは嬉しくて仕方がなかった。


「じゃぁ、今日から早速、練習してみるか?
やるんなら早いにこしたことはないし‥。」

「うん、じゃお願いします。」


城に着きアルはロイドに礼を言って仕事場に向かった












―コンコン!


「やぁ、ルーカス!マーク博士は居るかな?」

昼を前にして、研究室に入るなりルイスはマークを尋ねる。

「いるよ。新薬がさっき出来上がったとこだ、博士になんの用だい?」

「あぁ“例の件”で聞きたいことが‥」


ルイスの言葉にルーカスは顔色を曇らせながら言った‥

「また、何かあったのか?」

「いゃ、今のところ現状維持だ‥
こっちも藁をも掴む思いだよ。マーク博士が逸話に詳しいって聞いてさ‥
力を借りにきたんだよ‥」

「なるほどね。」


世界で今、起こりつつある何かを知らされているルーカスはルイスの考えを聞いてマークに声をかけた。

「ん?なにルイお兄ちゃん、おとぎ話が聞きたいの?」

「あぁ、博士の生まれた村の伝説に興味があってさ。実験はもう済んだんだろ?俺と遊んでくれよ!」


ルイスの頼みをマークは快く承諾した。

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