手向け花を捧ぐーREー

井上なぎさ

文字の大きさ
30 / 102
第30話

「・・・貴方がたが入学してくる前の話ですよ」

しおりを挟む
現在、
炎のフィールドランとキキョウと生徒達と殺し屋が対峙していた。
 



「白状してもらうぞ。我々の仲間をどうした」

リチア「せ、先輩?一体なんのお話ですか??」

ラン「・・・貴方がたが入学してくる前の話ですよ」

キキョウ「・・・すまない。覚えてないな」

「しらばっくれるのならそれでも構わない」


今までフードを被っていた殺し屋の面々はフードをそれぞれとり、素顔を晒す。そして武器を構えて口を開いた。


「仲間の・・・いや家族のかたきはきっちりとらなくっちゃな」

「でもまだ死んだらかどうか分からんさ」

「ですが騎士たちがエルマと会ってるのは確かのはずです」

「それなら・・・」
殺し屋である蛇のようなうねうねした髪をした女が武器を構えてキキョウへと駆け出して行く。

「たっぷりといたぶった後で聞き出すとしますかァ!」

武器の矛先をキキョウに向けて迫っていくが、それを冷静な顔でキキョウが炎の魔法で自分に迫ってきていた殺し屋の武器を持っている方の腕を丸ごとに燃やしたことで武器を手から落として地面へと落とす。

その女は地に膝をつきキキョウを睨む。



「そもそも炎出せるとか・・・バケモノが」
殺し屋の男がそう呟いた。







ラン「これは1年の実力を見るためのいわゆる実戦任務です。戦えますね?」


生徒達に向けてそう言えば、生徒達はそれぞれ剣を抜いて
若干怯えるものもいるが、不安になりながらも「はい!」と返事をして身構え、炎のフィールドの中で騎士達と殺し屋との戦いが開始された。








ーーーーー
 





ディアナ「はぁ・・・はぁ、は・・・っ」


その頃、
ディアナはひたすらにどこに向かって走ってるかは分からないが逃げていた。後ろを振り返れば自分を追ってきている
2人の人身売買を行っていた白いフードを着こなした連中だった。




ディアナが連中に追われている理由は、シナとディアナが繋がっているからで。


ある夜更けに一本の電話を受け取ってから次の日の朝。
すぐにシナがいるであろう根城に向かった。

自分には時間がないから、一刻も早く自分の娘を助ける為に・・・。





ディアナは根城へと入り、シナがいるであろう地下室に行こうと階段を降りようとした時。階段の真下には白いフードを着た2人がつっ立っていた。

ディアナはその2人へ声をかける。


ディアナ「あの・・・し、シナは??」

「・・・シナ様は・・死んだよ」

ディアナ「え・・・?」

「殺されたよ。騎士団に。
ボクたちはこの場に居ないで隠れてたから・・・死は免れたみたいだけどね。見ちゃったんだ。騎士団に殺されるの。シナ様の悲鳴が、上がってるのを確かに聞いた・・・。
騎士団が去った時に根城に入れば、もうそこには跡形もなくなってた」

「ボクら以外、皆全滅・・・」

「これで貴方の約束も、もう成立はしなくなったってことになるよね」



死・・・んだ・・・?

うそ・・・誰、が・・・?


騎士団・・・って?





ーー


"シナ「ボクに子供を提供してくれればキミの娘を助けると約束をしよう。」

ディアナ「本当!?」

シナ「ただし、もしもね、ボクが死んだとき・・・一緒に死んでくれる??」

ディアナ「死・・・?え??」

シナ「ボク・・・一目惚れなんだぁ。
ディアナに。キミが一緒に死んでくれるなら、ボクは寂しくないから。ね、約束してくれる??約束してくれたらキミの娘も助けると誓うよ」


ディアナ「わ・・・わか、った・・・」

シナ「じゃ、子供の提供をよろしくね」"




ーー



バァン!!

ディアナ「っ」

と、シナの事を考えながらも必死に今逃げていたディアナの足に銃弾が当たってディアナはその場に倒れる。



ディアナ「い、たた・・・」


逃げなくちゃ、殺されると思いディアナは後ろを見れば銃口を向けた2人がすぐそこまで迫ってきていた。


「ねぇ、なんで逃げるの?」

「シナ様が死んだら死ぬって約束だよね?」

「約束破るの?シナ様は1人寂しく死んでいったよ?」

ディアナ「・・・っ、私は、まだ・・・」


死なない。死なない理由が、ちゃんとあるから・・・。



ディアナは地面についた手にぐっと力を込める。



「シナ様の為に、死んでよ」


ディアナ「や、やめて・・・お願い・・・」


「いずれキミも殺されるよ?人身売買に加担してる事を知った騎士団が必ずキミを殺しにくる。
後で死のうが今死のうが同じことでしょ」




わ、私は・・・




「バイバイ」


そう言い2人は銃の引き金を引こうとしたその時だった。
その2人目掛けて雷が落ちてきたのだ。
2人は当然黒焦げになって地面に倒れる。

突然の出来事についていけないディアナであったが、
その場に聞き覚えのある声が響いた。



ノウゼンカズラ「ちっ・・・まだ生き残りがいやがったのかよ」


その声の方に目を向けるディアナ。







え・・・・・。








ディアナ「フォン・・くん・・?ヒューくん・・?」




そこには手に剣を持ったノウゼンカズラと、その後ろにはアザレアがいた。











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

冷遇妃マリアベルの監視報告書

Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。 第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。 そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。 王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。 (小説家になろう様にも投稿しています)

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...