輝冠摂理の神生譚~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指します~

G.なぎさ

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9話ー➁ 第17階梯神術......

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「楽しもう。どうせ死ぬんだからね。」

「ふざけるな!!ワシにはまだやりたい事が……」


 万を超える魔法陣から降り注いだのは、ベヒモスとの戦いで使用した流星散弾雨を遥かに凌駕する上位の魔法だ。

 無数の砲撃門が一斉に輝きを放ち、全てが一箇所に集中して襲いかかる。

 その光景は、破壊の美学とでも言うべきか、圧倒的な力が織り成す一瞬の芸術だった。

 魔法の閃光が空を裂き、辺り一面を昼のように照らし出す。
爆発音と共に大地が揺れ、呪術師の周囲には破壊と混沌の嵐が吹き荒れる。

 光と影のコントラストが、まるで戦場に咲いた一輪の花のように、儚くも美しい一瞬を刻んでいた。


「ガハッ。こんな……馬鹿なことが……」


 呪術師は、凄まじい苦痛に喘いでいたが、驚くべきことに大きな傷を負わずに耐え忍んでいた。

 爆発の衝撃波が収まり、煙が晴れると、彼の姿が明らかになる。
防御呪符の力か、奇跡的にその身を守り抜いたのだ。

 血を流し、息も絶え絶えの状態でありながら、その目には未だに戦意が宿っていた。

 魔法の光が消え去った後、呪術師の胸の中で怒りと絶望が交錯しているのが見て取れた。

そして彼はまだ立ち向かおうとしてくる。

「この......ワシが.......」

「順当な実力の通りだろう?君より強い強者なんてこの世には山ほどいるさ。」

 何なのだ、このガキは......最後の最後に見せつけられた圧倒的な力の差。
まさに絶対的な強者。

 いつの間にか、窮地に立たされていたのはワシの方じゃった。
こやつ......わしよりも遥かに冷酷で、残酷な存在ではないか!

 呪術師の心には恐怖と絶望が渦巻き、その一方で無力感が押し寄せる。
 彼は震える手で新たな呪術を繰り出そうとするが、その行動がどれだけ無意味であるか、痛感せずにはいられなかった。


「今のを防ぐなんて頑張ったな。どういう呪術?ちょっと見せてくれない?その呪術はどこの書物に乗ってるんだ?」

「貴様……」


 正直なところ、呪法以外の呪術は興味本位で大方習得している。
今は体内を魔力で満たしているから実際に使うことはできないが......

 それでもあの攻撃に、あれほどの速度で構築し、ほとんど無傷で凌ぎ切る呪術は見たことがない。これはぜひとも知りたい技術だ。


「教えてくれたら見逃すよ。」

「ほ……本当か?天界の……中央首都の大書庫で呪殺陰神の手記2という書物に。」


 それは興味深い。僕もその場所に行ったことはあるが、その本を見つけたことはなかった。

 この書物は、本名を知っている者が特定の方法で検索しなければ見つからない仕組みなのかもしれない。


「立ち話もなんだし。終わらせようか。脳内CPU起動。並列思考開始。予測演算開始。出力制限も少し解除しよう。」


 そう言いながら僕は魔力を解放する。
周囲に鮮やかな深緑の光が広がり、凄まじい輝きと濃密な圧力を持って一帯を覆いつくす。


「なに!?見逃すのではなかったのか!?」

「あれ嘘だよ?」


 まさかこんなに簡単に教えてくれるとは思わなかった。
ダメ元でカマをかけてみたが、思わぬ収穫を得た。今日は凄くハッピーな日だ。


「くそぉ!!もう一度食らうがいい!!染毒燃庭!!」


 呪術師は再び結界を構築し始めた。まるで無力な希望に縋るかのように、呪術師の動きは焦燥感に満ちていた。


「染毒燃庭!」


 再び響くその呪文に、僕は冷ややかに微笑んだ。
再び結界が形成され、周囲に毒が満ちていく。

 しかし、その毒の力は僕には無効だということを忘れたのだろうか?

 呪術師の必死の努力は、ただ虚しく空気を震わせる。
毒の霧が漂い始めても、僕の肉体には何の揺らぎもない。


「忘れたか!例え前回効かなくとも今回は不利な状況という代償に加えて全ての効果がバレているという縛りをかけておる!同じと思うな!」

「その程度の出力変化で、届くと思った君の思考が少し残念だよ。」


 僕は先程から結界の性質や弱点を緻密に解析し、その結果を基に専用の魔法を即興で開発していた。

 たとえこの結界がどれだけ強化されようとも、僕にとってはもはや障害とはならない。

 呪法結界に対する興味を完全に失った僕は、優雅な手の動きで結界そのものに穴を開け、悠然と外に出た。

 結界を抜ける瞬間、外の空気が新たな生命を吹き込むかのように心地よく感じられた。

 その一瞬の開放感は、まるで束縛から解放された鳥のような自由を味わわせてくれる。そして僕は静かに微笑みながら、再び呪術師に向き直った。


「バカ……な。穴......だと?」

「萎えるな......ネタが割れたものを2回もやるなんて。飽きた。」

「飽きる……だと?ワシを物のように!!」

「そもそもこんな即興の魔法で壊れる程度の結界しか展開できないなんて......弱いね。」


 僕はこの相手に対して、物に対する愛着さえ情も感じてはいない。
しかし、まだ彼を使って成し遂げたいことがある。

 せっかくの機会だ、この状況を最大限に有効活用させてもらおう。


「さようなら。初めて使う術の実験台になってくれ。」


 僕は呪術師を軽々と上空に放り投げた。
広範囲の技を使えば目立ってしまうため、今回は貫通力に特化した新技を試すことにする。

 この魔法はとても強力で、何十光年も飛んでいく可能性がある。
もし神術の軌道上に他の文明があれば、滅ぼせてしまうかもしれない。

 そんな事態を防ぐために、脳内CPUを起動して、魔法の軌道を正確に計算した。我ながらバカバカしい理由である。


「ふざけるなぁ!ワシをモルモットのように!」


 ある日、僕は古びた古本屋で一冊の書物を見つけた。
それは幾度も写本された痕跡があり、紙は風化し崩れかけていた。

 いったいどれほど古い書物なのだろうか。
その本には、魔法をも超える神術と神法について記されていた。

 本の約五分の四は破損していたが、長年をかけて僕はその内容を解析し続けた。
この神術はその努力の結晶として解読したものの1つだ。


「第17階梯 神術 原初神の雷槍。」


 空間全てから吸い上げられた赤い光の粒子が......

 全て僕に集まるその光景はもはや......芸術の域に到達していた。





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