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第六章 いでよ!太古の剣!
第二十八話 満月の夜に
しおりを挟むその日は残業で遅くなりアパートの前に着いた時にはぐったりしていた。
更に階段を登るのも手すりに捕まりやっとといった感じだった。
そして玄関前まで来ると鍵をゆっくり差し込み勢いよくドアを開けコートを脱ぎながら居間になだれ込んだ。
「もうだめ・・・動けない。」
テーブルに顔をぺたんとくつけたその時だった、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「まじ?!・・・帰って来たばかりで動きたくない・・」
体を動かすのも億劫ですぐに返事はせずぐったりと項垂れていた。
だが再びインターホンが鳴った。
「しょうがないな・・・。」
重い腰を上げ玄関までとぼとぼと歩いた。
玄関の覗き穴を見ると手に何かを持った眼鏡をかけた男性が立っていた。
「そういえば隣に誰か引っ越してくるって大家さんが言ってた気がする・・・」
開けると玄関前に立っていた男性が自己紹介して来た。
悟:夜分にすみません。お仕事でお疲れのところ申し訳ありませんが隣に引っ越して来ました目堅 悟です。
悟は引っ越しの粗品を渡しながら挨拶をして来た。
粗品を受け取りながら自分も自己紹介した。
希亜子:わざわざありがとうございます。私は大神 希亜子です。これからよろしくお願いしますね。
悟:こちらこそよろしくお願いします。えっと実は大家さんが住んでる方のお名前はギア子ちゃんって言ってたから表札を見てここで合ってるのか悩みました。
悟はちょっと苦笑いした。
希亜子:ああ。私の事をギア子ってみんな呼んでるから。大家さん最初の人にはちゃんと説明してくれないから分からないですよね。
希亜子は表札を指差しながら苦笑いで返したその時だった。
二人はお腹が空いていたのか「ぐーーっ!」と大きく盛大な音を立てた。
「今日残業しててお夕飯食べ損ねてたわ・・」
お腹を押さえながら恥ずかしながら悟を見上げると悟も首に手を当てて恥ずかしそうにしていた。
悟:すみません引っ越して来たばかりで土地勘がなくて、どこか食事が出来るお店ないかなと探してたところなんですよ。
希亜子:あのもし良ければですけど。うちの母がやってる定食屋が近くにあるので一緒にどうですか?
それを聞いた悟は緊張していた表情がパッと緩み顔が綻んだ。
悟:本当ですか?助かります。じゃ財布とか取って来ますね。
初対面だったが希亜子は良い人そうかも?と悟の雰囲気を感じ取っていた。
二人は部屋の鍵を閉め階段を降り定食屋へと足を運び始めた。
初対面という事もあり会話が特に弾まずに気がつくと無言で歩いていた。
「でもなんか初対面って感じがしないんだよなあ・・・」
希亜子さちらりと悟の横顔を見た。
不思議なモヤモヤ感が込み上げて来て思わず声に出ていた。
希亜子・悟:『あの!どこかで会った事ありますか?』
二人は同時に同じ言葉を発していた。
お互い目が合った瞬間に笑いが止まらなかった。
それからすっかり打ち解けてお店に入るまでには会話が止まらなかった。
「この人もしかしたら私の・・」
希亜子はそんな事を考えながら空を見上げると綺麗なまんまるな月が夜空に浮かんでいた。
完
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