【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい

文字の大きさ
33 / 35

(33)

しおりを挟む
 ヴィクトールは微笑みました。

「伯爵さま、それではかえって好都合です。私はエリーナ嬢、本人も、彼女の実の母上を尊敬している。私は彼女のそばにいるだけで幸せで光栄ですから」

「ヴィクトール様……」

「伯爵、むしろ、エリーナに謝ってください。他の兄姉に虐げられてきたことを」

「ふん、今さら謝っても手遅れだ。エリーナ、お前は私の所有物なのだ。お前は一生この家で暮らすのだ」

 伯爵は苦虫をかみつぶしたような、渋い顔で言いました。

「私にだって、人生を選ぶ権利はあるわ!」

  エリーナは涙を流して、父親を睨みつけました。

「あなたは最低の父親です……」

  父親は真っ青になりました。娘の初めての反抗に動揺したのです。

「エリーナ、お前はどうかしている。実の父親に向かってその態度は何だ?」

「お父様こそ、私を傷つけようとするのですか? あなたは私が嫌いなのですわね……?」

「違う! 私は……私はお前を心配しているだけだ!」

「嘘よ! だったらなぜ私たちの結婚を認めてくださらないのです?」

 エリーナは泣き崩れました。

「エリーナ……」

 ヴィクトールはそっと彼女を抱きしめました。ヴィクトールは彼女がどれほど辛い思いをしてきたか理解していたのです。だからこそ、彼はエリーナを守りたいと思ったのです。

「私は……あなたを愛し続けます」

 エリーナはそう言って、彼にしがみつきました。

「エリーナ、私は……お前のことを愛していないわけではないぞ」

 父親は苦しそうに言いました。

「いいえ、お父様は私を愛さなくていいの! でも……それでも……せめて……」

 エリーナは嗚咽しながら言いました。

「結婚だけは許してほしい。少なくても血がつながったお父様には認められて……ヴィクトールと結婚したいのです」

 エリーナは父親の反応に怯えながらも、必死に言葉を絞り出していました。

「お願いです……お父様……」

 エリーナは懇願するように言いました。彼女の目には涙が浮かんでいました。

「エリーナ……」

 父親は悩んだ末に、ため息をつきました。

「わかった、結婚を認める…」

 伯爵はため息をついて言いました。

「お父様!」

 エリーナは伯爵の言葉を聞いて、喜びました。彼女は涙をぬぐいました。

「ありがとうございます!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】 白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語 ※他サイトでも投稿中

玉の輿を狙う妹から「邪魔しないで!」と言われているので学業に没頭していたら、王子から求婚されました

歌龍吟伶
恋愛
王立学園四年生のリーリャには、一学年下の妹アーシャがいる。 昔から王子様との結婚を夢見ていたアーシャは自分磨きに余念がない可愛いらしい娘で、六年生である第一王子リュカリウスを狙っているらしい。 入学当時から、「私が王子と結婚するんだからね!お姉ちゃんは邪魔しないで!」と言われていたリーリャは学業に専念していた。 その甲斐あってか学年首位となったある日。 「君のことが好きだから」…まさかの告白!

婚約破棄を兄上に報告申し上げます~ここまでお怒りになった兄を見たのは初めてでした~

ルイス
恋愛
カスタム王国の伯爵令嬢ことアリシアは、慕っていた侯爵令息のランドールに婚約破棄を言い渡された 「理由はどういったことなのでしょうか?」 「なに、他に好きな女性ができただけだ。お前は少し固過ぎたようだ、私の隣にはふさわしくない」 悲しみに暮れたアリシアは、兄に婚約が破棄されたことを告げる それを聞いたアリシアの腹違いの兄であり、現国王の息子トランス王子殿下は怒りを露わにした。 腹違いお兄様の復讐……アリシアはそこにイケない感情が芽生えつつあったのだ。

「股ゆる令嬢」の幸せな白い結婚

ウサギテイマーTK
恋愛
公爵令嬢のフェミニム・インテラは、保持する特異能力のために、第一王子のアージノスと婚約していた。だが王子はフェミニムの行動を誤解し、別の少女と付き合うようになり、最終的にフェミニムとの婚約を破棄する。そしてフェミニムを、子どもを作ることが出来ない男性の元へと嫁がせるのである。それが王子とその周囲の者たちの、破滅への序章となることも知らずに。 ※タイトルは下品ですが、R15範囲だと思います。完結保証。

美形揃いの王族の中で珍しく不細工なわたしを、王子がその顔で本当に王族なのかと皮肉ってきたと思っていましたが、実は違ったようです。

ふまさ
恋愛
「──お前はその顔で、本当に王族なのか?」  そう問いかけてきたのは、この国の第一王子──サイラスだった。  真剣な顔で問いかけられたセシリーは、固まった。からかいや嫌味などではない、心からの疑問。いくら慣れたこととはいえ、流石のセシリーも、カチンときた。 「…………ぷっ」  姉のカミラが口元を押さえながら、吹き出す。それにつられて、広間にいる者たちは一斉に笑い出した。  当然、サイラスがセシリーを皮肉っていると思ったからだ。  だが、真実は違っていて──。

見た目の良すぎる双子の兄を持った妹は、引きこもっている理由を不細工だからと勘違いされていましたが、身内にも誤解されていたようです

珠宮さくら
恋愛
ルベロン国の第1王女として生まれたシャルレーヌは、引きこもっていた。 その理由は、見目の良い両親と双子の兄に劣るどころか。他の腹違いの弟妹たちより、不細工な顔をしているからだと噂されていたが、実際のところは全然違っていたのだが、そんな片割れを心配して、外に出そうとした兄は自分を頼ると思っていた。 それが、全く頼らないことになるどころか。自分の方が残念になってしまう結末になるとは思っていなかった。

愛を知らないアレと呼ばれる私ですが……

ミィタソ
恋愛
伯爵家の次女——エミリア・ミーティアは、優秀な姉のマリーザと比較され、アレと呼ばれて馬鹿にされていた。 ある日のパーティで、両親に連れられて行った先で出会ったのは、アグナバル侯爵家の一人息子レオン。 そこで両親に告げられたのは、婚約という衝撃の二文字だった。

妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます

tartan321
恋愛
最後の結末は?????? 本編は完結いたしました。お読み頂きましてありがとうございます。一度完結といたします。これからは、後日談を書いていきます。

処理中です...