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第三章 逃げ場のない甘やかし
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あの日の図書館での出来事から、わたしの毎日は一変しました。
正直に申し上げますと、あの時の出来事は今でも夢であってほしいとすら思います。わたしなんかに、皇帝陛下が「おまえは俺のものだ」などと……。
考えれば考えるほど、どうかしているとしか思えないのです。
ですが。それは残念ながら現実でした。
あの日まで、わたしが暮らしていたのは小さなアパートでした。薄暗い廊下の奥の、一間きりの住まい。
窓から差し込むのは洗濯ものの白布がゆれる風景で、隣の子供が背伸びしながら桶の水を運ぶ姿も、毎日のように目にする光景でした。
朝になれば井戸端で顔を洗い、粗末な台所では麦粥の湯気が上がる――そんな慎ましい日々。
時折、近所の老婆に「また遅くまで本を読んでいたのね」と笑われながら、古びた本の束に手を伸ばすのが、わたしの何よりの楽しみでした。
その長屋の一角に。あの日、信じられない知らせが届けられたのです。
金色の封蝋を押された召喚状――そこに記された名が「レオンハルト皇帝陛下」その人の印章であったとき、手が震えて封を落としかけました。冗談にしては悪質で、夢にしては鮮やかすぎる。信じられるはずもありませんでした。
そして数日後。アパートの前に現れたのは、わたしの世界には不釣り合いすぎる光景でした。
漆黒に塗られた豪奢な四輪馬車。金の装飾が朝日を受けてまぶしく光り、馭者の軍服には白銀の刺繍がびっしりと施されています。馬の蹄が小道を打ち鳴らすたび、アパートの住人たちは戸口から顔をのぞかせ、子どもたちは目を丸くして駆け寄りました。
「ま、まさか……クラリッサのところに?」
「皇帝陛下の紋章だろう、あれ……!」
そんな囁きに、わたしはいたたまれず、玄関口で立ちつくしました。
扉を叩いた従者は、完璧な所作で膝を折りこう告げたのです。
「クラリッサ様、帝都よりお迎えに上がりました」
――わたしなんかが「様」だなんて。
周囲のざわめきが遠く霞み、ただ胸がどくどくと高鳴りました。
慌てて古びたマントを羽織り、アパートの仲間たちに見送られながら一歩を踏み出すと、わたしの細い靴音は信じられないほど豪華な馬車のステップへと吸い込まれていきました。
ぎこちなく座席に腰を下ろすと、ふかふかのクッションに埋もれそうになり……。窓の外で、長屋の子どもたちが必死に手を振っている姿が見えました。
「わたしで……これ、本当に……」
その小さな呟きは、煌めく馬車に飲み込まれ、やがて帝都の宮殿へと運ばれてゆくのです。
黄金の扉が並ぶ宮殿へ足を踏み入れたわたしは、完全に異世界へ迷い込んだようでした。
「大丈夫かしら……」
そう呟きながら足を運んだ宮殿は、色鮮やかな花々が咲き誇る庭園を背後に、黄金に輝く扉が並ぶ空間で。
場違いにもほどがある平民の娘であるわたしは、まるで異世界に迷い込んだかのようでした。
そして、ついに皇帝と対面することになったのです。
玉座の間におられるレオンハルト陛下は、図書館で見た時の冷徹な表情とは違い、その黒曜石の瞳はどこか柔らかく、わたしを気遣うように向けられていました。
「よく来たな、クラリッサ。君は俺のものだ」
正面から微笑みながらそう言われた瞬間――わたしの心臓は大きく跳ね、何も言えなくなりました。
その笑顔があまりにも優しげで。
けれど、その奥に燃えるひたむきな執着は隠しきれず、突き刺さるように伝わってきます。
「……そんな、わたしなんか……」
掠れた声は、空気に霧散しました。
それからの日々。
信じられないことに、毎晩のように陛下はわたしの前に現れました。
そのたびに、低く甘い声で囁かれるのです。
「クラリッサ、君は賢くて美しい」
――そんなはずありません。
心のどこかで否定しながらも、その言葉に胸の奥がじんわり熱を帯びてしまうのはどうしてでしょうか。
一介の平民であるわたしが、こんな言葉を浴びていいのでしょうか。
ある夜、彼がそっと手を取って言いました。
「大丈夫だ。俺が守る」
黒曜石の瞳に捕らえられ、わたしは身動きがとれなくなります。
それなのに、握られた手を――自分から握り返してしまう。
その事実に気づいた瞬間、頬が熱を帯び、胸が痛くなりました。
「どうしてこんなに……やさしく……?」
震える心の声に、彼は答えず。代わりにそっと髪を撫で、指先で頬へ触れて――。
その仕草のひとつひとつが、糸のようにわたしの心を絡め取っていきました。
そんな緊張と戸惑いばかりの日々の中で、唯一心が安らぐのは、宮殿の奥にある王宮図書館で過ごす時間でした。
高い天井に描かれた天井画、整然と並ぶ書架。歴史書から学術書、詩集や物語まで――手を伸ばせば、帝国中どころか世界中から集められた知の結晶に触れることができるのです。
本に指先を滑らせるたび、思わず息を呑みました。
「夢みたい。わたし、本当にここにいていいの……」
そんな呟きに、偶然居合わせた陛下が微笑んで答えられます。
「お前だからだ。読みたいなら、いくらでも読め」
胸が跳ね、顔が熱くなるのに――本を開くときだけは素直に笑える自分がいました。
けれど現実は甘やかさばかりではありませんでした。
宮廷に迎えられたわたしに課せられたのは、「妃教育」というもの。
日々、女官たちに囲まれ、礼儀作法や食卓での所作、舞踏、言葉遣いまで徹底的に叩き込まれます。
椅子の座り方や扇子の持ち方一つで「違います、クラリッサ様」とため息をつかれ、舞踏の練習で足を踏み外しては「きゃっ」と声を上げ、相手役の騎士の足を思いきり踏んでしまったこともありました。
「わ、わたし……絶対に無理です!」
本気で泣きそうになった時――背後から不意に大きな手が重なり、姿勢を直されました。
「ここをこうだ。安心しろ、俺がいる」
振り返れば、レオンハルト陛下が直々に教えてくださっていて。
赤面して、「い、いきなり現れるのはやめてください!」と口走ったわたしに、彼は僅かに喉を鳴らして笑ったのです。
厳しい妃教育も、その笑み一つで耐えられる気がしてしまう自分が、どうしようもなく悔しくもあり、誇らしくもありました。
けれどそんな彼も、ふと冷たく言い放つことがありました。
「俺は一度決めたら絶対にあきらめない」
――わたしの未来を強引に握るような圧。
でも同時に、その強さが彼の渇望の証だと気づかされる。逃げ場のない熱に胸はかき乱され、ただ震えるしかありません。
ある晩、彼の指先が頬に触れ囁かれました。
「お前が必要だ」
その一言に鼓動が暴れ出し、何だか涙さえ浮かんだのです。
そんなある日。
庭園の散歩で石に足を取られ、わたしは転びそうになりました。
「きゃ……!」
瞬間、しっかりと抱き止められた腕。驚くほど温かく、安心に満ちていました。
「無理をするなよ」
囁かれ、両手を包み込まれるその瞬間、胸の奥に暖かな灯がともりました。
……これは囚われではなく、わたしの心が求めていたものなのかもしれない。
心の内でそう気づくのが、怖くもあり、甘くもありました。
しかし、華やかな宮廷に陰はつきもの――。
名家の令嬢たちが、わたしへ陰湿な嫌がらせを仕掛けてきたのです。
「まぁ……平民風情が宮殿を歩くなんて勇気のあることですわね」
渋茶をそっと用意されたり、「皇帝に媚びた女」と根も葉もない噂を流されたり。間違えた招待状を押し付けられて、夜会で恥をかかされそうになったことも。
奥手のわたしは引っかかりやすく、心が折れそうにもなります。
それでも、陛下の怒りは烈火のごとく――。
「お前に手を出す者は、誰であろうと許さない」
その厳しい声音に、令嬢たちは恐怖に震え、青ざめて下がっていきました。
背中でその気迫を浴びながらも……胸の奥では奇妙に嬉しくて。
この方は本当にわたしを守ろうとしてくださっている、と。
けれど、全てが重苦しいわけではありません。
付き添いの兵士と転んでしまった夜会では、床に二人でしりもちをついたとたん――レオンハルト陛下が思い切り吹き出されたのです。
「お前は本当に……目が離せないな」
笑われた悔しさより、彼の笑顔を見られた嬉しさの方が強くて。赤面しながらも、わたしの胸は幸せに震えました。
こうして、王宮図書館での幸せな学びの日々も、妃教育の試練も、陛下の甘やかな囁きも。
それらが絡み合って、わたしの世界をすっかり塗り替えてしまったのです。
正直に申し上げますと、あの時の出来事は今でも夢であってほしいとすら思います。わたしなんかに、皇帝陛下が「おまえは俺のものだ」などと……。
考えれば考えるほど、どうかしているとしか思えないのです。
ですが。それは残念ながら現実でした。
あの日まで、わたしが暮らしていたのは小さなアパートでした。薄暗い廊下の奥の、一間きりの住まい。
窓から差し込むのは洗濯ものの白布がゆれる風景で、隣の子供が背伸びしながら桶の水を運ぶ姿も、毎日のように目にする光景でした。
朝になれば井戸端で顔を洗い、粗末な台所では麦粥の湯気が上がる――そんな慎ましい日々。
時折、近所の老婆に「また遅くまで本を読んでいたのね」と笑われながら、古びた本の束に手を伸ばすのが、わたしの何よりの楽しみでした。
その長屋の一角に。あの日、信じられない知らせが届けられたのです。
金色の封蝋を押された召喚状――そこに記された名が「レオンハルト皇帝陛下」その人の印章であったとき、手が震えて封を落としかけました。冗談にしては悪質で、夢にしては鮮やかすぎる。信じられるはずもありませんでした。
そして数日後。アパートの前に現れたのは、わたしの世界には不釣り合いすぎる光景でした。
漆黒に塗られた豪奢な四輪馬車。金の装飾が朝日を受けてまぶしく光り、馭者の軍服には白銀の刺繍がびっしりと施されています。馬の蹄が小道を打ち鳴らすたび、アパートの住人たちは戸口から顔をのぞかせ、子どもたちは目を丸くして駆け寄りました。
「ま、まさか……クラリッサのところに?」
「皇帝陛下の紋章だろう、あれ……!」
そんな囁きに、わたしはいたたまれず、玄関口で立ちつくしました。
扉を叩いた従者は、完璧な所作で膝を折りこう告げたのです。
「クラリッサ様、帝都よりお迎えに上がりました」
――わたしなんかが「様」だなんて。
周囲のざわめきが遠く霞み、ただ胸がどくどくと高鳴りました。
慌てて古びたマントを羽織り、アパートの仲間たちに見送られながら一歩を踏み出すと、わたしの細い靴音は信じられないほど豪華な馬車のステップへと吸い込まれていきました。
ぎこちなく座席に腰を下ろすと、ふかふかのクッションに埋もれそうになり……。窓の外で、長屋の子どもたちが必死に手を振っている姿が見えました。
「わたしで……これ、本当に……」
その小さな呟きは、煌めく馬車に飲み込まれ、やがて帝都の宮殿へと運ばれてゆくのです。
黄金の扉が並ぶ宮殿へ足を踏み入れたわたしは、完全に異世界へ迷い込んだようでした。
「大丈夫かしら……」
そう呟きながら足を運んだ宮殿は、色鮮やかな花々が咲き誇る庭園を背後に、黄金に輝く扉が並ぶ空間で。
場違いにもほどがある平民の娘であるわたしは、まるで異世界に迷い込んだかのようでした。
そして、ついに皇帝と対面することになったのです。
玉座の間におられるレオンハルト陛下は、図書館で見た時の冷徹な表情とは違い、その黒曜石の瞳はどこか柔らかく、わたしを気遣うように向けられていました。
「よく来たな、クラリッサ。君は俺のものだ」
正面から微笑みながらそう言われた瞬間――わたしの心臓は大きく跳ね、何も言えなくなりました。
その笑顔があまりにも優しげで。
けれど、その奥に燃えるひたむきな執着は隠しきれず、突き刺さるように伝わってきます。
「……そんな、わたしなんか……」
掠れた声は、空気に霧散しました。
それからの日々。
信じられないことに、毎晩のように陛下はわたしの前に現れました。
そのたびに、低く甘い声で囁かれるのです。
「クラリッサ、君は賢くて美しい」
――そんなはずありません。
心のどこかで否定しながらも、その言葉に胸の奥がじんわり熱を帯びてしまうのはどうしてでしょうか。
一介の平民であるわたしが、こんな言葉を浴びていいのでしょうか。
ある夜、彼がそっと手を取って言いました。
「大丈夫だ。俺が守る」
黒曜石の瞳に捕らえられ、わたしは身動きがとれなくなります。
それなのに、握られた手を――自分から握り返してしまう。
その事実に気づいた瞬間、頬が熱を帯び、胸が痛くなりました。
「どうしてこんなに……やさしく……?」
震える心の声に、彼は答えず。代わりにそっと髪を撫で、指先で頬へ触れて――。
その仕草のひとつひとつが、糸のようにわたしの心を絡め取っていきました。
そんな緊張と戸惑いばかりの日々の中で、唯一心が安らぐのは、宮殿の奥にある王宮図書館で過ごす時間でした。
高い天井に描かれた天井画、整然と並ぶ書架。歴史書から学術書、詩集や物語まで――手を伸ばせば、帝国中どころか世界中から集められた知の結晶に触れることができるのです。
本に指先を滑らせるたび、思わず息を呑みました。
「夢みたい。わたし、本当にここにいていいの……」
そんな呟きに、偶然居合わせた陛下が微笑んで答えられます。
「お前だからだ。読みたいなら、いくらでも読め」
胸が跳ね、顔が熱くなるのに――本を開くときだけは素直に笑える自分がいました。
けれど現実は甘やかさばかりではありませんでした。
宮廷に迎えられたわたしに課せられたのは、「妃教育」というもの。
日々、女官たちに囲まれ、礼儀作法や食卓での所作、舞踏、言葉遣いまで徹底的に叩き込まれます。
椅子の座り方や扇子の持ち方一つで「違います、クラリッサ様」とため息をつかれ、舞踏の練習で足を踏み外しては「きゃっ」と声を上げ、相手役の騎士の足を思いきり踏んでしまったこともありました。
「わ、わたし……絶対に無理です!」
本気で泣きそうになった時――背後から不意に大きな手が重なり、姿勢を直されました。
「ここをこうだ。安心しろ、俺がいる」
振り返れば、レオンハルト陛下が直々に教えてくださっていて。
赤面して、「い、いきなり現れるのはやめてください!」と口走ったわたしに、彼は僅かに喉を鳴らして笑ったのです。
厳しい妃教育も、その笑み一つで耐えられる気がしてしまう自分が、どうしようもなく悔しくもあり、誇らしくもありました。
けれどそんな彼も、ふと冷たく言い放つことがありました。
「俺は一度決めたら絶対にあきらめない」
――わたしの未来を強引に握るような圧。
でも同時に、その強さが彼の渇望の証だと気づかされる。逃げ場のない熱に胸はかき乱され、ただ震えるしかありません。
ある晩、彼の指先が頬に触れ囁かれました。
「お前が必要だ」
その一言に鼓動が暴れ出し、何だか涙さえ浮かんだのです。
そんなある日。
庭園の散歩で石に足を取られ、わたしは転びそうになりました。
「きゃ……!」
瞬間、しっかりと抱き止められた腕。驚くほど温かく、安心に満ちていました。
「無理をするなよ」
囁かれ、両手を包み込まれるその瞬間、胸の奥に暖かな灯がともりました。
……これは囚われではなく、わたしの心が求めていたものなのかもしれない。
心の内でそう気づくのが、怖くもあり、甘くもありました。
しかし、華やかな宮廷に陰はつきもの――。
名家の令嬢たちが、わたしへ陰湿な嫌がらせを仕掛けてきたのです。
「まぁ……平民風情が宮殿を歩くなんて勇気のあることですわね」
渋茶をそっと用意されたり、「皇帝に媚びた女」と根も葉もない噂を流されたり。間違えた招待状を押し付けられて、夜会で恥をかかされそうになったことも。
奥手のわたしは引っかかりやすく、心が折れそうにもなります。
それでも、陛下の怒りは烈火のごとく――。
「お前に手を出す者は、誰であろうと許さない」
その厳しい声音に、令嬢たちは恐怖に震え、青ざめて下がっていきました。
背中でその気迫を浴びながらも……胸の奥では奇妙に嬉しくて。
この方は本当にわたしを守ろうとしてくださっている、と。
けれど、全てが重苦しいわけではありません。
付き添いの兵士と転んでしまった夜会では、床に二人でしりもちをついたとたん――レオンハルト陛下が思い切り吹き出されたのです。
「お前は本当に……目が離せないな」
笑われた悔しさより、彼の笑顔を見られた嬉しさの方が強くて。赤面しながらも、わたしの胸は幸せに震えました。
こうして、王宮図書館での幸せな学びの日々も、妃教育の試練も、陛下の甘やかな囁きも。
それらが絡み合って、わたしの世界をすっかり塗り替えてしまったのです。
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