虐げられた王女は隣国の王太子と出会ったので、真実の愛を見つけることにしました。

朝日みらい

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第23章: 新たな危機 

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あの日、王宮の広間に響いた重々しい鐘の音。

急報が届いたとのことだったが、どこか胸騒ぎがしていた。

広間に集まった宮廷の面々が、ざわざわと話し始める。

私もその一員として、その場に立っていたが、どうしても心が落ち着かない。

「アリシア様、こちらの書簡を。」

一人の衛兵が走り寄り、手渡されたのは見慣れた色の封筒。

しかし、その内容を目にした瞬間、私の心臓が跳ね上がった。

『アリシア王女殿下、緊急に援助を求む。隣国で反乱が起き、ヴァルトハイムの支援を必要としている。』

「反乱…?」

私は呆然とその言葉を繰り返しながら、手が震えるのを感じた。

祖国が困っているのなら、何としてでも助けたい。

しかし、私の気持ちとは裏腹に、宮廷内は一触即発の空気に包まれていた。

「これは罠だ。」

一人の貴族が低い声で言った。

「反乱軍が裏でヴァルトハイムに誘い込むために送ったものかもしれない。」

「アリシア様が本当にそれを信じるとでも?」

別の貴族がきっぱりと反論する。

「あの書簡の内容が嘘だと言い切れる根拠はない。」

一方で、私の胸の中はざわついていた。

祖国を助けたい、でもその行動が他国の陰謀だとすれば…どうしたらいいんだろう。

困惑している私の目の前に、レオニードが歩み寄ってきた。

「アリシア。」

彼の声が、静かに響く。

私が顔を上げると、そこにはいつもの穏やかな笑顔が浮かんでいたが、その目には迷いが一切なかった。

「君が行きたいなら、僕も行く。君を信じているから。」

「レオニード…でも、もしこれが罠だったら?」

私は言葉を詰まらせてしまった。

心の中で、どうしても不安が消えなかったからだ。

「罠でもいい。」

レオニードは無邪気に肩をすくめた。

「君と一緒にいるだけで、どんな困難も乗り越えられる気がするからな。」

その言葉を聞いた瞬間、私は胸が熱くなるのを感じた。

彼がそんな風に思ってくれるなんて、まるで夢のようだ。

だけど、夢じゃない。

レオニードは本当に私を信じて、私を守ろうとしてくれているんだ。

「ありがとう…」
 
私はつい、彼に感謝の言葉を口にしてしまった。

彼が私に微笑みかけるその瞬間、私の心はきゅっと締め付けられるような感覚に襲われた。

「それにしても、君は本当に素直だな。」

レオニードは少しからかうように笑った。

「心配しなくても、君がいるなら、どんな罠でも乗り越えられるさ。」

「レオニード…」

私は恥ずかしそうに目をそらす。

彼のその言葉が、すごく嬉しくて、でもちょっと照れる。

まったく、こういうときに限って、どうしても顔が熱くなってしまう。

「さあ、急ごう。」
 

レオニードは私の手を取って、真剣な表情を浮かべた。

「祖国を救うためには、すぐにでも準備を整えなければ。」

「うん、わかってる。」

私は彼の手を握り返す。

ちょっとドキドキしながらも、その温もりに安心感を覚えていた。


その後、私たちは急いで準備を進めることにした。

王宮内では、急報を受けて、宮廷内でも一時的に動揺が広がったが、レオニードと一緒にいれば、私はどんな困難にも立ち向かえる気がした。

数時間後、私たちは馬車に乗り込んだ。

レオニードは隣でじっと私を見守ってくれていた。

馬車の中で、彼の目が少しだけ温かくなるのを感じる。

「怖くないか?」

彼が突然、私に尋ねる。

「少しは怖いけれど、あなたがいるから大丈夫。」

私は答えながら、ついレオニードの手に触れてしまう。

すると、彼が少しだけ驚いた顔をし、その後ニヤリと笑った。

「じゃあ、君がいてくれたら、僕も何も怖くない。」

彼は私の手をぎゅっと握り返して、微笑んだ。

その笑顔を見て、私は胸の奥が温かくなるのを感じた。
 
どんな困難が待ち受けていても、彼となら乗り越えられる、そんな気がしてならなかった。
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