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第三章 開戦
第9話 金色の侵略者
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なんて有様だ。
それが俺が最初に抱いた素直な感想だった。
綺麗に敷き詰められていた石畳はひび割れ、広場を囲むように建てられていた露店もそのほとんどが損壊している。
国民にケガは無さそうだがヴォルクの鼻から一筋の血が流れている。
……許せん。
「貴様……ここまで暴れてタダで帰れると思うなよ」
俺の心をどす黒い感情が支配する。
あの日より感情の昂りが一定値を超えるとこうなってしまう。
まるで俺ではない者に体を支配されているみたいだ。
「お前がボスか、待ちわびたぜ。俺は……」
金髪の男が待ちわびたように俺に話しかけてくる。
しかし喋る暇など与えない。
俺は息もつかせぬ速さで背後に回り込み、高速で魔力を練る。
「なっ……!」
どうやら速過ぎて目で追えなかったようだ、俺は狼狽える男の背後から声をかける。
「喧嘩を売る相手を間違えたな。灼熱魔刃《バーンエッジ》」
俺の右手より放たれた超高温の刃が男の首元に命中し、その衝撃で土煙が上がる。
「せめて苦しまずに死ね」
俺は名も知らぬ男に別れの言葉を言う。
しかし。
「なんだ意外と優しいじゃねえか」
「!?」
そこにはケロッとした顔で立つ無傷の男がいた。
確かに俺の攻撃は命中したはず……なぜだ!?
「なんだよ魔王を名乗るとか大層な奴がいるもんだと来てみたが……」
男は、俺を嘲るように言い放つ。
「なんだよ、案外たいしたことないな」
「てめえぇっ!!!」
俺が反応するよりも早くヴォルクが怒りの形相で男にとびかかる。
「よせヴォルク!!」
いつの間にかヴォルクは半狼化しており、すさまじい速度で男に接近する。
出遅れた俺はとても追いつけない。
「まだ力の差が分からないのか? あまり失望させないでくれ」
「戯言はこの攻撃をくらってから言いなっ!!」
嘲る男に超高速で振り下ろされる爪による一撃。
その一本一本が鍛え抜かれた刃物のように鋭い爪は岩さえ容易く両断する。
しかし、その一撃は男の素手で受け止められるという結末に終わる。
「うそ……だろ……」
信じられないといった表情で男を見るヴォルク。
当然だ。俺だって信じられない。
「鍛え方が違うんだよ。ワンちゃん」
拳を構え今にも打ち込もうとする男。
その拳にはとんでもない魔力が込められている、あんなもの受けたらひとたまりも無いぞ!
「あばよ」
そんな捨て台詞と共に放たれる拳。
一直線にヴォルクの胸元に向かい、絶体絶命と思われたその瞬間。
「金剛石の加護!!」
テレサの叫びと共にヴォルクの目の前に展開される八角形の障壁は、男の拳を完全に止めることは出来なかったがその勢いを弱めることに成功する。
「がっ!」
殴り飛ばされるヴォルク。
門に激突し、その場に崩れ落ちるがそこまで重症ではなさそうだ。
「良い防御じゃねえかテレサ。さすが俺と肩を並べるだけあるぜ」
「かっ!、相変わらずの馬鹿力じゃのゴルディオ。お主と言えどこれ以上の狼藉はいくらなんでも看過できぬぞ、いい加減用を話したらどうじゃ」
鬼気迫る様子で男に問いただすテレサ。
相当頭に来ている様子だがなぜか怒りを抑え込んでいる。
いったい2人はどんな関係なのだろうか。
「そうかっかすんなよ、ちっと遊んだだけじゃねえか」
「遊ぶ……だと?」
俺の仲間を傷つけておいて……
「ふざけるなよ!」
我慢の限界だ。
もう手加減出来んぞ!
俺は再び刃を作り出す。
しかし先ほどの様子見の魔法とは格が違う。
「現界断つ乖刃!!」
「なっ……!!」
全てを断つ魔法の刃が男を襲い砂煙を上げる。
街への被害を考え威力を抑えたが、相当効いてるはずだ。
そして、砂煙が上がるとそこには……
「あやつめ、逃げ足の速い」
地面には、俺の魔法で斬られた跡と穴を掘ったような跡があった。
どうやら逃げられたようだ。
「クソが! 逃げ切れるとでも思っているのか!?」
「いや、どうやらあちらさんも戦《や》る気のようじゃよ。
そう言うとテレサは穴のそばから拾った金色の封筒から何かを取り出し見せてくる。
「別荘への招待状みたいじゃ。あやつ、いい度胸しておる」
どこまでも俺をコケにしたいみたいだ……!!
いいぜ、ノってやるよ。
罠だろうが何だろうが正面からねじ伏せてやる。
「首を洗って待っていろ。貴様が誰を怒らせたか思い知らせてやるよ」
「くくっ、それでこそ主様じゃ」
◇
――――魔王国郊外。
「ぶはぁっ!!」
突如盛り上がった地面より、男の顔が飛び出してくる。
中々にショッキングな映像だ。普通の人が見たら卒倒するだろう。
しかし、その男を出迎えた人物はいたって冷静だった。
「お疲れ様です。ゴルディオ様」
「おお、大変だったぜ」
男……ゴルディオは地面からよっこいせと体を出し、体についた土をはたいて落とす。
その様子を見ていた人物、スーツ姿の女性はある事に気づき驚きの声を上げる。
「ゴルディオ様! 腕が!」
「ああ、やられちゃったぜ」
ゴルディオの腕からはおびただしい鮮血が流れ落ちる。
どうやら完全には最後の攻撃を避けられなかったようだ。
「すぐに手当てを」
「ああ、任せるぜ」
女性がすぐに回復魔法で腕の治癒を始める。
その間、ゴルディオは遠くに見える魔王国を眺めていた。
「待ってるぜ、魔王様」
戦いの火蓋が、切って落とされた。
それが俺が最初に抱いた素直な感想だった。
綺麗に敷き詰められていた石畳はひび割れ、広場を囲むように建てられていた露店もそのほとんどが損壊している。
国民にケガは無さそうだがヴォルクの鼻から一筋の血が流れている。
……許せん。
「貴様……ここまで暴れてタダで帰れると思うなよ」
俺の心をどす黒い感情が支配する。
あの日より感情の昂りが一定値を超えるとこうなってしまう。
まるで俺ではない者に体を支配されているみたいだ。
「お前がボスか、待ちわびたぜ。俺は……」
金髪の男が待ちわびたように俺に話しかけてくる。
しかし喋る暇など与えない。
俺は息もつかせぬ速さで背後に回り込み、高速で魔力を練る。
「なっ……!」
どうやら速過ぎて目で追えなかったようだ、俺は狼狽える男の背後から声をかける。
「喧嘩を売る相手を間違えたな。灼熱魔刃《バーンエッジ》」
俺の右手より放たれた超高温の刃が男の首元に命中し、その衝撃で土煙が上がる。
「せめて苦しまずに死ね」
俺は名も知らぬ男に別れの言葉を言う。
しかし。
「なんだ意外と優しいじゃねえか」
「!?」
そこにはケロッとした顔で立つ無傷の男がいた。
確かに俺の攻撃は命中したはず……なぜだ!?
「なんだよ魔王を名乗るとか大層な奴がいるもんだと来てみたが……」
男は、俺を嘲るように言い放つ。
「なんだよ、案外たいしたことないな」
「てめえぇっ!!!」
俺が反応するよりも早くヴォルクが怒りの形相で男にとびかかる。
「よせヴォルク!!」
いつの間にかヴォルクは半狼化しており、すさまじい速度で男に接近する。
出遅れた俺はとても追いつけない。
「まだ力の差が分からないのか? あまり失望させないでくれ」
「戯言はこの攻撃をくらってから言いなっ!!」
嘲る男に超高速で振り下ろされる爪による一撃。
その一本一本が鍛え抜かれた刃物のように鋭い爪は岩さえ容易く両断する。
しかし、その一撃は男の素手で受け止められるという結末に終わる。
「うそ……だろ……」
信じられないといった表情で男を見るヴォルク。
当然だ。俺だって信じられない。
「鍛え方が違うんだよ。ワンちゃん」
拳を構え今にも打ち込もうとする男。
その拳にはとんでもない魔力が込められている、あんなもの受けたらひとたまりも無いぞ!
「あばよ」
そんな捨て台詞と共に放たれる拳。
一直線にヴォルクの胸元に向かい、絶体絶命と思われたその瞬間。
「金剛石の加護!!」
テレサの叫びと共にヴォルクの目の前に展開される八角形の障壁は、男の拳を完全に止めることは出来なかったがその勢いを弱めることに成功する。
「がっ!」
殴り飛ばされるヴォルク。
門に激突し、その場に崩れ落ちるがそこまで重症ではなさそうだ。
「良い防御じゃねえかテレサ。さすが俺と肩を並べるだけあるぜ」
「かっ!、相変わらずの馬鹿力じゃのゴルディオ。お主と言えどこれ以上の狼藉はいくらなんでも看過できぬぞ、いい加減用を話したらどうじゃ」
鬼気迫る様子で男に問いただすテレサ。
相当頭に来ている様子だがなぜか怒りを抑え込んでいる。
いったい2人はどんな関係なのだろうか。
「そうかっかすんなよ、ちっと遊んだだけじゃねえか」
「遊ぶ……だと?」
俺の仲間を傷つけておいて……
「ふざけるなよ!」
我慢の限界だ。
もう手加減出来んぞ!
俺は再び刃を作り出す。
しかし先ほどの様子見の魔法とは格が違う。
「現界断つ乖刃!!」
「なっ……!!」
全てを断つ魔法の刃が男を襲い砂煙を上げる。
街への被害を考え威力を抑えたが、相当効いてるはずだ。
そして、砂煙が上がるとそこには……
「あやつめ、逃げ足の速い」
地面には、俺の魔法で斬られた跡と穴を掘ったような跡があった。
どうやら逃げられたようだ。
「クソが! 逃げ切れるとでも思っているのか!?」
「いや、どうやらあちらさんも戦《や》る気のようじゃよ。
そう言うとテレサは穴のそばから拾った金色の封筒から何かを取り出し見せてくる。
「別荘への招待状みたいじゃ。あやつ、いい度胸しておる」
どこまでも俺をコケにしたいみたいだ……!!
いいぜ、ノってやるよ。
罠だろうが何だろうが正面からねじ伏せてやる。
「首を洗って待っていろ。貴様が誰を怒らせたか思い知らせてやるよ」
「くくっ、それでこそ主様じゃ」
◇
――――魔王国郊外。
「ぶはぁっ!!」
突如盛り上がった地面より、男の顔が飛び出してくる。
中々にショッキングな映像だ。普通の人が見たら卒倒するだろう。
しかし、その男を出迎えた人物はいたって冷静だった。
「お疲れ様です。ゴルディオ様」
「おお、大変だったぜ」
男……ゴルディオは地面からよっこいせと体を出し、体についた土をはたいて落とす。
その様子を見ていた人物、スーツ姿の女性はある事に気づき驚きの声を上げる。
「ゴルディオ様! 腕が!」
「ああ、やられちゃったぜ」
ゴルディオの腕からはおびただしい鮮血が流れ落ちる。
どうやら完全には最後の攻撃を避けられなかったようだ。
「すぐに手当てを」
「ああ、任せるぜ」
女性がすぐに回復魔法で腕の治癒を始める。
その間、ゴルディオは遠くに見える魔王国を眺めていた。
「待ってるぜ、魔王様」
戦いの火蓋が、切って落とされた。
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