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二十七話 二人への褒美
しおりを挟むゴミを有効な骨人間に変え、朝食を済ませて自室に戻ってから数時間、誰かがやってくる足音が聞こえてきた。
これまでにこの部屋を訪れに来たことがあるのは、ラティアのみだが、この足音はラティアのものではない。
だとすると……誰だ?
考えられるのは、褒美をやると伝えたスカーレットとラフリアの二人くらいだが……
「大魔王様、お部屋にいらっしゃいますか?」
「……ラフリアか。用があるなら入ってきていいぞ」
「は、はい! で、では失礼します」
声と俺の呼び方から、来たのがラフリアの方だとわかり、すぐに返事をする。
入室を許可すると、ラフリアの声色が緊張したものに変化し、顔を俯かせながら部屋に恐る恐るといった感じで入ってきた。
恐らく褒美の件での来訪だと思うが、ラフリアはガチガチに緊張していて、自分から中々話を切り出しそうにない。
ここは俺から切り出すしかないか。
「単刀直入に聞くが、何か欲しいものが考えついたんだよな? 遠慮せずに言ってくれていいぞ。お前が欲しいものを必ず用意してやる」
「あ、はい。その、ありがとう……ございます」
俺が必ず用意してやると言うと、先程まで薄らと赤かった顔色が、途端に真っ赤に紅潮しだす。
この反応、もしや……
「わ、私の望むほ、褒美は、その……だ、大魔王様のごご、ご寵愛でございます!」
言葉に詰まりながらも、自分の欲しいものを言い切った彼女は、顔だけでなく全身真っ赤かになるほどに恥ずかしそうにしていた。
そんな彼女の姿が嗜虐心を擽り、今すぐにでも手を出してやろうかと思ったが、そんな性欲に支配された状態で、彼女に手を出す行為なんて、どこかの屑と変わりない。
「そうか……。ならば、夜再度私の所に一人でこい。可愛がってやろう」
「っ……/// ありがとうございます大魔王様! 楽しみにしてます!」
彼女は、俯かせていた顔を上げ、満面の笑みでそう言うと、駆け足気味で部屋から出ていった。
ラフリアの容姿は、控えめに言っても美女と言って差し支えなく、胸こそ小さいものの、スレンダーな体型でかなり魅力的だ。
そんな彼女から抱いてくれと言ってきたのだから、断る理由はない。
いや、そもそも欲しいものを必ず用意してやると言ったんだから、たとえそれが俺自身だろうと、絶対に断れなかったんだがな。
昨日は一回も射精してないから、正直かなり溜まっているが、なるべくあまりむちゃくちゃやらないように気をつけなければいけないな。
っと、色欲ばかりに囚われるのも良くない。
ここは一度風呂に入って頭を冷やさねばならないな。
◇◇◇
風呂に入り、冷静さを取り戻した後、領民のいなくなった町の活用法について考えていると、部屋に誰かが近づいてくる足音が聞こえてきた。
先程ラフリアには、夜と約束したから、今度はスカーレットの方かな?
「リュー様、おられますか?」
「スカーレットか、用があるなら入ってこい」
俺の予想は見事的中していて、入室を許可すると、直ぐにスカーレットが部屋に入ってきて、俺の前でこうべを垂れ、跪いた。
……正直、誰も見ていないところでここまでの礼儀を取られるのも堅苦しいと思うのだが……絶対的な忠誠を誓っているのだから、このような振る舞いになるのも仕方ないとも思う。
俺がこうなるように創造したのだから、彼女の行動の責任は俺が持たなければいけないので、ここは大目に見ることにする。
いずれは人前でもなければもう少し砕けた姿勢でいるように教育していくことにしよう。
「お前も褒美の件についてだよな? 何が欲しい?」
「……リュー様、私めへの褒美は、どうか貴方様の血をお願いしたいです!!」
ラブリアの時同様に、彼女にも本題を単刀直入で聞いてみたが、吸血鬼である彼女らしい褒美を強請ってきたようだ。
ただ、まさか俺自身の血を欲しがるとは思わなかったな。
忠誠を固く誓う彼女なら、少し控えめな願いを言ってくると予想していた。
人間の血を飲みたい……とかな。
ただ、そうなってもどうせ俺は俺の血を与えようと思っていたので、結果は変わらないのだがな。
さて、忠実な配下が、自身の欲求を包み隠さず露わにしてくれたのだから、俺も人肌脱ごうか。
「よろしい。では、俺の近くにこいスカーレット」
「え……? はっ、はいっ!」
彼女自身もまさかすぐに許可が降りると思っていなかったのか、一瞬呆けた後、すぐに気を取り直して、一歩ずつ、ゆっくりと俺の元へと移動を始めた。
「さて、吸血鬼の定番だと、首筋からの摂取か? いや、でもお前の歯では俺の固い皮膚を貫けないか? ちょっと待て」
「は、はい……」
既に彼女の顔は紅潮していて、もはや発情していると言っても過言ではないような目付きになっている。
吸血鬼である彼女にとってみれば、忠誠を誓った絶対者の血を飲むことは、それこそ性行為並の高揚感を得られる行為なのかもしれないな。
ただ、俺が言葉にした通り、レベル六十程度の彼女では、俺の皮膚に傷をつけることは叶わないので、彼女の自力で血を摂取するのは不可能である。
なれば残っている方法は……少し卑猥なものになってしまうが、致し方ない。
「スカーレット、顔を少し上に向けて、口を開けて待て」
「はっ!」
俺がそう言うと、彼女は直ぐに天を見上げ、口を大きく広げて、舌を出した。……舌を出せとまでは言っていないのだが……まあいい。
「これより俺の指をナイフで切りつけて、お前の口腔内に傷ついて血のでる状態となった俺の指を入れてやる。出る量は少ないかもしれないが、それで今回は我慢してくれ」
俺はスカーレットに告げると、自らの指を噛み、指先から血を出血させる。
ドバドバとは出血していないものの、少し放置していたら、滴り落ちていきそうな程の出血量はあるので、これで問題ないだろう。
「では、ゆくぞ」
スカーレットに最終通告をすると、俺は出血状態の指を彼女の口腔内に侵入させる。
「たっぷりと味わえ、スカーレット」
「では、頂います、リュー様……はむっ」
彼女は、口が開いている状態でも、しっかりとした滑舌で言葉を紡ぎ、俺に断りを入れたあと、口を閉じて、俺の指を咥え……
「ちゅるっ……ちゅっ……ちゅっ……ちゅぱっ……ちろっ…………ちゅるちろろっ……ちゅるるっ…………じゅるっ………………じゅるるっ…………」
卑猥な効果音を奏でながら、吸ったり、舌で舐めまわしたり、時に顔を上下に振ったりしながら俺の出血した指を堪能し始めた。
その行為は、傍から見れば、実質指をフェラチオするようなものに見えてしまい、俺も思わず興奮しかける。が、これはそういった行為ではないと自分に言い聞かせ、何とか興奮しないように務める。
「ちゅぱっちゅぱっ…………ちゅる……じゅるっ…………ちゅっ……ちゅっ……ちゅうぅぅぅ……ちゅぅうぅぅう……ちゅっ………………はぁ、はぁ、はぁ、ごちそう……さまでした…………」
その行為は指からの出血が止まってからも終わることは無く、合計にして三分間続いた。
指から口を離した彼女は、指舐めを始める時よりも更に興奮した様子で、数回は絶頂したのかと思うくらいの表情と息遣いをしていた。
そして同時に、かなり満足そうな表情も浮かべていて、褒美の贈呈は無事に済んだようでひと安心した。
彼女の唾液でベトベトになった指をどうしようかと考えていると、そんな俺の様子にいち早く気がついたスカーレットが、直ぐに携帯していたスカーフで俺の指を拭き取ってくれた。
「す、すいません。リュー様の血が美味すぎて、少し正気を失ってしまいました……」
……本当に血がうますぎただけなのか……なんて野暮なことは聞きはしない。
「満足したようなら何よりだ。さあ、これからは切り替えて城に住んでる者達の護衛に務めてくれ。頼んだぞ、スカーレット」
「はっ、はっ! お任せを!」
既にこの町には俺の陣営以外の生物は存在していないので、本当のところを言えば護衛など必要はないのだがな……俺もスカーレットの淫靡な表情を見て少々当てられているのかもしれない。
ここは、一つ、町の外に赴いて、フラストレーションを発散することにしよう。
こうして俺は、スカーレットを部屋から出したあとすぐに、転移を用い、町の外に出向くのだった。
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