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第六章 芽生えた感情
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「どこかほかに行きたい場所ある?なければ、家でゆっくりする?」
店を出て駐車場にとめた車に乗り込みエンジンをかけると、智哉さんが尋ねた。
家っていうのは……私の?それとも、智哉さんの?
聞き返すのはなんだか少しだけ照れくさくて、私は同意するように言った。
「……そうですね。明日も仕事だし、家でゆっくりしたいです」
「じゃあ、そうしよう」
智哉さんはハンドルを握り車を走らせた。
着いた先は我が家ではなく、智哉さんのマンションだった。
私はソファに座りながらスマホの写真を眺める。
智哉さんに抱っこされてピースサインの春ちゃん、それに猫カフェで撮った可愛い猫たち。
「智哉さん、これすごくよく撮れて……」
隣に座る智哉さんに声を掛けようとして口をつぐむ。
彼はソファに座ったまま腕を組んで静かに寝息を立てていた。
私は眠っているのをいいことに、その顔をまじまじと覗き込む。
智哉さんの寝顔を見たのはこれで二回目だ。無防備な寝顔に、目を奪われる。
長いまつげとスッと通った鼻筋、薄く形の良い唇。
……昨晩、この唇で攻め立てられたんだと思うとたまらない気持ちになる。
たまらず腕を伸ばして、そっと指先で彼の頬に触れる。
「可愛い……」
それでも全く目を覚ます気配のない智哉さん。その指先を頬から首筋に這わせる。
この人が私の彼氏だなんて、今も信じられない。
今まで誰かをこんな風に愛おしいと思ったことはない。。
それが、私の前世と関係しているのかは分からないけれど、私が彼を愛していることだけは紛れもない事実だった。
「好き。大好き」
自然と零れ落ちる言葉。
「――俺も好きだよ」
すると、次の瞬間、智哉さんの目が開いて私はビクッと飛び上がる。
「なっ、起きてたんですか!?」
「あれだけ触られたら誰だって起きるよ。それで、さっきのもう一回言って?」
さっきのって、「好き」って言葉……?
「い、嫌ですよ!」
「ああいうのは、ちゃんと目を見て言ってくれないと」
意地悪な表情でニヤリと笑う智哉さんに私は分かりやすく動揺する。
まさか聞かれていたなんて……
「もう言いませんから!」
「それなら、仕方ないね。もう一度言わせるまでだ」
智哉さんはぐっとソファに手をついて体を私に近付けてきた。
あっという間に唇が重なり合う。
「昨日の続き、しようか?」
ついばむようなキスの後、彼は唇を離して色っぽく囁く。
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