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四話 門番達は無能
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文字通り一瞬でゴブリンを片付けた俺は肉盾となってい町娘達にかけていた魔術をとき、地面に降ろし声をかける。
「怪我をしている者は……って放心状態かよ、仕方ない、一気にやるか。『上位広範囲治癒』」
町娘達に声をかけようとしたところで、彼女達が、今一瞬のうちに起きた出来事についていけず放心状態となっていることに気づき、恩を更に売ることも含めて第四位階魔術で負っていた怪我を治してやる。
幸いにも大怪我をしているものはいなかったので、今の魔術で全員完全回復させることができた。
「ふぅー……って、なんで気絶してんだ?」
とりあえず無事恩を売ることに成功したと安心したのもつかの間、何故か町娘達が皆気絶してしまっていた。
いや、きっと助かったことに安心して気を失っただけだろう。まったく紛らわしいタイミングだったな。
気絶した町娘達を放置しておくわけにもいかないので、俺は再度『念力』を発動し、全員を空中浮遊状態で町に運び込むことにした。
◇
町の外門に辿り着くと、すぐに門番に話しかける。
「この子達の引き取りを頼む」
「おお、お前は一体何者だ! お前のような得体の知れない者に易々とここを通させるわけにはいかないぞ!」
門番はそう言うと俺に向け槍を構えた。他の門番数名も同じような行動だ。
なんだこいつら、頭いかれてんじゃねえのか?
今さっき俺がゴブリンを皆殺しにしてこの町娘達を助けたの見ていたはずだよな? それなのにいきなり槍を向けてくるってどういうことだよ? 普通ありがとうございますと頭をさげるのが常識じゃないのか?
それに人質を取られていたとはいえ、ゴブリン程度の雑魚魔物相手に手こずっていた奴らが、そのゴブリンを一瞬で倒した俺に敵意剥き出しにしてかかってくるって余程の能無しか?
俺は内心ではイライラしながらも、とりあえず門番達の前に町娘達を下ろし再度話しかける。
「 何を勘違いしているのか知らないが、俺は町がゴブリン達に襲われているのを危険に思い助太刀したしがない旅人だ。だからそんなに警戒しなくても大丈夫だ」
「信じられるか! あれだけの力を持った旅人なんているわけがないだろう! この化け物めが! みんなこいつを取り押さえるぞ!」
「「「おう!」」」
俺の話など聞く気もないのか、ついには号令をとって俺を捕まえに動きしやがった。
っち、ここは理論武装でなんとか場を収めるしかないか。
「先程の俺の戦闘を見ていなかったのか? お前らというか、本気を出せばこの街諸共簡単に焼き尽くすことが出来るんだぞ?」
俺がそう言うと門番たちはグッと苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて顔をひきつらせる。
その反応を確認した所で俺は更に言葉を続ける。
「それが態々、娘達を魔物から救ってやったんだぞ? 感謝されることはあれど非難される筋合いはない。こっちが譲歩して話をしてやると言っているんだ。お前らの選択肢など従う以外にないだろう。それとも今すぐに燃やしてやろうか?」
本当に燃やす気などないが、俺が本気だと誤認させるため、背中の炎龍王の剣を抜き軽く構える。
そんな感じで、門番達を威圧しながら交渉していると町の中から綺麗な服で身を包んだ豚のように肥太った人間が姿を現した。
「これはこれは、門番達が失礼して申し訳ありませんでした。お前達、町の恩人に失礼だろう! 槍を下ろせ!」
「「「「し、失礼しました!」」」」
後からやってきた豚人間は、門番達よりもえらい人物なのか、門番達はすぐに命令に従い槍を下ろした。
「はじめまして、私はこの街の領主であるディスといいます。先程はこの街をお助け下さりありがとうございました。」
豚人間……基、領主のディスはそういうと俺に深々と頭を垂れて来た。
なるほど、見た目はゴブリン並に醜悪だが、門番達ほど馬鹿ではないようだ。
「いや、別に気にしないで欲しい。先程のことで少し話がしたいのだが、時間はあるか?」
とりあえずは友好的に接してくれそうだと判断した俺は、料理人の話を聞くため領主のディスにそう問いかける。
「えぇえぇ、それはもちろんです。ただ、少し時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
俺は別に急いではいなかったので、それを了承して、半刻程待たされた後、ようやく町の広場の方に案内されたることになった。
「怪我をしている者は……って放心状態かよ、仕方ない、一気にやるか。『上位広範囲治癒』」
町娘達に声をかけようとしたところで、彼女達が、今一瞬のうちに起きた出来事についていけず放心状態となっていることに気づき、恩を更に売ることも含めて第四位階魔術で負っていた怪我を治してやる。
幸いにも大怪我をしているものはいなかったので、今の魔術で全員完全回復させることができた。
「ふぅー……って、なんで気絶してんだ?」
とりあえず無事恩を売ることに成功したと安心したのもつかの間、何故か町娘達が皆気絶してしまっていた。
いや、きっと助かったことに安心して気を失っただけだろう。まったく紛らわしいタイミングだったな。
気絶した町娘達を放置しておくわけにもいかないので、俺は再度『念力』を発動し、全員を空中浮遊状態で町に運び込むことにした。
◇
町の外門に辿り着くと、すぐに門番に話しかける。
「この子達の引き取りを頼む」
「おお、お前は一体何者だ! お前のような得体の知れない者に易々とここを通させるわけにはいかないぞ!」
門番はそう言うと俺に向け槍を構えた。他の門番数名も同じような行動だ。
なんだこいつら、頭いかれてんじゃねえのか?
今さっき俺がゴブリンを皆殺しにしてこの町娘達を助けたの見ていたはずだよな? それなのにいきなり槍を向けてくるってどういうことだよ? 普通ありがとうございますと頭をさげるのが常識じゃないのか?
それに人質を取られていたとはいえ、ゴブリン程度の雑魚魔物相手に手こずっていた奴らが、そのゴブリンを一瞬で倒した俺に敵意剥き出しにしてかかってくるって余程の能無しか?
俺は内心ではイライラしながらも、とりあえず門番達の前に町娘達を下ろし再度話しかける。
「 何を勘違いしているのか知らないが、俺は町がゴブリン達に襲われているのを危険に思い助太刀したしがない旅人だ。だからそんなに警戒しなくても大丈夫だ」
「信じられるか! あれだけの力を持った旅人なんているわけがないだろう! この化け物めが! みんなこいつを取り押さえるぞ!」
「「「おう!」」」
俺の話など聞く気もないのか、ついには号令をとって俺を捕まえに動きしやがった。
っち、ここは理論武装でなんとか場を収めるしかないか。
「先程の俺の戦闘を見ていなかったのか? お前らというか、本気を出せばこの街諸共簡単に焼き尽くすことが出来るんだぞ?」
俺がそう言うと門番たちはグッと苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて顔をひきつらせる。
その反応を確認した所で俺は更に言葉を続ける。
「それが態々、娘達を魔物から救ってやったんだぞ? 感謝されることはあれど非難される筋合いはない。こっちが譲歩して話をしてやると言っているんだ。お前らの選択肢など従う以外にないだろう。それとも今すぐに燃やしてやろうか?」
本当に燃やす気などないが、俺が本気だと誤認させるため、背中の炎龍王の剣を抜き軽く構える。
そんな感じで、門番達を威圧しながら交渉していると町の中から綺麗な服で身を包んだ豚のように肥太った人間が姿を現した。
「これはこれは、門番達が失礼して申し訳ありませんでした。お前達、町の恩人に失礼だろう! 槍を下ろせ!」
「「「「し、失礼しました!」」」」
後からやってきた豚人間は、門番達よりもえらい人物なのか、門番達はすぐに命令に従い槍を下ろした。
「はじめまして、私はこの街の領主であるディスといいます。先程はこの街をお助け下さりありがとうございました。」
豚人間……基、領主のディスはそういうと俺に深々と頭を垂れて来た。
なるほど、見た目はゴブリン並に醜悪だが、門番達ほど馬鹿ではないようだ。
「いや、別に気にしないで欲しい。先程のことで少し話がしたいのだが、時間はあるか?」
とりあえずは友好的に接してくれそうだと判断した俺は、料理人の話を聞くため領主のディスにそう問いかける。
「えぇえぇ、それはもちろんです。ただ、少し時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
俺は別に急いではいなかったので、それを了承して、半刻程待たされた後、ようやく町の広場の方に案内されたることになった。
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