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第8章「神智を超えた回生の夢」
195話 約束を繋いで
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すでに夜が更け始めていたので、セルジュには先に繁華街の方へ帰ってもらった。僕たちのことが心配そうだったが、今日は昼間からデウスプリズンに滞在してもらっているので、これ以上いてもらうのは申し訳なかった。
セルジュを玄関へ送り届けた後、僕たちは書斎へと場所を移した。百年前よりも整理された書斎を見たアリアは、部屋中を興味深そうに見回していたが、彼女には僕の机の椅子に座ってもらった。僕とヴィータはベッドの縁に腰かけ、改めてアリアに現在のキャッセリアの状況を説明することにした。
「……何から話せばいいのかわからないな。アリア、どこから聞きたい?」
「えぇ? 私に振られても困るよ……あ、そういえばクロウはどこ? てっきりここにいるのかと思ってたけど、今の書斎ってクリムの場所になってるみたいだし」
どちらにしろ話しにくいことだった。最初から重い話をするのも気が重かったのだが、かといってクロウの説明もそんな簡単に済むものではない。
「えーと……クロウは一応生きてはいるんだけど、紆余曲折あって」
「あ? なんでオレの話してんだ?」
急に書斎のドアが開いたと思ったら、クロウが遠慮なしに押し入ってきた。宮殿の地下で調べ物をしていたはずだが、今日はもう切り上げたのだろうか?
クロウを目にした途端、アリアが僕の椅子に座ったまま硬直した。彼女が暴れていないことに気づいた向こうもまた、少し驚いた表情を見せる。
「おっ、アリア。元に戻ったのか。案外元気そ────」
「このバカああああぁぁぁぁぁ!!!」
固まっていたはずのアリアが目にも留まらぬ速さで立ち上がり、クロウの頬をぶん殴った。ティアルと同じく、アリアもクロウとは体格差があるので彼が吹き飛ぶことはなかった。しかし、アリアは一発だけに留めず、何発も頭にポカポカと拳をぶつけまくる。
「よくも私に攻撃仕掛けてくれたわね!? 本気で死にかけたんだけど!? 恩を仇で返すなんて最低!! 鬼!! 悪魔!! 堕天使!!」
「痛い痛い痛い痛い!! ふざけんな、やめろバカ!!」
「バカって言った方がバカなのよバカああぁぁ!!」
耳がつんざくほどの声量で怒鳴った後、アリアはクロウを殴るのをやめた。少し俯きかけたもののすぐに顔を上げ、そのときにはもう笑っていた。
「でも、よかった。私がいない間、クロウが不摂生で死んじゃってたらどうしようかと思ってたから」
「オレをなんだと思ってんだよ……ていうか、オレのこと覚えてたのか。ずっと忘れてるかと思ってたぜ」
「まーた寂しいこと言ってる。私はずっと覚えてたよ? 私のたった一人のお兄ちゃんだもん」
美しく愛らしい顔で、いたずらっぽく言ってのけていた。クロウはうるせー、と静かに呟いて顔を逸らしている。心なしか、頬が真っ赤になっているように見えた。
僕の横に座っているヴィータは、なぜかむすっとして黙り込んでいる。話が進まなくて苛立っているのだろうか。
「ねぇ、クロウ。調べ物はもう終わったの?」
「肝心の情報は見つかってねぇよ。今日は適当なところで切り上げただけだ。詳しいことはユキアとアスタにでも聞いてこい」
僕たちを適当にあしらうかのように答え、さっさと書斎から出て行ってしまう。アリアが「クロウ!」と呼び止めても、何も反応せずに廊下へ行ってしまった。
「クロウったら、なんでさっさと行っちゃうのよ……もっと話したかったのに」
「今は一応デウスプリズンに住み着いているから、話そうと思えば話せるよ。あまり心配しなくていいと思う」
「そっか! なら安心だね。ところで、ユキアとアスタって誰のこと?」
ユキアはデミ・ドゥームズデイを経験していない世代だし、アスタがキャッセリアにやってきたのはごく最近のことだから、アリアがわかるはずもなかった。
とりあえず、二人のことも説明しようとした矢先、また書斎のドアが開けられた。
「あ、クリム? アリア落ち着いたの?」
「クー、ヴィー、お疲れ様ー」
タイミングよく、ユキアとアスタが二人揃ってやってきた。説明の手間が省けると思ったが、こちらが口を開く前にアリアが立ち上がった。
「あっ、もしかしてあなたたちのこと? ユキアとアスタって」
「は? え? アリア? なんで?」
「ごめん、私ついさっき目を覚ましたばっかりで……今のみんなのこと覚えてなくて」
あはは、と力なく笑いながら言ったアリアの言葉に、ユキアは「えええええ!?」と甲高い叫び声を上げた。
「い、いきなり記憶喪失!? クリム、一体何があったの!?」
「そうだよ! 説明してよヴィー!」
「やれやれ……それを今から話そうと思っていたところですよ」
こうして、ヴィータがため息混じりに説明を始めた。僕も補足程度に色々話し、ユキアたちとアリアに今までのことを伝えることになった。
「な、なるほどね。私たちの知らない間に、そんなことが……」
大方話し終えたタイミングで、ユキアが今にも混乱しそうな顔で呟いた。とはいえ、一応理解してもらえたとは思う。
とりあえず、ユキアたちにはアリアを救った経緯を、アリアにはデミ・ドゥームズデイ以後の簡単な出来事とユキアたちのことを話しておいた。アリアは「そうなんだ」と答えた後、少し申し訳なさそうな顔になる。
ちなみに、僕たち神の生まれに関する真実は伏せておいた。急いで話すようなことじゃないし、ユキアも含めてショックを与えたくはなかったからだ。
「アイリス様やトゥリヤが亡くなったのもすごくショックだけど……私、色々なひとに迷惑かけちゃったかも。ユキアには私が剣術を教えてたんだよね? ごめんね、荒っぽかったでしょう」
「えぇ? 別に気にしたことないけど……もしかして、私が知ってるアリアは別のアリアだから?」
「うん。でも、気にしてないならいいか。私でよければだけど、これから何かあったら相談乗るからね」
「な、なんか前よりしっかりしてる……! うん、今のアリアなら気兼ねなく話せそう」
やはり、今まで若干近づきにくいところがあったようだ。僕への好意を隠すためとはいえ、男の子好きを装っていたアリアは、ユキアの世話神であるノインの女の子好きによく似ていた。その部分に引いていたせいだろう。
「それで、そっちの進捗はどうなんだい?」
クロウに尋ねたときはまともな答えが返ってこなかったので、具体的な成果をユキアから聞き出すことにした。予想に反して、ユキアは苦々しい顔を浮かべてから、がっくりとうなだれた。
「進捗ダメ。頭痛い。明日に持ち越し」
「僕も手伝おうか?」
「いや、自分で頑張る。あんたは自分で願いを叶えたんだから、私も自分の力で頑張るの!」
頑張る、と言ったときだけは顔を上げて、意地を張っているのか強気な態度で答えた。もう少しだけ見守って、助けが必要そうなら助けようと思う。
「お兄様。一つ、謝らなきゃいけないことがあるんです」
「え? なんのこと?」
ヴィータが俯きがちになった状態で、アスタに話しかける。話しかけられた本人はきょとんとしていた。
「さっき、シファと戦ったとき……わたし、『非星幽化』を一時的に解除したんです。ごめんなさい、あの力は使わないってお兄様と約束していたのに……」
そんな妹の懺悔に、アスタは仕方なさそうに笑った。滅多に見ない、ひどく大人びた笑い方だ。
「そんな昔の約束、今更律儀に守ろうとしなくてもいいよ。巨大聖戦のときだってそうだったし。それに、クーたちには何の影響もなかったんでしょ?」
「それはそうなのですが……」
「別に元に戻せるんだからいいって。いざというときに本気を出せないんじゃ、意味ないもん」
アスタは目を逸らして、力なく笑う。ヴィータもまた、そんな兄をまっすぐと見ることができなかったようで、それ以上何も言わなかった。
「それより、私たちはこれからどうしたらいいの? 色々話を聞いて思ったけど、このまま世界が滅ぶのを黙って見てるなんてできないよ」
少し気まずい雰囲気が漂ったところで、アリアが真剣な顔で切り出す。
僕はアリアを救うことができた。それはヴィータや、他のみんなの協力もあったからこそだ。僕が救うべきものは、他にもある。
「アリア。ティアルやカルデルトにも、事情はある程度話してあるんだ。明日、アーケンシェンみんなで作戦会議でもしない?」
「あっ、それいいね! クリムはデウスプリズンから離れない方がいいでしょ? ここに集合しよう!」
ニッコリ笑いながら宣言するアリアは、本当に強いひとだと思った。彼女には、みんなをまとめられる確固たる強さがある。僕も見習わないと。
「さっきクリムたちのところに来たっていう預言者……いや、今はニールなんだっけ? そいつ、なんかすごくヤバそうね……」
ユキアは僕の隣でポツリと呟き、不安げな表情を浮かべていた。奴は先日の事件で活発に動いていたが、未だにユキアには接触していないようだ。
僕の前には何度か姿を表しているし、そろそろ鉢合わせしてもおかしくなさそうで、嫌な予感がする。
「うん。僕から見てもあいつはまともじゃない。ユキア、気をつけた方がいいよ」
「言われなくたって気をつけるわよ!?」
僕でも話していて辟易するような人物な上、戦っても勝率はかなり低い。できることなら彼女と出会う前に始末したいくらいだが、現実的ではないだろう。
かなり夜が更けてきたので、今日のところは一旦解散することになった。僕とヴィータ、そしてアリアでユキアとアスタを見送る。
「アリアもデウスプリズンに残るのね」
「だって、白の宮殿が壊れかけてるんでしょ? グレイスガーデンの方に行くのもいいけど、クロウが心配だから」
「なんであんたたちそんなに仲がいいのよ……」
ユキアがアリアに対して呆れているが、アリア本人は特に気にしていなさそうだ。
デウスプリズンに残る人手は多い方がいいけれど、ユキアとアスタはいつもの家に帰りたいとのこと。元々神が簡単に近寄るような場所ではないし、無理していてもらう必要もない。
「そうだ、クリム。やらなきゃいけないこと、もう一つあるよ」
「え、何かあった?」
「ほら、私たちの固有魔法。あれが欠けた状態で戦うのは不安だよ」
アリアの言葉で思い出した。デミ・ドゥームズデイでクロウに奪われてしまった、僕とアリアの固有魔法を返してもらおうと思っていたのだ。神隠し事件の際にも返すよう言ったが、聞き入れてもらえずそのままだった。
「まあ、今から頼んでも聞いてくれなさそうだし、明日の作戦会議でつるし上げましょっか」
「それで聞き入れてくれるのかな……」
「詳しいことはあとで考えよっか。私、今日はもう疲れたから寝るねー。おやすみー」
僕たちに手を振りながら、空き部屋の一つへと姿を消していくアリア。今日は特に体力を使っただろうし、元々早く休んでもらおうと思っていたところだ。
「それじゃあ、お兄様。明日もお願いしますね」
「わかってるよ、ヴィー。おやすみ」
「じゃあね。おやすみー」
「アスタ、ユキア。おやすみ」
僕たちもそれぞれ挨拶を交わしたところで、アスタとユキアは一緒にデウスプリズンから離れていった。隣り合って何かを話しながら歩いていくのを、ヴィータと一緒に見送る。
デウスプリズンの入り口の扉を閉めた後、僕は書斎に戻ろうと歩き出した。
「よかったですね、クリム。アリアが元通りになって」
声をかけられたとき、ヴィータはその場に留まっていることに気づいた。僕も立ち止まり、ヴィータの立つ場所へ振り返る。
「僕だけの力じゃできなかったことだよ。力を貸してくれてありがとう、ヴィータ」
「……改めて礼を言うことでもないでしょう。今までと同じで、約束を果たしただけですよ」
相変わらず、幼い顔に似合わぬ凛とした雰囲気を崩さない。今となっては、彼女と過ごした日々にもすっかり慣れていたけれど、彼女にはどれだけ感謝を伝えても伝えきれないと思っている。
「それでも嬉しかった。僕はヴィータがいてくれてよかったって、心から思ってる」
「そう、ですか」
「まだすべてが終わったわけじゃないけどさ。もし、ヴィータも何かやりたいことがあるなら言ってくれるかい? 今度は僕が力になるから」
今まで力を貸してくれた彼女に、ほんの少しでもお礼をしたくて言った言葉だった。ヴィータは、少し困ったように顔を伏せてから、ちらりと僕を見遣る。
「やりたいことなんて、ないですよ。わたしの願いは、お兄様の願いですから」
予想外の返事が返ってきて、拍子抜けしてしまう。兄よりもしっかりしているように見えていたというのもあり、彼女にもやりたいことがあるだろうと勝手に思っていた。
「それなら、アスタは何のために戦ってるの? やっぱり『厄災』を止めるため?」
「それは願いというより、課せられた使命です。前にも言いましたけど、わたしたちは『厄災』から世界を守るために生きているようなものですから」
ヴィータは冷たい壁に寄りかかり、黒に近い灰色の天井を仰いだ。普段よりも物寂しい目で、僕にはわからない何かを思い浮かべているみたいだった。
「お兄様とわたしと、初代最高神のローゼマリー、お姉様で交わした大事な約束を果たすこと。それが、お兄様の願いです」
「約束?」
「虚無に飲まれてはいけない。生きる希望を見失わず、最後まで足掻き続けよう……そんな約束です。それだけが、不条理なこの世界で生き延びる唯一の方法だから」
僕は初代最高神のことも、彼女の言う「お姉様」がどのような人物なのかもわからないけれど、その約束の大切さはなんとなく伝わってきた。確かに良い心意気ではあるけど、同時に物悲しさも感じてしまった。
「もし、戦いが全部終わったら、ヴィータはどうするんだい?」
彼女も僕と同じようなことを思うのか、そもそも感じているのかを知りたくて尋ねた。ヴィータは俯き、何もない無機質な床へと視線を落とす。
「実を言いますと、わたしはすべてが終わった後のことを考えるのが怖いんです」
「怖い?」
「もし、ヴァニタスもニールもいなくなって、この世の脅威と言えるものがなくなったら……わたしは、この終わりのない命をどうしたらいいのか。たまにそんなことを考えて、自分が恐ろしくなるのです」
僕が感じていた物悲しさの正体を語る様は、幼い姿でありながらひどく大人びたものだった。伏せられた赤い瞳にはクローバーが宿ったままで、涙すらも溢れてはこない。
僕たち神と観測者の共通点は、人間よりも長い時を生きていることだ。けれど、僕たちには死の恐怖が付きまとうのに対し、観測者はその命に終わりが見えない。終わりがないということは、僕たちが思うよりもずっと残酷なことなのかも知れない。
どんな言葉をかけたらいいかわからずにいると、ヴィータははっとして顔を上げた。
「ご、ごめんなさい。こんなこと、お兄様にも話したことがなくて。どうしてあなたに話したのか、自分でもわかりません」
言葉が僅かに震えているように聞こえた。最近、よく予想外の出来事が起きているからなのか、ヴィータが動揺する場面に出くわすことが多い。彼女が不安そうにしていると、こちらも気にかけたくなる。
「僕なら気兼ねなく話せるって思ったからじゃない? 僕たちは相棒みたいなものだから」
「相棒……? あなたはわたしをそんな風に思っていたのですか?」
「え。もしかして嫌だった?」
いいえ、と言いながら首を横に振ったときには、普段と変わらぬ、涼しげな無表情になっていた。
「嫌ではありませんよ。少し驚いただけです。あなたは一人でなんでも解決しようとするところがありましたし、わたしを相棒だと認めてくれているとは思っていなかったので」
「ああ……そ、そっか」
「無理にわたしを助けようとしなくてもいいですよ。わたしが困っていなくても、クリムが困ったらまた助けてあげます」
あまりにも珍しい優しい言葉とともに、微笑みを見せてくれる。冷たい高嶺の花みたいな少女の優しい笑顔を垣間見ることができて、こちらも自ずと嬉しくなる。
「そうかい? それなら、クロウから固有魔法を返してもらうのをてつだ────」
「調子に乗らないでください。わたしの協力を仰ぐのは、本当にどうしようもなくなったときにしてくださいね」
きっぱりと僕の頼みを切り捨てるとともに、壁から身を離してさっさと廊下を進んでいってしまった。垣間見た優しさは幻だったのではないかと疑うくらい、切り替えが早い。
セルジュを玄関へ送り届けた後、僕たちは書斎へと場所を移した。百年前よりも整理された書斎を見たアリアは、部屋中を興味深そうに見回していたが、彼女には僕の机の椅子に座ってもらった。僕とヴィータはベッドの縁に腰かけ、改めてアリアに現在のキャッセリアの状況を説明することにした。
「……何から話せばいいのかわからないな。アリア、どこから聞きたい?」
「えぇ? 私に振られても困るよ……あ、そういえばクロウはどこ? てっきりここにいるのかと思ってたけど、今の書斎ってクリムの場所になってるみたいだし」
どちらにしろ話しにくいことだった。最初から重い話をするのも気が重かったのだが、かといってクロウの説明もそんな簡単に済むものではない。
「えーと……クロウは一応生きてはいるんだけど、紆余曲折あって」
「あ? なんでオレの話してんだ?」
急に書斎のドアが開いたと思ったら、クロウが遠慮なしに押し入ってきた。宮殿の地下で調べ物をしていたはずだが、今日はもう切り上げたのだろうか?
クロウを目にした途端、アリアが僕の椅子に座ったまま硬直した。彼女が暴れていないことに気づいた向こうもまた、少し驚いた表情を見せる。
「おっ、アリア。元に戻ったのか。案外元気そ────」
「このバカああああぁぁぁぁぁ!!!」
固まっていたはずのアリアが目にも留まらぬ速さで立ち上がり、クロウの頬をぶん殴った。ティアルと同じく、アリアもクロウとは体格差があるので彼が吹き飛ぶことはなかった。しかし、アリアは一発だけに留めず、何発も頭にポカポカと拳をぶつけまくる。
「よくも私に攻撃仕掛けてくれたわね!? 本気で死にかけたんだけど!? 恩を仇で返すなんて最低!! 鬼!! 悪魔!! 堕天使!!」
「痛い痛い痛い痛い!! ふざけんな、やめろバカ!!」
「バカって言った方がバカなのよバカああぁぁ!!」
耳がつんざくほどの声量で怒鳴った後、アリアはクロウを殴るのをやめた。少し俯きかけたもののすぐに顔を上げ、そのときにはもう笑っていた。
「でも、よかった。私がいない間、クロウが不摂生で死んじゃってたらどうしようかと思ってたから」
「オレをなんだと思ってんだよ……ていうか、オレのこと覚えてたのか。ずっと忘れてるかと思ってたぜ」
「まーた寂しいこと言ってる。私はずっと覚えてたよ? 私のたった一人のお兄ちゃんだもん」
美しく愛らしい顔で、いたずらっぽく言ってのけていた。クロウはうるせー、と静かに呟いて顔を逸らしている。心なしか、頬が真っ赤になっているように見えた。
僕の横に座っているヴィータは、なぜかむすっとして黙り込んでいる。話が進まなくて苛立っているのだろうか。
「ねぇ、クロウ。調べ物はもう終わったの?」
「肝心の情報は見つかってねぇよ。今日は適当なところで切り上げただけだ。詳しいことはユキアとアスタにでも聞いてこい」
僕たちを適当にあしらうかのように答え、さっさと書斎から出て行ってしまう。アリアが「クロウ!」と呼び止めても、何も反応せずに廊下へ行ってしまった。
「クロウったら、なんでさっさと行っちゃうのよ……もっと話したかったのに」
「今は一応デウスプリズンに住み着いているから、話そうと思えば話せるよ。あまり心配しなくていいと思う」
「そっか! なら安心だね。ところで、ユキアとアスタって誰のこと?」
ユキアはデミ・ドゥームズデイを経験していない世代だし、アスタがキャッセリアにやってきたのはごく最近のことだから、アリアがわかるはずもなかった。
とりあえず、二人のことも説明しようとした矢先、また書斎のドアが開けられた。
「あ、クリム? アリア落ち着いたの?」
「クー、ヴィー、お疲れ様ー」
タイミングよく、ユキアとアスタが二人揃ってやってきた。説明の手間が省けると思ったが、こちらが口を開く前にアリアが立ち上がった。
「あっ、もしかしてあなたたちのこと? ユキアとアスタって」
「は? え? アリア? なんで?」
「ごめん、私ついさっき目を覚ましたばっかりで……今のみんなのこと覚えてなくて」
あはは、と力なく笑いながら言ったアリアの言葉に、ユキアは「えええええ!?」と甲高い叫び声を上げた。
「い、いきなり記憶喪失!? クリム、一体何があったの!?」
「そうだよ! 説明してよヴィー!」
「やれやれ……それを今から話そうと思っていたところですよ」
こうして、ヴィータがため息混じりに説明を始めた。僕も補足程度に色々話し、ユキアたちとアリアに今までのことを伝えることになった。
「な、なるほどね。私たちの知らない間に、そんなことが……」
大方話し終えたタイミングで、ユキアが今にも混乱しそうな顔で呟いた。とはいえ、一応理解してもらえたとは思う。
とりあえず、ユキアたちにはアリアを救った経緯を、アリアにはデミ・ドゥームズデイ以後の簡単な出来事とユキアたちのことを話しておいた。アリアは「そうなんだ」と答えた後、少し申し訳なさそうな顔になる。
ちなみに、僕たち神の生まれに関する真実は伏せておいた。急いで話すようなことじゃないし、ユキアも含めてショックを与えたくはなかったからだ。
「アイリス様やトゥリヤが亡くなったのもすごくショックだけど……私、色々なひとに迷惑かけちゃったかも。ユキアには私が剣術を教えてたんだよね? ごめんね、荒っぽかったでしょう」
「えぇ? 別に気にしたことないけど……もしかして、私が知ってるアリアは別のアリアだから?」
「うん。でも、気にしてないならいいか。私でよければだけど、これから何かあったら相談乗るからね」
「な、なんか前よりしっかりしてる……! うん、今のアリアなら気兼ねなく話せそう」
やはり、今まで若干近づきにくいところがあったようだ。僕への好意を隠すためとはいえ、男の子好きを装っていたアリアは、ユキアの世話神であるノインの女の子好きによく似ていた。その部分に引いていたせいだろう。
「それで、そっちの進捗はどうなんだい?」
クロウに尋ねたときはまともな答えが返ってこなかったので、具体的な成果をユキアから聞き出すことにした。予想に反して、ユキアは苦々しい顔を浮かべてから、がっくりとうなだれた。
「進捗ダメ。頭痛い。明日に持ち越し」
「僕も手伝おうか?」
「いや、自分で頑張る。あんたは自分で願いを叶えたんだから、私も自分の力で頑張るの!」
頑張る、と言ったときだけは顔を上げて、意地を張っているのか強気な態度で答えた。もう少しだけ見守って、助けが必要そうなら助けようと思う。
「お兄様。一つ、謝らなきゃいけないことがあるんです」
「え? なんのこと?」
ヴィータが俯きがちになった状態で、アスタに話しかける。話しかけられた本人はきょとんとしていた。
「さっき、シファと戦ったとき……わたし、『非星幽化』を一時的に解除したんです。ごめんなさい、あの力は使わないってお兄様と約束していたのに……」
そんな妹の懺悔に、アスタは仕方なさそうに笑った。滅多に見ない、ひどく大人びた笑い方だ。
「そんな昔の約束、今更律儀に守ろうとしなくてもいいよ。巨大聖戦のときだってそうだったし。それに、クーたちには何の影響もなかったんでしょ?」
「それはそうなのですが……」
「別に元に戻せるんだからいいって。いざというときに本気を出せないんじゃ、意味ないもん」
アスタは目を逸らして、力なく笑う。ヴィータもまた、そんな兄をまっすぐと見ることができなかったようで、それ以上何も言わなかった。
「それより、私たちはこれからどうしたらいいの? 色々話を聞いて思ったけど、このまま世界が滅ぶのを黙って見てるなんてできないよ」
少し気まずい雰囲気が漂ったところで、アリアが真剣な顔で切り出す。
僕はアリアを救うことができた。それはヴィータや、他のみんなの協力もあったからこそだ。僕が救うべきものは、他にもある。
「アリア。ティアルやカルデルトにも、事情はある程度話してあるんだ。明日、アーケンシェンみんなで作戦会議でもしない?」
「あっ、それいいね! クリムはデウスプリズンから離れない方がいいでしょ? ここに集合しよう!」
ニッコリ笑いながら宣言するアリアは、本当に強いひとだと思った。彼女には、みんなをまとめられる確固たる強さがある。僕も見習わないと。
「さっきクリムたちのところに来たっていう預言者……いや、今はニールなんだっけ? そいつ、なんかすごくヤバそうね……」
ユキアは僕の隣でポツリと呟き、不安げな表情を浮かべていた。奴は先日の事件で活発に動いていたが、未だにユキアには接触していないようだ。
僕の前には何度か姿を表しているし、そろそろ鉢合わせしてもおかしくなさそうで、嫌な予感がする。
「うん。僕から見てもあいつはまともじゃない。ユキア、気をつけた方がいいよ」
「言われなくたって気をつけるわよ!?」
僕でも話していて辟易するような人物な上、戦っても勝率はかなり低い。できることなら彼女と出会う前に始末したいくらいだが、現実的ではないだろう。
かなり夜が更けてきたので、今日のところは一旦解散することになった。僕とヴィータ、そしてアリアでユキアとアスタを見送る。
「アリアもデウスプリズンに残るのね」
「だって、白の宮殿が壊れかけてるんでしょ? グレイスガーデンの方に行くのもいいけど、クロウが心配だから」
「なんであんたたちそんなに仲がいいのよ……」
ユキアがアリアに対して呆れているが、アリア本人は特に気にしていなさそうだ。
デウスプリズンに残る人手は多い方がいいけれど、ユキアとアスタはいつもの家に帰りたいとのこと。元々神が簡単に近寄るような場所ではないし、無理していてもらう必要もない。
「そうだ、クリム。やらなきゃいけないこと、もう一つあるよ」
「え、何かあった?」
「ほら、私たちの固有魔法。あれが欠けた状態で戦うのは不安だよ」
アリアの言葉で思い出した。デミ・ドゥームズデイでクロウに奪われてしまった、僕とアリアの固有魔法を返してもらおうと思っていたのだ。神隠し事件の際にも返すよう言ったが、聞き入れてもらえずそのままだった。
「まあ、今から頼んでも聞いてくれなさそうだし、明日の作戦会議でつるし上げましょっか」
「それで聞き入れてくれるのかな……」
「詳しいことはあとで考えよっか。私、今日はもう疲れたから寝るねー。おやすみー」
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「僕だけの力じゃできなかったことだよ。力を貸してくれてありがとう、ヴィータ」
「……改めて礼を言うことでもないでしょう。今までと同じで、約束を果たしただけですよ」
相変わらず、幼い顔に似合わぬ凛とした雰囲気を崩さない。今となっては、彼女と過ごした日々にもすっかり慣れていたけれど、彼女にはどれだけ感謝を伝えても伝えきれないと思っている。
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「そう、ですか」
「まだすべてが終わったわけじゃないけどさ。もし、ヴィータも何かやりたいことがあるなら言ってくれるかい? 今度は僕が力になるから」
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「やりたいことなんて、ないですよ。わたしの願いは、お兄様の願いですから」
予想外の返事が返ってきて、拍子抜けしてしまう。兄よりもしっかりしているように見えていたというのもあり、彼女にもやりたいことがあるだろうと勝手に思っていた。
「それなら、アスタは何のために戦ってるの? やっぱり『厄災』を止めるため?」
「それは願いというより、課せられた使命です。前にも言いましたけど、わたしたちは『厄災』から世界を守るために生きているようなものですから」
ヴィータは冷たい壁に寄りかかり、黒に近い灰色の天井を仰いだ。普段よりも物寂しい目で、僕にはわからない何かを思い浮かべているみたいだった。
「お兄様とわたしと、初代最高神のローゼマリー、お姉様で交わした大事な約束を果たすこと。それが、お兄様の願いです」
「約束?」
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僕は初代最高神のことも、彼女の言う「お姉様」がどのような人物なのかもわからないけれど、その約束の大切さはなんとなく伝わってきた。確かに良い心意気ではあるけど、同時に物悲しさも感じてしまった。
「もし、戦いが全部終わったら、ヴィータはどうするんだい?」
彼女も僕と同じようなことを思うのか、そもそも感じているのかを知りたくて尋ねた。ヴィータは俯き、何もない無機質な床へと視線を落とす。
「実を言いますと、わたしはすべてが終わった後のことを考えるのが怖いんです」
「怖い?」
「もし、ヴァニタスもニールもいなくなって、この世の脅威と言えるものがなくなったら……わたしは、この終わりのない命をどうしたらいいのか。たまにそんなことを考えて、自分が恐ろしくなるのです」
僕が感じていた物悲しさの正体を語る様は、幼い姿でありながらひどく大人びたものだった。伏せられた赤い瞳にはクローバーが宿ったままで、涙すらも溢れてはこない。
僕たち神と観測者の共通点は、人間よりも長い時を生きていることだ。けれど、僕たちには死の恐怖が付きまとうのに対し、観測者はその命に終わりが見えない。終わりがないということは、僕たちが思うよりもずっと残酷なことなのかも知れない。
どんな言葉をかけたらいいかわからずにいると、ヴィータははっとして顔を上げた。
「ご、ごめんなさい。こんなこと、お兄様にも話したことがなくて。どうしてあなたに話したのか、自分でもわかりません」
言葉が僅かに震えているように聞こえた。最近、よく予想外の出来事が起きているからなのか、ヴィータが動揺する場面に出くわすことが多い。彼女が不安そうにしていると、こちらも気にかけたくなる。
「僕なら気兼ねなく話せるって思ったからじゃない? 僕たちは相棒みたいなものだから」
「相棒……? あなたはわたしをそんな風に思っていたのですか?」
「え。もしかして嫌だった?」
いいえ、と言いながら首を横に振ったときには、普段と変わらぬ、涼しげな無表情になっていた。
「嫌ではありませんよ。少し驚いただけです。あなたは一人でなんでも解決しようとするところがありましたし、わたしを相棒だと認めてくれているとは思っていなかったので」
「ああ……そ、そっか」
「無理にわたしを助けようとしなくてもいいですよ。わたしが困っていなくても、クリムが困ったらまた助けてあげます」
あまりにも珍しい優しい言葉とともに、微笑みを見せてくれる。冷たい高嶺の花みたいな少女の優しい笑顔を垣間見ることができて、こちらも自ずと嬉しくなる。
「そうかい? それなら、クロウから固有魔法を返してもらうのをてつだ────」
「調子に乗らないでください。わたしの協力を仰ぐのは、本当にどうしようもなくなったときにしてくださいね」
きっぱりと僕の頼みを切り捨てるとともに、壁から身を離してさっさと廊下を進んでいってしまった。垣間見た優しさは幻だったのではないかと疑うくらい、切り替えが早い。
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