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最終章 最強部長はロードレースでも最強を目指す
第78話 フィッティング
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年末のロードレースで海斗君と対決する事を東尾師匠に相談したら、フィッターを紹介してくれた。
ロードバイクはフィッティングが大事なのは知っている。
シゲさんから購入した時にも簡易的なフィッティングをしている。
だけど、師匠が紹介してくれたのは本格的にレースをする人が受けるフィッティングだった。
フィッティングに数万円もかけるのは高いような気もしたが、師匠がお勧めするのだから間違いはないだろう。
早速フィッティングの予約をし、週末にフィッティングを受ける事にした。
*
予約した店に愛車を持ち込み入店すると、30才前後の爽やかな男性が出迎えてくれた。
「フィッターの土田です。宜しくお願い致します。」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
早速フィッティングが始まると思ったらインタビューが始まった。
普段の走行頻度や走行時間、フィッティングの目的について聞き取りが始まる。
競技思考で目的のレースがある事、トレーニング頻度やレースの実績について説明をした。
5分程度のインタビューが終わった後に身体測定を行った。
身長を測定した後に、腕と足の長さまで測定される。
左右の腕の長さの違いまで調べるのか
体重については自己申告だ。
いよいよ、セッティングを始めるのかと思ったら、柔軟性の確認が始まった。
前屈をした後、ベッドに横になり柔軟性の確認を始める。
ロードバイクのセッティングは、サドルの位置とハンドルの位置調整で終わると思っていたのに、色々確認する事が多いのだな。
柔軟性の確認が終わった後、土田さんが私のロードバイクの寸法を測定する。
そして、測定した寸法を元にフィッティングマシーンの操作を始めた。
「先ずは今までのセッティングに合わせました。跨って漕いでみて下さい」
いよいよバイクセッティング開始だな。
フィッティングマシーンに跨って漕ぎ始める。
愛車ではないのに同じ感覚で漕げている。
セッティングが同じだと、同じ様に走れるのだな。
「漕ぐのを止めて下さい。次に身体の寸法を基準にした推奨値に合わせますね」
土田さんが操作すると、サドルの高さやハンドルの位置が動く。
乗ったままで調整出来るのは便利だな。
「合わせたので漕いでみて下さい」
再び漕ぎ始める。
少しクランクを回しやすくなったか?
余り違いを感じないな。
ハンドル位置の方は大分変化したな。
位置が低くなった上に、更に遠くなったので、上体がロードバイクに覆いかぶさる程に前傾がキツクなっている。
「前のセッティングと比較して、どうですか?」
「大分前傾がキツくなりましたが、漕いだ感じは違いが判りません」
「ペダリングに関しては違いが分かりにくいかもしれないですね。元々のセッティングがベストなセッティングに近かったので、殆どセッティングを変更していないので。前傾についてはキツイかもしれないですけど、目標のレースで結果を出すには空力を意識した乗車姿勢が大事です。距離が長いレースなので、平地と下りでの空力性能の差がタイムに影響しますから」
「そうですか。頑張ってみます」
「後は、もう一つのセッティングを試してみましょう」
土田さんが再びセッティングを変更する。
「漕いでみて下さい。どうですか?」
土田さんに促されて漕ぎ始める。
前のセッティングよりサドルが下がっている。
「凄くパワーが出しやすいです。フィッティングで、こんなにも走りやすさが変わるのですか?」
「結構かわりますよ。今のセッティングは中杉さんの柔軟性や今の筋力に合わせてみたのですよ。大腿四頭筋の柔軟性が足りていなくてペダリングがぎこちなかったので。後は大殿筋が強いので活用出来るセッティングにしています。大腿四頭筋も強いけど、ハムストリングスは少し弱いですね」
「ペダリングに必要な筋肉は知ってますけど、実際に説明を受けても理解が難しいですね」
「クランクが一回転するのを時計に例えると11時から3時までのペダリングが強いのですよ。感覚で言えば、引き上げた足を前に押し出してペダルを蹴り出す感じですね」
確かにパワーを出そうとするとき、サドルにドッシリ座ってペダルを前にけり出している。
「私みたいなタイプは珍しいのですか?」
「結構いらっしゃいますよ。他には3時から6時にかけて踏み下ろすのが得意な人や、満遍なく回すのが得意な人もいますね」
「今のセッティングが気に入りましたけど、推奨のセッティングではないのですよね?」
「そうですね。本当は先ほどのセッティングがベストなんですよ。足の筋力を満遍なく活用出来るセッティングなので。成長力がある若い人なら、最初から推奨のセッティングにするのが間違いないです。でも、今の柔軟性や筋力に合わせたセッティングするのも間違っていないのですよ。柔軟性や筋力の改善に合わせて徐々にベストなセッティングに合わせていくのですよ。定期的にフィッティングを受けて、セッティングの見直しをするのが大事なんです」
「今のセッティングでお願いします」
土田さんがフィッティングマシーンのセッティングを元に、愛車のセッティングを変更していく。
ハンドル位置だけはステム交換が必要だから、後でシゲさんにお願いしよう。
最後にフィッティングレポートをもらった。
柔軟性や、ペダリング時の足の可動域、バイクセッティングの全てが記載されている。
本格的なレポートを見ていると、プロ選手になった気分になった。
これだけでも受ける価値があるな。
私は満足して店を後にした。
ロードバイクはフィッティングが大事なのは知っている。
シゲさんから購入した時にも簡易的なフィッティングをしている。
だけど、師匠が紹介してくれたのは本格的にレースをする人が受けるフィッティングだった。
フィッティングに数万円もかけるのは高いような気もしたが、師匠がお勧めするのだから間違いはないだろう。
早速フィッティングの予約をし、週末にフィッティングを受ける事にした。
*
予約した店に愛車を持ち込み入店すると、30才前後の爽やかな男性が出迎えてくれた。
「フィッターの土田です。宜しくお願い致します。」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
早速フィッティングが始まると思ったらインタビューが始まった。
普段の走行頻度や走行時間、フィッティングの目的について聞き取りが始まる。
競技思考で目的のレースがある事、トレーニング頻度やレースの実績について説明をした。
5分程度のインタビューが終わった後に身体測定を行った。
身長を測定した後に、腕と足の長さまで測定される。
左右の腕の長さの違いまで調べるのか
体重については自己申告だ。
いよいよ、セッティングを始めるのかと思ったら、柔軟性の確認が始まった。
前屈をした後、ベッドに横になり柔軟性の確認を始める。
ロードバイクのセッティングは、サドルの位置とハンドルの位置調整で終わると思っていたのに、色々確認する事が多いのだな。
柔軟性の確認が終わった後、土田さんが私のロードバイクの寸法を測定する。
そして、測定した寸法を元にフィッティングマシーンの操作を始めた。
「先ずは今までのセッティングに合わせました。跨って漕いでみて下さい」
いよいよバイクセッティング開始だな。
フィッティングマシーンに跨って漕ぎ始める。
愛車ではないのに同じ感覚で漕げている。
セッティングが同じだと、同じ様に走れるのだな。
「漕ぐのを止めて下さい。次に身体の寸法を基準にした推奨値に合わせますね」
土田さんが操作すると、サドルの高さやハンドルの位置が動く。
乗ったままで調整出来るのは便利だな。
「合わせたので漕いでみて下さい」
再び漕ぎ始める。
少しクランクを回しやすくなったか?
余り違いを感じないな。
ハンドル位置の方は大分変化したな。
位置が低くなった上に、更に遠くなったので、上体がロードバイクに覆いかぶさる程に前傾がキツクなっている。
「前のセッティングと比較して、どうですか?」
「大分前傾がキツくなりましたが、漕いだ感じは違いが判りません」
「ペダリングに関しては違いが分かりにくいかもしれないですね。元々のセッティングがベストなセッティングに近かったので、殆どセッティングを変更していないので。前傾についてはキツイかもしれないですけど、目標のレースで結果を出すには空力を意識した乗車姿勢が大事です。距離が長いレースなので、平地と下りでの空力性能の差がタイムに影響しますから」
「そうですか。頑張ってみます」
「後は、もう一つのセッティングを試してみましょう」
土田さんが再びセッティングを変更する。
「漕いでみて下さい。どうですか?」
土田さんに促されて漕ぎ始める。
前のセッティングよりサドルが下がっている。
「凄くパワーが出しやすいです。フィッティングで、こんなにも走りやすさが変わるのですか?」
「結構かわりますよ。今のセッティングは中杉さんの柔軟性や今の筋力に合わせてみたのですよ。大腿四頭筋の柔軟性が足りていなくてペダリングがぎこちなかったので。後は大殿筋が強いので活用出来るセッティングにしています。大腿四頭筋も強いけど、ハムストリングスは少し弱いですね」
「ペダリングに必要な筋肉は知ってますけど、実際に説明を受けても理解が難しいですね」
「クランクが一回転するのを時計に例えると11時から3時までのペダリングが強いのですよ。感覚で言えば、引き上げた足を前に押し出してペダルを蹴り出す感じですね」
確かにパワーを出そうとするとき、サドルにドッシリ座ってペダルを前にけり出している。
「私みたいなタイプは珍しいのですか?」
「結構いらっしゃいますよ。他には3時から6時にかけて踏み下ろすのが得意な人や、満遍なく回すのが得意な人もいますね」
「今のセッティングが気に入りましたけど、推奨のセッティングではないのですよね?」
「そうですね。本当は先ほどのセッティングがベストなんですよ。足の筋力を満遍なく活用出来るセッティングなので。成長力がある若い人なら、最初から推奨のセッティングにするのが間違いないです。でも、今の柔軟性や筋力に合わせたセッティングするのも間違っていないのですよ。柔軟性や筋力の改善に合わせて徐々にベストなセッティングに合わせていくのですよ。定期的にフィッティングを受けて、セッティングの見直しをするのが大事なんです」
「今のセッティングでお願いします」
土田さんがフィッティングマシーンのセッティングを元に、愛車のセッティングを変更していく。
ハンドル位置だけはステム交換が必要だから、後でシゲさんにお願いしよう。
最後にフィッティングレポートをもらった。
柔軟性や、ペダリング時の足の可動域、バイクセッティングの全てが記載されている。
本格的なレポートを見ていると、プロ選手になった気分になった。
これだけでも受ける価値があるな。
私は満足して店を後にした。
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