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第80話
「・・・誰のせいだ、誰の」
しおりを挟む生徒達を全員集めてその街のど真ん中にて作戦会議を行なっていた。
ノウゼンカズラ「夜は関係ねぇってことか?」
リチアは全員にさっき黒いナニカに襲われたことを説明する。
リチア「そ、それはまだ何とも言えませんけれど・・・」
コチョウ「ですが用心のため市民への通達は必要でしたよ」
「黒いものに襲われたって、どんなの?見たんでしょ?」
「み、見た、めちゃくちゃ怖かった・・・食われるかと思ったけど・・・リチアちゃんが、守ってくれた」
生徒の視線はリチアに向く。リチアはその視線に気づくと、顔を俯かせる。
ノウゼンカズラ「ま、とりあえず決行は夜だ。夜に被害が多いと聞くからな。どこが襲われるかわかんねぇ以上外歩く市民全員にそれぞれ通達をしておけ。
昼休憩は各自でとれ。
夕方になったら全員学校正門前に集合することだ」
コチョウ「ユニコーンは貸し出します。好きに使ってください」
生徒達は大きく返事をして、各自市民へ通達に向かうためにそれぞれが移動を開始した。
ケイリィ「って、自由行動でいいんだよね?」
リチア「だとおもいますけど・・・」
「リチアちゃん、よかったら一緒に行動しない?」
「そうだね!A組は一緒に行動しようよ」
「それいいなー!」
「アンタはB組でしょ」
そう言って笑い合う生徒達。
リチアも頬を緩ませるとふとコチョウが気になりそちらに目をやれば、コチョウと視線があった。
コチョウはリチアに微笑んだ後ノウゼンカズラ、アザレアと共にどこかへ歩いて行った。
リチアはずっとその背中を見つめていると、
ケイリィ「リチア?どうしたの?いくよ?」
リチア「あっ、はい!・・・い、行くって、まさか・・・の、乗るんですか・・・?」
ケイリィ「だってこの周辺もう通達済んでるし・・・」
リチア「うぅ・・・」
「ケイリィくんにしがみつけば大丈夫だって!ほら、乗った乗った」
リチア「えぇっ、ちょ、ちょっと・・・」
ケイリィ「しがみつくのは本当にやめて!苦しいんだから!」
ーーー
別の街へとユニコーンに乗って移動したリチア達。
リチア「ケイ、大丈夫ですか?」
ケイ「・・・誰のせいだ、誰の」
ケイリィはユニコーンから降りるなりその場に四つん這いで倒れ胸を抑えていた。
「ケイリィ大丈夫かー?」
「生きてるー?」
ケイリィ「何とか生きてる」
他の生徒に心配されつつも、ケイリィはゆっくりと立ち上がった。
「ま、まぁまぁ。ほら、私たち遊びに来たわけじゃないでしょ!任務だよ任務!あ!すいませーん!」
そこで街歩く市民を見かけてそれぞれが声をかけに行った。
リチアとケイリィも近くを通った市民へと駆けていく。
「おや、その制服。騎士学校の者かい?」
リチア「はい!あの、夜になると何かに襲われてるっていう被害が出てまして今日私たちは夜に見回りすることになっていて、夜は危ないのでなるべく外に出ないようにって市民に声をかけて今回ってるところなんです!」
「あら、そうなの。わかったわ。騎士学校様の言うことは聞かないとね」
そう言って歩いていく市民を見送るケイリィとリチア。
この調子でどんどん市民に声をかけて歩き、お昼になれば腹ごしらえしてからまた市民に聞き込みに出かけ、そしてあっという間に時刻は夕方になっていた。
生徒らはユニコーンに乗って騎士学校へと帰ってくると正門前に集まる。
ケイリィ「なんか、この1日がどっと疲れた・・・」
リチア「なにを言ってるんですか!まだこれから任務は続くんですよ!」
ケリィ「それはそうだけどさぁ」
ノウゼンカズラ「全員集まったな。これより夜の見回りに出る。市民が襲われる心配はねぇと思うが、常に気を抜くんじゃねーぞ。話が行き届いていなくて外に出てる市民もいる可能性だってある」
コチョウ「敵は我らでも予想がつきません。
もしかしたら昼間リチアさんが言っていた、黒いなにかかもしれません。
出来る限り団体で動くこと。
そうすれば危険が訪れた時に我々も守りやすいですから」
ノウゼンカズラ「それじゃ、これより行動開始と行く。なるべくクラスで固まり列を作って動け」
はい!!と生徒達は大きく返事をした。
そして夜の部の騎士学校の任務が始まるのだった。
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