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スピンオフ ダンデリオンの花嫁
第九話 地下牢の幽霊
しおりを挟むアキラ達は地下牢に閉じ込められてからは窓から見える景色以外の情報は全く無い状態だった。
数日経った晩に牢屋の前に白い影が見えるとニコラが言い出し始めた。
ニコラ:私さっき白い影が見えたの・・・きっとここで殺された人達の幽霊だよ・・。
ルチカ:・・・この宮殿で虐殺が行われたとかは聞いた事ない・・・ニコラ疲れてるんだきっと。
アキラ:ニコラ!ちゃんと気をしっかり持て!ツバキがそのうち助けに来るはずだ。ゆ、幽霊なんているはずなかろう!
ニコラ:そうは言っても・・・気のせいなのかな・・・。
牢屋内にある粗末なベッドに横たわりながら幽霊がいるなんてありえないとアキラは目をぎゅっと瞑った。
少しするとまたニコラが騒ぎ出した。
ニコラ:やっぱり幽霊いるよう!!!ほら見て!!
ルチカ:・・どこ?
アキラはベッドから起き上がりまた何かの見間違えだろうとニコラが指差す方を見ると牢屋の格子の向こう側を見据えた。
そこには白い人影が薄らと見え始めアキラは何度も目を擦り夢ではないのかと頬を叩いた。
それでも影は消える事なく本物だと確信した。
アキラ:ゆ、ゆゆゆゆゆ幽霊だ!!!どこか行け幽霊め!!!早く消えろ!!!!
アキラはあまりの怖さにベッドに備え付けてある薄い布地を頭から被った。
ニコラ:え?!まさかアキラって幽霊が苦手なの~?ぷっくくく。
ルチカ:・・・意外・・・ふっ。
ガクガクと震えるアキラを見てニコラとルチカはクスクスと笑った。
そして白い影がまた現れたのでニコラがよく見てみるとその影はツバキの姿に見えた。
ニコラ:もしかしてツバキ?まさかツバキも死んじゃったの・・・!!!
壁に映った白い影の音量を下げるように口元に人差し指を立てた。
ツバキ:しーっ!ダマール兵にバレると困るから手短に話すね。それに死んでないから!
ルチカ:それなら良かった・・・。
アキラ:ん?ツバキなのか?なんだよ、てっきり幽霊かと思ったぜ。で、その後どうなってるんだ。地下牢にいると何が起きてるのかさっぱりだ。
アキラはツバキだと分かると被っていたシーツから出てベッドから体を起こした。
ツバキ:先日、宮殿からセラ様の使い鳥が飛んで来た。
ニコラ:セラ様達は無事なの?
ツバキ:うん。だけど、次の満月にグレイとサクラ様の婚儀を行うと書いてあった。
アキラ:なんだと!?
アキラが地下牢から覗く小窓を見ると上弦の月だった。
ルチカ:まだ日にちはありそうだね・・・それまでにトーマ様達は戻って来れるの?
ツバキ:今のままでは無理だ。トーマ様達に戻って貰う為にはルーチェの門を開ける必要が・・。
アキラ:・・・門を、それで私達はどうすれば良い?私達に何か役目があるからツバキが出向いたのであろう?
ツバキは頷くとアキラ達に作戦の説明をするのであった。
つづく
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