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第2章 新たな依頼人、セシリア
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「リリアーナ様、大変でございます! 公爵家のご令嬢、セシリア様が……」
エルザの声が、遠い嵐のように聞こえてきました。
いつもの冷静な彼女からは想像もつかない、切羽詰まった声でした。
窓の外では、春の日の午後の光が穏やかに降り注いでいるのに、サロンの中だけが張り詰めた空気に満ちています。
ティーカップをそっとソーサーに戻しました。甘いカモミールの香りがふわりと立ち上ります。
「エルザ、落ち着いて。セシリア様がいらっしゃったのですね。どうぞ、お通しして」
そう言って微笑みかけるわたしの顔は、きっといつもの『平凡で天然な令嬢』のそれだったでしょう。
しかし、内心は全く落ち着いていませんでした。
公爵家、それもあのハートフィールド公爵家のご令嬢が、わたくしのような子爵家の娘のサロンに、アポイントメントもなく突然いらっしゃるなど、尋常ではありません。
しかもエルザがあれほど慌てているということは、ただの世間話ではないはずです。
ガチャリ、と重厚な扉が開きました。
そこに立っていたのは、いつもの優雅な笑みを完璧にまとうセシリア様とは、まるで別人のようでした。
彼女は、社交界でも屈指の美貌と品格を持つと評されています。常にどんな状況でも毅然と振る舞う、完璧な公爵令嬢。
その彼女が、今、潤んだ瞳で唇を噛み締め、両手でドレスの裾をぎゅっと握りしめていらっしゃいます。
白いドレスの胸元は、小刻みに震えていました。
ああ、この光景……。嫌な予感がします。
「セシリア様! 一体どうなさいました、そのようなご様子で!」
わたしは慌てて立ち上がり、彼女のもとへ駆け寄りました。
「リリアーナ様……ごめんなさい、突然……」
震える声に、彼女がどれほど深く傷ついているのかが伝わってきます。
「どうぞ、お気になさらず。さあ、こちらへ」
セシリア様の手をそっと取り、ソファへと促しました。
ひんやりとした彼女の手は、その内面の混乱を物語っているようでした。
エルザがすぐに温かいカモミールティーを運んできてくれます。
セシリア様は、震える手でカップを受け取ると、ゆっくりと、しかし絞り出すように話し始めました。
「実は……わたくし、ダミアン・エルヴァンス侯爵との婚約を、破棄されてしまいました」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられました。
ダミアン・エルヴァンス侯爵。
見目麗しいが、傲慢で自己中心的な男。社交界の話題の中心にいる、あの男です。
「なんてこと……! いったい、なぜ!?」
わたしは、とっさに言葉を失いました。
セシリア様のような完璧な令嬢が、なぜ?
セシリア様は、涙をこらえながら奥歯を噛み締めました。
「彼は……『君は退屈だ。もっと刺激的な恋をしたい』と……そして、新しい女性と楽しげに過ごしているんです……」
その言葉は、わたしの心の奥底に封じ込めていた、苦い記憶を呼び覚ましました。
『君は、地味でつまらない』
かつて、わたしを打ちのめした、冷たい言葉。あの時の痛みと屈辱が、鮮やかに蘇ってきました。
目の前のセシリア様が抱えている痛みは、他人事ではありませんでした。わたし自身の、過去の痛みそのものなのです。
「そんな……あまりにも、ひどすぎますわ! セシリア様のせいではないのに」
わたしは、感情を抑えきれず、思わず立ち上がってしまいました。
セシリア様は、わたしが差し出したハンカチをそっと受け取ると、目元を拭いました。
「リリアーナ様……実は、あなたに、お願いがあって参りました」
彼女は、わたしをまっすぐ見つめました。
その瞳には、まだ涙が浮かんでいますが、それでも強い意志が宿っているように見えました。
「あなたの噂は、かねてより耳にしておりました。『理不尽に傷つけられた女性を、救う存在がいる』と……。どうか、わたくしに、あの侯爵に“ざまあ”をお見舞いするお手伝いをしていただけませんか」
その言葉に、わたしは大きく息を吸いました。
公爵令嬢からの依頼。しかも相手は、社交界の注目を一身に集める、ダミアン侯爵。
これは、今までで一番の大仕事になるでしょう。
ですが、わたしは迷いませんでした。
彼女の目に宿る絶望と、それでも諦めないという覚悟が、わたしの心に強く響いたからです。
過去の自分を救うためにも、彼女の依頼を受けなければならないと、強く感じました。
「セシリア様。わたくしに、そのお手伝いをさせてください。ダミアン侯爵に、最高の“ざまあ”をお見舞いし、あなたの誇りを必ず取り戻してみせます」
そう告げた瞬間、わたしはいつもの『平凡な令嬢』の仮面を脱ぎ捨て、裏の顔である『ざまあ請負人』としての顔に切り替わりました。
わたしの瞳から、優しさは消え、冷たい光が宿ります。そして、口元には、完璧に計算された冷たい笑みが浮かびました。
セシリア様は、そのわたしの変化に、思わず息を呑んだようでした。
「まずは、侯爵の情報を徹底的に集めましょう。彼の弱点、彼の傲慢さ、そして彼が誰を新しい恋人に選んだのか。全てが、今回の“ざまあ”の鍵になりますから」
わたしは、手元の手帳を開き、ペンを手に取りました。
「彼が新しい恋人として連れ回しているのは、ベラ・モンロー様。子爵令嬢ですね。彼女は、社交界でも派手な振る舞いで有名です。ですが、わたしが集めた情報によれば、彼女はかなりの浪費家で、男遊びも激しいという裏の顔を持っていました。きっと、ダミアン侯爵は彼女の奔放さに『刺激』を感じているのでしょう。そして、それが彼の最大の“弱点”になるはずです」
わたしが淡々と情報を述べると、セシリア様は驚きに目を見開きました。
「え……? そんなこと、どうしてリリアーナ様が……?」
「ふふ、情報収集は基本中の基本です。それに、あの伯爵令息は、自分が惚れた女性にうつつを抜かすタイプ。手綱を握りきれていない女性を選んだ時点で、彼の運命は決まっていたようなものです。今回の『ざまあ』は、彼に自ら破滅への道を歩ませていただきます。それが、一番効果的ですから」
わたしの言葉に、セシリア様はまだ半信半疑といった顔つきでしたが、わたしの真剣な眼差しに、やがて力強く頷いてくれました。
「セシリア様。わたくしが、全てを準備しますので、しばらくは静かに過ごしていただきます。そして、いつか、あなた自身が胸を張って新しい人生を歩み出せるよう、お手伝いさせてください」
わたしは、ソファに座るセシリア様の、震える手をそっと包み込むようにして取りました。
彼女の手は、まるで氷のように冷たかったけれど、それでも彼女の心から伝わってくる、諦めないという強い意志が感じられました。
「リリアーナ様……本当に……本当に、ざまあしてくださるのね」
セシリア様は、震える声でそう呟くと、ポロポロと大粒の涙をこぼし始めました。
それは、悲しみの涙というよりも、安堵と希望の涙に見えました。
「もちろんですわ。わたくしにお任せください」
わたしは、彼女の手を包み込んだまま、そっと髪を撫でて差し上げました。
大丈夫、もうあなたは一人じゃない。必ずあなたの無念を晴らしてみせますから。
セシリア様が、少しだけ穏やかな表情でサロンを後にしたあと、わたしは一人、手帳を広げていました。
『ターゲット:ダミアン・エルヴァンス侯爵』
『依頼人:セシリア・ハートフィールド公爵令嬢』
『計画:【自滅型】ダミアンの傲慢さと虚栄心を利用し、社交界での地位を失墜させる』
計画の概要を書き込んだわたしは、ふっと息を吐きました。
いつもの仕事に戻れた安心感と、セシリア様の痛みに触れたことによる、わたし自身の過去の傷の疼き。
複雑な感情が入り混じっていました。
(まったく、この世の男どもときたら……)
そう心の中で毒づきながら、ペンを走らせます。
過去の経験から、男性という生き物がどれほど幼稚で、自己中心的で、そして脆い存在であるかを痛感しています。
だからこそ、理不尽に傷つけられた女性を見ると、放っておけないのです。
それに、この『ざまあ請負人』という仕事は、わたし自身を癒すためのものでもあります。
過去の自分を救うための、ささやかな復讐。そうでも思わなければ、この裏稼業を続けることなんてできませんでした。
「エルザ、今後のスケジュールを調整して。しばらくは社交界の夜会やパーティーに積極的に参加します」
わたしは、エルザを呼び戻し、今後の予定を指示しました。
「かしこまりました。ですが、リリアーナ様……また、あの天然の仮面をお被りに?」
エルザは、わたしの仕事の裏側を唯一知っている存在です。
彼女の言葉に、わたしは苦笑いを浮かべました。
「ええ、もちろん。次の舞台は、ダミアン侯爵家の夜会。わたくしは、彼に警戒されないよう、『平凡で天然な令嬢』として潜入するわ。そして、彼の信頼を得て、計画の第一歩を始めるの」
そう、計画はもう始まっています。まずは、ターゲットに近づき、彼に無害な存在だと思わせること。
それが、一番の近道です。
窓の外を眺めました。
穏やかな春の光の下、人々は幸せそうに行き交っています。その中に、どれだけの悲しみや理不尽が隠されているのでしょうか。そして、それを晴らすために、今日もわたしは動くのです。
エルザの声が、遠い嵐のように聞こえてきました。
いつもの冷静な彼女からは想像もつかない、切羽詰まった声でした。
窓の外では、春の日の午後の光が穏やかに降り注いでいるのに、サロンの中だけが張り詰めた空気に満ちています。
ティーカップをそっとソーサーに戻しました。甘いカモミールの香りがふわりと立ち上ります。
「エルザ、落ち着いて。セシリア様がいらっしゃったのですね。どうぞ、お通しして」
そう言って微笑みかけるわたしの顔は、きっといつもの『平凡で天然な令嬢』のそれだったでしょう。
しかし、内心は全く落ち着いていませんでした。
公爵家、それもあのハートフィールド公爵家のご令嬢が、わたくしのような子爵家の娘のサロンに、アポイントメントもなく突然いらっしゃるなど、尋常ではありません。
しかもエルザがあれほど慌てているということは、ただの世間話ではないはずです。
ガチャリ、と重厚な扉が開きました。
そこに立っていたのは、いつもの優雅な笑みを完璧にまとうセシリア様とは、まるで別人のようでした。
彼女は、社交界でも屈指の美貌と品格を持つと評されています。常にどんな状況でも毅然と振る舞う、完璧な公爵令嬢。
その彼女が、今、潤んだ瞳で唇を噛み締め、両手でドレスの裾をぎゅっと握りしめていらっしゃいます。
白いドレスの胸元は、小刻みに震えていました。
ああ、この光景……。嫌な予感がします。
「セシリア様! 一体どうなさいました、そのようなご様子で!」
わたしは慌てて立ち上がり、彼女のもとへ駆け寄りました。
「リリアーナ様……ごめんなさい、突然……」
震える声に、彼女がどれほど深く傷ついているのかが伝わってきます。
「どうぞ、お気になさらず。さあ、こちらへ」
セシリア様の手をそっと取り、ソファへと促しました。
ひんやりとした彼女の手は、その内面の混乱を物語っているようでした。
エルザがすぐに温かいカモミールティーを運んできてくれます。
セシリア様は、震える手でカップを受け取ると、ゆっくりと、しかし絞り出すように話し始めました。
「実は……わたくし、ダミアン・エルヴァンス侯爵との婚約を、破棄されてしまいました」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられました。
ダミアン・エルヴァンス侯爵。
見目麗しいが、傲慢で自己中心的な男。社交界の話題の中心にいる、あの男です。
「なんてこと……! いったい、なぜ!?」
わたしは、とっさに言葉を失いました。
セシリア様のような完璧な令嬢が、なぜ?
セシリア様は、涙をこらえながら奥歯を噛み締めました。
「彼は……『君は退屈だ。もっと刺激的な恋をしたい』と……そして、新しい女性と楽しげに過ごしているんです……」
その言葉は、わたしの心の奥底に封じ込めていた、苦い記憶を呼び覚ましました。
『君は、地味でつまらない』
かつて、わたしを打ちのめした、冷たい言葉。あの時の痛みと屈辱が、鮮やかに蘇ってきました。
目の前のセシリア様が抱えている痛みは、他人事ではありませんでした。わたし自身の、過去の痛みそのものなのです。
「そんな……あまりにも、ひどすぎますわ! セシリア様のせいではないのに」
わたしは、感情を抑えきれず、思わず立ち上がってしまいました。
セシリア様は、わたしが差し出したハンカチをそっと受け取ると、目元を拭いました。
「リリアーナ様……実は、あなたに、お願いがあって参りました」
彼女は、わたしをまっすぐ見つめました。
その瞳には、まだ涙が浮かんでいますが、それでも強い意志が宿っているように見えました。
「あなたの噂は、かねてより耳にしておりました。『理不尽に傷つけられた女性を、救う存在がいる』と……。どうか、わたくしに、あの侯爵に“ざまあ”をお見舞いするお手伝いをしていただけませんか」
その言葉に、わたしは大きく息を吸いました。
公爵令嬢からの依頼。しかも相手は、社交界の注目を一身に集める、ダミアン侯爵。
これは、今までで一番の大仕事になるでしょう。
ですが、わたしは迷いませんでした。
彼女の目に宿る絶望と、それでも諦めないという覚悟が、わたしの心に強く響いたからです。
過去の自分を救うためにも、彼女の依頼を受けなければならないと、強く感じました。
「セシリア様。わたくしに、そのお手伝いをさせてください。ダミアン侯爵に、最高の“ざまあ”をお見舞いし、あなたの誇りを必ず取り戻してみせます」
そう告げた瞬間、わたしはいつもの『平凡な令嬢』の仮面を脱ぎ捨て、裏の顔である『ざまあ請負人』としての顔に切り替わりました。
わたしの瞳から、優しさは消え、冷たい光が宿ります。そして、口元には、完璧に計算された冷たい笑みが浮かびました。
セシリア様は、そのわたしの変化に、思わず息を呑んだようでした。
「まずは、侯爵の情報を徹底的に集めましょう。彼の弱点、彼の傲慢さ、そして彼が誰を新しい恋人に選んだのか。全てが、今回の“ざまあ”の鍵になりますから」
わたしは、手元の手帳を開き、ペンを手に取りました。
「彼が新しい恋人として連れ回しているのは、ベラ・モンロー様。子爵令嬢ですね。彼女は、社交界でも派手な振る舞いで有名です。ですが、わたしが集めた情報によれば、彼女はかなりの浪費家で、男遊びも激しいという裏の顔を持っていました。きっと、ダミアン侯爵は彼女の奔放さに『刺激』を感じているのでしょう。そして、それが彼の最大の“弱点”になるはずです」
わたしが淡々と情報を述べると、セシリア様は驚きに目を見開きました。
「え……? そんなこと、どうしてリリアーナ様が……?」
「ふふ、情報収集は基本中の基本です。それに、あの伯爵令息は、自分が惚れた女性にうつつを抜かすタイプ。手綱を握りきれていない女性を選んだ時点で、彼の運命は決まっていたようなものです。今回の『ざまあ』は、彼に自ら破滅への道を歩ませていただきます。それが、一番効果的ですから」
わたしの言葉に、セシリア様はまだ半信半疑といった顔つきでしたが、わたしの真剣な眼差しに、やがて力強く頷いてくれました。
「セシリア様。わたくしが、全てを準備しますので、しばらくは静かに過ごしていただきます。そして、いつか、あなた自身が胸を張って新しい人生を歩み出せるよう、お手伝いさせてください」
わたしは、ソファに座るセシリア様の、震える手をそっと包み込むようにして取りました。
彼女の手は、まるで氷のように冷たかったけれど、それでも彼女の心から伝わってくる、諦めないという強い意志が感じられました。
「リリアーナ様……本当に……本当に、ざまあしてくださるのね」
セシリア様は、震える声でそう呟くと、ポロポロと大粒の涙をこぼし始めました。
それは、悲しみの涙というよりも、安堵と希望の涙に見えました。
「もちろんですわ。わたくしにお任せください」
わたしは、彼女の手を包み込んだまま、そっと髪を撫でて差し上げました。
大丈夫、もうあなたは一人じゃない。必ずあなたの無念を晴らしてみせますから。
セシリア様が、少しだけ穏やかな表情でサロンを後にしたあと、わたしは一人、手帳を広げていました。
『ターゲット:ダミアン・エルヴァンス侯爵』
『依頼人:セシリア・ハートフィールド公爵令嬢』
『計画:【自滅型】ダミアンの傲慢さと虚栄心を利用し、社交界での地位を失墜させる』
計画の概要を書き込んだわたしは、ふっと息を吐きました。
いつもの仕事に戻れた安心感と、セシリア様の痛みに触れたことによる、わたし自身の過去の傷の疼き。
複雑な感情が入り混じっていました。
(まったく、この世の男どもときたら……)
そう心の中で毒づきながら、ペンを走らせます。
過去の経験から、男性という生き物がどれほど幼稚で、自己中心的で、そして脆い存在であるかを痛感しています。
だからこそ、理不尽に傷つけられた女性を見ると、放っておけないのです。
それに、この『ざまあ請負人』という仕事は、わたし自身を癒すためのものでもあります。
過去の自分を救うための、ささやかな復讐。そうでも思わなければ、この裏稼業を続けることなんてできませんでした。
「エルザ、今後のスケジュールを調整して。しばらくは社交界の夜会やパーティーに積極的に参加します」
わたしは、エルザを呼び戻し、今後の予定を指示しました。
「かしこまりました。ですが、リリアーナ様……また、あの天然の仮面をお被りに?」
エルザは、わたしの仕事の裏側を唯一知っている存在です。
彼女の言葉に、わたしは苦笑いを浮かべました。
「ええ、もちろん。次の舞台は、ダミアン侯爵家の夜会。わたくしは、彼に警戒されないよう、『平凡で天然な令嬢』として潜入するわ。そして、彼の信頼を得て、計画の第一歩を始めるの」
そう、計画はもう始まっています。まずは、ターゲットに近づき、彼に無害な存在だと思わせること。
それが、一番の近道です。
窓の外を眺めました。
穏やかな春の光の下、人々は幸せそうに行き交っています。その中に、どれだけの悲しみや理不尽が隠されているのでしょうか。そして、それを晴らすために、今日もわたしは動くのです。
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