手向け花を捧ぐーREー

井上なぎさ

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第26話

「我々の本職は殺し屋」

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ユニコーンに乗って目的の場所にやってきた騎士学校の生徒達。




「空飛ぶのって気持ちよくて最高だったね!」

「そうだね!ユニコーンもここまで乗せてくれてありがとね」


女子生徒がユニコーンを撫でていると、役目を終えたユニコーンはスゥと音もなく消えていった。


リチアはというと、
着いてからというもの具合悪そうに顔を青くさせて手で口を押さえながらその場に腰を落としていた。




ケイリィ「リチア・・・空飛ぶの無理だったんだね。大丈夫そう??」

顔を青くさせながらもリチアは「大丈夫」というものだから全然誰がどう見ても大丈夫そうには見えなかった。


暫く休んでいれば徐々に回復したリチアは立ち上がるも、足元は覚束ない様子であり、近くにいたケイリィが支える感じになった。






とりあえずキキョウとランはこの付近で起こった事件の調べ物をしている2人の警官に近付いて声をかけることにした。



キキョウ「すまない。少しお話を伺いたい」

警官「こ、これはこれは騎士殿ではないですか」

警官「お話、とは?」

ラン「この辺りで一家が殺されたという依頼を受けて調査に来ました」

キキョウ「なにか分かった」

警官「そ、それが・・・」

2人の警官は顔を見合わせる。


警官「街の人に聞いてみたところ殺された家族はとても人当たりが良く周りから恨まれることも一切していないと聞きまして・・・

それに、まだこの街に居ないとも限らないんですよね・・・」

ラン「・・・どういうことですか」

警官「・・・一家を襲ったのは計画的に行われた犯行だったのではないかと言うことです」

そう言って1人の警官が紙が張り付いたボードをランに渡す。その紙にはこう書かれていた。



"騎士団をおびきだして、コロシテやる"と。

ラン「・・・」

ランはそれを見て考えていると、後ろから「先輩?」と声がかかる。

リチア「どうか、したんですか・・・?その紙は・・・?」


ラン「・・・恨まれてるのはきっと僕たちでしょう。生徒たちは関係ないと思いますが・・・」

ランは紙を見つめてそう呟く。

キキョウ「だが狙われてると思っておいた方がいい」



先輩達が、恨まれてる・・・?





リチア「どうして・・・?先輩達は正しいはず、なのに・・・恨まれるようなことなんて一度も・・・」




リチアさん・・・。僕は・・・僕らは正しい行いなんて一度だってしていないのですよ。




ラン「リチアさん・・・僕は・・・」そう言いかけたときだった。

「見つけた。」

突如そこに降り立った10人のフードを被った人たちが騎士団の前に飛び出してきた。フードを被った連中の背中にはそれぞれドクロのマークが描かれている。手には武器を持っていた為、近くを通りがかった住民達は怖さからか腰が引けて動けない者や混乱して逃げ惑う者もいた。




警官「な、か、数が多い!?」

警官「確か話によると複数で襲ってきたって・・・!
き、騎士殿!たぶんこいつらです!殺人鬼の・・・!」

ラン「ひとまず貴方達は市民を安全な場所へ避難させてください。」

警官「は、はい!」



そう返事をすると落ち着いて市民の避難誘導を開始した。
腰が引けて動けない人を警官が手を貸してともに避難をしたが、その警官の背後を武器を持ったフードの連中が近付き斬りかかろうとする。




だがそうはさせまいと、キキョウが炎の魔法で殺人鬼達と騎士団の周囲を一面の炎で囲い誰も入ってこれないように炎のフィールドを作り上げた。

これでは殺人鬼達も市民には手出しはできないはずだから。





ラン「貴方方の狙いは今目の前にいる僕らですよね?
関係のない市民達を殺す必要ないと思うのですが」


「・・・我々の本職は殺し屋。我々の仲間の1人が騎士学校へ憧れを持ちある日のこと・・・。
騎士学校へ行くと言って出て行ったっきり行方をくらましている。」


その殺し屋と名乗った1人は騎士団を睨みつけ、着ているコート掴んで言い放った。


「これと同じようなコートを着た子供が騎士学校へ来たはずだ!!覚えがあるはずだぞ!!」



生徒はなんのことだか分からず、
リチアはランを見つめる。


ただランが顔を伏せて拳を握っていたのをリチアは見逃さなかった。











先輩・・・?






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