手向け花を捧ぐーREー

第８話

「1年生全員に仕込ませておいて正解でした」

リチアはうっすらと目を開ける。


ここ、は・・・？

すると目の前の視界に6人の子供達が体育座りしてじっとしているのが視界に入る。子供らの両手首には枷がはめられフードを深く被って誰1人喋ることはなかった。



え・・・なに・・これ？

と、そこでリチアは自分も手足が縄で縛られていることに気づく。

リチア「あの・・どうしたんですか・・・？これは、一体・・・貴方達はここで何を・・?」

そう子供に問いかけるがシーンと静まり返り、子供たちは口を開くことはない。


「商品は喋らない」

リチア「！！」

気配はしなかったから、気付くことができなかった。
その馬車にある1人のフードを被った人が居た、なんて。

「だから話しかけても無駄だよ。お前も商品として売りにだされる。時期にね」


リチアはフード被った男を見上げる。


あれ・・この感じ・・どこかで・・・

「だからまだもうしばらく眠ってて」


そして顔面にスプレーをされてリチアは再び気を失うのだった・・・



ーーーーーー








ケイリィ「先輩！！」


ランとノウゼンカズラ、アザレアの元にケイリィたちが駆けてくる。

ラン「どうしました？」

「リチアちゃんが、、！」

ケイリィ「馬車に聞き込みに行ったっきり、姿が見当たらないんです！」

ランたちは驚く。

ラン「・・・あなた方はリチアさんと一緒だったのではないですか？」

「それが、一緒だったんですけど・・・」

「馬車見つけて一人で駆け出して行っちゃって・・・」

「私達もそれぞれ聞き込み行って、目を離したすきに、、居なくなってて・・・」

ケイリィ「リチア・・何としてでも根城突き止めてラン先輩に褒めてもらうって言ってて・・・張り切ってて・・」

ラン「・・・」

少人数で動くなと言ったのですがね・・・。


ラン「事情は分かりました。貴方たちは1年全員集めてください。」

そう言うランにケイリィ達は返事を返すと
他の1年生らを探しに走って行った。



ノウゼンカズラ「で、どうやって探すんだよ」

ラン「1年全員に仕込ませておいて正解でした」

ランはそう言い内ポケットから葉っぱを取り出して見せる。
それを見たノウゼンカズラとアザレアは察した。




ノウゼンカズラ「さすが。抜け目ねぇな、お前」