手向け花を捧ぐーREー

井上なぎさ

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第11話

「親も親なら、子も子よね」

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「あ、あなた方は・・・」

この世界で知らない人は少ない・・・。
騎士学校の方々だ。数々の問題を解決してくれて・・・民の力にもなってくれる・・・皆の憧れとも言う、そんな存在。



カトレア「その子のお母さん、かしら??少々、子供の教育がなってないんじゃないかしら」

「な、に・・・」

カトレア「もう街の噂になってるほどにね・・・。お宅のお子さんが毎日万引きしてるそうじゃない。残念ながら、これを見過ごすことはできないわ。我々もそれが仕事だからね」

「仕事って・・・?」

カトレア「悪いことを繰り返すような子には、死刑。当然の報いよね?」

「ま、待ってください!私がしっかり、よく言って聞かせるんで・・・っ」

カトレア「本当かしら??そう言ってもうほぼ毎日されてるそうじゃない?
あ。そうそう。あなたの夫さんから聞いたわ。だれにもバレては居ないけど、母親もも万引きしているって・・・。親も親なら、子も子よね・・・。」


キキョウはふいに武器をなにもない空間から取り出すと、怯えた顔をした母に近付いていく。

「ひ・・・っ」

カトレア「・・・そうね、親である貴方が子供の分までの罰を受けよ。」

「いやよ・・・いやぁ・・!!」

母親はカトレアに背を向け走り出そうとしたところ
キキョウが自らの剣を地面に突き刺すと、
ふと母親の立っている地面が熱を浴びてるかのように熱くなる。そして、そんな地面から火が吹き出して母親もろとも全身を焼かれていった。それをただ見つめるシナ。


母は焼け焦げて、その場に倒れ伏した。


カトレアはそれを冷めた目で見た後、路地裏を出ようとシナに背を向ける。キキョウは握っていた剣をパッと手放すと手元から消え去り、カトレアに着いていく。
それらを傍観していた3人の騎士もそれに続く。




シナ「ま・・・ま・・・?」

シナは動かず倒れている母に手を伸ばしたが、
その伸ばした手をギュッと握ったあとキッとカトレア達を睨みつけ「うわあああああぁ!!」と声を荒げてカトレアに向かって殴り掛かろうとした。


だけどそれを
ランもキキョウと同じく何もない空間から剣を取り出しそれを手に取ると強風を起こす。
その強すぎる風によりシナは簡単に吹き飛ばされた。



カトレアはそんなシナに振り返るとゆっくりシナへ近付く。



カトレア「坊や。そなたにわらわ達に殺すことなどできないわ。そなたの罰は母親の死でチャラにしてやっても良いと言っている。
だからもう・・・我に歯向かおうなどとするなよ。小僧」

シナ「・・・!」

シナは言葉が出せなかった。体も、1ミリも動かすことも敵わない。
なぜなら、一瞬カトレアの瞳が赤くギラついたのをシナは見逃さなかったから。


とても冷たい瞳であった・・・。
それはカトレアだけじゃない。ラン、キキョウ、ノウゼンカズラ、アザレアも冷たい瞳でシナを見下ろしていた。



それもあってか、怖くなったシナはなにもできずに背を向け歩き出したカトレア達をただ見つめていることしかできないでいた・・・。






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