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番外編 〜巡る季節〜
巡りゆく季節.1
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――そしてまた、春は巡ってきた。
今日は四月二日。昨日入社式を終えた新人たちが、慣れない様子で社内を歩いている。それを微笑ましく思いながら、社内通訳チームの部屋へ向かった。
以前は秘書課に間借り状態だった私たちは、去年の春独立し専用の部屋をもらうことができた。その後中途採用者と新卒採用者が入り、メンバーも増えていた。
”社内通訳室”と書かれた扉の前で立ち止まると、息を整える。ほんの少しだけ緊張しながら、その扉を開けた。
「おはよう!」
中に入り声を上げると、デスクに向かっていた同僚たちが一斉にこちらを顔を向けた。
「恵舞さん! おはようございます!」
紗里ちゃんが明るく挨拶を返してくれたのを皮切りに、ポツポツと挨拶が返ってくる。
室内に八つ並ぶデスクのうち、席には四人。紗里ちゃんの他には、深瀬君と、去年途中入社した男性で、経験豊富な河原さんと、新卒二年目の女性、岩沢さんがいた。
「おはよう、紗里ちゃん。私の席、ここでいいんだよね」
席替えをしたと聞いていたから、念のため確認する。紗里ちゃんは自席から顔を覗かせて頷いた。
「はい! 左の席が羽瑠さんの席です」
紗里ちゃんの二つ左隣り。右側に岩沢さんが座っていて、左の羽瑠ちゃんの席にはパソコンが置かれている。
荷物を置くと、その場に立ったままで話し出す。
「改めて、今日から復帰します雪代恵舞です。まだまだご迷惑をおかけすることも多いと思いますが、よろしくお願いいたします」
私の挨拶に、紗里ちゃんの向かいの席に座っていた深瀬君が立ち上がる。
「こちらこそ、恵舞さんが復帰してくれて心強いです。サポートはいくらでもするので、遠慮なく言ってください」
式を挙げたあの日からちょうど一年後となる去年十月。私は出産し、育児休業を取っていた。
今日は久しぶりの出勤。逐一情報は貰っていたとはいえ、緊張していた。
「ありがとう、深瀬君」
その会話に、チャチャを入れるように紗里ちゃんが入ってくる。
「さっすがチーフ! 頼りになるぅ!」
「……紗里、本当に黒岩さんに似てきたよね。似なくてもいいんだけど」
「えぇ~。似た者夫婦でいいでしょ? 羨ましいですか?」
「いや、まったく」
呆れたように淡々と吐き出す深瀬君と、無邪気な紗里ちゃんの会話は相変わらず。
変わったことといえば、羽瑠ちゃんに変わり深瀬君がチーフになったことと、紗里ちゃんが黒岩さんと結婚したことだ。そして黒岩さんは、なんと依澄さんのいる、経営戦略部へ異動したのだった。
今日は四月二日。昨日入社式を終えた新人たちが、慣れない様子で社内を歩いている。それを微笑ましく思いながら、社内通訳チームの部屋へ向かった。
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「おはよう!」
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「おはよう、紗里ちゃん。私の席、ここでいいんだよね」
席替えをしたと聞いていたから、念のため確認する。紗里ちゃんは自席から顔を覗かせて頷いた。
「はい! 左の席が羽瑠さんの席です」
紗里ちゃんの二つ左隣り。右側に岩沢さんが座っていて、左の羽瑠ちゃんの席にはパソコンが置かれている。
荷物を置くと、その場に立ったままで話し出す。
「改めて、今日から復帰します雪代恵舞です。まだまだご迷惑をおかけすることも多いと思いますが、よろしくお願いいたします」
私の挨拶に、紗里ちゃんの向かいの席に座っていた深瀬君が立ち上がる。
「こちらこそ、恵舞さんが復帰してくれて心強いです。サポートはいくらでもするので、遠慮なく言ってください」
式を挙げたあの日からちょうど一年後となる去年十月。私は出産し、育児休業を取っていた。
今日は久しぶりの出勤。逐一情報は貰っていたとはいえ、緊張していた。
「ありがとう、深瀬君」
その会話に、チャチャを入れるように紗里ちゃんが入ってくる。
「さっすがチーフ! 頼りになるぅ!」
「……紗里、本当に黒岩さんに似てきたよね。似なくてもいいんだけど」
「えぇ~。似た者夫婦でいいでしょ? 羨ましいですか?」
「いや、まったく」
呆れたように淡々と吐き出す深瀬君と、無邪気な紗里ちゃんの会話は相変わらず。
変わったことといえば、羽瑠ちゃんに変わり深瀬君がチーフになったことと、紗里ちゃんが黒岩さんと結婚したことだ。そして黒岩さんは、なんと依澄さんのいる、経営戦略部へ異動したのだった。
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