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六話 ゴミ掃除
しおりを挟む「な、何か面白いことでもありましたかな?」
高らかに笑った俺のことが不気味に見えたのか、はたまた毒入りの酒を出したことがバレたのかと焦ったのか、豚は額に汗を浮かべつつそんなくだらない問いかけをしてくる。
そんな豚に応えるように俺は、まず受け取った死毒鮫の毒酒を手放して地面に杯を落とす。
「な、失礼だぞ貴様!」
取り巻きの一人が俺が受け取った酒を態と落としたことに激昴しながらそんなことを言ってくる。まったく白々しい糞だ。
「それはこちらの台詞だ、この下等生物共ゴミムシが」
俺は一言そう言うと、背負っていた炎龍王の剣を抜き領主とその取り巻きに向ける。
「街の恩人に毒を呑ませようとは中々の歓迎方法だな、おい豚野郎、これはどういうことだ? 説明してもらおうか」
「チッ、只の戦闘馬鹿はなかったのか······仕方ない」
豚はそう言うと背中に装備していた大剣を両手に構え、俺に敵意を示す。
「なぜ、剣を取った? 俺は恩人ではなかったのか?」
「恩人だと? 白々しいにも程があるぞこの化物が! どうせあのゴブリン達はお前の差し金で動いていたのだろう? お前の思惑なんてこっちはお見通しなんだ!」
領主の取り巻きの若い青年こと糞がそう言いながら俺に向かって槍を突きつけてきた。
そう思うなら今突き刺せばいいものを態々、俺の首元に寸止めするだけとは、やはり糞だ。
それに、俺がゴブリンをけしかけたなんて言いがかりにも程があるだろう。
あれだけ圧倒的に殲滅する力があるのに態々町に入るためにゴブリンをけしかけるなんて面倒な工程を踏むはずがないだろう。
人間性も糞なら脳みそまで糞で出来ているのだろうか、この糞は。
「御託はいいんだよ、もし今すぐに謝るなら命だけは奪わないと約束してやるぞ? それを無視して俺と戦おうと言うのならかかってこい。ただし、その時がお前達の最後になるがな」
俺は領主ディスとその取り巻きに最終通告を言い渡した。
さて、こいつらはどちらを選択するかな?
「貴様!! もう許さんぞ!! ゴブリン相手に無双できたからと調子に乗るなよ! 俺達だって人質がいなければゴブリン等取るに足らない存在なんだよ! 刃向かったことを後悔させてやる」
どうやら俺と戦うことを選んだようだ。やはり愚か者だったな。
最終通告を言い渡したのと同時に怒りの沸点に達した若い兵士が我先にと俺に向けて怒号を上げながら槍を突き刺してくる。
その槍攻撃に対し俺は態と交わさずに受けることにしてみた。
別に自殺願望があるわけではない。
避け無かった理由は至極単純で、避けずとも、ダメージを受ける可能性がないからだ。
一瞬の内に豚とその取り巻きのステータスを『神の眼』を用いて鑑定してみた結果、豚領主のレベル10が最大で、それ以外はなんとレベル5と6だった。それに加えて加護や固有能力等もなし。
これでは子供と大人どころか、小虫と神が戦うようなものだ。
単純なレベル差でも圧倒的なのに、俺は三神からの加護を受け爆発的にステータスが上昇している。だから小虫の繰り出すただの鉄で出来た槍の攻撃なんて通るはずない。
そして当然のように俺の首元に達した槍は、俺を傷つけることなどできず、逆に槍の剣先がかけてしまうという結果に終わった。
「なっ!? 馬鹿な!?」
攻撃を繰り出した当の本人は、ダメージを与えるどころか自分の武器を破壊されたことに驚愕している。
俺はその隙を見逃すことなく、目にも留まらぬ速さで槍で攻撃してきた糞をを炎竜王の剣で一刀両断する。
糞は、斬られた断面から炎をあげ、そのまま全身が燃え盛り、そして声を出すことも出来ずに、ゴブリン共同様燃え滓となって絶命した。
糞相手に炎龍王の剣は少々やりすぎだっただろうか? いや、敵対した相手に慈悲をかけるなんて大魔王が廃る、これくらいがちょうどいいだろう。
「さて、次は誰だ? 一人一人来ても勝ち目はないと思うが······そうだな、一斉にかかってこい」
俺が挑発するようにそう言うと、他の取り巻きが一斉に俺の周りを囲い込み、俺の隙を伺いながら攻撃を繰り出そうと身構えた。
槍二、斧一、剣二の五人構成だ。
その動きは連携が取れていて、気を抜けば一斉に襲ってくるだろう。
だが俺はあえて気を抜いて隙をつくってやる。
そのつくられた隙を糞共は見逃すことなく、一斉に俺に襲いかかってきた。
俺はそれを、軽く上に跳躍して難なく回避する。
軽くとはいいつつも、相手からすれば一瞬の内に俺が目の前から姿を消した様に見えていることだろう。
そして当然、俺を見失った五人には、大きな隙が出来ていた。
その隙を見逃すことなく、一瞬で先程の糞同様五人纏めて一刀両断し、その命を文字通り燃やし、殺した。
「さて、残るはあんただな、豚野郎。覚悟は出来ているか?」
俺は敵対行動を示してきた残りの一人、親玉の豚に向けそう言い放つ。
「ま、待ってほしい。わ、悪かった。先程のことは謝罪しよう。本当に悪かった。何でもするから許して欲しい。金か? 食い物か?
それとも美女か? どんなものでも好きなだけくれてやろう! 俺はこの町の領主······いや、この国に仕えている貴族だからそれくらいなら当然のように用意できるんだ! そうだ、この街一番の美女をやろう! どうだ? いい女だぞ??」
俺はその言い草に呆れて声も出せなくなった。
絶対に勝てないと悟るとすぐさま寝返りゴマすりを行なう。従えていた取り巻きの死など自分の命と比べるまでもないことか······
なんて······なんて愚かで下衆なんだこいつは。
先程まで豚と呼んでいたが、それでは豚に失礼だ。そう思えるほどにこいつは正真正銘の屑だった。
こんなやつ生かしておく必要はないな。
俺がそんなことを考えている間に屑が美人な娘を手招きし、こちらに呼び寄せて、俺の女になるよう説得し始めた。話を聞いているところによると、どうやら実の娘のようだ。
当然、意味がわからないと言って娘は抵抗したが、自分の命の安全と娘の貞操を天秤にかけた結果、自分の命の安全が勝った屑に殴り倒された。
そして屑は、実の娘にしばらくの間暴行を加えて、無理やり俺の女になることを認めさせた。
「はあはあはあ。お見苦しい所をお見せして申し訳ありませんでした。では、娘の了承も得られましたのでどうぞ娘はご自由に愛でてあげてください」
自分の娘に暴行を加えて息を切らしながらも、にへらにへらと笑いながら俺に媚を売って迫ってきた何にも形容し難いその存在に俺はもう我慢することができなかった。
俺は近づいてきたディスの腕をまず切り落とす。
「ひぎゃぁーーー! 腕がぁあぁあ! 私の腕がああぁあ!」
何か喚いているが、俺は気にせずに逆の腕も切り落とす。
「ぎゃあぁあぁあぁあぁ! 痛い! 痛い痛い痛い痛い痛い! たずげでぐれ゛え゛え゛ぇ゛!」
「喚くな、うるさいぞ」
耳をつんざくようなその声が不快すぎて反吐が出そうになったが、何とかこらえ、制裁を執行する。
「あ゛じも゛、あ゛じも゛なぐなっだぁー! やめて! もう゛やめで! いだい! ゆるじでぐだざぁい!」
最終的に四肢を切断されたディスは、泣きわめきながらもまだ助かりたいのか、俺に慈悲を求めてきた。
そんなディスを俺は······
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俺は、地獄の黒炎を放つ第八位階魔術で燃やし殺した。
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