輝冠摂理の神生譚~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指します~

G.なぎさ

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6話ー➁ ホテルというより......エルフの里じゃね?

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僕らは最上階に到着した。


 先ほど使った木の根のエレベーターも、最上階のVIPフロアに行く専用のものだ。
この最上階のVIPフロアは、部屋というよりも一つの大きな宿泊エリアのようになっている。


「おっとここでは靴下も脱ぐんだよ?」

「脱ぐの!?少し違和感あるわね……ぅぅ罪悪感を感じるわ。」


 部屋の中で履物を脱ぐのは一般的なのかもしれないが......
このVIPフロアのように、室内履きも履かず素足で過ごすのは珍しい体験だ。
 
 足の裏に広がる温かな木の感触は、まるで大樹の一部と一体化したかのような気持ちにさせる。

 木の温もりと香りが、心地よい安らぎをもたらし、自然との一体感を感じさせる。
この体験は、他のどこでも味わえない特別なものだった。


「部屋……とは名ばかりで、ほとんど一つの宿泊空間ね……コンセプト通り、まるで大樹の中に秘密基地を作ったみたいだわ。」

「いやぁ、こういうのワクワクするよね!木の根の中を歩いているみたいだ。足ざわりは木の根って感じしないけど……」


 大きな通路を進むと、露天風呂や大浴場、バーやカフェ、レストランなどが次々と現れる。
これらすべてが貸切だ。本当に贅沢な空間だ。

 寝室も、部屋というより自然の一部のような空間で、天井までの高さが視認できないように設計されている。

そのため、開放感が抜群だ。

 木の中にある部屋や、木にぶら下がっている部屋がいくつもあり、独特の雰囲気を醸し出している。
 またその部屋同士を空中に浮かぶツタの橋が繋いでおり、まるで幻想的な空中散歩を楽しんでいるかのようだ。


「綺麗……この草もチクチクしなくてカーペットみたいだわ。でもこんなにたくさんの部屋を使うのかしら……」

「たぶん使わないだろうけど……これは景観作りのための趣向だよ。ちなみに、どの部屋からも首都の巨木が見えるんだ。空間魔法のおかげだね。」

「一番高い部屋がいい!!」


 僕らは一番高い場所にある部屋を寝室に決また。
その後はバーやレストラン、遊戯施設で時間を潰し、他の部屋で寛いだりして過ごした。


「……お金があるってやっぱりいいわね。」

「唐突にすごいこと言うね!?君の生前は確かに酷かったけど......」

「ルークとエリーちゃんにだけは言われたくないわ……私は自由以外、望むものはすべて手に入れたし、実験動物のような生活でも仕方ないと自分でも納得してた。私の世界では、動植物や生き物を含めて魔力を持つ者は一人もいなかったから……」


 話がだんだんと暗くなってきたな。


「はは……君の魔力量は、あの文明基準ではまさに歩く自然災害だったろうね。魔力を制御する術も確立されていなかったし……」

 ルシアは生まれた星ではバクのような存在だった。
本来魔法も魔力も存在しない文明に、神族以上の魔力を持って生まれてしまったのだ。

 制御を誤れば星をも吹き飛ばしかねない、まさに歩く災害だった。

 普通、神界に召し上げられた者たちは神界で魔力量を増やすか、神界に来た際にパワーバランスが調整され魔力が増加する。

 しかしルシアは違った。
魔力のない惑星に突然として、神族の平均水準をはるかに上回る魔力量を持って生まれてきたのだ。

 あの文明の人々はルシアを拘束し、毎日無理やり魔力を抜き取っていた。
抜くための技術もないため、その方法は極めて乱暴だった。

 褒められる行為ではないが、あの惑星の生命体にとってルシアはそれだけ危険な存在だったのは確かだ。


「あなたがこの天界に召し上げてくれなかったら……私は毎日拷問のような苦痛を味わい続けることになっていた……」

「僕が駆けつけた時、君は既に廃人同然だったね……」


 僕がルシアを見つけた時、彼女の心は壊れかけていた。
あと少し遅れていたら、言葉を交わすことも困難だっただろう。


「でもあの施設の人たちも、その方法しかなかったことを悔やんでいたよ。」

「知ってる……他の方法がなかったんだもん。可能な限り労わってくれた人たちだったし、日夜苦痛の少ない方法を探してくれていたのも知ってる。でも痛みは痛みよ。だから迎えに来てくれて本当に良かった。」


 実は全然別のくだらない目的で来ていたのだけど……
それは墓まで持っていこうと思う。


「片割れだから……多分何かのバグで、本来生まれるべき場所ではない場所で生まれてしまったと思う。肉体、身体構造、エネルギー量、すべてあの惑星の生命とは違っていたからね……」

 片割れとは、元来一つの存在として生まれてくるはずの生命が、二つに分かれて誕生することを指す。

 これは、世界の理が、あまりに大きな力や運命を持った生命が自壊しないように、その存在を安定させるためのにしているといわれている。

 要は、持って生まれる力や運命が強すぎて、一人の生命として存在できなかったのだ

 ロマンチックに言えば運命の人、少し皮肉を込めれば運命共同体。
 二人で一つの存在であり、片方が命を落とせば、もう片方も必然的にその命を失う運命にある。


「え?そうなの!?私、そんな存在だったの?もはや別の生き物じゃん。」

「そうだよ。本来、片割れ同士は幼少期に出会うよう運命づけられているんだ。僕も変わった場所に生まれたし、僕たちの出生にはイレギュラーが多いんだよ。」


 僕の親友にも片割れの夫婦がいるが、その二人は幼少期にまるで物語の中のようにロマンチックな出会い方をしている。


「あー……私たちは完全に成長してから出会ったもんね。私は片割れの知識すらなかったけど……」

「僕も文献で片割れの存在を知っていたけど、自分に片割れがいるとは思っていなかったよ。あの星に監査に行くまでは、君との繋がりも全く感じなかったしね。」


 この辺りもよく考えると不可解な点が多い。
片割れの繋がりは本来非常に強力だ。

 ルシアがあれだけの苦痛を受けていたのに、僕が何も感じ取れなかったのは不自然だ。

何かが僕たちの繋がりを阻害していた......そんな存在がいたとしか思えない。


「君は僕の存在を感じたりする場面はなかったかな?漠然と運命の人が~、みたいな感覚でもいいけれど。」

「いつか白馬の王子様が~みたいな乙女心はあったけど……多分これ違うよね?」

「多分それは違うね……そうなると僕たち二人に干渉していた何者かがいたのか……でも何のために?」

「ふーん……」


 この思索は深まるばかりだ。
片割れとしての繋がりを断つほどの力が何故僕たちに向けられたのか、その理由は依然として謎のままだ。

 ルシアの口調が先ほどから崩れている。これは彼女が幼児退行している証拠だ。

 ルシアは夜になると、2人きりの時間に性欲が高まるのだ。
そうなるとこんな風に高確率でデレ始める。

 そろそろ昔話は切り上げないと、彼女が拗ねてしまうかもしれない。
ルシアを拗ねさせると、後々かなり面倒だ。


「ルシア。こっちにおいで。」


 僕はルシアの唇に自分の唇を軽く合わせた。


「んっ」


 ルシアの体は既に火照っており、甘い瞳でこちらを見つめてくる。
そうして僕はルシアを一晩中、愛し続けた。



僕はルシアの唇に自分の唇を軽く合わせた。  





☆☆☆☆★★★☆☆☆☆☆★★★☆☆☆☆

 どうもこんにちわ!G.なぎさです。
第6話を読んでいただきありがとうございます!

 実はルークとルシアの性的描写が元々がっつり描写されていました。
色々まずいかなと思い削除しました。要望があればまた公開するかも?

 それ用のイラストも作ったのですが……
まぁマズイのでちょっと別のプラットフォームでの公開を検討します!

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