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第57話
「何をしているのですか!」
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リチアがナイフを振り下ろす直前、
ケイリィがなんとかリチアの前に飛び出してその刃物を素手で掴んだ。
血がドクドクと手から出ようが今のケイリィは気にしてる場合でもなかった。
ケイリィ「リチア・・・やめるんだ・・!」
ケイリィは真っ直ぐにリチアを見つめる。
リチアの瞳はなにも映してはいなかった。ただ虚な瞳で
フードの人物を見下ろしているだけ。
ケイリィの声は届いていないのか、リチアの手の力が強まり刃物を何がなんでも振り下ろそうと止まらなかった。
こんなリチア・・・初めて、見た。
リチアはこんな子じゃ、ない。人を、傷つけるような人じゃないってこと・・・俺は知ってる・・・
"リチアちゃんのこと、怖いって感じたことないの?"
あるわけがないって、思ってた。いつもなら・・・
でも・・・だけど・・・今のリチアは・・・・。
幼馴染なら、ちゃんと、止めなくちゃだから・・・。
"ケイリィ君が殺し屋に刺された時あったじゃん??その時のリチアちゃんの形相が凄かったんだから"
そっか・・・
リチアは・・・・・
怒ってるんだな・・・
俺のために・・・
ケイリィ「っリチア・・・!お願い、目を、覚まして・・・」
手が、痛い・・・。手の感覚が・・・もう・・・。
ケイリィの手は血まみれで、その足元には血溜まりができる。
とそんな時だった。騎士学校の門の扉が開かれると、
ラン「何をしているのですか!」
最初に出てきたのはランで、その後生徒たちも出てきた。
ランはすぐにリチアの刃物を持ってる手に葉っぱを飛ばし、その葉がリチアの手に刺さればリチアは刃物を地に落とした。
リチアは手を押さえながらも、落ちた刃物を再び拾うリチアにランは走り寄ってリチアの両肩を掴む。
リチア「っ離して・・・ください」
ラン「リチアさん、しっかりするのです!」
リチア「私が・・・守らなくちゃ・・・。今度こそ、ケイを・・・。ケイが居なくなったら・・・私は・・・」
ケイリィ「リチア・・・」
リチア「だから、邪魔をしないでっ」パァン!!
リチアの虚な瞳はフードの人物にしか向いていなかった。
そんなリチアの頬をランが思い切り叩いた。
それにはそこにいる生徒達、ケイリィ、リチア自身も驚いていた。
リチアはそこでようやくランに顔を向ける。
ラン「どうか、自分を見失わないでください・・・ケイリィさんはちゃんとここにいるじゃないですか」
ランの言葉にリチアの瞳は光を取り戻し、周りを見渡せばそこには生徒達やケイリィとランが居た。
リチア「あ・・・あ、れ・・・?せん、ぱ、い・・・?痛っ」
ふとリチアは自分の手を見ると葉が刺さっていてそこから血が垂れているのに今気がつく。
ラン「リチアさん・・・良かった・・・」
ランはリチアの手に触れて回復をしてやれば刺さっていた葉っぱはパサパサと散っていき、リチアの手から垂れていた血も傷も消えて痛みはなくなった。
リチア「私・・・なにが・・・」
そこでリチアは手に血のついた刃物を持っていることに驚き地面に落とす。
ち・・・血・・・?なんで・・・
だれ、の・・・?
なにがあったか、思い出せない・・・
私は・・・
リチアは頭を抑える。
ケイリィ「リチア・・・」
リチアはその声にハッとなり、ケイリィを見る。
リチア「っケイ・・・!?その手・・・!」
ケイリィ「・・・大丈夫、だよ、これくらい」
ケイリィが刺されたところまでは記憶にあるんですが・・・
もしかして、私は、また・・・力を・・・?
リチア「わ、私が・・・ケイを、傷付けてしまったんですか・・・?」
ケイリィ「気にしないでよそんなに・・・。本当に大丈夫だからさ」
ラン「強がらないでくださいよ」
ランはケイリィにそう言うとケイリィへと歩み寄り手の傷を癒した後、壁にもたれてるフードをした人物を見る。
その人物はフードが取れていて顔がハッキリと見えた。
ラン「貴方は・・・
確か昨日の任務先にも居ましたよね。子供を亡くしたその母親・・・でしょうか。
・・・・あなたが憎んでいるのは僕たちでしょう?生徒は関係ありません。
なので二度と手は出さないようお願いします」
「・・・憎んでるのは騎士団全員よ・・・。
なにがヒーロー?貴方達騎士団はうちの息子が死んだって一切なにもしようとしてくれなかったじゃない。死んだのに目もくれようとしないなんて・・・何が騎士よ・・・
うちの息子はずっと騎士団に・・・いえ・・・
カトレア様に怯えていたんだわ。だから・・・殺そうとした。人間には使えない力を使えるなんて・・
普通に考えたらあり得ないし、騎士団て何者なのよ・・・ただの化け物の集団じゃない・・・!」
ラン「・・・きっとあなたの息子さんが死んだのは、神に楯突いたからでしょう。そうじゃなかったら死なずにすんだものを」
「・・・!」
ラン「・・忠告しておきます。次、生徒を傷つけるようなものなら、貴方も息子さんの後を追うこととなりますよ」
そう言葉を吐き捨てたあと顔を俯かせているリチアの手を引いてひと足先に騎士学校への門を潜っていく入。
そんなリチアを心配そうに見つめるケイリィと生徒達。
他の生徒達もランの後を追い、ケイリィは地に落ちていたパンの耳の入った袋を拾い上げると遅れて門を通っていった。
そこに一人取り残されたフードの人物は痛む体をなんとかして立ち上がらせて
携帯を取り出した。
「やれるものならやってみなさいよ・・・そんなことしたら、私が全国に報道してやるわ・・・騎士学校は私たち市民の敵・・・化け物集団だとね」
そう呟いた言葉は誰の耳にも入ることはなかった。
そしてゆっくりと歩き出し携帯を操作するとどこかへと繋げた.....。
ケイリィがなんとかリチアの前に飛び出してその刃物を素手で掴んだ。
血がドクドクと手から出ようが今のケイリィは気にしてる場合でもなかった。
ケイリィ「リチア・・・やめるんだ・・!」
ケイリィは真っ直ぐにリチアを見つめる。
リチアの瞳はなにも映してはいなかった。ただ虚な瞳で
フードの人物を見下ろしているだけ。
ケイリィの声は届いていないのか、リチアの手の力が強まり刃物を何がなんでも振り下ろそうと止まらなかった。
こんなリチア・・・初めて、見た。
リチアはこんな子じゃ、ない。人を、傷つけるような人じゃないってこと・・・俺は知ってる・・・
"リチアちゃんのこと、怖いって感じたことないの?"
あるわけがないって、思ってた。いつもなら・・・
でも・・・だけど・・・今のリチアは・・・・。
幼馴染なら、ちゃんと、止めなくちゃだから・・・。
"ケイリィ君が殺し屋に刺された時あったじゃん??その時のリチアちゃんの形相が凄かったんだから"
そっか・・・
リチアは・・・・・
怒ってるんだな・・・
俺のために・・・
ケイリィ「っリチア・・・!お願い、目を、覚まして・・・」
手が、痛い・・・。手の感覚が・・・もう・・・。
ケイリィの手は血まみれで、その足元には血溜まりができる。
とそんな時だった。騎士学校の門の扉が開かれると、
ラン「何をしているのですか!」
最初に出てきたのはランで、その後生徒たちも出てきた。
ランはすぐにリチアの刃物を持ってる手に葉っぱを飛ばし、その葉がリチアの手に刺さればリチアは刃物を地に落とした。
リチアは手を押さえながらも、落ちた刃物を再び拾うリチアにランは走り寄ってリチアの両肩を掴む。
リチア「っ離して・・・ください」
ラン「リチアさん、しっかりするのです!」
リチア「私が・・・守らなくちゃ・・・。今度こそ、ケイを・・・。ケイが居なくなったら・・・私は・・・」
ケイリィ「リチア・・・」
リチア「だから、邪魔をしないでっ」パァン!!
リチアの虚な瞳はフードの人物にしか向いていなかった。
そんなリチアの頬をランが思い切り叩いた。
それにはそこにいる生徒達、ケイリィ、リチア自身も驚いていた。
リチアはそこでようやくランに顔を向ける。
ラン「どうか、自分を見失わないでください・・・ケイリィさんはちゃんとここにいるじゃないですか」
ランの言葉にリチアの瞳は光を取り戻し、周りを見渡せばそこには生徒達やケイリィとランが居た。
リチア「あ・・・あ、れ・・・?せん、ぱ、い・・・?痛っ」
ふとリチアは自分の手を見ると葉が刺さっていてそこから血が垂れているのに今気がつく。
ラン「リチアさん・・・良かった・・・」
ランはリチアの手に触れて回復をしてやれば刺さっていた葉っぱはパサパサと散っていき、リチアの手から垂れていた血も傷も消えて痛みはなくなった。
リチア「私・・・なにが・・・」
そこでリチアは手に血のついた刃物を持っていることに驚き地面に落とす。
ち・・・血・・・?なんで・・・
だれ、の・・・?
なにがあったか、思い出せない・・・
私は・・・
リチアは頭を抑える。
ケイリィ「リチア・・・」
リチアはその声にハッとなり、ケイリィを見る。
リチア「っケイ・・・!?その手・・・!」
ケイリィ「・・・大丈夫、だよ、これくらい」
ケイリィが刺されたところまでは記憶にあるんですが・・・
もしかして、私は、また・・・力を・・・?
リチア「わ、私が・・・ケイを、傷付けてしまったんですか・・・?」
ケイリィ「気にしないでよそんなに・・・。本当に大丈夫だからさ」
ラン「強がらないでくださいよ」
ランはケイリィにそう言うとケイリィへと歩み寄り手の傷を癒した後、壁にもたれてるフードをした人物を見る。
その人物はフードが取れていて顔がハッキリと見えた。
ラン「貴方は・・・
確か昨日の任務先にも居ましたよね。子供を亡くしたその母親・・・でしょうか。
・・・・あなたが憎んでいるのは僕たちでしょう?生徒は関係ありません。
なので二度と手は出さないようお願いします」
「・・・憎んでるのは騎士団全員よ・・・。
なにがヒーロー?貴方達騎士団はうちの息子が死んだって一切なにもしようとしてくれなかったじゃない。死んだのに目もくれようとしないなんて・・・何が騎士よ・・・
うちの息子はずっと騎士団に・・・いえ・・・
カトレア様に怯えていたんだわ。だから・・・殺そうとした。人間には使えない力を使えるなんて・・
普通に考えたらあり得ないし、騎士団て何者なのよ・・・ただの化け物の集団じゃない・・・!」
ラン「・・・きっとあなたの息子さんが死んだのは、神に楯突いたからでしょう。そうじゃなかったら死なずにすんだものを」
「・・・!」
ラン「・・忠告しておきます。次、生徒を傷つけるようなものなら、貴方も息子さんの後を追うこととなりますよ」
そう言葉を吐き捨てたあと顔を俯かせているリチアの手を引いてひと足先に騎士学校への門を潜っていく入。
そんなリチアを心配そうに見つめるケイリィと生徒達。
他の生徒達もランの後を追い、ケイリィは地に落ちていたパンの耳の入った袋を拾い上げると遅れて門を通っていった。
そこに一人取り残されたフードの人物は痛む体をなんとかして立ち上がらせて
携帯を取り出した。
「やれるものならやってみなさいよ・・・そんなことしたら、私が全国に報道してやるわ・・・騎士学校は私たち市民の敵・・・化け物集団だとね」
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