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二十二話 最強の大魔王の大勝利
しおりを挟む「くらえ、小隕石の雨」
詠唱から数秒後、空に幾重もの魔法陣が展開される。
それから更に数秒後、直径数センチ程度の小隕石が、空から地上に向け落下してきた。
その数実に数千個。魔物の総数には届かない迄も過半数以上分は確実にあるその小隕石は、次々と町を襲おうと進行してくる魔物に衝突し、その魔物を跡形もなく無残に殺していく。
そして、一分も経たずして、一万近くいた魔物を数百まで減らすことに成功した。
「こりゃ、一騎当千ならぬ一騎当万だな」
思わずそう呟いてしまうほどに、その魔術の力は圧倒的であった。
「残りの魔物は……逃げてるな」
圧倒的な数の魔物軍が数秒で壊滅したのだから、逃げに転ずるのも当然のことで、そして逃げるという選択を取ったということは、少なくともまだ魔物を率いていた指揮官は生き残っているということだろう。
再度力を蓄えてからまた攻められる可能性もゼロではないので、今のうちに全滅させた方がいい。
俺はそう決断すると、再度魔術を詠唱する。
「小隕石の雨」
先程発動した第十位階魔術を今度は数百規模の魔物軍に向け放つ。
数百の相手を万にも届く数の小隕石が襲う。
それが齎す結果など、確認するまでもなくわかる。
全滅。
一匹残らず、跡形もなく、その場から生きた魔物は消えていた。
残っていたのは、素材と魔石などの戦利品のみ。
こうして、俺と万を超える魔物軍との戦争は、俺の圧倒的すぎる勝利で幕を閉じた。
◇
魔物軍との戦闘が終わると、俺はすぐに戦利品を『異空収納』に収納し、空を飛びながら町の中へと帰還する。
外壁周辺で俺と魔物との戦いを見ていた奴らの顔は、いまだ目の前で何が起こったのかを理解できていないような顔だった。
どうせすぐには再起動しないだろうと判断し、今は放っておくことにする。
とはいえ、これで町の奴らにも俺の強さ。他との格の違いか正確に伝わることは間違いないだろう。
そんな圧倒的力を持った俺に怯え、この町から離れるか。
はたまた、その力に心酔し、俺の元に留まるのかは、彼ら次第だ。
俺は別にこの町に残れと強要する気はない。
去るものは追わず、来るものは囲う。
そして、危険は排除する。
これで問題ないだろう。
それに、何か問題が起きても、今みたいにすぐに解決すればいいだけだ。
今の俺ならばなんでもできる。
そんな傲慢とも呼べる考えを俺は改める気もない。
神に与えられた、二度目の人生だ。
自分の思うままに生きると決めたのだから、それで間違っていないはずだ。
「大魔王様、おかえりなさいませ」
「「「「「おかえりなさいませ!」」」」」
城に帰還すると、すぐにラティア達が出迎えてくれる。
今はこいつらがいてくれる。絶対に裏切る可能性のない忠臣が俺の傍にいてくれる。
この時点で、アテナリスにいた頃とはまったく違う人生だといえる。
「スタンピードを片付けてきた。恐らく数分後には町が大騒ぎになるだろう。
これから忙しくなるだろうが、ラティアを中心になんとか騒ぎを落ち着けてほしいんだが、頼めるか?」
「仰せのままに、大魔王様」
「ふっ、いい返事だ。
俺は暫く自室で考えることがあるから後は頼んだ
何か用があれば俺の元へとやってこい。でわな」
俺はそう言うと、『転移』を発動し、その場を後にした。
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