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第101話
「・・・討たれるのは、貴方よ。リチアさん」
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時刻は夜中の3時を回ろうとしている。
リチアは先に1人マシュリ像の前に立って待っていた。マシュリ像を見上げて瞳を瞑って祈っていればその背後から近づいてくる複数の足音に気がつき、リチアは瞳を開けばその瞳は青く光を放っていた。そしてゆっくりと振り返ればそこにはカトレアと4人の騎士がその背後に立っていた。
リチア「・・・来ましたか」
カトレア「ええ。リチアさん・・・いえ、マシュリ様、かしら。わらわと一騎打ちがしたいということだったわよね?」
リチア「・・・はい。
ですが、今の貴方とではありません。
私は貴方の中にいる神と一騎打ちをしたいのです。その者の中にずっと潜んでいるのでしょう?創造神様?」
カトレア「なにを、言っているのかしら。
わらわこそが神よ」
リチア「・・・いえ、違います。貴方は普通の人の子に過ぎません。自分がただ神などと思い込んでいるに過ぎない。そんな人間とは戦えません」
カトレア「なに・・を・・・馬鹿なことを言うな・・・!」
わらわは人間などではない!!神・・・神だ・・・神に生まれ変わったのよ!あの日から・・・!!
"〈神になりたいか。〉
〈神になると言うことは人間をやめると言うことだが、それでもそれを望むか〉"
カトレア「あ、はは・・・そんなに言うのなら、見せてあげるわ・・・これが、神の力だということをね!!!」
カトレアは手の平をリチアに向けるとその手の平から無数の鎖がリチアに目掛けて放たれた。
リチア「・・・致し方ありませんね」
リチアは手を前に出しバリアを張り、その鎖は一瞬弾かれたが弾かれた鎖は再びリチアに向かいガギギギギギと鎖がバリアに勢いよくぶつかる音がその場に響く。
リチア「それなら、こちらは貴方の中にいる神を・・・創造神様を引き出すまでですよ」
そう言ってリチアの姿だったのがマシュリが表へと出てきた為か姿はマシュリに成り代わる。
そしてマシュリの背中に付いているリボンの紐がカトレアの顔面目掛け向かっていく。
それをカトレアは横へ逸れたことでリボンは空高く舞うもまたも戻ってきてカトレアの背後を襲う。
それを横目に見て、カトレアは笑うともう片方の手の平をリボンに向けて伸ばしていればリボンの紐はカトレアの手の平に突き刺さった。
それは予想してなかったのかマシュリは驚く。
カトレアは突き刺された手で、その紐を掴み自分の方へと引き寄せたことでマシュリの体はカトレアの方へ引っ張られていく。
自分に張っていたバリアも消え、マシュリが近くまで迫ってくればカトレアの反対の手から出ていた鎖は一度手の平に戻してから迫ってきたマシュリ目掛けて鎖を出した。
来ると分かっていたからか、避けたと思ったが右肩を鎖がぶち抜いたのだ。
マシュリ「か・・は・・・っ!」
マシュリはその場に膝を落とし、右肩部分にバリアを張りそこから暖かな光が生成され痛みを和らげる魔法を使う。
カトレアは鎖を地に引き摺りながら、マシュリへと歩み寄る。
カトレア「・・・神が聞いて呆れるわ。この程度なのかしら?
これで認めた?わらわは人間じゃないの。神だって。
普通の人間なら自分が痛いことは絶対しないと思うわ」
カトレアの手の平から血がどくどくと流れ出ていた。
そんな4人の騎士達の手の平からも血が飛び散っていた。
痛みに耐えつつも黙ってその戦いを傍観している4人。
だけどコチョウだけは目を逸らし、痛む手の平を押さえつつも顔を俯かせていた。
マシュリ「・・・いいえ」
コチョウはふいに俯かせていた顔を上げてマシュリを見るとゆっくりと立ちあがろうとしているところだった。そしてどことなく、声もマシュリのではなくリチアの声が聞こえた気がしたからその声にコチョウは反応を見せたのだろう。
マシュリ「貴方は、貴方達は神に縛られているだけ。すべての元凶は創造神様がこの世界を作り出して私達を産み出さなければただの普通の生活でいられたというのに・・・
人間として生きていれば、化け物などと呼ばれなくて済んだ・・・!!」
その声はだんだんマシュリの声だったのがリチアの声へと重なって聞こえてくる。
カトレア「・・・我によって産み出された神であるお前が、それを言うのか。我の存在を否定する神が出てくるとは・・・。
お前こそ人間であったその者と契約を交わし神の力を与えてまでして蘇らせ人間を辞めさせたことは事実であろう」
マシュリ「違う。辞めさせたのではありません。了承を得た上で行った結果です。私は創造神様を止めて欲しかった・・・
だから、リチア=アズマと契約をしたのです」
カトレア「・・・誰も我を止めることなどできはしない。
我が・・・我のためにこの世界を見守ってくれる神を産み出してやったというのに・・・・
愚かな神だったな。
そんなことならそんな神はこの世界にはいらない。
我の存在を否定する神など・・・。必要ない。
今ここで、殺してやる」
カトレアの瞳が赤く光るとマシュリ像本体に向けて鎖を放つ。
それを瞬時にマシュリは自分の像に手を伸ばしてその場から像にバリアを張ってやる。
そしてバリアにぶつかった鎖を、マシュリはリボンの紐を背中から伸ばして鎖を弾きリチアの瞳がさらに眩く光を増すと、その鎖は操られたかのように、カトレアに迫っていく。
それにはカトレアも避けきれず、鎖がカトレアのお腹を貫いた。
カトレア「が・・・っ」
カトレアが攻撃を受けたことでコチョウ達も腹から血を噴き出した。
キキョウ「カト・・・レア、様・・・っ」
カトレアはその場に倒れ伏し、そこへマシュリが歩み寄っていく。
マシュリ「貴方のしていることは全て、間違っています。貴方がこの世界に存在していることから全ておかしくなったのです。
だから、私はこの世界を代わりに正しくするため・・・今、この場で貴方を討たなければなりません。
皆の、幸せの為に・・・」
マシュリの背中から2本のリボンの紐がカトレアに向いていた。
カトレア「・・・・」
マシュリ「平和を願っている、民のためにも」
そう言ったあと、2本のリボンの紐がカトレアに物凄い速さで迫っていく。
それを見てカトレアはお腹に刺さっている鎖を押さえながら、ゆっくり体を起こすとニヤリと笑った。
カトレア「・・・討たれるのは、貴方よ。リチアさん」
その時、リボンの紐の先にボッと火がついた。
チリチリとリボンが焼け焦げる。
マシュリ「・・・!」
カトレア「神の力でリボンの紐を凶器に変えたところで所詮燃えてしまえばただの布の紙切れ。
この世を作った創造神は、そう簡単には死ぬまい」
火はリボンの紐を燃やしていき、マシュリの背中から出ているリボンの根元まで到達するとボンッと勢いよく爆発した。
神の力使うよりも早く火の到達するスピードの方が速くてマシュリは黒焦げとなって地面に倒れる。
マシュリが弱ったことでマシュリ像に張られていたバリアはうっすら消えかけていた。
カトレア「ふふ・・・よくやってくれたわ、キキョウ」
そしてカトレアは自分のお腹に突き刺さっている鎖を構わず無理やりに引きちぎれば腹から大量の血を流す。
カトレアが血を流すことでコチョウ達にもダメージがいくことは知っていたが今のカトレアはそんなことには構っていられなかった。
カトレアはゆっくり、ゆっくりとマシュリ像へと歩いて行く。
カトレア「はぁ・・・はぁ・・・
この我に深手をおわせたこと、よくやったと褒めてやるぞ・・・人間の子よ。
まさか貴様の神が創造神であるこの我の鎖を操れるなどと思ってはいなかった。侮っていた、が・・・
これで・・・しまいだ。小娘」
カトレアは鎖を再び、マシュリ像に向けて放つ。
尚もまだ抵抗するのか、張られているバリアはなかなか破らせてはくれなくてぎぎぎぎという音を立ててバリアと鎖がぶつかりあう。
我の野望は、この世界に神がありふれ・・・神々だけの世界を作り上げることなのだ・・・。誰にも我の邪魔はさせん。
マシュリは地に倒れ、その姿は徐々にリチアの姿へと成り代わって行く。
体が・・・動かない・・・。
あぁ・・・私・・・・ここで死んじゃうんだ・・・
ケイ・・・。
私、ちゃんとケイを守れていたかな・・・。
もっと、たくさんのこと・・・ケイと作っていきたかった・・な・・。
でも・・・もう叶わないかも、しれません・・私は・・・ケイの隣で、
ケイと笑い合うことなんか、できないかもしれない・・・
それでも私・・・この15年間生きてきて、
あ・・・実際は7年間・・・かな。
私の時間はあの時から、進んでいないから・・・。
短いようで、長く感じたけれど・・・それでも、
ケイと少しでも一緒にいることができて、とても楽しかった。もう、悔いなんかありません・・・
ケイは・・・今のケイならきっと、私が居なくても、やっていけます・・・。
1人にしてしまうのは・・・心苦しいけれど・・・・
私は・・ずっとケイの中で、生き続けるから・・・。
ぎぎぎぎぎぎぎぎッ
鎖とバリアが長くぶつかり合っていたせいか、
そのバリアにヒビが入る。
リチア「ケイ・・・好きでしたよ」
この言葉はきっと、もう・・・ケイには届かないけど・・・。
リチアの瞳から涙が流れる。
嫌・・・・・
ケイ・・・・っケイと、もっと・・・一緒に・・・
リチアはなんとか指先だけが動いたのを確認する。
そして、パリイイィィンとバリアが敗れた時鎖は真っ直ぐにマシュリ像に向かい、そして・・・。
鎖がマシュリ像に到達する直前でリチアが最後の力を振り絞り、マシュリ像の前へと飛び上がり再びバリアを張ったもののマシュリの力も弱まっていたせいか、
簡単に鎖に壊されそのまま鎖はリチアの胸に突き刺さるとその後ろにいたマシュリ像もろとも貫いた。
鎖によって貫かれたマシュリ像は破壊されて地面へと落下した。
マシュリ像が貫かれた瞬間、
リチアは突き刺された胸からストレリチアの花ビラを舞わせた。
ストレリチアの花ビラが舞えばリチアの姿はその花に掻き消えていった...。
その学校にはストレリチアの花ビラが多く降り注ぐ。コチョウは空を見上げて、近くまで降ってきたストレリチアの花を手にとる。
コチョウ「・・・っ」
リチアさん・・・。
そう、か・・・。神に心臓を捧げればこんな風に・・・花となって姿もろとも・・・消えてしまうんですね・・・。
リチアは先に1人マシュリ像の前に立って待っていた。マシュリ像を見上げて瞳を瞑って祈っていればその背後から近づいてくる複数の足音に気がつき、リチアは瞳を開けばその瞳は青く光を放っていた。そしてゆっくりと振り返ればそこにはカトレアと4人の騎士がその背後に立っていた。
リチア「・・・来ましたか」
カトレア「ええ。リチアさん・・・いえ、マシュリ様、かしら。わらわと一騎打ちがしたいということだったわよね?」
リチア「・・・はい。
ですが、今の貴方とではありません。
私は貴方の中にいる神と一騎打ちをしたいのです。その者の中にずっと潜んでいるのでしょう?創造神様?」
カトレア「なにを、言っているのかしら。
わらわこそが神よ」
リチア「・・・いえ、違います。貴方は普通の人の子に過ぎません。自分がただ神などと思い込んでいるに過ぎない。そんな人間とは戦えません」
カトレア「なに・・を・・・馬鹿なことを言うな・・・!」
わらわは人間などではない!!神・・・神だ・・・神に生まれ変わったのよ!あの日から・・・!!
"〈神になりたいか。〉
〈神になると言うことは人間をやめると言うことだが、それでもそれを望むか〉"
カトレア「あ、はは・・・そんなに言うのなら、見せてあげるわ・・・これが、神の力だということをね!!!」
カトレアは手の平をリチアに向けるとその手の平から無数の鎖がリチアに目掛けて放たれた。
リチア「・・・致し方ありませんね」
リチアは手を前に出しバリアを張り、その鎖は一瞬弾かれたが弾かれた鎖は再びリチアに向かいガギギギギギと鎖がバリアに勢いよくぶつかる音がその場に響く。
リチア「それなら、こちらは貴方の中にいる神を・・・創造神様を引き出すまでですよ」
そう言ってリチアの姿だったのがマシュリが表へと出てきた為か姿はマシュリに成り代わる。
そしてマシュリの背中に付いているリボンの紐がカトレアの顔面目掛け向かっていく。
それをカトレアは横へ逸れたことでリボンは空高く舞うもまたも戻ってきてカトレアの背後を襲う。
それを横目に見て、カトレアは笑うともう片方の手の平をリボンに向けて伸ばしていればリボンの紐はカトレアの手の平に突き刺さった。
それは予想してなかったのかマシュリは驚く。
カトレアは突き刺された手で、その紐を掴み自分の方へと引き寄せたことでマシュリの体はカトレアの方へ引っ張られていく。
自分に張っていたバリアも消え、マシュリが近くまで迫ってくればカトレアの反対の手から出ていた鎖は一度手の平に戻してから迫ってきたマシュリ目掛けて鎖を出した。
来ると分かっていたからか、避けたと思ったが右肩を鎖がぶち抜いたのだ。
マシュリ「か・・は・・・っ!」
マシュリはその場に膝を落とし、右肩部分にバリアを張りそこから暖かな光が生成され痛みを和らげる魔法を使う。
カトレアは鎖を地に引き摺りながら、マシュリへと歩み寄る。
カトレア「・・・神が聞いて呆れるわ。この程度なのかしら?
これで認めた?わらわは人間じゃないの。神だって。
普通の人間なら自分が痛いことは絶対しないと思うわ」
カトレアの手の平から血がどくどくと流れ出ていた。
そんな4人の騎士達の手の平からも血が飛び散っていた。
痛みに耐えつつも黙ってその戦いを傍観している4人。
だけどコチョウだけは目を逸らし、痛む手の平を押さえつつも顔を俯かせていた。
マシュリ「・・・いいえ」
コチョウはふいに俯かせていた顔を上げてマシュリを見るとゆっくりと立ちあがろうとしているところだった。そしてどことなく、声もマシュリのではなくリチアの声が聞こえた気がしたからその声にコチョウは反応を見せたのだろう。
マシュリ「貴方は、貴方達は神に縛られているだけ。すべての元凶は創造神様がこの世界を作り出して私達を産み出さなければただの普通の生活でいられたというのに・・・
人間として生きていれば、化け物などと呼ばれなくて済んだ・・・!!」
その声はだんだんマシュリの声だったのがリチアの声へと重なって聞こえてくる。
カトレア「・・・我によって産み出された神であるお前が、それを言うのか。我の存在を否定する神が出てくるとは・・・。
お前こそ人間であったその者と契約を交わし神の力を与えてまでして蘇らせ人間を辞めさせたことは事実であろう」
マシュリ「違う。辞めさせたのではありません。了承を得た上で行った結果です。私は創造神様を止めて欲しかった・・・
だから、リチア=アズマと契約をしたのです」
カトレア「・・・誰も我を止めることなどできはしない。
我が・・・我のためにこの世界を見守ってくれる神を産み出してやったというのに・・・・
愚かな神だったな。
そんなことならそんな神はこの世界にはいらない。
我の存在を否定する神など・・・。必要ない。
今ここで、殺してやる」
カトレアの瞳が赤く光るとマシュリ像本体に向けて鎖を放つ。
それを瞬時にマシュリは自分の像に手を伸ばしてその場から像にバリアを張ってやる。
そしてバリアにぶつかった鎖を、マシュリはリボンの紐を背中から伸ばして鎖を弾きリチアの瞳がさらに眩く光を増すと、その鎖は操られたかのように、カトレアに迫っていく。
それにはカトレアも避けきれず、鎖がカトレアのお腹を貫いた。
カトレア「が・・・っ」
カトレアが攻撃を受けたことでコチョウ達も腹から血を噴き出した。
キキョウ「カト・・・レア、様・・・っ」
カトレアはその場に倒れ伏し、そこへマシュリが歩み寄っていく。
マシュリ「貴方のしていることは全て、間違っています。貴方がこの世界に存在していることから全ておかしくなったのです。
だから、私はこの世界を代わりに正しくするため・・・今、この場で貴方を討たなければなりません。
皆の、幸せの為に・・・」
マシュリの背中から2本のリボンの紐がカトレアに向いていた。
カトレア「・・・・」
マシュリ「平和を願っている、民のためにも」
そう言ったあと、2本のリボンの紐がカトレアに物凄い速さで迫っていく。
それを見てカトレアはお腹に刺さっている鎖を押さえながら、ゆっくり体を起こすとニヤリと笑った。
カトレア「・・・討たれるのは、貴方よ。リチアさん」
その時、リボンの紐の先にボッと火がついた。
チリチリとリボンが焼け焦げる。
マシュリ「・・・!」
カトレア「神の力でリボンの紐を凶器に変えたところで所詮燃えてしまえばただの布の紙切れ。
この世を作った創造神は、そう簡単には死ぬまい」
火はリボンの紐を燃やしていき、マシュリの背中から出ているリボンの根元まで到達するとボンッと勢いよく爆発した。
神の力使うよりも早く火の到達するスピードの方が速くてマシュリは黒焦げとなって地面に倒れる。
マシュリが弱ったことでマシュリ像に張られていたバリアはうっすら消えかけていた。
カトレア「ふふ・・・よくやってくれたわ、キキョウ」
そしてカトレアは自分のお腹に突き刺さっている鎖を構わず無理やりに引きちぎれば腹から大量の血を流す。
カトレアが血を流すことでコチョウ達にもダメージがいくことは知っていたが今のカトレアはそんなことには構っていられなかった。
カトレアはゆっくり、ゆっくりとマシュリ像へと歩いて行く。
カトレア「はぁ・・・はぁ・・・
この我に深手をおわせたこと、よくやったと褒めてやるぞ・・・人間の子よ。
まさか貴様の神が創造神であるこの我の鎖を操れるなどと思ってはいなかった。侮っていた、が・・・
これで・・・しまいだ。小娘」
カトレアは鎖を再び、マシュリ像に向けて放つ。
尚もまだ抵抗するのか、張られているバリアはなかなか破らせてはくれなくてぎぎぎぎという音を立ててバリアと鎖がぶつかりあう。
我の野望は、この世界に神がありふれ・・・神々だけの世界を作り上げることなのだ・・・。誰にも我の邪魔はさせん。
マシュリは地に倒れ、その姿は徐々にリチアの姿へと成り代わって行く。
体が・・・動かない・・・。
あぁ・・・私・・・・ここで死んじゃうんだ・・・
ケイ・・・。
私、ちゃんとケイを守れていたかな・・・。
もっと、たくさんのこと・・・ケイと作っていきたかった・・な・・。
でも・・・もう叶わないかも、しれません・・私は・・・ケイの隣で、
ケイと笑い合うことなんか、できないかもしれない・・・
それでも私・・・この15年間生きてきて、
あ・・・実際は7年間・・・かな。
私の時間はあの時から、進んでいないから・・・。
短いようで、長く感じたけれど・・・それでも、
ケイと少しでも一緒にいることができて、とても楽しかった。もう、悔いなんかありません・・・
ケイは・・・今のケイならきっと、私が居なくても、やっていけます・・・。
1人にしてしまうのは・・・心苦しいけれど・・・・
私は・・ずっとケイの中で、生き続けるから・・・。
ぎぎぎぎぎぎぎぎッ
鎖とバリアが長くぶつかり合っていたせいか、
そのバリアにヒビが入る。
リチア「ケイ・・・好きでしたよ」
この言葉はきっと、もう・・・ケイには届かないけど・・・。
リチアの瞳から涙が流れる。
嫌・・・・・
ケイ・・・・っケイと、もっと・・・一緒に・・・
リチアはなんとか指先だけが動いたのを確認する。
そして、パリイイィィンとバリアが敗れた時鎖は真っ直ぐにマシュリ像に向かい、そして・・・。
鎖がマシュリ像に到達する直前でリチアが最後の力を振り絞り、マシュリ像の前へと飛び上がり再びバリアを張ったもののマシュリの力も弱まっていたせいか、
簡単に鎖に壊されそのまま鎖はリチアの胸に突き刺さるとその後ろにいたマシュリ像もろとも貫いた。
鎖によって貫かれたマシュリ像は破壊されて地面へと落下した。
マシュリ像が貫かれた瞬間、
リチアは突き刺された胸からストレリチアの花ビラを舞わせた。
ストレリチアの花ビラが舞えばリチアの姿はその花に掻き消えていった...。
その学校にはストレリチアの花ビラが多く降り注ぐ。コチョウは空を見上げて、近くまで降ってきたストレリチアの花を手にとる。
コチョウ「・・・っ」
リチアさん・・・。
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