【完結】透明令嬢だったけれど、素敵な愛を知ることができました。

朝日みらい

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(13)お昼の時間  

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アリシアとレオネルは、少し歩いて広場に到着した。

穏やかな陽射しが二人を包み込み、花の香りが風に乗って心地よく漂っている。

周りの木々は緑に輝き、芝生の上に広がる色とりどりの花々が、まるで絵画のように美しい。

「うわ、ここ、すごくいい場所だね。」

アリシアは目を輝かせて、周囲の景色に見とれた。

「こんな静かな場所、初めて来たかも。」

「うん、僕もだよ。」

レオネルは大きく息を吸い込んで、目を閉じてその空気を楽しんだ。

「ここに来るたび、なんだか心が落ち着くんだ。」

アリシアは少し驚きながらも、嬉しそうに笑った。

「レオネルが、こんなに穏やかな気持ちになるなんて意外だね。」

「え?」

レオネルはおどけた顔をして、目を細めた。

「僕が、そんなにイケイケな感じに見える?」

「うーん、なんとなくね。」

アリシアは苦笑いを浮かべながら答えた。

「レオネルって、いつもあちこちで注目されてるようなタイプだし。」

「どうかな。」

レオネルは肩をすくめて、少し照れたように笑った。

「でも、君と一緒だと、こんなふうに落ち着いて過ごせるんだ。」

アリシアはその言葉に思わず心が温かくなるのを感じた。

「そう言ってくれてありがとう。」

二人はシートを広げて、お弁当を食べ始めた。

アリシアが作ったお弁当は、見た目にも美しく、レオネルは一口食べるとその美味しさに驚いた。

「うわ、これ、本当に美味しい!」

レオネルは驚きの声を上げながら、もう一度口に運んだ。

「アリシア、君、料理上手すぎだよ!」

「え、ほんと?」

アリシアは少し照れくさく笑いながら、ホークを取った。

「実はちょっと自信なかったんだけど…よかった。」

「いや、自信持っていいよ。」

レオネルは真剣な顔で頷いた。

「だって、これ、ほんとに素晴らしいもん。君が作った料理で、一番幸せだよ。」

その言葉に、アリシアは顔を真っ赤にして、目を伏せながら嬉しそうに微笑んだ。

「ありがとう。レオネルが喜んでくれるなら、頑張った甲斐がある。」

レオネルはその笑顔を見て、つい照れくさそうに目を逸らす。

「いや、ほんとに君が作ったもので、こんなに幸せを感じたことはないよ。」

「そんなに言うと、照れちゃうよ。」

アリシアは笑いながら、少しだけレオネルの顔を覗き込んだ。

「照れなくていいさ。」

レオネルはにやりと笑って言った。

「僕がこんなに嬉しそうなんだから、君も嬉しいだろ?」

「うーん…それはまあ。」

アリシアはあまりにも直球な言葉に、顔を赤くして視線を逸らした。

「でも、ありがとう。私も、レオネルと一緒にこうして過ごせて楽しい。」

「本当に?」

レオネルは嬉しそうにアリシアを見つめ、少し顔を近づけてきた。

「じゃあ、次は僕の番だな。今度は僕が君に何か作るよ。」

「え、レオネルが料理?」

アリシアは驚いて目を見開いた。

「うーん、それ、ちょっと怖いかも…」

「なんでさ!」

レオネルは大げさに肩をすくめ、少し拗ねたように言った。

「僕だって料理くらいできるんだよ!」

「でも、レオネルって、料理が得意そうには見えないんだけど…」

アリシアは悪戯っぽく笑いながら言った。

「そんなに言わなくても!」

レオネルは腕を組んで、少し拗ねたように顔を背けた。

「でも、君のために頑張るからさ。」

「それなら、期待してるね。」

アリシアは嬉しそうに目を輝かせた。

「でも、ほんとにレオネルが料理したら、どんな感じになるのか楽しみだな。」

「よし、じゃあ、次のデートは僕の料理で勝負だ!」

レオネルは意気込んで言った。

「楽しみにしてる。」

アリシアは笑顔で答え、心の中で次のデートが待ち遠しくて仕方がなかった。
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