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第一章 ~追放と出会い~
26 Eランクダンジョン③
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~Eランクダンジョン・三階~
―――ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!……。
三階になり出てくるモンスターは変わらないが数が一気に多くなった。
二階のおよそ倍の数。ダンジョンの設定では出てくるモンスターの数は毎回ランダムになっている。
今回はこのダンジョンでもかなりモンスターが多い時に当たってしまった。
しかし、予想外の成長を見せつけたレイには丁度良い特訓になっており、出てくるモンスターを次々に【ドラピン】で倒しまくりいつの間にか三階の一番奥の部屋まで辿り着いていた。
「――ヘイヘイヘーイ!絶好調だぜ!」
<気高きドラゴンの魔力をここまでダサく扱うとは……>
「……魔力も強いしコスパもいいんだけどちょっと見た目がねぇ……」
冷ややかな視線を送るローラとドーラン。
このドラピンは人差し指で弾き豆粒ほどの魔力を飛ばすパターンと、四本指で弾きかまいたちを繰り出すパターンと二つあるのだが、これまでに出てきたモンスターの強さでは全て人差し指の方のみで片が付いていた。
見れば見る程レイの人差し指のドラピンは、ただひたすらに鼻〇ソを飛ばしている様にしか見えなかったのである―。
だがレイ本人は初めて魔法で戦っている己の状況に、この上ない達成感と幸福感を得ているのが一目で分かる。
まぁ最初のうちだけはと思いローラとドーランも目を瞑る事にした。
そんなこんなでレイ達はこのダンジョンで中ボス設定されている“スケルトン”のいる部屋の前にいる。
スケルトンは人の骨格をしており骨のみのモンスター。
手には剣を持っており、今まで出てきたモンスターと比べると少しだけ強い。
「ここを開けると中ボスのスケルトンがいるわ。準備はいい?」
「とっくに出来てるよ!」
レイとローラが扉を開けると部屋の中央にスケルトンが待ち構えていた。
「――#$ヴ%バァ&'!!!」
言葉にならない呻き声と共に、骨だけのぎこちない足取りと動きでレイに迫っていくスケルトン。
剣で切りつけてきたがレイはそれを軽やかに交わし一定の距離を取ると、得意のドラピンでスケルトンを攻撃した。
小さい弾ながらも連続で繰り出された攻撃によりスケルトンはダメージを負ったのか片膝をつく。
それを見たレイはドラピンでも威力のある四本指で弾くかまいたちを追撃で放ち、食らったスケルトンは壁まで勢いよく飛ばされた。
壁にめり込まれたスケルトンは微動だにせず、暫らくすると体が徐々に消えていった―。
どうやら問題なくスケルトンを倒せたようだ。
「中ボスクリア!次が最上階か」
「いくらEランクダンジョンだからってよく片手で中ボス倒せたわね。私なんてもっと苦労したのに」
<何度も言っておるが我の魔力を見くびるな。我がコントロールすれば小指一本でダンジョンクリアだ>
スケルトンを倒したレイは遂にEランクダンジョンの最上階へと向かった。
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~Eランクダンジョン・最上階~
階段を上ると一本の広い廊下が十メートルほど続き、その先にはとても大きな扉がそびえ立つ。
レイとローラは扉の向こう側から確かに魔力を感じ取っていた。
「ここのボスは“ゴーレム”。そいつを倒して魔草を手に入れればダンジョンクリアよ!」
「よっしゃ!流石に今までのモンスターと比べると強そうだな。」
辿り着いた最上階。
レイとローラは顔を合わせて頷き、大きな扉を力強く開ける―。
広く開けた部屋の奥で、ビッグ・Gよりもデカい石の塊……ゴーレムが待ち受けていた。
「でけぇ~……」
離れた距離からでも分かるゴーレムの大きさ。
あんなのどうやって倒すんだと言わんばかりに一瞬困惑した表情でローラを見たレイ。
「ビッグ・Gより弱いから大丈夫」とローラに促されたレイは気合いを入れてゴーレムと対峙―。
ただ立っているだけで凄い威圧感を感じながらも、ノリに乗っているレイは先手必勝に出た。
得意の連続ドラピン―。
一、二、三、四、五、六、七……七連続で放った最後にかまいたちドラピンをお見舞い。
爆破の煙がゴーレムの体を覆っている。食らったゴーレムは倒れるどころか微動だにしない。
「頑丈だなぁ……。ドラピンがダメならこっちだ!」
ドラピンが効かないと判断したレイはもう一つの魔法【エグドーラ】を放つ。
掌をゴーレムに向けそこから生み出した卵サイズの弾を飛ばすと見事ゴーレムを捉えた。ドラピンよりも威力のある魔法攻撃。
ゴーレムは胸に受けたエグドーラの衝撃で一瞬バランスを崩す―。
大きな体がよろめきながら一歩下がっていった。
それを見たレイは「イケる!」と一気にゴーレムを倒しに掛かったが、突如足が鉛の様に重くなった。
ガクンと膝が落ち踏ん張りがきかないレイ。
「――あれッ……⁉」
「ど、どうしたのレイ⁉」
<……ツケが回ってきたか>
いくら感覚を掴み魔力消費を抑えてきたと言っても所詮は付け焼き刃―。
勢いよくここまで来られたがレイの体は疲労に正直であった。魔力の耐性がまるでないのに加え、扱っているのは人間離れした強さのドラゴンの魔力。
戸惑うレイとローラを他所に、ドーランだけはこの事態を予測していた様だ。
「クッソ!体が重い……!」
「しょうがないわね、私も加勢しッ……<―待ってくれローラ。レイ一人にやらせるんだ>
加勢しようとしたローラを止めるドーラン。
言われたローラは少し戸惑うもドーランの言う通りにする。心配そうに見つめるローラ。
バランスを崩した所を狙ったレイだが、逆に自分がバランスを崩しゴーレムに狙われた。
ゴーレムは巨大な拳でレイを攻撃―。
当たれば一溜りもない一撃であったが、幸いな事に攻撃にそこまで速さが無かった。
レイが弱っているとゴーレムも理解しているのか立て続けにもう一方の腕を振り上げ攻撃体勢に入った。
「やべ……思うように体が動かないぞ。次で決めるしか……」
次の魔法がレイにとっては最後の一発。深呼吸し限界まで魔力を絞り出す―。
パンッと両手を合わせ再び手を離すと、両手の間に大きな火の弾を生み出した。
エグドーラのデカい版。
「これでくたばれッ……!!……【エグドーラ】!!」
ゴーレムが拳を振り下ろす瞬間……その一瞬の隙をついて、レイは限界まで振り絞った魔力で通常よりも威力のあるエグドーラを渾身の力で放った―。
――ボガァァァァァァァァンッッ………!!!
~Eランクダンジョン・三階~
―――ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!ドラピン!……。
三階になり出てくるモンスターは変わらないが数が一気に多くなった。
二階のおよそ倍の数。ダンジョンの設定では出てくるモンスターの数は毎回ランダムになっている。
今回はこのダンジョンでもかなりモンスターが多い時に当たってしまった。
しかし、予想外の成長を見せつけたレイには丁度良い特訓になっており、出てくるモンスターを次々に【ドラピン】で倒しまくりいつの間にか三階の一番奥の部屋まで辿り着いていた。
「――ヘイヘイヘーイ!絶好調だぜ!」
<気高きドラゴンの魔力をここまでダサく扱うとは……>
「……魔力も強いしコスパもいいんだけどちょっと見た目がねぇ……」
冷ややかな視線を送るローラとドーラン。
このドラピンは人差し指で弾き豆粒ほどの魔力を飛ばすパターンと、四本指で弾きかまいたちを繰り出すパターンと二つあるのだが、これまでに出てきたモンスターの強さでは全て人差し指の方のみで片が付いていた。
見れば見る程レイの人差し指のドラピンは、ただひたすらに鼻〇ソを飛ばしている様にしか見えなかったのである―。
だがレイ本人は初めて魔法で戦っている己の状況に、この上ない達成感と幸福感を得ているのが一目で分かる。
まぁ最初のうちだけはと思いローラとドーランも目を瞑る事にした。
そんなこんなでレイ達はこのダンジョンで中ボス設定されている“スケルトン”のいる部屋の前にいる。
スケルトンは人の骨格をしており骨のみのモンスター。
手には剣を持っており、今まで出てきたモンスターと比べると少しだけ強い。
「ここを開けると中ボスのスケルトンがいるわ。準備はいい?」
「とっくに出来てるよ!」
レイとローラが扉を開けると部屋の中央にスケルトンが待ち構えていた。
「――#$ヴ%バァ&'!!!」
言葉にならない呻き声と共に、骨だけのぎこちない足取りと動きでレイに迫っていくスケルトン。
剣で切りつけてきたがレイはそれを軽やかに交わし一定の距離を取ると、得意のドラピンでスケルトンを攻撃した。
小さい弾ながらも連続で繰り出された攻撃によりスケルトンはダメージを負ったのか片膝をつく。
それを見たレイはドラピンでも威力のある四本指で弾くかまいたちを追撃で放ち、食らったスケルトンは壁まで勢いよく飛ばされた。
壁にめり込まれたスケルトンは微動だにせず、暫らくすると体が徐々に消えていった―。
どうやら問題なくスケルトンを倒せたようだ。
「中ボスクリア!次が最上階か」
「いくらEランクダンジョンだからってよく片手で中ボス倒せたわね。私なんてもっと苦労したのに」
<何度も言っておるが我の魔力を見くびるな。我がコントロールすれば小指一本でダンジョンクリアだ>
スケルトンを倒したレイは遂にEランクダンジョンの最上階へと向かった。
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~Eランクダンジョン・最上階~
階段を上ると一本の広い廊下が十メートルほど続き、その先にはとても大きな扉がそびえ立つ。
レイとローラは扉の向こう側から確かに魔力を感じ取っていた。
「ここのボスは“ゴーレム”。そいつを倒して魔草を手に入れればダンジョンクリアよ!」
「よっしゃ!流石に今までのモンスターと比べると強そうだな。」
辿り着いた最上階。
レイとローラは顔を合わせて頷き、大きな扉を力強く開ける―。
広く開けた部屋の奥で、ビッグ・Gよりもデカい石の塊……ゴーレムが待ち受けていた。
「でけぇ~……」
離れた距離からでも分かるゴーレムの大きさ。
あんなのどうやって倒すんだと言わんばかりに一瞬困惑した表情でローラを見たレイ。
「ビッグ・Gより弱いから大丈夫」とローラに促されたレイは気合いを入れてゴーレムと対峙―。
ただ立っているだけで凄い威圧感を感じながらも、ノリに乗っているレイは先手必勝に出た。
得意の連続ドラピン―。
一、二、三、四、五、六、七……七連続で放った最後にかまいたちドラピンをお見舞い。
爆破の煙がゴーレムの体を覆っている。食らったゴーレムは倒れるどころか微動だにしない。
「頑丈だなぁ……。ドラピンがダメならこっちだ!」
ドラピンが効かないと判断したレイはもう一つの魔法【エグドーラ】を放つ。
掌をゴーレムに向けそこから生み出した卵サイズの弾を飛ばすと見事ゴーレムを捉えた。ドラピンよりも威力のある魔法攻撃。
ゴーレムは胸に受けたエグドーラの衝撃で一瞬バランスを崩す―。
大きな体がよろめきながら一歩下がっていった。
それを見たレイは「イケる!」と一気にゴーレムを倒しに掛かったが、突如足が鉛の様に重くなった。
ガクンと膝が落ち踏ん張りがきかないレイ。
「――あれッ……⁉」
「ど、どうしたのレイ⁉」
<……ツケが回ってきたか>
いくら感覚を掴み魔力消費を抑えてきたと言っても所詮は付け焼き刃―。
勢いよくここまで来られたがレイの体は疲労に正直であった。魔力の耐性がまるでないのに加え、扱っているのは人間離れした強さのドラゴンの魔力。
戸惑うレイとローラを他所に、ドーランだけはこの事態を予測していた様だ。
「クッソ!体が重い……!」
「しょうがないわね、私も加勢しッ……<―待ってくれローラ。レイ一人にやらせるんだ>
加勢しようとしたローラを止めるドーラン。
言われたローラは少し戸惑うもドーランの言う通りにする。心配そうに見つめるローラ。
バランスを崩した所を狙ったレイだが、逆に自分がバランスを崩しゴーレムに狙われた。
ゴーレムは巨大な拳でレイを攻撃―。
当たれば一溜りもない一撃であったが、幸いな事に攻撃にそこまで速さが無かった。
レイが弱っているとゴーレムも理解しているのか立て続けにもう一方の腕を振り上げ攻撃体勢に入った。
「やべ……思うように体が動かないぞ。次で決めるしか……」
次の魔法がレイにとっては最後の一発。深呼吸し限界まで魔力を絞り出す―。
パンッと両手を合わせ再び手を離すと、両手の間に大きな火の弾を生み出した。
エグドーラのデカい版。
「これでくたばれッ……!!……【エグドーラ】!!」
ゴーレムが拳を振り下ろす瞬間……その一瞬の隙をついて、レイは限界まで振り絞った魔力で通常よりも威力のあるエグドーラを渾身の力で放った―。
――ボガァァァァァァァァンッッ………!!!
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