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7章 愛着

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「暇っちゃー暇だけど…」


「よしっじゃあ遊んでやる!!
まず第1難関を突破せよ!んで、二階まで上がって
きたらお宝ゲットだぜ!!‥‥な!」


陸の呼びかけに海と空も窓から顔を覗かせる‥

よく見ると二人は頭に例のニャンだーマンマスクを被っていた。

「第1難関?って💧‥」


難しい顔の夏目に陸は説明した‥


「玄関の鍵かかってないから“開けられたら”入ってこれるだろ?
じゃあ部屋で待ってるからな」


三つ子はそう言って窓から姿を消した。


‥“開けられたら”って💧


夏目は戸惑いながら玄関の引き扉に手をかける‥

「‥くっ‥?!

なんだコレっ?
開かねぇ!?」


夏目はビクともしない扉を必死で動かそうとしていた‥

‥くそ〰、確かに強烈な第1難関だ‥



暑い中、額に汗をにじませながら扉と格闘していた夏目の肩を誰かが叩く‥


‥ん?と振り向いた瞬間、夏目はステッキの先でほっぺたを指された。
犯人は散歩から帰った豊作爺さんだった‥

「‥っ‥こんにちは‥」

「ホェッ!」

豊作爺さんは引っ掛ったな!‥とばかりに嬉しそうな笑みを溢す‥


そして、夏目に扉の前から退くように合図した‥


じっちゃんは扉の前に立つと扉に一発蹴りを入れる‥

そして、夏目を振り返りニヤリと不敵に笑うとガラッと簡単に扉を開けてしまった

「‥すげっ!開いた?」

豊作はステッキを振り回しながら鼻歌を歌い玄関をくぐる―――
そして扉をピシャリっ‥



と閉めた


「‥おやぁ?

なーんで閉まっちゃったかなぁ‥‥‥💧


ってじっちゃん!!何も閉めなくてもっ」


夏目は再び堅くなった扉と奮闘する

そして、内側からガンッ!と蹴りを入れる音がした。

「兄ちゃん案外、使えねぇなぁ💧」


「‥…何を!?…//」

ガラッと開いた扉から呆れながら迎えに来てくれたのは海だった‥


「兄ちゃんが扉開けるの待ってたら日が暮れるって空が言うからさぁ
まぁ、とにかく上がれよ」

「‥//💧」


夏目は肩を縮めながら海の後をついて行った‥



そして、案の定、遊びはプロレスだった‥

『はぁー疲れた!!』

皆で同時にバテり夏目は二段ベットに倒れ込む‥


「‥‥なんかこの布団、もしかして苗のか?‥//」


枕に顔を埋めるとシャンプーのいい香りが漂う


「そこは、俺だ」

「‥💧」


答えたのは陸だった。

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