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第82話
それでも、やらなくちゃならないことがあるから・・・
しおりを挟むその黒いナニカはその場から溶けて闇に消えて行った。
コチョウ「リチアさん。油断をしてはいけませんよ」
リチア「せん、ぱい・・・でも・・・さっき、子供が・・・」
コチョウ「化け物の戯言に、耳を貸す必要などありません。どのみち、助からない子だったのですから」
リチア「どう、して・・・?」
コチョウ「リチアさんからは見えていなかったのかもしれませんが、さっきの子は両足が既に食べられていました。逃げられないように、
なんとか化け物に殺されないで済んでたようですがこうして誘き出す作戦だったのかもしれませんね。子供を餌としてやって来た人間を」
リチア「エサ・・・そん、な・・・」
その時黒いナニカ達があらゆる壁の中から姿を現し、ランの頭上から襲いかかった。
リチア「!先輩!」
コチョウは風魔法で黒いナニカを一掃する。
コチョウ「ここは僕にお任せを。とにかく、リチアさんは今自分にできることをしなさい。貴方には、その力があるでしょう?」
私に、できる、こと・・・・。
リチアは剣を握る。
リチア「・・・っ、はい」
今度はリチアの方の壁の中から黒いナニカが姿を現し、リチアを襲おうとする。
コチョウはリチアの元に向かったその黒いナニカも剣で真っ二つに斬った。
リチア「先輩、ありがとうございます・・・っ」
リチアはコチョウにお辞儀をすると生徒達の援護へと向かった。
コチョウは路地からリチアが出ていったのを見送った後前を向く。
そこには無数の黒いナニカがコチョウを取り囲んでいた。
ーリチアは路地を出て生徒達の元へと向かう。
そこにもあの黒いナニカの数が多かった。
「ひ・・・く、来るな、化け物・・・!!」
斬っても斬っても湧き出てくる数に、一人の生徒は錯乱していた。
終わりない戦いにだいぶ皆が弱っていることに気がつく。
見てみれば怪我をしている生徒も何人かいた。
リチア「(この数を相手に、どれくらい持ってくれるだろうか・・・それでも、やらなくちゃならないことがあるから・・・)」
一人の生徒が黒いナニカを斬ると上空からその生徒を狙おうと大きな口を開けて黒いナニカが向かっていく。
咄嗟のことで対処できないでいた生徒は剣を身構えるも目を瞑る。
そんな時。
がきぃぃんという音に目を開ける生徒。
バリアが貼られたことで黒いナニカは中には入ってこれないようだった。
「リチアちゃん・・・!」
リチア「大丈夫、先輩達が皆さんを守るため戦ってくれています。皆さんはこのバリアから一歩も出ないでください。ケイ!私と一緒に来てくれますか!」
ケイリィ「え?どこに・・・」
リチア「あの子を探すんですよ!」
ケイリィ「え、ちょ!?」
リチアはケイリィの腕を引いてバリアから出る。
アザレアとノウゼンカズラは魔法を使いまくり黒いナニカの排除をしているその横をケイリィとリチアは走り抜ける。
ケイリィ「どこにいるのか知ってるの!?」
リチア「わからない、わからないけど・・・!あの子が原因なのかもわからないですけど、なにもしないでひたすら無限に湧き出てくる化け物を相手にしているのも時間の無駄だと思ったからっ」
リチア・・・。
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