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第58話
「こんな力、なければいいのに・・・」
しおりを挟むリチアとケイリィはランに呼ばれ生徒寮にある医務室へと移動することに。
ラン「・・・いいですか?
任務以外でのその制服で出歩くのは宜しくありません。
なので入学当初に皆の机に配ったフード付きのローブありましたよね。制服で出歩くのであればそのローブを着て歩くことです。
今みたいに騎士団をよく思われない方も多いので絡まれてしまいますよ。今後は気をつけるように」
二人は声を揃えごめんなさいと謝った。
ランのお説教に2人の表情はすごく落ち込んでいて反省しているのだと見てわかるとランは優しく笑う。
ラン「さて、僕たちは今日別件の任務で出てきますので留守にしますが僕が今言ったこと、必ず守るようにしてくださいね」
ランは医務室を出ようとしたところ、リチアが呼び止める。
リチア「せ、先輩!あ、あの・・・カトレア様と、お話したいことがあるんです。呼んでもらえないでしょうか・・・?」
ラン「カトレア様ですか?いいですよ。呼んできますのでここで少々お待ちください」
リチア「あ、はい」
そう言ってランは医務室を出ていく。そこに取り残される二人。
ケイリィ「話?カトレア様に?」
リチア「え?あ、はい。あ、ケイと話しの途中で事件があったのでこの先はまだ話せていませんでした」
ケイリィ「!・・・ごめん」
リチア「え、ケイが謝る必要ないですよ!謝るのは、私の方です・・・。私が記憶になくても・・・ケイを、傷つけてしまったのは・・・確かなので・・・」
ケイ「!そんなこと・・・」
リチア「自分の力が・・・たまに怖いんです・・・
こんな力、なければいいのに・・・」
リチアは自分の手を見つめ、肩を震わす。
そんなリチアを、ケイリィは優しく抱きとめた。
リチア「ケイ・・・?」
ケイリィ「リチアの力があるお陰で守られた人だっているんだよ。それだけは忘れないで。リチアの力がなければ、今頃は昨日の任務で命を落としていたかもしれない」
リチア「・・・っ
こんな私でも・・・・ケイは幼馴染でいてくれますか?」
ケイリィ「なに言ってるの?当たり前でしょ?」
リチア「ずっと、側にいてくれますか・・・?
私から、離れていきませんか・・・?」
ケイリィ「どんなことがあっても離れないよ。
リチアが離れろなんて言っても、離れてなんてやらないから。ずっと一緒にいるよ。
だって、リチア1人にしたら何しでかすか分かったもんじゃないからね」
リチア「そ、そんな、私が問題児みたいな言い方・・・」
カトレア「リチアさんがわらわに用事があるとランから言われてきたんだけど。どうやらお取り込み中だったみたいね。後にするわ」
いつの間にかその医務室へ姿を現したカトレアに、ケイリィとリチアはお互いが抱き合っていることに気が付いて慌てて離れる。
リチアは医務室を出て行ったカトレアの後を追いかけた。
リチア「ちち、違いますカトレア様!お取り込んでないです!今お話し終わりました!待ってくださいよー!」
その医務室に1人取り残されたケイリィは
ケイリィ「・・・確か生徒寮て風呂付きだったよな・・・入ってこようかな」
そう独り言を呟くと医務室を後にした。
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