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第1章 白醒めた息止まり
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事故の後遺症による下半身不随。落下衝突時における脊髄損傷が原因とされる。「衝突の瞬間、身体を固定されていなかったことが要因の一つかもしれないね」と、中年の医師が端的にやるせない表情で説明してくれた。つまりシートベルト未着用が招いた傷。この後の一生は、そんなつまらない文言で一括りにされるのだろう、と怜耶は漫然と思った。
もう一生、歩く事は叶わない。冷徹に突きつけられた事実ではあったが、昏睡から覚めてよりずっと、怜耶は夢の中にいるような気分が拭えず、どの言葉も口パクのように脳の認識を素通りしていった。飲み込めたわけではない。そもそも、そんな力すら持ち合わせていなかっただけだった。その場に縫い付けられた自分を置いて、カレンダーの数字だけが嵩んでいく日々。車椅子で多少動き回れるようになってきても、空虚さの伴う諦観は心の中心に居座り続けた。
「こんにちは、巌貫怜耶さんですね」
ある時、堅い面持ちをした弁護士の男が怜耶の病室を訪ねてきた。
まず最初に、どこどこ事務所からやってきたものです、と身分を明かされたが、他の現実と同じく頭に入らなかった。名刺も合わせて渡されたものの、いまいちぼやけていた。その後に弁護士は、家庭裁判所など行政側の依頼でやってきたのだと端的に説明した。両親が遺していった莫大な財産。まだ中学二年の怜耶には、荷が勝ちすぎる以前に影も形も感じ取れない質量あるいは実態。その管理を慮り、親戚たちに先んじる形で要請が入ったのだ、と。
「貴女が不利益を被らないために」
弁護士はにこりともせずに謳った。
それから少し遅れる形で、後見人になるという母方の弟夫妻が顔を見せ、何度も見舞いに訪ねてくるようになった。薄ら寒い笑みを張り付けたその親戚の説明では、後見人制度に関するものも遺産管理の手続きと合わせて、弁護士の男が進めてくれるとの話だった。
弁護士との手続きはリハビリの合間に行われ、とんとん拍子で進んでいく。ほんの少し前までの彼女の人生は黒と白の羅列にすっかり飲み込まれ、まるで嘘を正されるように書き換えられてしまう。
当然、現在の住所も変わることになり、転校も免れず、もともと住んでいた屋敷からも離れなければならなくなった。
「祖父のお屋敷も、なくなってしまうのでしょうか?」
「土地も住居も巌貫夫妻のご息女である怜耶さんに相続されます。そこから財産額に対応した相続税の割合も算出され、必要に応じて、例えば怜耶さんの仰るお屋敷などの不動産や有価証券などが売却される流れとなります。つまり、怜耶さんのご意思次第です」
「……あそこは苦い思い出もたくさんあるけれど、私にとって、唯一の居場所だったんです。だから───」
「こちらで取り計らいましょう」
弁護士はあくまで義務的な応対を崩さなかった。
かつての父と母の所有物は、思い入れとは微塵も関係なく抽象的な名詞となって四角い欄に並び、数枚のコピー紙に収まっていた。一部は相続税として国の金庫に回収され、残りもおよそ管理のしやすいよう仮想的な数値に還元される。手元に残った金額は、父が生前に準備していた彼女の預金口座に移され、家庭裁判所による監督のもと、後見人を介し、そうしたいくつかの制約はあるものの、いずれ怜耶の意思で引き出せるようになるという。
何もかもがまどろっこしかった。亡くなった両親への弔慰よりも、その後処理のほうに大人たちは誠心誠意尽くしている。
粛々と進行していった葬式は、とうの彼女を蚊帳の外に追いやった。挨拶と共に涙の跡を拭う親族。陰鬱な雰囲気を話し声に滲ませ合う名前も知らない集団。通過儀礼が形式的な人間性のお見合いに映ったのは、彼女の身も心も石化していたせいなのだろうか。
「不満なんだ」と、義理の姉にあたる大学生の女性が呟いた。怜耶の車椅子を押し、受付の様子を退屈そうに眺めている。
「……あの人たちの目には、私の両親なんて数字にしか見えていないんだわ」
怜耶がそう俯くと、鼻で笑われしまう。
「贅沢な子。そんなものでしょ。本気で悲しめるやつなんて、この中じゃそれこそあんたくらいよ。ま、それだって疑わしいもんだけど」
義理の姉にそう嫌味を言われ、怜耶は本心を見透かされたようで、ずきり、と背中が痛んだ。
葬式の参列に同年代の姿は見当たらなかった。当然だ。便箋の一枚も送らなかったのだから。たった一人の親友にこんな無様な姿は見せられたものではないし、ましてや両親は梓乃のことを疎んでいた。丘の上にある曰くありげな屋敷の住人である事を不気味に思ったのか、あるいは親がいないことだけが問題だったのか。いずれにしても、桒崎梓乃が彼女の両親の死を悼む必要はなかった。
ひたすら退屈で憂鬱だった時間もやり過ごし、それから怜耶が目を通す必要のある諸々の手続きを全て終えると、あとは退院を一週間後に控えるだけとなっていた。大して動けもしないのに忙しなかった入院生活にも、ようやく終わりが見えてきた。
「………」
すると、病室内に一抹の空白が去来した。それは時計の秒針だったり、廊下越しに聴こえる誰かの足音だったり、話し声だったり、あるいは彼女自身のか細い息吹きだった。青白い箱の中は呼吸が浅くなるほどに澄んでいて、ひたすらしんとしていた。
「──────、…ぁ……っっ!」
その晩、怜耶は動くはずのない脚の大きな震えに揺り起こされ、声にもならない叫び声をあげた。掠れた息はガンガンと頭に響き、怜耶の意に反して膨張と収縮を無闇に繰り返す肺は、自らの破裂を強く望んでいるかのようであった。
宙に放り出されたような恐怖感は眠っているときにこそ首をもたげ、今なお鼓動を打ち、何の保護もされていない脊髄を脅かしている。そこだけが空洞になっている。そんな悪寒が手をついたベッドの感触を透かし、ふわりと底なしの孔を穿った。
ナースコールを押そうとする手が寸前で止まる。
白く血色を落とした指先が頼りなげに震えている。
つぅ、と右の頬には涙がつたった。
自覚したら、もう全てが崩落するようにとめどなかった。
「事故による後遺症は体だけではなく、心にも深刻な影響を及ぼすことがあります」と、医師はパソコンに映し出された情報を確認しつつ、穏やかな口調で続ける。
「衝突の瞬間に襲う恐怖や、その後の身動きが取れない状況が、心に大きな爪痕を残すことがあるんですね。特に、急激な身体的変化に直面したとき、心的外傷後ストレス障害が現れることが多いんです」
怜耶はそんな医師による字義上の説明を、機械仕掛けのように頭の中で反響させていた。それは硬い感触を起こした。診察室の無菌めく乏しい色彩が、医師の声を凝り固めているのかもしれない。
「その症状として、過去の出来事を繰り返し想起する『フラッシュバック』や、外的な刺激に過剰に反応する『過覚醒』、そして当人でさえうまく説明できない不安感に悩まされることになります。これらの症状は事故から間もない時期に現れることが一般的ですが、怜耶さんの場合だと、現実への認識が追いついた反動なのかもしれません」
それから退院後の定期的な通院に別途、カウンセリングの案内が行われた。睡眠薬は今後の生活を送る上での必需品となり、出費はさらに嵩んでいく一方だった。話が違うぞ、とでも言いたげな母方の弟夫妻の淡々とした相槌は、ただ怜耶の肩を萎縮させた。
万事、望み通りの快復とはいかなかったが。
退院の日はおおよそ予定通りに訪れた。
それは十月の終わり頃。
異国の収穫祭が全国的に催される前日。
灰白の空が広がる中、怜耶を乗せた介護タクシーが発進する。
臀部に伝わる小刻みな振動のせいか、着々と吐き気が込み上げてくる。怜耶はそっと顔を伏せ、深く深く、誰の耳にも届かないよう、慎重に呼吸を反芻した。視界はいつかのように青白かった。
時間にして三十分にも満たない移動。けれど怜耶にしてみたら、一生続くと錯覚させるほどの悪い夢のような長い道のり。
やっとのことでマンションに到着する。あまり馴染みのない街並みの一角に聳える、重厚感のある建物。外壁は淡いブラウンの窯業調。介護タクシーから丁重に降ろされると、工事中の甲高い反響が耳に障った。カン、カン、カン、と。そこに車の排気や微かな地上線の振動が紛れ込み、今まで彼女の住んでいた場所よりもたくさんの音に溢れながらも、相も変わらず索然とした印象に襲われた。
怜耶を乗せた車椅子が職員から親戚──母方の弟の妻──に受け渡されると、いくつかの挨拶が交わされ、程なく介護タクシーは去っていった。車椅子を押されながら自動ドアを潜り、エレベーターに乗り込み、左側を開け放した共用廊下を渡り、ある号室の前で止まった。ドアの前にはさらに簡易的な柵があり、怜耶はそこで屋敷の門前の景色を想起したが、それも矢庭に屋内の不躾な暗がりに飲み込まれた。化粧の濃い女は手慣れたように玄関ドアを開け、戸惑うように車椅子を招き入れていく。僅かに息を乱した愛想笑いに対し、怜耶は黙々とされるがままだった。
『ここがあなたの部屋』と血の繋がりがないほうの親戚の女は言う。ダンボールとベッド以外にほとんど何もない部屋だったが、急遽掃除した後特有の湿り気が床一面からもやもやと立ち昇っていた。もともと余っていたこの部屋を倉庫代わりに使っていて、彼女のために空間を確保したのだろう。微かに、埃臭さもした。
これから二年にも及ぶ親戚宅での新たな生活は、そうして、ひっそりと幕を切った。
もう一生、歩く事は叶わない。冷徹に突きつけられた事実ではあったが、昏睡から覚めてよりずっと、怜耶は夢の中にいるような気分が拭えず、どの言葉も口パクのように脳の認識を素通りしていった。飲み込めたわけではない。そもそも、そんな力すら持ち合わせていなかっただけだった。その場に縫い付けられた自分を置いて、カレンダーの数字だけが嵩んでいく日々。車椅子で多少動き回れるようになってきても、空虚さの伴う諦観は心の中心に居座り続けた。
「こんにちは、巌貫怜耶さんですね」
ある時、堅い面持ちをした弁護士の男が怜耶の病室を訪ねてきた。
まず最初に、どこどこ事務所からやってきたものです、と身分を明かされたが、他の現実と同じく頭に入らなかった。名刺も合わせて渡されたものの、いまいちぼやけていた。その後に弁護士は、家庭裁判所など行政側の依頼でやってきたのだと端的に説明した。両親が遺していった莫大な財産。まだ中学二年の怜耶には、荷が勝ちすぎる以前に影も形も感じ取れない質量あるいは実態。その管理を慮り、親戚たちに先んじる形で要請が入ったのだ、と。
「貴女が不利益を被らないために」
弁護士はにこりともせずに謳った。
それから少し遅れる形で、後見人になるという母方の弟夫妻が顔を見せ、何度も見舞いに訪ねてくるようになった。薄ら寒い笑みを張り付けたその親戚の説明では、後見人制度に関するものも遺産管理の手続きと合わせて、弁護士の男が進めてくれるとの話だった。
弁護士との手続きはリハビリの合間に行われ、とんとん拍子で進んでいく。ほんの少し前までの彼女の人生は黒と白の羅列にすっかり飲み込まれ、まるで嘘を正されるように書き換えられてしまう。
当然、現在の住所も変わることになり、転校も免れず、もともと住んでいた屋敷からも離れなければならなくなった。
「祖父のお屋敷も、なくなってしまうのでしょうか?」
「土地も住居も巌貫夫妻のご息女である怜耶さんに相続されます。そこから財産額に対応した相続税の割合も算出され、必要に応じて、例えば怜耶さんの仰るお屋敷などの不動産や有価証券などが売却される流れとなります。つまり、怜耶さんのご意思次第です」
「……あそこは苦い思い出もたくさんあるけれど、私にとって、唯一の居場所だったんです。だから───」
「こちらで取り計らいましょう」
弁護士はあくまで義務的な応対を崩さなかった。
かつての父と母の所有物は、思い入れとは微塵も関係なく抽象的な名詞となって四角い欄に並び、数枚のコピー紙に収まっていた。一部は相続税として国の金庫に回収され、残りもおよそ管理のしやすいよう仮想的な数値に還元される。手元に残った金額は、父が生前に準備していた彼女の預金口座に移され、家庭裁判所による監督のもと、後見人を介し、そうしたいくつかの制約はあるものの、いずれ怜耶の意思で引き出せるようになるという。
何もかもがまどろっこしかった。亡くなった両親への弔慰よりも、その後処理のほうに大人たちは誠心誠意尽くしている。
粛々と進行していった葬式は、とうの彼女を蚊帳の外に追いやった。挨拶と共に涙の跡を拭う親族。陰鬱な雰囲気を話し声に滲ませ合う名前も知らない集団。通過儀礼が形式的な人間性のお見合いに映ったのは、彼女の身も心も石化していたせいなのだろうか。
「不満なんだ」と、義理の姉にあたる大学生の女性が呟いた。怜耶の車椅子を押し、受付の様子を退屈そうに眺めている。
「……あの人たちの目には、私の両親なんて数字にしか見えていないんだわ」
怜耶がそう俯くと、鼻で笑われしまう。
「贅沢な子。そんなものでしょ。本気で悲しめるやつなんて、この中じゃそれこそあんたくらいよ。ま、それだって疑わしいもんだけど」
義理の姉にそう嫌味を言われ、怜耶は本心を見透かされたようで、ずきり、と背中が痛んだ。
葬式の参列に同年代の姿は見当たらなかった。当然だ。便箋の一枚も送らなかったのだから。たった一人の親友にこんな無様な姿は見せられたものではないし、ましてや両親は梓乃のことを疎んでいた。丘の上にある曰くありげな屋敷の住人である事を不気味に思ったのか、あるいは親がいないことだけが問題だったのか。いずれにしても、桒崎梓乃が彼女の両親の死を悼む必要はなかった。
ひたすら退屈で憂鬱だった時間もやり過ごし、それから怜耶が目を通す必要のある諸々の手続きを全て終えると、あとは退院を一週間後に控えるだけとなっていた。大して動けもしないのに忙しなかった入院生活にも、ようやく終わりが見えてきた。
「………」
すると、病室内に一抹の空白が去来した。それは時計の秒針だったり、廊下越しに聴こえる誰かの足音だったり、話し声だったり、あるいは彼女自身のか細い息吹きだった。青白い箱の中は呼吸が浅くなるほどに澄んでいて、ひたすらしんとしていた。
「──────、…ぁ……っっ!」
その晩、怜耶は動くはずのない脚の大きな震えに揺り起こされ、声にもならない叫び声をあげた。掠れた息はガンガンと頭に響き、怜耶の意に反して膨張と収縮を無闇に繰り返す肺は、自らの破裂を強く望んでいるかのようであった。
宙に放り出されたような恐怖感は眠っているときにこそ首をもたげ、今なお鼓動を打ち、何の保護もされていない脊髄を脅かしている。そこだけが空洞になっている。そんな悪寒が手をついたベッドの感触を透かし、ふわりと底なしの孔を穿った。
ナースコールを押そうとする手が寸前で止まる。
白く血色を落とした指先が頼りなげに震えている。
つぅ、と右の頬には涙がつたった。
自覚したら、もう全てが崩落するようにとめどなかった。
「事故による後遺症は体だけではなく、心にも深刻な影響を及ぼすことがあります」と、医師はパソコンに映し出された情報を確認しつつ、穏やかな口調で続ける。
「衝突の瞬間に襲う恐怖や、その後の身動きが取れない状況が、心に大きな爪痕を残すことがあるんですね。特に、急激な身体的変化に直面したとき、心的外傷後ストレス障害が現れることが多いんです」
怜耶はそんな医師による字義上の説明を、機械仕掛けのように頭の中で反響させていた。それは硬い感触を起こした。診察室の無菌めく乏しい色彩が、医師の声を凝り固めているのかもしれない。
「その症状として、過去の出来事を繰り返し想起する『フラッシュバック』や、外的な刺激に過剰に反応する『過覚醒』、そして当人でさえうまく説明できない不安感に悩まされることになります。これらの症状は事故から間もない時期に現れることが一般的ですが、怜耶さんの場合だと、現実への認識が追いついた反動なのかもしれません」
それから退院後の定期的な通院に別途、カウンセリングの案内が行われた。睡眠薬は今後の生活を送る上での必需品となり、出費はさらに嵩んでいく一方だった。話が違うぞ、とでも言いたげな母方の弟夫妻の淡々とした相槌は、ただ怜耶の肩を萎縮させた。
万事、望み通りの快復とはいかなかったが。
退院の日はおおよそ予定通りに訪れた。
それは十月の終わり頃。
異国の収穫祭が全国的に催される前日。
灰白の空が広がる中、怜耶を乗せた介護タクシーが発進する。
臀部に伝わる小刻みな振動のせいか、着々と吐き気が込み上げてくる。怜耶はそっと顔を伏せ、深く深く、誰の耳にも届かないよう、慎重に呼吸を反芻した。視界はいつかのように青白かった。
時間にして三十分にも満たない移動。けれど怜耶にしてみたら、一生続くと錯覚させるほどの悪い夢のような長い道のり。
やっとのことでマンションに到着する。あまり馴染みのない街並みの一角に聳える、重厚感のある建物。外壁は淡いブラウンの窯業調。介護タクシーから丁重に降ろされると、工事中の甲高い反響が耳に障った。カン、カン、カン、と。そこに車の排気や微かな地上線の振動が紛れ込み、今まで彼女の住んでいた場所よりもたくさんの音に溢れながらも、相も変わらず索然とした印象に襲われた。
怜耶を乗せた車椅子が職員から親戚──母方の弟の妻──に受け渡されると、いくつかの挨拶が交わされ、程なく介護タクシーは去っていった。車椅子を押されながら自動ドアを潜り、エレベーターに乗り込み、左側を開け放した共用廊下を渡り、ある号室の前で止まった。ドアの前にはさらに簡易的な柵があり、怜耶はそこで屋敷の門前の景色を想起したが、それも矢庭に屋内の不躾な暗がりに飲み込まれた。化粧の濃い女は手慣れたように玄関ドアを開け、戸惑うように車椅子を招き入れていく。僅かに息を乱した愛想笑いに対し、怜耶は黙々とされるがままだった。
『ここがあなたの部屋』と血の繋がりがないほうの親戚の女は言う。ダンボールとベッド以外にほとんど何もない部屋だったが、急遽掃除した後特有の湿り気が床一面からもやもやと立ち昇っていた。もともと余っていたこの部屋を倉庫代わりに使っていて、彼女のために空間を確保したのだろう。微かに、埃臭さもした。
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